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乳幼児期の規則正しい睡眠のリズムが脳機能の正常な発達に重要であることを実験的に証明しました

平成23年6月21日(火曜日)発表
春日井市政記者クラブ同時

乳幼児期の規則正しい睡眠のリズムが脳機能の正常な発達に重要であることを実験的に証明しました

 

 心身障害者コロニー発達障害研究所では、乳幼児期の不規則な睡眠のリズムが脳のネートワーク(シナプス)形成を促進する蛋白質(脳由来神経栄養因子)の日内リズムを乱し、シナプス形成不全を引き起こすことを動物実験で明らかにしました。また、自閉症モデルマウスでも同様の脳機能障害を解明しました。

 この結果は、不規則な睡眠のリズムが自閉症様の症状を引き起こす可能性があること、そして、乳幼児期に早寝早起きの規則正しい生活をすることが脳の発達に大切なことを実験的に示した世界初の発表で、このたび、国際的学術専門誌に評価されました。

 なお、これは独立行政法人理化学研究所との共同研究成果です。

 

1、研究で明らかにしたこと

1)幼若ラット脳内でリズムをもって増減する蛋白質の発見

     幼若ラットの大脳皮質では、脳のネートワーク(シナプス)形成を促進する蛋白質である脳由来神経栄養因子(BDNF)の濃度に日内リズムのあることを明らかにした。

2) 睡眠のリズムを乱した環境下で飼育したラットにおける脳機能の発達障害を解明

     明暗のサイクルを8時間早めて睡眠のリズムを乱すと、BDNFの日内リズムは異常パターンを示すようになり、シナプス形成に必要な蛋白質であるシナプトフィジンの発現量が低下し、シナプスの数が減少した。

3)自閉症モデルマウスの脳機能の発達障害を解明

     自閉症モデルマウスではBDNFレベルにリズムがなく、シナプトフィジンの発現量が低下し、シナプスの数が減少していた。

4)これらの結果は、環境要因や遺伝子改変による睡眠・覚醒のリズムの乱れがBDNFの日内リズムを乱すこと、その結果、ネートワーク(シナプス)形成不全が生じ、脳機能の障害がおきることを示唆している。

2、研究の意義

 現代社会では、親のライフスタイルによって乳幼児に適切な睡眠サイクルが与えられない可能性が生じ得る。本研究では、乳幼児期の適切な睡眠リズムが脳の発達を助ける可能性があることを動物実験で明らかにした。この研究により、

1)自閉症児のBDNFの日内リズムを人為的に正常に近づけることで症状の改善に繋がる可能性、

2)自閉症児の睡眠バランスを薬物療法で改善することで臨床症状を緩和できる可能性

が示唆された。

 療育の現場では、睡眠バランスの重要性を科学的に親に説明でき、(古くからの言い伝えとして話をするよりも)より強いインセンティブを与えることができる。

3、掲載学術誌情報

学術専門誌:The Journal of Biological Chemistry(ジャーナル オブ バイオロジカルケミストリー:生物化学誌)

※創刊以来100年以上の伝統を有する、米国生化学分子生物学会の週刊誌。

※学術雑誌のクオリティーを測る尺度であるインパクト・ファクターは5.378(2009年度)で、世界で刊行されている自然科学系(医学・生物学から物理学まで含む)の学術誌6164誌中260位にランクされる。

掲 載 号:平成23年6月17日

ウェブ掲載:平成23年5月28日

雑誌のホームページアドレス: http://www.jbc.org/

問合せ

愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所
神経制御学部
担当 永田
電話(0568)88-0811 内線 3585

愛知県健康福祉部障害福祉課
地域移行推進・コロニーグループ
担当 内田、野田
内線 3239、3240
ダイヤルイン(052)954-6294