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岡崎市の地域資源「五万石ふじ」酵母と藤川宿の「むらさき麦」を利用したクラフトビール「むらさき麦酒」が完成しました -あいち産業科学技術総合センターと企業が共同開発-

 あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター (名古屋市西区:以下、「センター」)は、合資会社PROGRESSIVE PARTNERSHIPS (プログレッシブ パートナーシップス)(ブランド名: HYAPPA BREWS (ヒャッパ ブリューズ))(岡崎市:以下、「PROGRESSIVE PARTNERSHIPS」)及び藤川まちづくり協議会※1と共同で、岡崎公園の五万石ふじ※2から分離した酵母と藤川宿(ふじかわしゅく)のむらさき麦※3を利用したクラフトビール※4「むらさき麦酒(ばくしゅ)」を完成させました。
 酵母の分離源となった「五万石ふじ」や原料に使用した「むらさき麦」は岡崎市の地域産業資源に指定されており、麦芽にむらさき麦を100%使用し、花酵母を利用したビール醸造は全国初の試みです。ふじの花の季節にふさわしく、爽やかな香りと、豊かな味わいとコクを特徴とするビールに仕上がりました。
 平成30年5月12日(土曜日)に開催される、「藤川宿第15回むらさき麦まつり」にて初披露し、限定販売します。

藤川宿の「むらさき麦」

     藤川宿の「むらさき麦」

1 開発経緯

 センターでは、地域ブランド製品を開発することを目的として、花酵母の研究に取り組んでおり、平成27年に岡崎公園の五万石ふじの花から、清酒製造が可能な4株の酵母の分離に成功しました。
 一方、藤川まちづくり協議会は、むらさき麦を地域の特産品とした町おこしを推進しており、これまでに「むらさき麦とろごはん」や「むらさき麦きしめん」などを商品化してきました。PROGRESSIVE PARTNERSHIPSはこの取組みに賛同し、平成27年から「麦からつくるクラフトビール」をスローガンとして、一般消費者にむらさき麦の種蒔き、麦踏み、収穫、ビール醸造を体験してもらい、地域に根差したクラフトビールの認知向上・開発に取り組み、平成28年にむらさき麦の麦芽の開発に成功しました。
 そこでPROGRESSIVE PARTNERSHIPSは、センターと藤川まちづくり協議会に相談し、「五万石ふじ酵母」と「むらさき麦」を組み合わせ、岡崎にこだわったクラフトビールの開発に取り組みました。

2 「むらさき麦酒」の開発について

 センターにおいて、性質が異なる4株の五万石ふじ酵母のうち、ビール醸造で最も重要なマルトース(麦芽糖)の資化性※5を有し、アルコール発酵能に優れ、キラー性※6をもたない酵母「GF3」を選抜しました。センターとPROGRESSIVE PARTNERSHIPS両者で官能試験を行った結果、「GF3」は香味に優れており、エール※7タイプのビール醸造に適していることが分かりました。PROGRESSIVE PARTNERSHIPSでは、平成29年3月の試験醸造を経て、平成30年4月に本仕込が行われ、「むらさき麦酒」が完成しました。
 本県では、花酵母を用いた清酒(日本酒)の開発が行われてきましたが、ビール醸造では初の試みです。 

五万石ふじ酵母「GF3」

   五万石ふじ酵母「GF3」

                表 五万石ふじ酵母の醸造特性の比較 

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3  「むらさき麦酒」の特徴

 岡崎公園の「五万石ふじ」から分離した酵母「GF3」を使用し、麦芽に藤川産「むらさき麦」を100%使用したクラフトビールです。酵母「GF3」由来の爽やかな香りや酸味を有し、むらさき麦の麦芽由来の豊かな味わいとコクが調和した新しいタイプのクラフトビールが完成しました。なお、ラベルのデザインは愛知産業大学造形学部デザイン学科の学生によるものです。

「むらさき麦酒」

    「むらさき麦酒」

4  今後の展開

 「むらさき麦酒」は、平成30年5月12日(土曜日)に開催される「藤川宿第15回むらさき麦まつり」会場で限定販売されます。
 ※販売価格 330ml:1,000円(税込) 限定200本
 センターでは、今後もむらさき麦や花酵母を利用した新製品開発に関する技術支援を積極的に行い、地域振興や地域ブランドの創出に協力していきます。

5  「藤川宿第15回むらさき麦まつり」について

 平成13年に東海道五十三次宿駅制定400年を記念してはじまった宿場まつりで、むらさき麦が最も美しく実る5月に開催されます。
開催日時:平成30年5月12日(土曜日) 午前10時から午後3時まで
会  場: 藤川宿本陣跡広場 (岡崎市藤川町字中町北10)
      東部地域交流センター (岡崎市藤川町字田中19)
      道の駅藤川宿 (岡崎市藤川町字東沖田44番地)
主  催:藤川まちづくり協議会、東部地域交流センター

6  問合せ先

〇酵母、ビール醸造に関すること
  あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター
   発酵バイオ技術室 (担当 伊藤、山本)
   〒451-0083 名古屋市西区新福寺町2-1-1
   電話:052-325-8092 (ダイヤルイン) FAX:052-532-5791

〇製品に関すること
  合資会社PROGRESSIVE PARTNERSHIPS (プログレッシブパートナーシップス)
  (HYAPPA BREWS (ヒャッパ ブリューズ))
   代表 Craig E. Morrey (クレッグ E モーリー)
   〒444-0867 岡崎市明大寺町西郷中39-6
   電話:0564-54-7827 (代表)

〇藤川宿第15回むらさき麦まつりに関すること
  藤川まちづくり協議会
   会長 鈴木 忠 (すずき ただし)
   〒444-3521 岡崎市藤川町一里山南14番地
   電話:0564-48-3635
 

【参考1】 ビール醸造について
 ビール醸造では、大麦を発芽させてデンプンを分解する酵素力を高めた「麦芽」を原料に用います。麦芽と水から糖液(麦汁)を調製し、そこにホップを入れて煮沸、冷却した麦汁液に酵母を入れてアルコール発酵を行い、ビールが製造されます。「むらさき麦酒」製造においては、むらさき麦が麦芽として原料に使用され、五万石ふじ酵母「GF3」がアルコール発酵に使用されます。

【参考2】 花酵母について
 
花や果実など植物から分離した酵母を使って、地域色にあふれた新商品を開発しようという取組は全国で行われており、こうした酵母は“花酵母”と呼ばれています。センターでは、これまでに以下の事例について技術サポートを行っています。花酵母で醸造した清酒は、従来の清酒とは異なる酒質を呈することが多く、センターが支援した商品においても、ワインや梅酒に近い風味を持つものがあります。

           センターが支援し商品化された“花酵母”の清酒

tab2

【参考3】 五万石ふじ酵母について
 
「岡崎市政100周年を記念したオール岡崎ブランド純米大吟醸酒が完成しました」
 (平成28年1月22日(金曜日)発表)
 http://www.aichi-inst.jp/newsrelease/up_docs/h280122_okazakisake.pdf

 

【用語解説】
用語説明
※1 藤川まちづくり協議会 藤川宿の歴史的文化遺産を保全活用した「まちづくり」を目的として、平成7年3月に発足した。藤川宿の紹介、むらさき麦の栽培活用及び景観まちづくりを活動内容としている。岡崎市により市民活動団体及び景観まちづくり協議会に認定されている。
※2 五万石ふじ 岡崎公園に植生するふじで、昭和38年に岡崎市の天然記念物に、昭和45年に市花に、平成3年にふるさとの名木に指定されている。推定樹齢120年以上の古株は、幹周り2.4mで、花穂が長く1mに達する。藤棚の広さは約1300平方メートルに及び、花が咲く5月はじめには、大勢の観光客が訪れる。
※3 藤川宿のむらさき麦 藤川宿は東海道の三十七番目の宿場町。むらさき麦は大麦の栽培品種で、茎や穂が紫色になる美しい麦のため、鑑賞・染物として多用されていた。
 また、松尾芭蕉の「ここも三河むらさき麦の かきつばた」の俳句にも登場し、江戸時代には藤川町一帯で栽培されていた。
 戦後、栽培がとだえたが、平成6年より町おこしの一環として再び栽培されるようになった。
※4 クラフトビール 「手作りのビール」を意味する表現で、大手のビール会社が量産するビールと対比して用いられる概念。「地ビール」と呼ばれることもある。
※5 資化性 微生物がある物質を栄養源として利用、消化すること。ビール醸造では、酵母がマルトース(麦芽糖)を資化してアルコールをつくることが重要となる。
※6 キラー性 他の酵母の生育を阻害するキラー因子と呼ばれる物質を出す性質。醸造に使われる酵母の多くはキラー因子に感受性があり、キラー性のある酵母が混入すると醸造に支障をきたすことから、キラー性の無い酵母の使用が望まれる。
※7 エール 上面発酵で醸造される。大麦麦芽を使用し、酵母を常温、短期間で発酵させ、複雑な香りと深いコク、フルーティーな味を生み出すビールのスタイル。低温、下面発酵で醸造されるラガーと比較される。

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