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平成23年度第2回消費者トラブル防止懇談会の結果について

平成23年度第2回消費者トラブル防止懇談会の結果について

 愛知県が県内8か所に設置している県民生活プラザにおいて平成22年度に受け付けた、20歳代以下の消費生活に関する相談件数は3,231件(全体の19.0%)で、年代別に見ると30歳代(19.5%)に次ぐ順位となっています。

 20歳代以下の若者は社会経験・知識が比較的少ないことから、消費者教育を含め、消費者被害を未然に防止する取組を、今後も積極的に推進する必要があります。

 そこで、若者を取り巻く消費者トラブルに焦点を当て、特に「通信販売」「クレジット」「インターネット」に関するトラブルの未然防止を目的に、消費者、事業者団体、行政の三者が、情報・意見交換を行いました。

会議の概要
会議名平成23年度第2回消費者トラブル防止懇談会
日時

平成24年1月19日(木) 午後1時30分から午後3時30分まで

場所 名古屋市中区三の丸3-2-1 愛知県東大手庁舎 403会議室
出席者

◎消費者

  消費者団体代表者(4名)、愛知県消費生活モニター(4名)

◎事業者

  (社)日本通信販売協会、(社)日本クレジット協会、電気通信サービス向上推進協議会

◎学識者

 岐阜大学教育学部 大藪千穂教授

◎行政

 東海総合通信局(情報通信部電気通信事業課)、中部経済産業局(産業部消費経済課)、愛知県(県民生活部)

 内容◎若者に関する消費生活相談の概要について〔愛知県(県民生活部県民生活課)〕

◎若者の消費者問題と消費者教育〔大藪千穂教授(岐阜大学教育学部)〕

◎意見交換

 ・若者の通信販売に関するトラブルについて

 ・若者のインターネットに関するトラブルについて

 ・若者のクレジットに関するトラブルについて

 ・その他の若者に関するトラブルについて

 ・まとめ 

 懇談会では、小椋愛知県県民生活部次長のあいさつのあと、愛知県県民生活部県民生活課から、若者に関する消費生活相談の概要について紹介しました。その後、岐阜大学教育学部の大藪教授による話題提供の後、消費者と事業者、行政との意見交換を行いました。

 意見交換では、消費者から通信販売、インターネットやクレジットに関するトラブルの体験などについて報告があり、その後、事業者や行政からは、被害にあわないための注意点及び被害にあった場合の対応方法などについてアドバイスがありました。

 ここでは、意見交換の内容の一部を紹介します。

懇談会の様子

懇談会の様子

1 若者に関する消費生活相談の概要について

○ 愛知県県民生活部県民生活課

・29歳以下の消費生活相談で圧倒的に多いのは、デジタル・コンテンツ(アダルトサイトや出会い系サイト等、インターネットや携帯電話で利用する情報サービス)関連で、2番目がエステティックサービスである。

・デジタル・コンテンツ関連としては、アダルトサイトのワンクリック請求(「あなたは、18歳未満ですか? YES/NO」の答えをクリックすると、いきなり請求画面になるもの)や、出会い系サイトの被害が大半である。

・アダルトサイトのワンクリック請求の手口は、年齢確認の後、いきなり料金を請求するものである。利用者から連絡があれば高圧的な態度で応じて個人情報を聞き出し、払わなければ家や職場に電話する、押しかけるなどと脅す。お金を払うと様々な名目で次々に請求を受け、さらに別のサイトから請求が来る場合もある。

・悪質な出会い系サイトの手口は、大金をあげるとか、有名タレントの話相手になってほしいなどの話を持ちかけて、誠実を装った応対をして連絡してきた者をまず信頼させる。架空の話を巧みに展開してやり取りを引き伸ばし、ポイント代を使い続けさせるとともに、もっともらしい名目を付けて架空の費用を払わせようとする。利用者が払えないと言うと、サイト業者と相手が口裏を合わせて、「相手に迷惑がかかる」「ここで止めたらこれまでの努力(お金)がムダになる」「お礼が受け取れない」などと利用者の心理的な弱みにつけ込んで続けさせようとする。

悪質商法の被害に遭わないためには、(1)悪質商法の手口や被害に関する知識を身に付け、誘いにのらない、(2)勧誘方法や内容に不審な点があったり困惑したときは、早い段階できっぱりと断る、(3)支払いや契約の際には一人で思い込まず、周りの人に相談する、(4)個人情報を知られないように注意する、ことが肝要である。

2 若者の消費者問題と消費者教育

○ 大藪教授

・人間の発達を促すのが教育である。発達とは、自分を取り巻く環境から様々な作用を受けて自己形成をしていく過程である。発達を基盤にすえた教育とは、主体的な心を持って活動している人間に、価値の受容能力を付けることで、環境からの情報を内的世界に適切な形で位置付け、新たに自己形成・自己創造の価値基盤を作ることである。

・人間の発達には3つのプロセスがあると考えている。(1)心・活動の状態が理解できること、(2)吟味・検討・捉え直しができること(価値の内面化)、(3)新たな実践に移ること。これらを後押しするような教育を「消費者教育」として提供していくことが重要だと思う。

・消費者教育は何のために行うかを考えたとき、(1)○○の解決のための教育(消費者被害防止が目的で、教育は手段)と、(2)教育のための消費者問題(教育は人間発達を促すことであるが、そのために題材として消費者問題を取り上げる)の2つの考え方がある。

消費者教育は、消費者問題を題材として、人間の発達段階に則し、主体性を生み出す内的世界に変化を及ぼす教育であるべきだと思う。

・消費者教育にとって必要なものの1つは、情報システムの構築である。携帯電話やスマートフォンは、システムが安定していないのに普及してしまった。安定した情報システムを構築していかなくてはならない。2つ目は、十分で確かな情報をキャッチできる能力、情報を読み解く力(情報リテラシー)を付けることである。

・小学生を対象とした調査で、情報処理能力の高い児童(情報収集、蓄積、活用、発信ができる児童)は、学習が継続する傾向があった。情報処理能力が高い児童に消費者問題を教えると、自分で活用して発信していく力が出てくる。そのため情報処理能力をつけることが一番重要であり、今後、そのような消費者教育が必要である。

3 意見交換

(1) 若者の通信販売に関するトラブルについて

○ 消費者

・通信販売に関するトラブルを未然に防止するには、被害に遭う機会を少なくすることが大切である。そのためには、被害の実態や対処方法等を知らなくてはいけないと思う。

 

○ 消費者

・インターネットショッピング等の通信販売において、トラブルの大きな原因の一つは、商品が届かなかったり、商品に不具合があった場合、どこに連絡すればいいのかがはっきりしないことだと思う。例えば、インターネット上のショッピングモールの場合、ショッピングモールのテナントで商品を購入したことになるので、各テナントに連絡をすることになる。しかし、テナントの連絡先が記載されていないことがある。

 

○ 日本通信販売協会

・当協会では、通信販売に関する相談を毎年4,800~5000件くらい受けているが、その7割近くが、当協会の会員以外に関する相談である。相談の中で最も多いのは、返品・交換に関する相談で、毎年20%くらいある。その中には、事業者が返品特約などの条件を書いているが、消費者があまり見ていない事例もある。

・消費者は、事業者の信頼性よりも、商品に目がいってしまうようだが、その事業者の信頼性や取引条件にも注意を払っていただきたい。

特定商取引法では、「義務表示」があり、会社名、住所、電話番号、インターネットであれば責任者の名前や電話番号等を明記しなくてはならない。これらが明記されていない場合には、購入に慎重になっていただきたい。

・取引条件のうち一番大切なのが返品条件であるので、納得してから注文していただきたい。

ホームページがしっかりしていても、事業者が実在しない場合がある。そのため、不審に思った場合は事業者に電話し、その対応状況で判断していただきたい。

通信販売によるブランド品の購入で注意していただきたいのは、本来の値段よりかなり安い場合である。日本以外の国で、日本人向けにホームページを作り、日本人客に購入させ、ボロボロな商品や偽物を送るケースがある。これは海外の事業者の話になるので、解決が難しい。

・最近、消費者庁が越境取引(海外の事業者との取引)に関する相談窓口を作ったが、現在、それほど大変な状況となっている。当協会への相談でも、越境取引に関する相談が、平成22年度には分かっただけで130件以上あった。平成23年度についても、12月までに150件あり、これからどんどん増えていくと思われる。

(2) 若者のインターネットに関するトラブルについて

○ 消費者

・   最近、変なメールがどんどん届くようになった。何らかの方法でメールアドレスがもれてしまったと思う。

・携帯電話をスマートフォンに替えた場合、どれくらい料金が変わるのか分からない。携帯電話ショップで聞いてみたが、今使っている携帯電話の使用料とあまり変わらないと説明された。

・スマートフォンのゲームでは、子供だけで有料のアイテム等を購入できないようにするなど、規制が必要だと思う。

 

○ 消費者

・学校における情報の授業でインターネットに関するトラブルの対処方法を教えることは、トラブルの内容がすぐ変わるので難しいと思う。そのような中、県や学校はどのような対策を取っているのか?

 

○ 電気通信サービス向上推進協議会

・スマートフォンに関する相談では、コンテンツに関するものが多いが、当協会にはコンテンツ関係の事業者は所属していない。

・まず、スマートフォンの本体価格であるが、携帯電話ショップは各携帯電話事業者の直営店ではないので、ショップによって違うことがある。また、スマートフォンの料金は、従来の携帯電話とあまり変わらないとの説明をショップで受けるが、実際にはコンテンツ料金が上乗せされるため、高額になる場合がある。

コンテンツ料金の高額化について、スマートフォン等のゲーム事業者もいろいろな対策を取っており、未成年に対しては上限値を設けるなどしている。

・メールアドレスの流出問題はかなり複雑である。どこかのサイトにつながるとメールアドレスを抜き取られ、転売されることがある。ランダムにメールを送り、届いたアドレスを集めて売る事業者もあり、販売されたアドレスはどんどん広がってしまう。なるべく変なサイトは見たり登録したりせず、ウイルスチェックをするなど、注意していただきたい。

 

○ 東海総合通信局

・当局への相談では、「インターネットでゲームをして高額請求があった」「スマートフォンの請求が高額だった」などがある。

・スマートフォンの無料アプリをダウンロードすると、そこにウイルスが仕込まれており、感染して、スマートフォンが使えなくなることもある。

・インターネットのトラブルに関する相談としては、ワンクリック請求がある。多くの人は、パソコンに請求画面が張り付いてしまうとびっくりしてしまう。特にアダルトサイトだと、家族に知られないよう、自分一人で何とかしようとしてしまう。そして請求画面にある連絡先に連絡すると、個人情報がもれて、次々に請求が来るようになる。このような相談があった場合、相手にこちらの個人情報を教えていなければ、無視するよう説明している。

請求画面に携帯電話の固有番号が表示されることがあるが、それだけでは個人情報は特定できない。こちらから連絡することによって個人情報がもれてしまう。

 

○ 愛知県県民生活部県民生活課

・学習指導要領が改正され、学校教育における消費者教育の重要性が位置づけされた。県としても、県立高校の中から消費者教育モデル校を指定するなどの取組を行っているほか、「あいち消費者教育リポート」を作成し、教員向けの情報を提供している。平成23年度はインターネット通販やインターネットオークションをテーマとし、注意事項等をまとめている。

・平成24年2月には、教育委員会がすべての県立高校から教員を一人ずつ集め、「消費者教育フォーラム」を関係する予定であり、教育委員会においても消費者教育への取組が進展しつつある。

(3) 若者のクレジットに関するトラブルについて

○ 消費者

・クレジットカードの利用について、安易に考えている人がおり、クレジットカードの利用の難しさが周知されていないと感じている。

 

○ 消費者

・以前、通信販売で商品を注文する際、はがきに書いたクレジットカード番号と有効期限が見えてしまうものがあり、その事業者は、以後、利用しないようにした。

・インターネットショッピングでは、支払のためにクレジットカードの有効期限と番号を入力する。便利だが、情報が流出しないか心配である。

 

○ 日本クレジット協会

・学習指導要領では、クレジットに関する教育は「必ず実施すること」にはなっていないのが現状である。

・高校生はクレジットカードを持てないので、分からないことが多い。そこで当協会では、実際に店舗にあるカード決済用の端末機器を貸し出し、高校生に加盟店やカード会社になってもらい、一種の寸劇をするような授業の実施を提案している。

・毎年実施している消費者向け実態調査の結果、契約に対する慎重度合が低いのは、大学生と若い専業主婦(夫)であった。「概ね大丈夫だろう」とか、「かっこいい」、「きれい」ということでクレジットカードを持ってしまうほか、一回くらい支払が遅れても何とかなるだろうと思っているようである。

・大学3、4年生でクレジットカードを申し込んで、断られるケースが増えている。その原因の一つが、携帯電話料金の支払いの遅れである。携帯電話器の代金も月々の電話料金と一緒に払うことになっているが、それがクレジットであると理解している人は少ない。クレジットでは、支払が約定日(毎月の引落日)に1日でも遅れると、指定信用情報機関にその事実が信用情報として蓄積される。それは2年分残るので、大学1、2年生のときに支払が遅れたことが、3、4年生でカードを持とうとしたときに、断られる原因になっている。

クレジットカード番号だけでは、個人情報保護法の対象になっていないが、大きな事件があり、現在では、カード番号は割賦販売法の中で保護されている。通信販売会社も加盟店という立場で、クレジット会社と同等に保護することになっている。そのため、はがきにクレジットカード番号等を記入させる場合、今ではシールを貼るなどして、クレジットカード番号が隠れるように努めている。

・インターネット上では、クレジットカード番号と有効期限だけでカード決済ができてしまうが、それだけでは本人認証が弱く、危ないということで、クレジットカードの裏面に新しいセキュリティコードを付けて、クレジットカード番号と有効期限だけで決済できないようにしたり、3Dセキュアと呼ぶ、本人が暗証番号を設定する仕組みなどを導入し、本人に成りすました契約ができないように、また、クレジットカード番号等の保護を強化するなどの対策に取り組んでいる。

・クレジットカード番号が流出すると恐いから、クレジットカードで買物をしたくないという人も多いが、日本のクレジットカード会社に申し込んだカードであれば、事件が起きた場合、支払の請求を止めることになる。実際に被害がなくても、クレジットカード番号が流出したという大きな事件があれば、無料で新しいカード番号に変えることができる。

・日本では、カード情報が流出した場合、支払を止めてしまうので、実際にカード番号が流出したことによる消費者への直接的な被害はない。

(4) その他の若者に関するトラブルについて

○ 消費者

・学校で消費者教育を行っているというが、実際には教育不足・知識不足だと思う。

・本日配布された「かし子さんの消費者トラブル手帳」を見たら、トラブルに対する対処法も書いてあったので参考になる。

 

○ 消費者

・買物するとき、自分は実際に商品を見て、さわってから購入したいと思っている。一方、自分の子供の場合、インターネットで購入するのが当たり前になっている。魅力は価格の安さのようである。

・インターネットで購入して、自分の思っていたものと異なるものが送られてきたことがあるかと聞いたら、「ある」と言っていた。価格の安さにつられて買っているので、リスクは当たり前と思っているようであった。

 

○ 中部経済産業局

・当局への相談において、20歳代の方からの相談内容は、情報機器の利用者が多いということで、通信販売やワンクリック請求に関するものが多い。

・インターネットオークションやインターネット販売では、実物を見ることができないので、実際に商品を手にすると、自分が思っていたものと違うことがある。そこで返品しようとしても、返品特約と異なるので返品できないと言われ、トラブルになる。

・若者のトラブルには、そのほかに連鎖販売、マルチ商法(ネットワークビジネス)に関するものがある。高校や大学時代の友人に誘われて会員になったが、思うように儲からないというものである。

トラブルの未然防止の面からすると、契約は口頭でも成立する、あいまいな返事をしない、「無料」という説明等を鵜呑みにしない、など社会生活におけるちょっとしたアドバイスを周囲の方々が若者にしていただくことが大切だと思う。

・若者は社会的経験が少ないので、悪質商法のワナに引っかかりやすい。そのため、クーリングオフなど消費者契約についての知識を身につけ悪質商法に対処する必要がある。

・社会としては、企業の新人研修などで悪質商法に対する研修等を行っていただくとありがたい。

(5) まとめ

○ 大藪教授

・本日の話を聞いて、若者の消費者トラブルに関する大きな問題は、情報システムの作り方が未成熟なことであると思った。これは大きく2つに分かれ、1つは、情報をどこに提供したらいいかということがよく分かっていないこと、もう1つは新しい機械のシステムが未成熟なことである。

・インターネットが普及し、海外との取引もこれだけ広がってしまうと、収拾がつかなくなってくるのも事実である。そのため日本のインターネットのシステム作りを考え直さないといけないと感じた。

・消費者トラブルに関する情報の提供先は、「学校教育を受けている人」「学校を卒業した人」「地域の人」「社会で働いている人」に分けられる。その中で、「学校教育を受けている人」に対する消費者教育は、はっきり言って進んでいない。いろいろな団体がいろいろな出前講義等を行っているが、そのことを学校の先生が把握できていない。どのような団体があるかも分かっていないし、どこに何を聞けばいいのかも分からない。

・県は、教育委員会と連携して、学校で消費者問題に関する授業をしていただきたい。

・今、携帯電話の問題で深刻なのは小学校である。小学校の先生は携帯電話について、どのように授業をしたらいいか分からない。学校の先生に対し、県や事業者団体等がそれぞれの取組や支援策について情報提供してほしい。

「地域の人」に対する消費者教育には、2通りの方法があると思う。1つはトップを育てること、もう1つは草の根的なものである。トップは行政や事業者団体が育て、草の根的なものは消費者団体の方に取り組んでいただくといいと思う。

・今後は、各地域で若者を守っていくことが重要であるが、その際の問題点は、それぞれの団体で消費者教育を行っているが、それらが連携できていないことである。本日のような懇談会を通して情報を共有し、それを発信していくシステム作りが必要だと思う。

4 閉会

問合せ

愛知県 県民生活部 県民生活課
E-mail: kenminseikatsu@pref.aichi.lg.jp