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総長ごあいさつ

総長 ごあいさつ

 総長写真 

 愛知県心身障害者コロニー総長の安藤 久實(あんどう ひさみ)でございます。皆様には日頃から愛知県心身障害者コロニーに対して格別のご支援、ご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。

 愛知県心身障害者コロニーは、昭和43年の開設以来48年、障害のある方々の健康や福祉に永年にわたり貢献してまいりました。しかし、“障害者を施設に入れて隔離するのではなく、障害者と健常者とが特別に区別されることなく社会生活を共にするのが本来の望ましい姿である”とする “ノーマライゼーション”というアメリカから渡って来た社会理念の考え方が我が国に広がる中で、コロニーは“隔離収容施設”とか“時代遅れの施設”のように見られがちとなり、障害者は家庭に戻す事こそ重要であると言われるようになってきました。“ノーマライゼーション”ならびに在宅福祉という考えは、「施設型福祉よりも在宅福祉の方が安上がりであるという判断に依拠するものである」との指摘もありますが、そもそもnormalize(ノーマライズ)とは正常化するという意味であり、何を正常化するのかが問題です。

 1953年デンマークのN.E.Bank-Mikkelsen(バンク-ミケルセン)と知的障害者の親の会が共同提出した文書から端を発した“ノーマリゼーション”という考えは、知的障害者が一般市民の受けている権利を同じ様に受ける事が出来、一般市民と同等の生活を送れる様になれる事であって、一般市民と同じ所で生活するという事と同義ではありません。なお、コロニーの理念は、1)人はその存在価値において全く平等であり、いかなる人もその属する社会において、等しくその尊厳が守られなければならない 2)心身に障害を伴う人達だけを尊重し、その福祉を図ろうとするものであってはならず、常に人類全体に適用されるべき人の尊厳を確立し、考え極めなければならない 3)コロニーは「社会が抱えて困っている心身障害者の収容施設」であったり「問題解決の場」であってはならず、障害者問題の出発点であるべきで、障害者問題の解決は、一般地域社会に求められるべきである 4)県下のあらゆる地域と機能的に結ばれ合い、地域社会の人達から温かい理解と協力が得られ、物理的には存在しても機能的には「街の中に消えて行くコロニー」でありたい、というもので、コロニーではこの理念に基づき、入所者の個性を活かしその人間性を伸ばす対応をして来ました。相模原障害者施設大量殺傷事件等にみられる様に、障害者に対する社会の理解がまだ十分でない我が国において、コロニーの理念こそ本来の “ノーマリゼーション”の目指す所では無いでしょうか?

 さて、コロニーは愛知県地域医療再生計画に基づき、「医療療育総合センター(仮称)」として医療支援、地域療育支援、発達障害研究の3部門からなる障害者の拠点センターとして生まれ変わることとなりました。平成28年6月にはその第一陣として新こばと棟とリハビリセンター棟が完成し、30年度には本館棟が完成予定で、名実共に新たな施設として再出発します。私どもは、建物が新しくなろうと名称が変わろうと、コロニーの歴史と先達の果たして来た役割に限りない自信と誇りを持ち、新センターを発展させたいと考えています。

 障害者に憐憫や施しの情で接するのではなく、人格を尊重して正しい理解をする中で、一人の同等の人間として受け入れていく社会へと我が国が育っていくことを願い、新施設を更に一層発展させていく事を皆様にお誓いすると同時に、今後とも皆様方の更なるご理解とご協力をお願いし、私の挨拶とさせて頂きます。