SARS、新型インフルエンザを始めとする感染症による健康被害などの他、様々な事件・事故が発生した場合については、各部局において個別に対策本部を設けるなど対処してきましたが、今後、新たな危機事案の発生も危惧されることから、これら危機事案に対し、迅速かつ的確に対処するとともに、全庁的かつ統一的な危機管理を推進するため、愛知県危機管理推進要綱を策定しました。
記
1.目的
本県において危機が発生し、又は発生するおそれがある緊急の事態に、迅速かつ的確に全庁をあげて統一的に対処する危機管理体制や基本的事項を定め、本県における危機管理を推進し、もって県民等の生命、身体又は財産への被害の防止・軽減を図ることを目的とする。
2.対象とする危機
県民等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある緊急事態。
※ 危機管理推進要綱で対象とする危機例
・健康被害
食中毒、SARSなどの感染症、鳥インフルエンザ等
・環境汚染による被害
土壌汚染、大気汚染、水質汚濁等
・動物による被害
野生動物、危険な飼育動物(特定動物)による被害等
・情報被害
情報セキュリティーへの侵害、個人情報の流失等
・その他
地域社会に不安を引き起こす事件・事故、学校における事件・事故等
※次に掲げる危機については、それぞれの法に基づく計画で対処するため、この要綱の対象からは除く。
・災害対策基本法に基づく「 県地域防災計画」、及び石油コンビナート等災害防止法に基づく「県石油コンビナート等防災計画」に規定する災害
・地震、津波、風水害などの自然災害
・コンビナート火災、爆発、飛行機・列車事故などの大規模事故災害
・武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律に基づく「県国民保護計画」に規定する災害
・弾道ミサイル攻撃などの武力攻撃事態等
・大規模テロ等による駅爆破などの緊急対処事態
3.主な内容
危機発生時の危機への対処、対策本部の設置など基本的な危機管理体制や、各部局が作成する危機管理マニュアルの指針となる基本的事項を定めた。
(1) 危機管理体制
○ 危機管理事務責任者、危機管理事務推進者の設置
危機管理の推進及び関係部局等との連絡調整を行う。
○ 危機管理連絡調整会議の設置
危機発生時の全庁的な連絡調整を行う。

(2) 危機発生時の対処体制
発生した危機のレベルに応じ、県対策本部等を設置し対処する。

※ 対策チーム
情報収集等の初動対処及び応急対策を実施するため、 関係部局職員による対策チームを編成する。
(3) 危機管理マニュアルの整備
危機事案に対し、平常時の対策、応急時の対策及び収束時の対策を迅速かつ的確に実施するため、予め業務の特性に応じた個別の危機管理マニュアルを作成する。
(4) 危機管理に関する県民への情報提供
県ホームページ上に「あいちの危機管理」(仮称)を開設し本県の危機管理情報を提供する。
(5) 危機発生時の対処体制フロー

※想定される危機事案については、所管部局が対処する。
※原因が不明など所管が明らかでない新たな危機事案については、防災局が初動対処する。
※危機管理対策本部から災害対策本部又は国民保護対策本部に移行する場合がある。
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