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福祉向け衣料を共同開発しました -甚平をお披露目します-

 あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター(以下、尾張繊維技術センター)と公益財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター(以下、FDC)は、愛知県立一宮特別支援学校及び地元繊維製品製造企業と共同で、平成20年度から、福祉向け衣料の開発に取り組んでおり、今年度は甚平(じんべい)を開発しました。
 平成30年2月5日(月曜日)に、県立一宮特別支援学校において、これら開発品を学校関係者に紹介するお披露目式を開催します。

Fig0

     開発した甚平

1 お披露目式の概要

 開発した甚平を開発者から生徒1名に手渡して、お披露目します。

(1)日 時
  平成30年2月5日(月曜日) 午後3時30分から午後4時30分まで
  (各種気象警報等の発表に伴い一宮特別支援学校が休校となることがあります。その場合の対応については、当日お問い合わせください。)

(2)場 所
  愛知県立一宮特別支援学校
  (所在地:一宮市杉山字氏神廻1 電話:0586-51-2221)

(3)次 第
 ア 開会
 イ 校長挨拶(一宮特別支援学校 浅井 亙 (あさい とおる))
 ウ 開発者代表挨拶(開発機関・企業の各代表者)
 エ 開発者から生徒に手渡し
 オ 生徒のことば
 カ 試着・記念撮影

2 開発内容

 軽くて、接触冷感や通気性、透湿性を兼ね備えた夏でも快適な甚平を開発しました。生地は、たて糸にウール、よこ糸に和紙とキュプラ※1を用いた糸使いで、織り方によって、吸放湿性の高いウールを外側に、吸水性の良い和紙とキュプラを肌に触れる内側になるようにしました。
 また、縫製では、上衣の両脇から袖下、およびパンツの両脇部分にテーピースナッパー※2(図1、2)をつけることで着替えやすく、着心地の良い構造にしました。裾(すそ)の縫い代を長くし、上衣の後身頃(うしろみごろ)※3の裾をロールアップできるようにして、成長に合わせて丈も調節できるようにしました。
 さらに、脇のテーピースナッパーを部分的に開けて、車椅子の胸ベルトを通すことでベルトを隠せるようなデザインにしたり、生地に抗菌・防臭性を持たせるなどして、車椅子の子供たちが快適に着用できるように様々な工夫を凝らしました。

Fig1

     図1 上衣 (左:脇および袖下部分のテーピースナッパー 右:展開した状態)

Fig2

      図2 パンツ (左:上部両脇部分のテーピースナッパー 右:拡大写真)

3 開発体制

 今年度は中学部2年生の男子の要望をもとに甚平の開発を以下の体制で行いました。

 
工程担当
企画・生地尾張繊維技術センター
企画・調整 (公財)一宮地場産業ファッションデザインセンター
ニーズ抽出・評価 県立一宮特別支援学校
企画・デザイン ササキセルム(株) (一宮市)
 (株)サカイナゴヤ (稲沢市)
デザイン 服飾デザイナー 小林隆臣(こばやしたかおみ)氏 (岐阜県安八郡安八町)
糸、加工 (有)青山繊維加工 (一宮市)
 尾泉(びせん)染色(株) (一宮市)
生地、加工 津島毛織工業協同組合
パターンメイキング・縫製 (株)ナイガイ (一宮市)
 (株)中日本アパレルシステムサイエンス (岐阜市)
企画・縫製 名古屋学芸大学 (日進市)

4 問合せ先

あいち産業科学技術総合センター 尾張繊維技術センター
素材開発室(担当 村井、田中、藤田)
 所在地  一宮市大和町馬引字宮浦35
 電話  0586-45-7871    FAX  0586-45-0509
 

【用語解説】

※1 キュプラ
 コットンを原料にした再生セルロース繊維の一種。絹のような柔らかい風合いと光沢がある、吸湿性・放湿性が高い、さらっとした肌触りがある、などの特徴があり、スカートやスーツの裏地や肌着、スカーフなどに使われている。最近では、他の繊維と複合して、吸放湿性と接触冷感に優れたアウター素材としても使用されている。

※2 テーピースナッパー
 テープ生地とスナップボタンが一体になった新しいタイプのホック。ミシンで簡単に縫い付けることが可能。

※3 後身頃
 衣服の後部分のパーツ。

【参考】取組の経緯と成果

 尾張繊維技術センターとFDCは、平成20年度から、県立一宮特別支援学校及び地元企業と共同で、車椅子で生活する小学生から高校生までの子供たちの希望を叶えようと福祉向け衣料の開発に取り組んできました。
 車椅子で生活する子供たちは、一般に市販されている衣服では動きづらかったり、着替えるのが難しかったりすることが多く、自分が望む衣服を着ることができず不便な思いをしています。
 そこで、学校の子供たちの希望をもとに、身体の動きに合わせた衣服のデザインや素材の検討を行い、保温性やストレッチ性など機能性に優れた生地を開発するとともに、着やすい・着せやすい工夫や、車椅子に座った状態でもシルエットが美しくなる工夫を重ねた福祉向け衣料の製作を行ってきました。開発した服は児童生徒に試着してもらい、着用感を評価してもらうことで、より着やすい、着心地のよい服づくりにつなげています。

● ブルゾン・デニムパンツ(平成26年度開発品)
 ブルゾンには防縮加工ウール糸と消臭効果を備えた綿糸を組み合わせた伸縮性のある織物を使用しています。またデニムパンツは、車椅子からの移動時に介助者が身体を抱え上げやすいように取手をつけるなど、着替えやすく、着心地のよい構造となっています。

Fig3

       ブルゾン                 デニムパンツ

● レディーススーツ・メンズパンツ(平成27年度開発品)
 レディーススーツは、前身頃に、接触冷感・通気性・透湿性を兼ね備える快適性に優れたウール100%の織物を用いています。また後身頃に伸縮性の高いニット生地を用い、背中部分にファスナーをつけることで、着替えやすく、着心地のよい構造となっています。メンズパンツは、デニムの柄をプリントした伸縮性が高く、裏起毛で保温性の高いニット生地を用いています。またパンツに取手をつけることで、着替えやすい構造となっています。
 

Fig4

       レディーススーツ                  メンズパンツ

● フォーマルスーツ・浴衣(平成28年度開発品)
 フォーマルスーツは、抗菌・防臭加工やナチュラルストレッチを備えたウール100%の織物を使用しています。パンツ後身頃に伸縮性の高いニット生地を用い、脇および背中部分にファスナーをつけたりすることで、着替えやすく、着心地のよい構造となっています。浴衣は、夏でも快適に着用できるよう、たて糸にウール、よこ糸に和紙を用いた、軽くて、接触冷感や通気性、透湿性を兼ね備えたものとしました。また、上下セパレートとすることで、着替えやすい構造となっています。

Fig5

      フォーマルスーツ              浴衣