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平成28年度第1回愛知県幼児教育研究協議会の概要

平成28年度第1回愛知県幼児教育研究協議会を開催しました。

 本会は、本県の幼児教育に関する諸問題についての研究協議を行う協議会です。今回の会議で、「生涯にわたる学びを支える幼児教育の在り方―幼児期における『学びに向かう力』の育成を通して―」についての御意見と御助言をいただきました。その内容を報告します。

 

研究協議会の概要

日時:平成28年6月3日(金曜日)午前10時から正午まで

会場:愛知県自治センター602会議室

 

1 開会 

2 愛知県教育委員会挨拶(教育長)

3 委員等紹介

4 会長・副会長選出

5 会長・副会長挨拶

6 議事

【報告事項】

(1)平成28・29年度愛知県幼児教育研究協議会協議題について

  「生涯にわたる学びを支える幼児教育の在り方

  ―幼児期における『学びに向かう力』の育成を通して―」

【協議事項】

(1)協議内容について

  本協議会における検討すべき課題は、次の2点である。

  ○ 「学びに向かう力」とは、どのようなものか。

  ○ 幼児期の「学びに向かう力」が見られる姿や行動等とは、どのようなものか。

  この2点の課題について意見交換した。

○「学びに向かう力」とは、どのようなものか。

・ 認知的能力・非認知的能力という概念は、とても大切である。学びに向かう力と置き換えられてしまうことで、以前の幼児教育に戻ってしまうと誤解されないようにしたい。

・ 「社会情動的スキルの概念と重なりをもつ学びに向かう力を育む保護者の関わりを明らかにする」という研究調査の結果に、「学びに向かう力とは、好奇心・協調性・がんばる力・自己統制・自己主張などに関係する力のことを指す」とあった。非認知的能力と学びに向かう力は同じではないが、重なるものであると納得した。

・ 子供たちは、遊びの中で学んでいることがたくさんある。遊びの中で学んでいくときの一番の原動力は「楽しい」だと思う。楽しいことをしているとき、もっと楽しくしたいとき、困難があってそれを乗り越えようとするときに子供たちは学んでいく。学びに向かう力とは、楽しいことに向かおうとする気持ちや力、よりよくあろうとする気持ちや力である。学びに向かう力とは、「遊びに向かう原動力」である。

・ 義務教育段階では、児童生徒をどういう社会人にしていくのかを考え、「人づくりは心づくり」という心を育てる教育を実践している。心こそが一番育てなければならない根っこの部分である。社会に出たときに、自分の課題として物事に積極的に立ち向かうことができる力強い人間を育てる、そのスタートが幼児教育だと考える。知識を詰め込むことではなく、それぞれの体験の中で楽しさや疑問、もっとやりたい、もっと知りたいという意欲などの土台をつくるのが幼児教育であってほしい。子供たちの意欲をかき立てること、それこそが学びのスタートである。

・ 学びの視点を大切にしたい。幼稚園・保育所では、子供の興味・関心が出発点になっていること、子供が主体となっていること、人やいろいろなものと関わっていく中で獲得していくことを学びの定義として実践している。子供が関心を寄せていることに気付く視点を保育者がもち、応答的に関わることや適した環境の構成をすることで、子供たちの興味・関心が違ってくる。保護者も巻き込み、子供、保育者、保護者が学びを共有していくことで、学びに向かう力をより支えていくことができる。

・ 非認知的能力とは、比較的新しい考え方で、「非認知的能力が育っているとよりよく社会に適応できる子供が育つ」というアメリカなどの追跡調査の論点を取り上げている。目の前のことをどれだけ多く理解し、覚えて分かるか、という今までの学習を大切にする考え方に対して、子供が育ちの中で自己肯定感を高めていくとか、自発性を高めていくとか、自分の情緒をコントロールする力を高めていくとかが子供たちの将来に一番必要とされるのではないか、という観点から出てきた言葉である。幼児期の教育は、自己肯定感を高めて様々なことに自発的に取り組めるようにすることや達成感を味わわせることを、遊びの中で経験させることが大切である。そのための遊びの環境を整えることが学びに向かう力を育てていくと考える。

・ 学びに向かう力というのは、興味・関心・意欲であると思う。探究心・冒険心なども必要である。子供たちの身体バランスの悪さや体の弱さが見られるようになってきていることから、幼児期に思い切り体を動かしたり、冒険心・探究心旺盛に物事に当たったりということは非常に大切である。けがをすることや失敗体験も将来的にはプラスになる。コップで水を飲むことを例にすると、初めはうまく飲めないが、徐々にコップの角度をうまく傾けて飲めるようになっていく。傾けても水がこぼれないコップを与えることがあるが、幼児期に限らず、大人が失敗体験をさせないようにしてきていることは、よいことではないと思う。

・ 大学生の授業の感想に「基礎をしっかりやらなければいけない。その一つが幼児教育である。基礎をきちんとやっておけば、その上にどのようなビルを建てるかは私次第である」というものがあった。学生も打たれ弱くなっている。失敗体験が不足している。大人が先回りして、失敗しないようにしてしまうから育たないのではないかと思う。

・ 子供たちは常に遊びの中にいる。新しいことを体験し、気付き、自分のものとして捉えていくプロセスがとても重要である。園で夢中になって生き生きと熱中して遊ぶ子供は、小学校へ行っても前向きに生活していく。そういう子供たちは、子供同士でも、先生にも、家族にもよく話をし、コミュニケーション力が高い。意欲のある子供はコミュニケーション力が高く、コミュニケーション力が高い子供は学びに向かう力も高いと感じる。

・ 一年生の子供たちは、個ではできていても、集団の中で遊ぶ、学ぶという、集団を意識する力が弱いと思う。喜怒哀楽の表現の乏しさも気になる。そういったことができていると、いろいろなことが楽しくなるのではないかと思う。いろいろなことに気付く力が大切である。

・ 楽しいという気持ちが学びにつながると感じた。園で子供たちの楽しいを増やしてあげてほしい。子供を心配する余り、何かしようとするときに手を差し伸べてしまったり、「駄目だよ」と止めてしまったりすることがよくある。心配だけど見守っていくことが学びにつながり、探究心につながり、やってみたいという好奇心につながっていくと感じている。

・ 「できる、できない」という能力が主であったことから、非認知的能力を育むことが大切であるとすることに賛同する。

・ 自分の子供たちが、早期教育に巻き込まれている姿も見受けられた。やらされている状態では身に付かない。戸外へよく遊びに連れていくが、遊ぶ物を与えないようにしている。何もない所でも、子供は木の枝を拾ってきて遊び出す。学びに向かう力につながっていると感じる。

・ 遊ぶ中でいろいろなことに興味をもって、将来の学びに向かう力につながってほしい。子供の興味・関心は、「時間がないから早くして」「帰るよ」などの大人の一言によって簡単につぶされてしまう。大人が子供の心に響き合って関わっていくこと・子供の世界を一緒に面白がっていくことで、子供の意欲や学びにつながっていくと考えている。

・ 大人から見て何をやっているのだろうと不思議に思うような子供の行動でも、子供にとっては、遊びであり学びである、ということを聞いた。学びに向かう力が小学校以降の学びにつながっていくが、幼小連携が非常に大切である。

○ 幼児期の「学びに向かう力」が見られる姿や行動等とは、どのようなものか。

・ 年長児がクーゲルバーン(ビー玉を転がしたり、坂をつなげたりして遊ぶおもちゃ)で遊んでいた。言葉を交わす中に、坂の角度やつなぎ方について、体験に裏打ちされた数学・理科的な思考と育ちが見られた。また、「壊れたら壊した子が直すんだよ」、「壊しちゃったらごめんなさいって言うんだよ」と言う子がいた。壊すことが悪いという考えでなく、直したらまた遊べるという気持ち、悔しさや悲しさを乗り越える気持ち、友達を非難したくなる気持ちを抑えて遊びを続けようとする態度などが育っている。非認知的能力の育ちである。その育ちがあるのは、その時々に、担任が具体的な言葉や行動等で援助してきたからである。

・ 子供たちがスーパーごっこをして遊んでいる。「おいしいものがたくさんありますよ」、「おかしもありますよ」、「ぜひきてください」と、文字を書き、貼り紙をした。お店屋さんごっこをしたい、この遊びを楽しくしたい、伝えたい、から子どもたちは自ら文字を書く。こうした学びに向かう行動が、園ではあちこちに見られている。

・ 保育者は遊んでいる子に、「何をしているの」「何を作ってるの」などと声を掛けてしまうことがある。子供たちが一生懸命遊んでいるということが重要であって、大人の都合で説明を求められてしまうと、遊びではなくなってしまう。子供が一生懸命遊び込むことが重要であり、大人がそれを解釈しなければならないと思ってしまうことに問題がある。

・ ドッジボールを例にとると、4歳児では、ボールの取り合いが起こると、なかなか折り合いがつかずに遊びが中断してしまう。しかし、5歳児では、みんなで話し合う力が付いたり、遊びが中断してしまうことは自分たちのチームの不利になることが分かったりして、自分たちで解決しようとする。

・ 泥団子を作る遊びを始めたとき、団子はすぐに壊れてしまうが、経験の中から白い砂をかけるとよいとか、壊されないように隠して保管するとか、いろいろ考える力がつく。それらのことが学びにつながっていくと思う。保育者の働き掛け次第で、子供たちの興味の高まりや持続力が違ってくる。発達段階に合わせて働き掛け方も違ってくる。現場では子供たちの成長や学びに向かう姿を感じられる事例がたくさんある。

 ・ 「学びに向かう力」は幼児期から高校に至るまで大事であると言われている。何を知っているかではなく、どのように学んだか、学んだことをどう次に生かすかということが大切であり、それがアクティブ・ラーニングにつながっている。歯科検診がやりたくなくてだだをこねている子供がいて、保育者や保護者に諭されて頑張って口を開けてみる、ちょっと怖いけれど頑張ってみるという非認知的能力である。それは小学校へもつながるもので、その時々の子供の力を最大限に生かすものである。学習も「難しいからやめた」ではなくて、「もう少し頑張ってみよう」という粘り強さが、遊び、学習、社会に出てからの困難に立ち向かうときの力にもなる。

・ 非認知的能力は、幼児の頃に一番育つ力であると思う。幼児の頃に生活や遊びを通して体験してきたものが子供の心の中にずっと刷り込まれていって、大人になったときもその人の行動の基準になってくる。だから、幼児の頃にこそ、その力を身に付けていくこと、子供たちに伝えていくことが大事である。人と関わる力は、幼児の一人遊びや平行遊びの段階から、徐々に仲間関係を広げ、相手の思いに気付いて共有してみんなで遊びをつくっていくようになる。幼児期に経験していなければ思いやる気持ちがなかなか育たないと言われる。認知的なことではなく、非認知的能力をどのように身に付けさせていくかを、今回の協議会で考えていけばよい。

・ 非認知的能力という語句が現場に一般的に浸透していくには時間がかかると考えた。そこで、認知的能力や非認知的能力という難しい言葉は出さずに、具体的に姿などを挙げていった方が分かるように感じる。遊びの中で学びに向かう力を保育者がどれだけ読み取れるかである。保育者がそのような力を身に付けることが必要であるし、遊びの中で楽しいことや知りたいことに向かいながら学んでいく幼児の姿を明らかにしていきたい。

(2)専門部会の設置について

(3)平成28年度愛知県幼児教育研究協議会開催計画について

7 連絡・依頼事項

8 閉会の挨拶(学習教育部長)

9 閉会

 

 

問合せ

愛知県 教育委員会事務局 義務教育課

E-mail: gimukyoiku@pref.aichi.lg.jp