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「ひきこもり」について

 「ひきこもり」とは、厚生労働省の定義によれば、「さまざまな要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には、6か月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念」としています。

   ひきこもりは、「甘え」や「怠け」ではありません。ましてや単一の「病気」でもありません。
 私たちは、誰かと話したり、どこかへ遊びに行ったりすることで、うまくストレスを発散しています。それでも、ストレスが大きすぎて自分の力ではどうにもできなくなったときに、もうこれ以上疲れないため、外からの刺激を遮断することがあります。外界との接触を制限することでいわば殻に閉じこもり、自分を守ろうとしているといえます。この状態を外からみると、いわゆる「ひきこもり」になります。
 では、ひきこもりの原因となったストレスを突き詰めて解消すればよいのかというと、必ずしもそうではありません。なぜなら原因はわからないことが多く、思い当たることがあってもいくつかの要因が絡み合っていたり、決定的な原因かどうかはわからないことが多いからです。そして、「これだ」という原因が思い当たったとしても、過去にさかのぼって取り除くことは困難です。大切なのは、これからどのようにしていくことができるかです。
 ここでは、御本人ができそうな工夫、御家族の対応のヒントを載せてあります。御本人や御家族が少しでも不安を和らげ、楽になるための手がかりになればと思います。

御本人へ

 ひきこもる毎日は、あなたにとって、つらく、なぜこうなってしまったのだろうとか、何とかしなくてはとか、自分 はだめな人間だとか、いろいろと悩むことがあるかもしれません。
 このページを読もうと思ってくださったあなたは、現在の状況を変えていきたいと願っているのではないでしょうか。もし、できそうなことが一つでも見つかったら、勇気を出して、行動に移してみませんか。

(1) 自分に対する考え方を変えてみましょう。

  「自分はだめな人」「何もできない人」などと自分を否定したり、責めたりしていませんか?過去に傷ついた経験があると、よけいに否定的な気持ちを持ちやすくなります。あなたの回復を妨げるような否定的な考えにとらわれすぎず、今の生活の中でよかったことを見つけたり、これからどうしていくかを考えることも、とても大切なことです。例えば、「今夜は面白そうなテレビがある。」「あの漫画の続きが読みたい。」そう考えるだけでも、少し前向きなあなたがいるのです。1日の中で「悩んでいたことを少しの間忘れることができた」「ちょっと気が軽くなった」という感覚をみつけてみませんか。

(2) 自分なりの生活リズムを見つけてみましょう。

  ひきこもっていると、生活リズムに乱れが生じてくることがあります。こころが沈みがちな時には、身体のリズムも崩れやすいものです。
 昼間は、ひきこもっている自分とまわりとを比べてつらくなってしまい、夜の方が少しは楽に過ごせることがあります。また、人間の体内時計は25時間程度の周期だといわれており、時間を気にしない生活を続けていると昼夜逆転になりやすいものです。あなたが昼夜逆転の生活で落ち着いて過ごせるのであれば、無理して直そうとする必要はないでしょう。でも、皆が寝静まった夜の時間に一人で考え事をして、孤独や不安が起こってくることもあります。
 身体のリズムが戻ってくると、こころの元気も戻りやすくなります。もしあなたが、朝型の生活に戻したいと思ったら、食事の回数、寝る時間を一定にするなど、自分なりのパターンをつくってみるとよいかもしれません。また、朝日を浴びることで体のリズムが変化するので、目覚まし時計をかけたり、カーテンを少し開けて朝になると部屋が明るくなるようにすることも役立つかもしれません。少しずつリズムを取り戻していけるとよいでしょう。

(3) いらいらを抑えきれないときは、一歩引き下がってみましょう。

  自分でもどうしようもないもどかしさや苛立ちを感じて、家族にぶつけてしまうことはありませんか。言葉だけでなく、身体的な暴力が起こってしまうこともあるかもしれません。暴力はエスカレートしやすく、自分も相手も傷つき、よけいに関係がこじれてしまいます。こうした行動をやめたいと思えたなら、それはあなたが自分の本当の気持ちに気づくことができたサインです。あなたの目的は相手を傷つけることではないはずです。
 もし、あなたが暴力をふるいそうになったら、一旦その場から立ち去ってみましょう。その場を立ち去ることは、決して逃げることではなく。勇気ある撤退といえます。家族にその場を離れてもらうこともよい方法です。家族に暴力を向けなかった自分を褒めてあげてください。そして、少し落ち着いてから自分の気持ちを言葉で伝えたり、うまく伝えられない場合は手紙に書いたりするのもよいでしょう。

(4) 第三者の力も利用してみましょう。

  はじめはストレスを避けるためであったひきこもりも、しだいに神経の疲れがたまり、落ち着かない、気力がわかない、どんどんマイナス思考になってしまうなどの状態に陥ることがあります。こうしたとき、自分自身で解決しようとしないで、精神科や心療内科に相談し、カウンセリングや薬の助けを借りることができます。また、保健所や精神保健福祉センターでは、ひきこもりの相談窓口を設けています。第三者に相談することで、アドバイスが得られたり、話すことで気持ちが楽になることもあります。あなたの状況に応じて様々な相談方法があり、どれが合うのかは人によって違います。利用できるものは試してみようというつもりで、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

(5) 自分自身を受け入れてあげましょう。

  ひきこもったことは、決して恥ずかしいことではありません。何らかの理由で周囲の環境に適応できなくなった時にひきこもるということは、誰にも起こりうることです。もし、あなたが、自分を責めたり否定してしまっているとすれば、それは自分自身を受け入れることができていないのかもしれません。
 生まれてから今まで、さまざまなあなたらしさを育んできたことと思います。一見短所にみえることでも、見方を変えると自分を守るものであったり、長所や個性と思われることがあります。例えば、人見知りは「遠慮深い」。すぐに悩むことは「思慮深い」と捉えることで、ずいぶん感じが変わってきます。
 長所も短所も含めて、かけがえのない自分です。まずはあなた自身が、あなたらしさを受け入れてあげてください。そして、大切にしてください。

 御家族の方へ

 ある日突然、子どもがひきこもってしまったら・・・。
 御家族にとっては、なぜなのか分からず、ずいぶん悩まれてきたことと思います。けれど、過去に原因を探したり、御自分を責めたりしても解決にはつながりません。ひきこもりは何か一つの原因によるものではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って生じてくるものです。子育てにおいて問題と思われる事柄は、どの家庭でもいくつかはみつかります。ひきこもりの問題が起こる家庭に、何か特別な理由があるわけではないのです。ひきこもりは、どの家庭にも起こりうる問題であり、それゆえに社会問題となっているのです。
 過去の「犯人捜し」にエネルギーを費やすよりも、これからどうしたらよいかという「未来のこと」に意識を向けましょう。ひきこもっている御本人にとって、多くの場合、身近にいる御家族だけが、関わったり話したりする唯一の存在であり、御家族の役割はとても大切なものとなります。

(1) 安心できる雰囲気作りを心がけましょう。

  ひきこもりは、御家族からみて「甘え」や「怠け」にみえることがあるかもしれません。しかし、御本人は、ひきこもっていることで苦しみ、家族から見捨てられるのではと不安や悩みを抱えていることが多いのです。御家族の何気ない一言で、御本人は責められているように感じたり、逆に過剰な愛情や励ましが、御本人へのプレッシャーとなり、かえって状況を悪化させることがあります。
 焦って干渉したり、何かをさせようとはせず、まずは御本人のつらさや苦しさを心にとめ、適度な距離をとって、御本人も御家族もリラックスして過ごせる環境をつくっていきましょう。

(2) 家族自身が生活を楽しみましょう。

  ひきこもりの問題は、御本人だけでなく御家族にも大きな影響を与えます。御本人のことで頭がいっぱいになってしまうと、心も体も疲れ果て、気持ちの面でも生活の面でも社会から孤立しがちになります。そのような状態で御本人を支えることは、とても大変です。家庭内で神経を使いすぎ、緊張が強い状態では、御本人も御家族もストレスを感じることでしょう。
 御本人がリラックスできる環境をつくるためには、御家族それぞれが自分の生活を楽しみ、ゆとりをもつことが大切です。御本人が苦しんでいるのに、自分だけ楽しむのは気がひけるという方もいるかもしれません。しかし、御家族が疲労困ぱいし、社会から孤立しがちになると、家庭内が行き詰まってしまいます。まずは、御家族自身が積極的に外へ出て、日々の生活を楽しまれてはいかがでしょうか。家庭内の緊張が和らぐことで、解決の糸口につながるかもしれません。

(3) 家族だけで抱え込まずに、相談窓口を上手に利用しましょう。

  ひきこもりの問題では、御家族が強いストレスを感じて、精神的に不安定になっつたり、気分が落ち込んだりすることがよくあります。また、世間の目を気にして隠そうとしたり、誰にも相談せずに解決しようとすることで、御家族だけで困難を抱え込んでしまいがちです。その結果、かえって家族が社会から孤立したり、これまでどおりの生活をしずらくなったり、ひきこもりを長引かせてしまうことが多くあります。
 御家族自身が楽になるために、他の人や専門家に相談することも大切です。「本人が行かないのに、家族だけ相談に行っても・・・」とためらう方もいるかもしれませんが、自分だけで心配ごとを抱え込む負担は大変なものです。疲れきってしまうと、よい考えが浮かばず、身動きがとれなくなってしまいます。
 誰かに話すことでこころが軽くなったり、少し違った見方ができるようになるかもしれません。また、相談することでアドバイスが得られたり、勇気づけられたりすることもあります。まずは気軽に相談に行ってみてはいかがでしょうか。保健所や精神保健福祉センターにはひきこもりの相談窓口があります。ぜひ御利用ください。

リンク

愛知県内のひきこもり相談窓口について 

「愛知県のひきこもり対策の推進について(報告書)」

愛知県精神保健福祉センターのひきこもりページ

ひきこもりの方の支援団体一覧
(精神保健福祉センター発行の『あだーじょ』~ひきこもり支援関係団体ガイドマップ~のページ)