東海市南ヶ丘町内会自主防災会は、平成23年度防災貢献団体として表彰を受けました。
−南ヶ丘町内会自主防災会が結成された経緯を教えてください。
近い将来に必ず発生するといわれる東海地震等に対し、避難ルート設定や防災訓練を通じての意識の高揚、自主防災のあり方などを研究するために活動をスタートさせました。
その後、平成20年4月に町内会との一体化を図るため、「自主防災会」を「町内防災専門部」に改組して、町内会の組織の一つとして防災体制を強化してきました。
−活動されている地域にはどのような特徴がありますか。
元々は昭和40年代はじめに、ある企業の分譲住宅地として開発されており、以降戸数も増えてきました。こうしたことから、いい意味で活動が立ち上がりやすい地域でした。現在は典型的な高齢化社会で、二代目、三代目が中心の住宅団地に変化しています。
同時に、会社OBの比率も下がり、自治活動や防災活動に支障が出てきたのも事実です。現在、約250世帯、600人余の在住者の地域です。
−南ヶ丘町内会自主防災会にはどのような組織がありますか。
5つのチームがあります。「企画広報」、「消火救出」、「誘導応援」、「給食給水」、「傷病看護」です。これに町内会役員とチームの各メンバーを加えますと、総勢では約80人程度となります。
このチームを始め、「企画会議」ではリーダー級が集まり、活動の推進を図っています。また、「防災専門部長」という役職を設け、町内会議において、報告、意見、提言などを行っています。
−南ヶ丘町内会自主防災会の主な活動内容を教えてください。
●各種会議、点検
@企画会議 | (1回/月) | 活動の企画と推進 |
A資機材点検 | (1回/2ヶ月) | 防災備品の点検 |
B防災新聞発行 | (1回/2ヶ月) | 防災啓発新聞を全戸配布 |
C消防ポンプ点検 | (1回/3ヶ月) | 可搬式消防ポンプの稼働テスト |
D防災訓練 | (1回/年) | 町内会全員対象です。 |
E防災の集い | (1回/年) | 総会と記念講演など |
F体験学習 | (1回/年) | 地域防災センターで研修 |
G講演会出席 | (随時) | 地域防災センターで研修 |
●防災訓練
町内全員への呼び掛けで、大掛かりに開催しています。応急処置法やAEDの取り扱い、可搬式消防ポンプによる水出し訓練、小型消火器による消火訓練などを行っています。
また、チェーンソーや大型ガス炊飯器、発電機、組み立て式トイレ、油圧ジャッキ、車イス、道工具類の展示、使用訓練も実施しています。
開催日には、市職員、消防職員が多数参加し、市議会議員の視察もあり、注目されている大きなイベントです。
●体験学習
町内会有志を募って、市内にある地域防災センターにおいて、防災学習を継続して実施しています。 バーチャル消火体験や地震体験、煙体験、防災無線、非常食、エンジンポンプの起動体験、ホースによる水出し訓練などを実施しています。
平成23年には、3月11日に発生した東日本大震災の救助活動に参加した消防隊員のリアルな体験報告もあり、約30人の参加者からは大変有意義だったと好評を博しました。
−自主防災活動をするにあたり、課題や問題点はありますか。
@高齢化により防災能力が低下している。
⇒リーダー級の若返りを図って、積極化を進めます。
A要支援者マップ作りがなかなか進まない。
⇒被災状況連絡員を今年度決めたので、1人に付き8戸程度のお宅の状況把握を進めます。
B町内の真ん中に県道が新設されたので、東西に地域分断が起こっている。
⇒班員おしゃべり会、集会所でのサロン会など、懇親の場づくりを進めます。
−今後、どのような活動を行っていく予定ですか。
@民生委員を巻き込んで、要支援者マップの充実を図ります。
A防災訓練への中学生の参加を呼びかけます。
B防災訓練に「遊び心」、「競争心」、「ごほうび(参加記念品)」を加えて、より多くの町民に楽しく参加してもらえるよう進めます。
C少し大きな住民自治組織の「コミュニティ」(約4,500人)に呼び掛けて、より広範囲での防災活動に展開させます。