瀬木区自主防災会は、平成27年度防災貢献団体として表彰を受けました。


−瀬木区自主防災会が結成された経緯を教えてください。


 平成7年の阪神・淡路大震災を始め、平成16年には新潟県中越地震、平成19年には能登半島地震等、大きな地震が日本列島において続いて発生しました。その都度、悲惨な被災地の状況がテレビ、新聞などを通じて報道されました。
 当地においても以前から東海地震、東南海地震(現在では南海トラフ地震)の発生が危惧され、国や県においてもその対策が求められている状況でした。
 大規模な災害が発生した場合、行政をはじめ各防災関係機関は、全力を挙げて活動を行いますが、通信網の不通、交通障害の発生など、悪条件が重なると、その力は分散を余儀なくされ、被災地域のすべてを救うことができないことも十分に考えられます。
 このような事態に直面した場合、消火活動、救出救護活動、避難誘導活動などを行うために、地域が団結し、組織的に行動することが必要となります。特に生存率が急激に減少する地震発生後3日間(72時間)を中心とした「初動対応」が大切なことは言うまでもありません。
 「自分たちのまちは自分たちで守る」という共助の精神を実践するために、自主防災組織が必要であることを平成21年7月31日開催の瀬木区役員会にはかり、自主防災会を設立するための「準備会」を立ち上げることが承認されました。
 有志10名からなる「準備会」を平成21年8月25日に発足し、6回の会合を経て、自主防災会の基本方針を始め、設立までのスケジュール、組織体系、活動内容、予算、規約についての原案を作成しました。
 平成21年12月6日開催の瀬木区町内長会議において原案が承認され「瀬木区自主防災会」が設立する運びとなりました。


−活動されている地域にはどのような特徴がありますか。

 常滑市は、知多半島の西海岸に位置し、面積55.89平方キロメートル、東西6キロメートル、南北15キロメートル、海岸線19.8キロメートルの南北に細長い街です。常滑は、平安時代末期頃から続く焼き物の産地として知られ、近年では中部国際空港の直近都市としても知られています。
 瀬木区は常滑市のほぼ中央に位置し、西は伊勢湾に面し、東は丘陵地帯となっています。南海トラフ地震による津波は、最大で5メートル、約1時間後に第1波が到達すると想定されています。

−瀬木区自主防災会にはどのような組織がありますか。
 
 瀬木区自主防災会は、瀬木区の認可団体として位置づけられており、「本部」と「瀬木区ブロック防災会」があります。会長は瀬木区長、副会長は瀬木副区長です。

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 本部として開催する会合には「運営委員会」、「正副ブロック長会議」、「総会」があります。「運営委員会」は運営委員8名で構成され、自主防災会の運営・事業計画に関する原案を作成します。「正副ブロック長会議」は、各ブロックの正副ブロック長と運営委員が出席し、運営委員会の作成した原案について協議し、事業計画を決定します。また、毎年6月に開催する総会の議案についても協議します。

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 瀬木区ブロック防災会は、11のブロックから構成されています。各ブロックは、常滑市の定めた「資源ごみの分別収集エリア」を基本に定められています。各ブロックは100世帯から150世帯で構成され、その運営はブロック長1名、副ブロック長2名により行われています。任期は2年です。

−瀬木区自主防災会の主な活動内容を教えてください。

ヽ萋位勝防災用資機材の備蓄
 平成23年6月から7月にかけ、世帯1名以上の参加を基本に 「ブロック会議」 を開催(開催日数5日間、開催回数10回、参加人数459名)し、町内の話し合いで一時避難場所(瀬木区域内に14箇所)を決めました。そして平成23年8月から9月にかけ、各ブロックで定めた一時避難場所を基本に「防災倉庫」を設置し、防災用資機材の備蓄を開始しました。防災倉庫の鍵は、正副ブロック長、町内長が保管・管理しています。
 防災用資機材は「瀬木区の財産」として位置づけ、区からの助成金を財源に、毎年少しずつ購入しています。各ブロックの防災倉庫に何がどれだけ保管されているのかを瀬木区民へ周知するため、毎年6月に開催する総会の資料に「防災用資機材の一覧表」を添付しています。
 また、平成25年10月には、町内ごとに「安否確認ボード」を自主防災会独自で作成し、毎年行われる防災訓練で活用しています。

活動名:瀬木区防災訓練
 防災訓練については、瀬木区民を対象に地震発生後3日間で必要となる初動対応を中心に、町内単位で決定した一時避難場所への避難訓練、安否確認ボードを用いた町内単位での安否確認、防災倉庫及び備蓄品の確認、防災用資機材の取扱い、消火栓・小型ポンプの取扱い、応急処置法、AED取扱い、ロープワーク、担架搬送、防寒具作成など多彩な訓練を実施しています。
 また、平成25年度にはハソリ2台を作成し、炊き出し訓練を実施。平成26年度には瀬木区民とともに地元の常滑中学校の生徒も炊き出し訓練に参加するなど、学校と連携した取組みも行っています。


防災訓練の様子

3萋位勝防災啓発活動
 瀬木区民への普及啓発活動としては、自主防災会設立以降これまで8回の講演会や研修会を実施しています。内容は全国的に災害現場で活躍するNPO法人役員の講演、県内他地区で活動する自主防災組織の方によるパネルディスカッション、東日本大震災被災地での避難所体験談、大学の先生の講演など、地域住民が高い関心をもつ内容にかかわる講師を招いて、質の高い講演を実施し、瀬木区民を始めとする市民への啓発活動に努めています。
 また、平成23年度には5メートル間隔の等高線、町内単位の一時避難場所、ブロックごとの防災倉庫、地区内の土砂災害警戒区域を表記した「防災マップ」を、平成24年度には大学の准教授に南海トラフ地震に関する浸水想定シミュレーションを依頼し「瀬木区津波被害予想地図」の作成及び全戸配布を行い、瀬木区民への情報提供もしました。

−活動をするにあたり、課題や問題点はありますか。

 自主防災会を運営する上で共通の課題や問題点だと思いますが、次の4点です。
自主防災会の運営に欠かせない役員の選出・改選方法
より多くの地域住民が参加できる防災訓練内容
防災用資機材を購入するための財源確保
避難行動要支援者への支援策

−今後、どのような活動を行っていく予定ですか。

 今までは、瀬木区民を対象に発災後3日間で必要となる初動対応を中心に、町内単位で決定した一時避難場所への避難訓練、安否確認に力を入れてきましたが、今後は新たな活動として「平常時に何ができるのか?」という視点から「震災後の疑似体験が出来るゲーム」、例えば
自主防災組織災害対応訓練ゲーム「イメージTEN」(静岡県提供)
避難所運営ゲーム「HUG」(静岡県提供)
応急手当「普通救命講習機廖幣鏗蟷堋鷆 
などを導入し、自主防災会の役員のスキルアップに繋がる研修に力を入れていく予定です。


防災講演会の様子


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