瀬戸市萩山台連合自治協議会(せとしはぎやまだいれんごうじちきょうぎかい)

瀬戸市萩山台連合自治協議会は、従来から開催していた地域の交流イベント「はぎやまフェスタ」と防災訓練とを合体させた「はぎやま防災フェスタ」を平成19年度から開催しています。

また、役員、防災リーダー及び地域の各種団体が一緒になって街の中を歩き、地域の危険箇所などの特徴を把握する「萩山台防災ウオッチイング」という取組も平成19年度実施しました。

そんな萩山台連合自治協議会会長の石原さんにお話を伺いました。


 (写真:萩山台連合自治協議会会長 石原さん)

瀬戸市萩山台連合自治協議会の特徴について教えてください。

瀬戸市萩山台連合自治協議会は、萩山台分譲住宅自治会(戸建て住宅)、県営住宅自治会及び第四住宅自治会(高層住宅)の3つの自治会から構成されており、自主防災組織が平成16年度に設立されました。

自治会役員と社会福祉協議会役員等で瀬戸市が開催する研修を修了した防災リーダーが中心となり、地域の住民の防災意識の向上を図るため精力的に活動しています。

平成16年度に自主防災組織が設立されたきっかけは何ですか?

私は、以前から災害時にこそ、その地域の地域力がどのくらいあるのかが試されると考えていました。

日頃からの自治会の活動が形だけのものなのか、きちんと中身のあるものなのかは災害が起こった時にその地域がどうなっているのかで明確になります。つまり、地域づくりは「防災」が重要だと考えていました。

そこで、まずは組織をつくることが大事だと考え、平成16年度に自主防災組織を作りました。

平成16年度の自主防災組織の設立後は、地域でどんな取組をされたのですか?

平成18年度に瀬戸市の定例の防災訓練が萩山台で行われる計画であったため、その計画に向けて、平成18年2月に萩山台で初めて防災訓練を内容とする「防災フェスタ」を行いました。

この防災訓練は、萩山台公民館で行った小規模なものでしたが、多くの方に参加していただき、萩山台にとっては防災活動の取組の第一歩となりました。

翌年度の平成18年度には、地域防災リーダー育成に取り組みました。萩山台の民生委員や社会福祉協議会などの方々に自主防災リーダーを委嘱し、瀬戸市が開催する地域防災リーダー育成のための講習会に参加していただきました。

こうした取組の積み重ねが、平成19年度の「はぎやま防災フェスタ」の開催へと繋がっていきました。

「はぎやま防災フェスタ」はどんなイベントなのですか?

従来から開催していた地域の交流イベントである「はぎやまフェスタ」に防災訓練を合体させたイベントです。

フリーマーケット、模擬店、クロリティー(輪投げ)などのお祭りの中に、救急手当、家具転倒防止、炊き出し、バケツリレー、簡易トイレの組み立て、防災ビンゴなどの防災コーナーを設けることで、子供から高齢者までの多くの住民が楽しみながら参加していただけるイベントです。平成19年度は約1,000名の住民の方々が参加されました。

また、このイベントでは、行政、消防団、公民館、老人会、保健推進員、地区社協、災害ボランティアグループなどの多くの団体・個人が準備段階から参加し、協力してイベントの運営にあたりました。


(写真:はぎやま防災フェスタの様子(1)木工細工教室)


(写真:はぎやま防災フェスタの様子(2)身近なものを使った応急手当訓練)

はぎやま防災フェスタを開催しようとお考えになったきっかけは何だったのですか?

私は、近年、特に近隣同士のつながりが希薄化していることから、いざ災害が起こった時はどうなるのかと、危機意識を持っていました。

しかしながら、地域内の高齢化が進行している中で、普通の防災訓練を実施しても体力面で不安を抱える高齢者の参加が少なくなってしまうので、楽しいイベントの中に防災的な要素も盛り込んだイベントにすれば、多くの高齢者にも参加してもらえ、防災について学んでいただけるのではないかと考えました。

そこで、従来から開催してきた地域の交流イベントである「はぎやまフェスタ」に防災的な要素を盛り込んだ「はぎやま防災フェスタ」を開催しようと考えました。

はぎやま防災フェスタは子供から高齢者までが気軽に防災について学ぶことができるイベントであり、さらに、地域の方々が協力して準備・運営にあたっていらっしゃる点で素晴しい取り組みですね。

それから、平成19年度に「萩山台防災ウオッチイング」という取組をされたようですが、これはどんな取組なのですか?

役員、防災リーダー、萩山台連絡会構成団体(萩山台の小中学校PTA、保育園、幼稚園、社会福祉協議会など)の約50人が一緒になって街の中を歩き、地域の危険箇所などの特徴を把握するという取組です。

まず、グループごとに分かれて、災害図上訓練(DIG)を実施し、地図に避難場所、消火栓、防火水槽、公共施設及び幹線道路などを書き込みました。

そして、グループごとに町内を歩きまわり、危険箇所がないか調査しました。

最後に、町内を歩いて発見した危険箇所を地図に書き込み、グループごとに発表しました。


(写真:町歩き終了後に、各グループが発表のためにまとめたもの)

萩山台防災ウオッチィングの取組のきっかけは何ですか?

瀬戸市自治連合会(瀬戸市の全自治会の集り)の防災部会から平成19年度の取組課題として「地域内の危険箇所を把握すること」が提案されました。

この提案を受けて、萩山台では、平成20年2月3日に行いました。

街を歩いて回った結果、どんなことがわかったのですか?

フェンスが剥がれている箇所や街灯が壊れている箇所などを見つけることができました。

また、大規模災害時には、萩山台は陸の孤島になる恐れがあることがわかりました。萩山台へ通じている幹線道路は限られており、その幹線道路が崩壊すれば、救援物資が入ってこられそうにありません。

それから、改めて、坂が多いことに気づかされました。高齢者が多いので、避難する場合は、大変だなあと思いました。

この萩山台防災ウオッチィングを今度、地域内でどう生かしていくお考えですか?

地域内を歩きながら危険箇所を自分の眼で確かめることは、防災には大変重要なことだと再認識しました。今後もこの取り組みを定期的に実施していきたいと思います。そして、将来的には萩山台の防災マップを作り、地域内に掲示できればと思っています。

ところで、石原会長さんは会長に就任されて何年目なのですか?

7年目になります。7年目にもなると、腰を据えて活動に取り組めます。

ただ、そろそろ後継者に譲ろうと思っておりますが、なかなか役員の成り手がいないのが悩みの種です。

7年目なんですか。お疲れ様です。まさに石原会長さんが先頭にたってこの萩山台の自主防災組織を引っ張っていただいているのですね。自主防災組織を活発に活動させる秘訣は何ですか?

私は「誰かがやらなくては」という使命感を持って活動しています。自主防災組織は地域住民にとって頼りになる存在でなくてはなりません。そうなるまでには苦労も多いのですが、その成果として地域の防災意識も高まり、今では住民の方から防災訓練のメニューについて、新しい提案が出されるまでになってきました。

今後は、どんな活動に力を入れていくお考えですか?

萩山台には、戸建て、高層住宅などの異なる居住環境がありますので、それぞれの居住環境の特性に即した防災訓練のメニューを取り入れていきたいと思っています。

例えば、高層住宅から避難する場合には、各棟の中の階段をどのようなルートで避難すればいいのかを訓練しておく必要があります。

したがって、来年度は、居住環境の特性に即した個別訓練と住民が一同に会して行う総合訓練の2本立てでの訓練を考えております。

(平成20年11月19日 瀬戸市萩山台公民館)

→このページのトップに戻る