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結核Q&A

結核Q&A

Q1 結核とは?

 結核は、結核菌により引き起こされる感染症です。結核菌が肺などに入り込むと、免疫機能が十分発揮されれば結核菌はそのまま閉じ込められて活動できませんが、なんらかにより結核菌が活動をはじめると、まず炎症を起こします。炎症が進むと、やかて「化膿」に似て組織が死んで腐ったような状態になり、その後死んだ組織がどろどろにとけて、穴の開いた状態になります。ひどいときには組織全体が破壊されて、呼吸困難等の機能不全により生命の危機を招くことになります。

 結核菌自体は1882年にドイツのコッホにより発見されましたが、結核そのものの歴史は古く、エジプトのミイラから結核の痕跡が発見されています。日本では、大正から第二次世界大戦の頃にかけて、たくさんの人が結核を発病し、また死亡しました。そのため結核は国民病と呼ばれ長い間恐れられてきましたが、戦後は生活の向上や医療の進歩、結核対策の徹底等で著しくその数は減少しました。しかし、平成9年の結核の統計において、約40年ぶりに新規の結核患者数が前年を上回り、平成11年には結核非常事態宣言が出されました。平成12年以降は減少に転じましたが、現在でも年間約2万人以上が新たに発病する国内最大の感染症となっています。

結核菌

結核菌

Q2 最近の結核事情は?

○減少の勢いが鈍っています。
 新規発生の患者数は、昭和36年以降順調に減少してきましたが、昭和60年頃から減少率が鈍化し始めました。平成9年には前年数を上回り、平成11年に結核非常事態宣言が出されました。平成12年以降は緩やかに減少していますが、まだまだ油断できません。


○高齢者の結核患者が増えています。
 近年は患者の6割以上が65歳以上の高齢者となっています。これは戦前・戦後の結核がまん延した時代に結核菌を吸い込んでいた方が、年をとるにつれて免疫力が弱くなり発病したことが考えられます。


○集団感染が起こっています。
 戦後の強力な結核対策により結核に感染している人は減少しました。特に若い世代では極めて少なくなっています。しかし、結核に感染していない人(未感染者)は、感染する危険が無いわけではありません。若い世代が比較的多い場所、例えば学校や職場等で結核菌を排菌する患者がでると、一度にたくさんの人が結核に感染する集団感染が発生することがあります。また、既感染のお年寄りが発病して、他のお年寄りや医療スタッフが感染する例もあります。


○重症患者が増えています。
 結核がここ50年で急激に減少したことから、結核に対する油断が生まれています。この油断から、結核を発病していても、本人はもとより医師までが結核と気づかず、病状を重症化してしまうことが少なくありません。発見が遅れると、その分病状も進行し生命の危険が生じます。また重症化した患者は、周囲の人に感染させる可能性も高くなります。

Q3 結核はどのように感染するの?

 結核とは、結核菌という細菌によって主に肺に炎症が起こる病気で、目に見えない結核菌の混ざったしぶきが咳やくしゃみと一緒に空気中に飛び散り、それを近くの人が直接吸い込むことによって感染します。ただし、吸い込まれた結核菌の大部分は、鼻、のど、気管支等の粘膜でひっかかり外へ運び出されますが、肺の奥まで侵入すると感染します。結核菌に感染しても必ず発症するわけではなく、通常は免疫力が結核菌の増殖を抑え込みます。増殖を抑えきれなくなると結核になります。

Q4 結核に感染するとどうなるの?

 結核に感染しても、必ず結核を発病するわけではありません。結核菌に感染しても発病するのは10人に1~2人です。結核菌が体内に入り込み増殖を始めると、体の免疫機能によって結核菌の増殖を抑えます。この場合結核を発病しません。しかし、結核菌は強い菌で、免疫の力だけでは菌を完全に殺すことができません。そのため抑え込まれた結核菌は、休眠状態で体内に生き続け、これを免疫機能が油断なく監視し続けています。外部から新たに結核菌が入ってもこの免疫によりすぐ撃退してくれます。しかし、免疫の力で増殖をとめれなかったり、体の免疫力がおちて菌が再び活動増殖を始めると発病します。最近では、無理なダイエットや不規則な生活、また、高齢や糖尿病などで免疫力が弱まっている人が発病するケースが目立っています。
 では結核を発病するとどうなるのでしょうか。結核の初期症状はかぜとよく似ています。でも結核の場合は、いつまでもせき、たんが止まらず、微熱が続きます。このような症状が2週間以上続くようなら要注意です。そのうち、だるさ、寝汗、胸痛といった症状が出てきて、さらにひどくなると喀血します。その間、肺では結核菌が増殖しており、組織が破壊され肺に穴が開いていきます。それがどんどん大きくなると、最後は呼吸困難で死に至るのです。

Q5 結核は「肺」以外にはおこらないの?

 結核は結核菌の入り口である「肺」におこるのがやはり一番多いですが、それ以外にも体のいろいろなところにおきます。体の免疫が弱いといったん肺に入った結核菌は血液やリンパ液の流れに乗って体の各所に散らばります。全身の臓器に小さな粒のような病巣をつくると「粟粒結核」、脳を包んでいる膜(髄膜)にたどり着き病巣をつくると「結核性髄膜炎」、骨にくっつき、特に背骨にできるのを「脊椎カリエス」、その他には腎臓や喉頭、目、耳、皮膚、生殖器におきることもあります。また、結核菌を含んでいる「たん」を飲み込んでしまうと腸に結核ができることもあります。このように、結核は肺以外でもおこり、結核患者全体の約1割程に見られます。

Q6 結核に感染したかどうかを知る方法は?

 血液検査による結核に感染したかどうかを調べるIGRA検査(QFT検査、T-SPOT検査)を行います。結核菌に感染した人では検査の結果が「陽性」となります。

 また、小児の場合はツベルクリン反応検査という皮内反応検査により判断することもあります。ただし、ツベルクリン反応検査はBCG接種を受けた人でも同じような反応がでるので、結核菌によるものか、BCG接種によるものかの判断が必要となります。

 肺結核の場合、発病すると肺で病巣ができるため、胸のレントゲン写真をとると影のようなものが写ります。しかし、レントゲンに影ができるのは結核だけではないため、たんの中に結核菌がいるかの検査も行います。肺以外の結核の場合は、泌尿器科や整形外科など専門科目の受診をお勧めします。

胸のレントゲン写真

胸のレントゲン写真

Q7 BCGとはなんですか?

 BCGは結核発病や重症化を防ぐためのワクチンです。BCGは毒性を弱くした生きたウシ型の菌で、これを接種すると結核に感染したときのまねごとが体内で起こり、結核菌に反応する免疫ができます。これにより、結核発病の恐れが半分以下になり、特に粟粒結核や髄膜炎といった重症化の防止にとても有効です。また、乳幼児が結核に感染するとこのような重症な結核になることが多いので、生後1年に達する日までにBCG接種をすることになっています。

Q8 結核の治療方法は?

 結核はかつては長い療養生活を必要とする慢性の病気でした。しかし、現在は結核に良く効く薬ができ、標準的に3~4種類の薬で6~9ヶ月間治療することが多くなりました。肺結核で菌を排出している間は結核病床への入院が必要ですが、菌を排出しなくなれば、通院で治療することが可能です。しかし、良い薬があっても確実に服用しなければ効果は期待できません。薬を飲み始めると、目に見えてわかる症状は消えてしまうために、勝手に服用をやめてしまう人がいます。これは大変危険です。患者本人が確実に治らないのはもちろん、薬が効かなくなってしまう耐性菌を発生させてしまいます。このため、最近ではDOTS(Directly Observed Treatment Short Course 直接監視下短期化学療法)という、医師、看護師、保健師、薬剤師などにより患者が確実に薬を飲むことを確認し、完全に治癒するまでの経過を見守る治療方法が注目されており、患者の治癒、耐性菌の防止、新たな感染の防止に効果をあげています。

薬が結核菌を退治

薬が結核菌を退治

Q9 愛知県で結核病床がある病院は?

 結核菌を排出している間は、専門の結核病床で入院治療を受ける必要があります。愛知県内には平成28年9月末日現在、7の結核病床を有する病院があります。

  • 名古屋市内・・・大同病院(南区)、独立行政法人国立病院機構東名古屋病院(名東区)
  • 尾張東部・・・公立陶生病院(瀬戸市)
  • 尾張西部・・・一宮市立市民病院(一宮市)
  • 西三河南部・・・愛知県がんセンター愛知病院(岡崎市)
  • 東三河南部・・・豊橋市民病院(豊橋市)、豊川市民病院(豊川市)

Q10 結核医療費の公費負担って?

 結核の医療には公費負担制度があります。この制度は、結核医療費の一部(あるいは全部)を公費で負担する制度です。医療費の負担を軽くすることで、患者が安心して適正な医療を受け、結核のまん延を防止することを目的としています。また、だれでも公費負担が受けられ、外国人の方や健康保険が無い方でももちろん公費負担を受けることができます。
 医療費公費負担の申請は、患者さんの居住地を管轄する保健所が窓口となっています。詳しくは保健所へ問合せ下さい。

   愛知県の保健所一覧


(根拠法令)
 排菌がある入院患者(入院勧告による入院)の場合
   ・・・感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第37条
 通院患者(一般患者)の場合
   ・・・感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第37条2
 

 ☆ 結核医療費公費負担申請書等はこちらからダウンロードしてください。

   結核各種様式のダウンロード

Q11 結核予防のためには?

 結核の感染を防ぐためには、感染源となる排菌患者を出さない、又は早期に発見して、まわりに感染するのを防ぐことが大切です。そのためには次の点が重要です。
○長引くせきは赤信号。
 結核の初期症状は風邪によく似ていますが、2週間以上もせきやたんが長引くようなら結核かも。医療機関で受診し、医師に相談しましょう。
○進んで受けよう結核健診。
 職場の定期健診や住民健診を進んで受けましょう。
○健康を心がけ、免疫力をつけましょう。
 感染した場合の発病予防につながります。
○BCG接種を受けましょう。
 特に、乳幼児が結核を発病すると重症化することが多いですので、生後1年に達する日までにBCG接種を受けましょう。
○確実な服薬を。
 万一発病した場合には、抗結核薬は医師の処方のもと、継続して治療終了まできちんと飲みましょう。
○接触者健診を受けましょう。
 患者の周囲にいた人は、接触者健診(Q12)を受け、結核に感染していないか、きちんと調べましょう。

Q12 結核と保健所の関係は?

 結核対策を現場の第一線で担っているのが保健所です。結核と診断されると、診断した医師により保健所に届出がなされ、保健所で結核患者として登録されます。登録により、患者は医療機関による治療の他、医療費の公費負担(Q10)や療養の仕方の相談指導等、結核をきちんと治療できるように保健所での支援が受けられます。また、結核は人から人へ感染する病気なので、家族や周りの人に感染していないか等の接触者健診を無料で受けることができ、患者とその周囲の人の健康について確認します。保健所には、結核対策の専門家である医師や保健師、放射線技師がおりますので、結核治療の問題や家族が結核になった場合の相談等、気軽に保健所に相談してみてください。

    愛知県の保健所一覧


☆ 結核医療費公費負担申請書等はこちらからダウンロードしてください。

    結核各種様式のダウンロード

保健所

保健所

Q13 結核とエイズ?

 エイズはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染により、体の免疫力が著しく低下するために様々な感染症にかかってしまう病気です。そのため、HIVに感染した場合、通常よりも結核を発病しやすくなります(欧米等での研究によれば、HIV感染者はHIVに感染していない人より30~50倍も結核を発病しやすいとされています。)。

 全ての感染症にいえることですが、早期発見・早期治療が基本となりますので、結核を疑う場合は、早めに主治医に相談しましょう。

Q14 世界の結核の状況は?

 平成26年においては、約960万人が新たに結核を発病し、150万人が死亡しています。先進国でも結核り患率(人口10万対の結核患者の割合)の減少が鈍化していますが、中でも日本は15.4とアメリカの2.8、カナダの4.4、スウェーデンの6.5、オーストラリアの5.6、と比較しても高く、結核中まん延国といわれています。(数値は平成26年次のものです。「結核の統計」より。)

 
 

問合せ

愛知県 健康福祉部 保健医療局健康対策課

E-mail: kenkotaisaku@pref.aichi.lg.jp