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平成28年度学校保健総合支援事業について
愛知県教育委員会では、平成24年度から文部科学省の委託事業「学校保健課題解決支援事業」を行っています。
平成24年度、重点地域に指定された阿久比町では、睡眠に重点を置いた基本的生活習慣の確立に向けた取組が行われました。
平成25年度、重点地域に指定された西尾市では、子供たちのいのちを守る体制づくりの確立に向けた取組が行われました。
平成26年度、重点地域に指定された小牧市では、自他を大切にする子供の育成に向けた取組が行われました。
平成27年度は、「学校保健総合支援事業」と名称が変更になりました。重点地域に指定された新城市では、生活習慣の実態把握と見直しを学校保健課題に掲げ、眠育に焦点をあてた取組が行われました。
平成28年度、重点地域に指定された愛西市では、生活習慣を確立するとともに命の尊さを考えさせることから自己肯定感を高め、子供の心の健全育成に向けた取組が行われました。
今後もこの事業を継続し、学校と関係機関が連携した学校保健活動の推進に努めていきます。
平成28年度愛知県学校保健課題
感染症・アレルギー疾患
正しい知識の啓発をし、個々の児童生徒への対応が医学的根拠に基づき、安全・確実に実施されるようにします。
正しい知識の普及啓発
- 正しい知識の理解
- 対応に関する研修会
- 適切な医療
- 医療的診断に基づいた対応
メンタルヘルス
健康観察などの充実により、心身の健康課題の早期発見に努めるとともに、関係者の共通理解を図り、支援します。
健康観察の強化
- 健康観察の意義の周知
- 校内での情報の共有
自殺予防啓発
- 関係者の資質向上
- 相談関係機関の周知
- 啓発リーフレットの活用
生活習慣病
子どもの頃からの規則正しい生活習慣の確立によって、将来の生活習慣病を未然に防ぐよう啓発します。
保健指導の充実
- 保護者、地域との連携
- 指導場面の設定
- 指導者の資質向上
- 薬物乱用防止教育
平成28年度の学校保健重点課題
自他を大切にする子供の育成
~子供の心の健康づくり~
連携の充実・強化 連携体制の構築
重点地域 愛西市の取組
愛西市 課題解決の方策
生活習慣を確立するとともに、命の尊さを考えさせることから自己肯定感を高め、子どもの心の健全育成を図りたいと考えました。
そこで、保育園において「睡眠」に焦点を当てた生活時間割づくりを行い、生活習慣の確立をめざしました。また、小学校では、いのちの授業、2分の1成人式等、中学校では、いのちの授業、赤ちゃんとのふれあい等を通して、子どもに命の尊さを認識させ、健全な自尊心の形成をめざしました。
※ 具体的な取組
○ 年長児・保護者を対象にした講演会の実施
「入学前2週間から家庭で始める排便と睡眠を軸にした生活時間割づくり」
○ 小学校における「2分の1成人式」の実施
(含講演「ビューティフルネーム世界で1つだけの贈り物」)
○ 市内6中学校における「いのちの授業」の実施
○ 市内6中学校における「サマーセミナー(赤ちゃんとのふれあい)」の実施
○ 地域講演会「みんなと生きる!ひとりで生きる!思春期の生き方」実施
○ いのちの授業資料集の作成
○ 啓発用クリアファイルの配布
入学前2週間からの家庭で始める排便と睡眠を軸にした生活時間割づくり講演会
小学校入学という節目にあたる年長児を対象に、「排便と睡眠を軸とした生活時間割づくり」に取り組みました。排便と睡眠の科学的メカニズムを踏まえ、入学前にそれぞれの家庭で目標を決めて実践し、子どもたちに生き生きと快適な学校生活を送れるような生活リズムを身につけていくことを目的としました。
年長児:「すっきりウンチ」と「ぐっすり睡眠、すっきり目覚め」と踊り
保護者:「試してなるほど!健やかな子どもを育てるための<排便>と<睡眠>の話」
「胃結腸反射」「メラトニンと光の関係」など、排便と睡眠の科学的メカニズムについての解説
2分の1成人式
市内12の小学校において、「2分の1成人式」を実施しました
- 今までの自分
名前の由来
4年生の成長ムービー
自分史
小さいころのエピソード
10年間での1番の思い出
できるようになったこと
宝物
- 現在から未来へ
今のわたし(わたしの家族)
10歳の宣言(呼びかけ)
将来の夢
タイムカプセル(10年後の自分への手紙)
※ 講演「ビューティフルネーム世界で1つだけの贈り物」
講師:岐阜大学地域科学部教授 近藤 真庸

いのちの授業
市内6中学校で「いのちの授業」を実施しました
※ 中学校1年生では、いのちのはじまりから赤ちゃんが生まれるまでを、地域のお母さんと赤ちゃん、助産師さんと一緒に学びました。
・ 生まれるまでの胎児の様子を知ることや地域の親子の話を聞くことで、自分の成長を想い、周りの人に守られ、今の自分があることを感じとり、生命を大切に思う気持ちを高めることにつながりました。
※ 中学校2年生では、地域のお母さんと赤ちゃん、保健師さんを招いて、「親になるってどんな気持ち?」をテーマに学びました。
・ 「あなたへのメッセージ」やお母さんから子育ての話を聞いて、親に大切に育てられたことや命の大切さについて知りました。
・ 赤ちゃんとのふれあい体験を通して、これまでの成長を知るとともに、生まれてから今まで、多くの愛情を受けてきたことを知り、周りの人への感謝の気持ちを育みました。
※ 中学校3年生では、思春期講座「今を生きるあなたに―これからを生きるために伝えたいこと―」と題して、助産師さんから講演いただきました。卒業講演会では、産婦人科医・セクシャルマイノリティコンサルタントの方から「恋をしていてもしていなくても是非聞いてほしい話」 と題してお話をいただきました。
・ これからの自分の中の生(性)とどう向き合い、どうやってコントロールしながら生きていくかなど、必要となるライフスキルを学びました。
・ 心身の機能の発達に関する理解や性感染症の予防の知識などの科学的知識を理解しました。
・ 理性により行動を制御する力を養い、自分や他者の価値を尊重し、相手を思いやる心をもつことを学びました。

サマーセミナー
※ 地域のお母さんと赤ちゃん、中学生、中学生の保護者が会し、子どもの成長を学び、将来の親としての自分をイメージする機会としました。
※ 1年後に2年生の時の「いのちの授業」でふれあった体験をした同じ赤ちゃんと再開することで、赤ちゃんの成長を実感しました。

地域講演会
演題:「みんなと生きる!ひとりで生きる!-思春期の生き方-」
講師:岐阜大学地域科学部教授 近藤 真庸
日時:平成28年11月28日 愛西市立佐織西中学校
○「みんな」と「ひとり」ということを考える。嫌われないように、友達をいっぱい作っている、合わせていることもある。本当の友だちは、まだ会えていないかも。それは100人ではなく一人かも。人に合わせて自分を失わないで、本当の一人を見つけよう。一人一人が一人で生きられる力をつけること。そうすれば本当の一人も見つかるかもしれない。
地域課題検討委員会の成果物
問合せ
愛知県 教育委員会事務局 保健体育スポーツ課健康学習室
E-mail: kenkogakushu@pref.aichi.lg.jp