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都市の木質化プロジェクト

都市の木質化プロジェクトロゴマーク  あいち認証材ロゴマーク


あいちトリエンナーレ2016パートナーシップ事業

都市の木質化プロジェクト@長者町会場

 あいちトリエンナーレ2016長者町会場のある名古屋市中区錦二丁目において、県産木材を使った休憩施設等を設置することにより、木の魅力を来場者に体感していただき、都市部での地域産木材の利用を推進する、「都市の木質化プロジェクト@長者町会場」を実施します。内容は以下のページで公表しています。

 ・記者発表   http://www.pref.aichi.jp/soshiki/rinmu/torimokupress.html

 

都市の木質化プロジェクト@長者町会場 マップ

1.「都市の木質化」とは?

 木材を利用することは、森林の整備を促し、水源のかん養や県土の保全などの森林の持つ多面的機能の発揮や林業・木材産業の振興につながり、「山」が元気になります。また、「街」に木のぬくもりをもたらすとともに、「都市の森林」としてCO2を貯蔵することができます。
 国内で生産できる数少ない資源である木材を有効利用することで山と街を再生する取組を「都市の木質化」と呼んでいます。

(1)木材は再生可能な国産天然資源 ~愛知県の森林の現状~

 愛知県の森林は、戦後に植栽されたスギ・ヒノキの人工林が成長、資源が充実しており、利用の時期を迎えています。しかし、成長量に対して十分に利用されておらず、木を伐って植えるという世代交代が少ないため、全体的に高齢化しています。
 数少ない国産天然資源である木材を有効利用し、資源循環を促す必要があります。
<データの解説>
 
【図1】愛知県の森林面積は22万ha(2,200km2)で、県土の42%を占めます。そのうち64%が人工的に植林された人工林となっており、そのほとんどがスギまたはヒノキです。
図1 愛知県の森林の現状
【図2】人工林の蓄積(木材の体積)は3,700万m3で、1年に53万m3程度増加しています。これは、丸太200万本分、木造住宅で22,000軒分に相当します。
図2 人工林の蓄積
【図3】これに対する木材生産量は10万~11万m3となっており、ここ10年は少しずつ増加しているものの、成長量の2割程度の伐採量にとどまっています。
図3 木材生産量

【図4】森林の齢級構成(年齢の分布)をみると、51~55年生がピークとなっており、利用の時期を迎えています。一方で、新たな植栽が少なく、50年、100年後の木材の供給が心配されます。
図4 林齢別面積割合

(2)木を使うことで山を元気に

 木を使うことで、間伐(混み入った森林を間引きすること)を促進することができます。間伐された森林には光が入り、下草が生え、土壌が形成され、健全な森林になります。健全な森林は、土砂の流出を防ぐ、水源をはぐくむ、多様な生き物が住むなど、多面的な機能を発揮します。また、木が成長することで、CO2(二酸化炭素)の固定が進みます。
 山に暮らす人にとっては、木材は貴重な収入源です。林業や木材産業を営む人が安定した収入を得られれば、定住が促進されて、山村が活性化します。それは、次の世代の山の守り手を育てることにもつながります。

(3)木に囲まれた豊かな街づくり

 木材は、微妙な変化にとんだ色合いや模様、柔らかな触感、心を落ち着かせてくれる匂い、適度な吸音、湿度を調節する作用など、人間の五感にやさしく働きかけてくれる素材です。身のまわりに木を使うことで、豊かな街づくりができるのではないでしょうか。
 建物などに使われる木材は、山にあるときと同じように、吸収したCO2をそのまま固定(貯蔵)してくれます。木造・木質化された建物などは、「都市の森林」と呼ばれています。
 また、木材は建築材料などに使われた後、解体、再加工して、別の用途に使うことができます。私たちは、再利用を前提として薬剤等を入れず、自然のちからで乾燥させながら木材を使う取り組みをおこなっており、これを「都心の貯木場」と呼んでいます。

2.「都市の木質化」の取り組み

(1)ストリート・ウッドデッキ

 名古屋市中区錦二丁目では、「錦二丁目まちづくり協議会 都市の木質化プロジェクト」が中心となって、都市の木質化に取り組んでいます。2012年8月に「長者町大縁会」で、11月に「長者町ゑびす祭り」でストリート・ウッドデッキを展示しました。さらに、同年11月23日には名古屋センタービル横に3基を設置し、現在でも街ゆく人の憩いの場となっています。
ストリート・ウッドデッキ

(2)長者町ウッドテラス

 2014年9月から2015年2月までの間、長者町通りで歩道拡幅の社会実験が行われました。拡幅された歩道は、スギの角材を敷き詰めたもので、街の人たちによって設置と撤去の作業がおこなわれました。
 なお、2015年2月に「錦二丁目低炭素地区まちづくりプロジェクト」が名古屋市の「低炭素モデル地区事業」に認定されました。低炭素社会を実現するには、都市の木質化はまさにピッタリの取り組みです。
長者町ウッドテラス

(3)木製駐輪場

 「都市の木質化プロジェクト」の発祥の地は名古屋大学。大学構内の木質化の一環として、2010年度に木製駐輪場が設置されました。現在では、次世代パーソナルモビリティ(FPM)用に木製駐輪場が設置されています。
木製駐輪場

(4)オフィス空間等の木質化

 名古屋大学の構内や研究室、錦二丁目の店舗などで、床や壁などの木質化を図っています。木に囲まれた空間では、快適に仕事や研究ができ、疲れにくいと評判です。
オフィス空間等の木質化

(5)山と街の交流

 森林施業の見学や、間伐・製材の体験など、山と街の交流を深めることで、お互いの考え方の違いや感覚のズレを分かりあえるようになります。木を切るだけ、使うだけでなく、それがどのようにつながっているかを実感することで、「都市の木質化」への理解が深まります。
山と街の交流

(6)関連リンク

名古屋大学 都市の木質化プロジェクト

http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~biomeng/toshimoku/index.html

 

錦二丁目まちづくり協議会

http://www.kin2machi.com/

 

名古屋大学 木質構造研究会(木製駐輪場)

http://www.dali.nuac.nagoya-u.ac.jp/furukawa/other/mokuken.html

 

あいち森と緑づくり事業

http://www.pref.aichi.jp/soshiki/shinrin/0000023175.html

3.都市緑化フェアでの取り組み

(1)木製休憩施設の設置

 第32回全国都市緑化あいちフェア期間中(9月12日(土曜日)から11月8日(日曜日)まで)、愛・地球博記念公園内の3ヵ所で、それぞれタイプの異なった休憩施設を設置しました。名前は「そよそよベンチ」「ほのぼの木箱」「わいわいウッドデッキ」です。
 また、北駐車場から入って正面のデザインウォール前と、メインステージ南側の花の棚田前にベンチを設置しました。
木製休憩施設位置図

■ そよそよベンチ

 名古屋大学に設置されている木製駐輪場のデザインをもとに、日よけ付きのベンチを作成しました。ベンチ部分の角材は、長者町ウッドテラスで使用した材を再利用しました。そよそよと吹き抜ける風が心地良い休憩施設となりました。

そよそよベンチ1そよそよベンチ2


■ ほのぼの木箱

 もともとカーポート(駐車場)のために設計されていたデザインをもとに、斬新な休憩所を作成しました。机と椅子を置いて、気の合う人達とほのぼのできる空間にしました。

ほのぼの木箱1ほのぼの木箱2


■ わいわいウッドデッキ

 長者町に設置されているストリートウッドデッキのイメージをもとに、存在感のあるウッドデッキを作成しました。こちらの角材も、長者町ウッドテラス材の再利用です。立っても、座っても、寝転んでも、使い方は自由。大きなケヤキの木の下ということもあって、わいわいと人が集まってきました。

わいわいウッドデッキ1わいわいウッドデッキ2


■ ベンチ

 場所に合わせて、2つのタイプのベンチを設置しました。

ベンチ1ベンチ2

(2)都市の木質化による山と街の再生フォーラム

「都市の木質化」をテーマにしたフォーラムを下記のとおり開催しました。

ア.日時

 平成27年10月19日 (月曜日) 午後1時から午後5時まで

イ.場 所

 愛・地球博記念公園 地球市民交流センター(長久手市茨ケ廻間乙1533-1)

ウ.内 容

 基調講演 「都市の木質化を通じて実現する森林と都市の持続的な調和」

        名古屋大学大学院生命農学研究科 佐々木康寿教授

 講   演 「Timberize都市木造の可能性」

        東京大学生産技術研究所 腰原幹雄教授

        「秋田駅西口バスターミナルの木造化」

        秋田公立美術大学景観デザイン専攻 菅原香織助教

 事例発表 「長者町での取り組み」

        錦二丁目まちづくり協議会理事 藤森幹人氏

        「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度について」

        東京都港区環境リサイクル支援部環境課 目時(めとき)有也(ゆうや)氏

 パネルディスカッション

        コーディネーター 名古屋大学大学院生命農学研究科 山﨑真理子准教授

 【同時開催】 木に触れる体験(屋内広場にて 午前11時から午後4時30分まで)

        「木のサイコロストラップづくり」「丸太切り体験&丸太絵づくり」

フォーラム1フォーラム2

4.都市緑化フェア後の展開

(1)木製休憩施設の再利用

 都市緑化フェアの会場で使用された休憩施設やベンチは、フェア終了後は全て撤去され、県内各地域の公共施設に移設されました。末永くご愛用いただけますよう、お祈り申し上げます。

(2)ストリート・ウッドデッキの再生 ~Reborn~

 長者町のストリート・ウッドデッキは施工から3年が経過し、少しずつ老朽化してきました。そこで、都市緑化フェアで設置されたわいわいウッドデッキや、そよそよベンチの角材部分を再利用し、2015年12月に新しいデザインで生まれかわりました。

 また、撤去された旧ウッドデッキの材は、チップ化され、断熱材に加工されました。街角をあたためてくれていたウッドデッキが、これからは文字通り、街を温めてくれることでしょう。

生まれかわったウッドデッキ断熱材