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福祉局高齢福祉課の事業内容
1 高齢福祉課の施策の概要
高齢福祉課においては、高齢者福祉及び介護保険に関する施策を所管しています。
我が国では、諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進行しており、団塊の世代の方々が75歳以上となる令和7年以降は、国民の医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれています。
このため、高齢者の方が、できる限り要介護状態とならないよう、介護予防の効果的な実施体制を構築することや、また、介護や医療などが必要な状態となっても、人としての尊厳をもって、住み慣れた家庭や地域で安心して暮らし続けることのできる地域におけるケア体制の確立が喫緊の課題となっています。
こうした状況の中、本県においては、平成12年3月に老人福祉及び介護保険事業支援を内容とする計画を策定し、3年ごとに見直しを行っており、令和3年3月には、令和3年度から令和5年度を計画期間とする「第8期愛知県高齢者福祉保健医療計画」を策定しました。
この計画では、「高齢者の自立と自己実現を地域で支える健康福祉」を基本理念として掲げ、高齢化の動向やこれまでの高齢者健康福祉施策の実施状況などについて分析を行い、愛知の望ましい高齢社会像を念頭に、地域包括ケアシステムの構築に向けて取り組む施策を明らかにしました。
本県では、この計画に基づき、「高齢者の方が健康で生きがいを持ち、安心して暮らせる社会の実現」を目指して、高齢者健康福祉施策を着実に推進していくこととしています。
大区分 | 中区分 | 小区分 |
---|---|---|
介護保険サービスの充実 | 介護給付費負担 | |
財政安定化基金事業 | ||
介護保険事業推進基金事業 | ||
低所得者保険料軽減負担 | ||
低所得者利用者負担軽減助成 | ||
介護保険事業指導 | ||
特別養護老人ホーム設置助成 | ||
介護サービス第三者評価推進事業 | ||
認知症高齢者支援対策の推進 | 認知症対策等総合支援事業 | |
認知症介護研究・研修センター運営助成 | ||
認知症対策研究・支援事業 | ||
介護予防と生きがい対策の推進 | 介護予防の取組への支援 | あいち介護予防支援センター |
地域支援事業助成 | ||
介護予防サービス実施支援事業 | ||
社会参加の促進 | 福祉生きがいセンター運営助成等 | |
高齢者地域福祉推進事業助成 | ||
高齢者の生活環境の整備 | 軽費老人ホーム利用料助成 | |
その他の高齢者福祉施策 | 老人週間行事 | |
(公財)愛知県シルバーサービス振興会助成 |
2 介護保険サービスの充実
(1) 介護給付費負担
目的
介護保険法に基づき、介護給付及び予防給付に要する費用の一部を負担します。(事業開始 平成12年度)
事業内容
・在宅サービス
訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、居宅介護住宅改修費、居宅介護支援
・地域密着型サービス
定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護、看護小規模多機能型居宅介護
・施設サービス
介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院
・負担率 国25%、県12.5%、市町村12.5% (保険料50%)
※施設サービスの場合 国20%、県17.5%、市町村12.5% (保険料50%)
予算額 73,580,187千円
(2) 財政安定化基金事業 基金利子収益積立
保険料の収納率の低下や予想を上回る介護給付費の伸びにより保険財政の不足が見込まれる場合に健全な介護保険制度の運営を図るため、必要な資金の貸付・交付を行う財政安定化基金に、平成12年度から平成20年度までに積み立てた積立金から生じる利子収益を基金に繰り入れて積み立てます。(事業開始 平成12年度)
予算額 2,739千円
(3) 低所得者保険料軽減負担
目的
介護保険法に基づき、介護保険の第1号保険料について、給付費の5割の公費とは別枠で公費を投入し、低所得の高齢者の保険料の軽減を強化します。(事業開始 平成27年度)
事業内容
・対象者 保険料段階が新第1~3段階の者
・負担率 国1/2、県1/4、市町村1/4
予算額 1,636,227千円
(4) 低所得者利用者負担軽減助成
目的
介護保険によるサービスの1割の利用者負担分、食費、居住費等について、市町村が低所得者の負担の軽減を図るために必要な経費を助成します。(事業開始 平成12年度)
事業内容
・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律によるホームヘルプサービスの利用において定率負担額が0円であった者で、65歳に達した者等に対する利用者負担額の軽減
・社会福祉法人等が行う低所得者に対する利用者負担額の軽減等
補助率 国1/2、県1/4、市町村1/4
予算額 20,853千円
(5) 介護保険事業指導
保険者(市町村等)に対する指導、保険者の行った要介護認定等に対する不服申立の審査・裁決を行う審査会の運営や各種研修等を行い、介護保険制度の円滑な運営を図ります。(事業開始 平成12年度)
事業内容
- 保険者の指導
- 第8期愛知県高齢者健康福祉計画の推進
- 愛知県介護保険審査会の運営
- 認定調査員・認定審査会委員研修の実施
- 介護支援専門員研修事業の実施
- 介護給付適正化の推進
- 事業者の指定、指導
- 介護サービス事業所職員の各種研修の実施
- 介護支援専門員等資質向上の推進
- あいち介護サービス大賞の開催
- 介護技術コンテストの開催
予算額 54,273千円
(6) 特別養護老人ホーム設置助成
目的
身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ居宅においてこれを受けることが困難な者を入所させる特別養護老人ホームの整備を推進します。 (事業開始 昭和38年度)
事業内容
・施設整備費の一部を助成します。
設置数 4か所 定員380人
予算額 677,250千円
区分 | 施設数 | 定員 |
---|---|---|
愛知県 | 172か所 |
12,613人 |
名古屋市・中核市・東三河広域連合 | 246か所 | 16,206人 |
計 | 418か所 | 28,819人 |
(7) 介護サービス第三者評価推進事業
目的
利用者が良質なサービスを選択するために必要な情報を広く提供し、事業者による介護サービスの質の向上を促す「介護サービスの第三者評価」(介護サービス情報の公表、地域密着型サービスの外部評価)事業を推進します。 (事業開始 平成17年度)
事業内容
・普及啓発事業の実施
・情報公表システムの運用管理
・情報公表調査事業の実施
予算額 19,286千円
3 認知症高齢者支援対策の推進
(1) 認知症対策等総合支援事業
ア 認知症介護者等養成研修事業
目的
認知症高齢者に対する介護サービスの充実を図るため、介護従事者に対する研修を実施します。また、認知症初期集中支援チーム員及び認知症地域支援推進員に対する研修を実施する。(事業開始 平成13年度)
事業内容
・認知症介護研修
・高齢者虐待防止対応人材養成研修
・高齢者権利擁護推進員養成研修
・高齢者権利擁護推進看護職員研修
・認知症介護基礎研修
・認知症初期集中支援チーム員研修
・認知症地域支援推進員養成研修
・介護家族理解促進事業
・認知症介護者等養成研修事業費助成
予算額 17,476千円
イ 地域医療支援事業
目的
認知症高齢者とその家族を支える地域づくりを進めるために、歯科医師等の認知症対応力向上研修や、関係機関の連携を推進する認知症サポート医の養成研修を実施します。また、認知症に関する相談が気軽にできるよう電話相談事業を実施するとともに、認知症についての正しい理解等を普及啓発します。 (事業開始 平成18年度)
事業内容
・認知症サポート医養成研修事業
・歯科医師の認知症対応力向上研修事業
・薬剤師の認知症対応力向上研修事業
・看護職員の認知症対応力向上研修
・電話相談事業
・認知症理解普及啓発事業
・認知症地域医療支援事業費助成
予算額 9,947千円
ウ 認知症地域支援施策推進事業
目的
市町村における認知症施策の円滑な実施を促進するとともに、地域支援体制の構築を支援します。(事業開始 平成23年度)
事業内容
・認知症施策推進会議の開催
予算額 458千円
(2) 認知症介護研究・研修センター運営助成
認知症介護技術に関する研究や認知症介護指導者の養成研修及び若年性認知症コールセンター事業等を行う認知症介護研究・研修大府センターの運営費を助成します。 (事業開始 平成12年度)
事業内容
・補助先 社会福祉法人 仁至会
・補助率 国10/10
予算額 114,176千円
(3) 研究開発推進事業
目的
認知症の人が住み慣れた地域で暮らし続けることができる「認知症に理解の深いまちづくり」の実現をめざし、国立長寿医療研究センターとあいち健康プラザによる「連携ラボ」において、認知症予防に係る共同研究等を行う。(事業開始 平成30年度)
事業内容
- 認知症対策研究・支援事業
- 認知症共同研究推進事業
予算額 49,734千円
(4) 認知症研究施設整備助成
目的
「あいちオレンジタウン構想」推進の中核的な役割を果たす国立長寿医療研究センターの機能を強化し、研究を推進するための新棟整備に対し助成します。(事業開始 令和元年度)
事業内容
- 補助先 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
- 補助率 県1/5
予算額 211,440千円(外に債務負担行為 729,600円)
4 介護予防と生きがい対策の推進
(1) 介護予防の取組への支援
ア 地域支援事業助成
目的
高齢者が要介護状態等になることを予防するとともに、要介護状態等になった場合においても、できる限り地域において自立した生活を営むことができるよう支援するため、市町村が実施する地域支援事業に助成します。(事業開始 平成18年度)
事業内容
・介護予防・日常生活支援総合事業
介護予防・生活支援サービス事業
一般介護予防事業
・包括的支援事業
地域包括支援センターの運営
在宅医療・介護連携の推進
認知症施策の推進
生活支援サービスの体制整備 など
・任意事業
介護知識・技術等習得教室の開催
介護家族交流会の開催 など
・新しい介護予防・日常生活支援総合事業
介護予防・生活支援サービス事業
一般介護予防事業 など
負担率
・介護予防事業または新しい介護予防・日常生活支援総合事業
国25%、県12.5%、市町村12.5%、(保険料50%)
・包括的支援事業及び任意事業
国38.5%、県19.25%、市町村19.25%、(保険料23%)
予算額 4,733,480千円
イ 介護予防サービス実施支援事業
目的
市町村において介護予防事業が効果的に実施されるよう支援するために、職員等を対象とする研修会の開催や市町村が実施する地域ケア会議へのリハビリテーション専門職の派遣を行います。(事業開始 平成18年度)
事業内容
・総合事業対応研修の開催
市町村職員等の資質向上を図るための研修会を開催します。
・市町村へのリハビリテーション専門職派遣
市町村が円滑に地域ケア会議の立ち上げ、運営を行うことができるよう、助言者となるリハビリテーション専門 職を派遣します。
予算額 3,064千円
(2) 社会参加の促進
ア 福祉生きがいセンター運営助成等
目的
明るく、活力ある長寿社会の実現に向けて、高齢者の社会参加活動を促進するとともに、高齢者の生きがいと健康づくりを推進します。 (事業開始 平成2年度)
事業内容
高齢者の生きがいと健康づくりを推進するために設置された福祉生きがいセンター(社会福祉法人愛知県社会福祉協議会長寿生きがい振興部)に運営費を助成するとともに、各種事業を委託します。
主な事業
・あいちシルバーカレッジの開催
高齢者の学習意欲を助長し、高齢者の生きがいづくりを推進します。
修業年限: 1年(年間30日) 会場: 名古屋、豊橋、岡崎、一宮、東海
定 員: 630人
・全国健康福祉祭への選手派遣
ねんりんピックのスポーツ交流大会等へ選手を派遣します。
・長寿情報提供事業
高齢者が活動の中心となっているサークル情報を福祉生きがいセンターのホームページで公開しています。
イ 高齢者地域福祉推進事業助成
目的
老後の生活を健全で豊かなものにするため、教養の向上、健康の増進及びレクリエーション並びに地域社会との交流を図ることを目的として小地域単位に設置された老人クラブの運営費や市町村老人クラブ連合会が行う事業に助成します。(事業開始 運営費補助 昭和38年度)
また、県内老人クラブの健全育成と相互の連絡調整を図るために設置された公益財団法人愛知県老人クラブ連合会に対し、運営費の助成及び老人クラブ活動推進員の設置助成を行います。(事業開始 運営費補助 昭和40年度、 活動推進員補助 昭和50年度、 高齢者相互支援事業補助 平成14年度)
事業内容
(ア)単位老人クラブ・市町村老人クラブ連合会への助成 (名古屋市、中核市を除く。)
・基準額 知事が必要と認めた額
・補助率 国1/3、県1/3、市町村1/3
(イ)愛知県老人クラブ連合会への助成
・運営費 ・活動推進員設置費 ・高齢者スポーツ普及促進事業
・高齢者相互支援事業
5 高齢者の生活環境の整備
(1) 軽費老人ホーム利用料助成
目的
利用者の利用料負担を軽減するとともに、軽費老人ホームの健全な運営の助長を図ります。 (事業開始 昭和42年度)
事業内容
・サービスの提供に要する費用の一部を助成します。
予算額 1,065,395千円
6 その他の高齢者福祉施策
(1) 老人週間行事
目的
敬老思想の高揚を図り、かつ高齢者自らの生活の向上意欲を高めるため、毎年9月15日から9月21日までの「老人週間」を中心に各種の行事を実施します。 (事業開始 昭和33年度)
事業内容
・敬老祝い品の贈呈
老人の日にちなみ、多年にわたり社会の発展に尽くしてきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う ため、数え100歳の高齢者に敬老祝い品を贈呈します。
<贈呈対象> 名古屋市、中核市を含む、9月15日現在県内市町村にお住まいの数え100歳の方
<祝い品> 愛知県の伝統工芸品又は、郷土工芸品
・高齢者居宅訪問
数え100歳の高齢者の代表宅へ知事、副知事が訪問します。
・老人福祉事業推進功労者表彰
老人福祉大会(公益財団法人愛知県老人クラブ連合会主催)において功労者を表彰します。
(2) 公益財団法人愛知県シルバーサービス振興会助成
目的
県内のシルバーサービス事業の健全な育成と振興を図ることにより、活力ある高齢社会の実現、高齢者福祉の拡充、増進に寄与するため、公益財団法人愛知県シルバーサービス振興会の運営費に対し助成します。(事業開始 平成2年度)
事業内容
・情報誌発行事業
・シルバーサービスの取組を促進するための研究開発事業
・シルバーサービスの社会的認知を図るための普及啓発事業
・研修事業
予算額 500千円