豊橋市岩田校区防災会連絡協議会は、平成25年度防災貢献団体として表彰を受けました。


−岩田校区防災会連絡協議会が結成された経緯を教えてください。


 岩田校区内にある9自治会単位で自主防災会が結成されたことに伴い、校区自治会単位の組織として岩田校区防災会連絡協議会が発足しました。


−活動されている地域にはどのような特徴がありますか。

 豊橋市の東部地区に位置し、地形はほぼ平坦で地域の大半が区画整理事業で整備された住宅地となっており、急傾斜地や住宅密集地はありません。しかし、元々水田であった場所や川沿いは大地震時の液状化の危険性が指摘されています。地域の中央には広大な岩田運動公園があり、住民の憩いの場となっています。住民構成の大きな特徴として、外国人市民が多いことがあります。現在、ブラジル、フィリピン国籍などの約2,200人(人口の14%)の外国人が暮らしています。


−岩田校区防災会連絡協議会にはどのような組織がありますか。

 校区自治会長が会長を兼務し、各町自主防災会長(町自治会長が兼務)が構成役員となります。他に防災リーダーとして13名を登録しています。


−岩田校区防災会連絡協議会の主な活動内容を教えてください。

校区防災訓練
 小学校を会場に年1回、避難所開設運営訓練を柱として実施しています。避難者の受付、名簿の記入、整理、避難場所への誘導、炊き出し等食料配布訓練、AED等の操作訓練、防災講話の聴講、隣接校区との情報交換等々、前年訓練の課題を検証、少しずつ改善し、内容も変えながら実施しています。




 運営は校区自治会役員と防災リーダーを中心に、校区の各種団体、学校関係者がそれぞれ役割分担をしています。また、校区内指定避難所の避難所要員(市職員)も参加し、それぞれの任務を確認してもらっています。
 毎年300人以上の地域住民が参加し、防災意識の高揚や知識取得を図っています。また、他の特徴としては、地元中学校の協力により多くの中学生が参加しており、貴重な戦力として活躍してもらっています。


校区運動会における防災リレーの実施

 
毎年9月に自治会主催の校区祭(運動会・音楽祭)を小学校で開催していますが、その日は校区住民が最も多く集まる日であり、その機会を利用し住民の防災意識の高揚と知識の向上を図るため、運動会の種目の一つとして防災リレーを実施しています。内容は担架搬送リレーとバケツリレーですが、競争ではなく多くの人に体験してもらうのが目的です。
 担架搬送リレーは、物干し竿と毛布で簡易担架を作り、乗る人も含め7人一組で担架を運びリレーしながらトラックを周るものです。リレー地点では担架は一旦解体し消防団員の指導のもと組み直す作業を行い、簡易担架の作り方を実践しています。  

 バケツリレーは一組20人で水槽(プールの水を利用)から目的地までバケツリレーを行うもので、目的地の水槽が満杯になると終了になります。


−活動をするにあたり、課題や問題点はありますか。

 
 防災訓練では外国人用にポルトガル語版の避難者名簿を用意してありますが、外国人住民の参加は少なく、有事の際の対応にまだ不安があります。また、本格的な高齢化社会を迎え要援護者の把握と発災時の対応について具体的な方策や訓練ができていないなど課題は多いです。
 

−今後、どのような活動を行っていく予定ですか。

 
校区内の指定避難所は小学校だけでなく、中学校や高校も指定されています。大規模災害時はそれぞれの近い場所に避難するので他の会場でも訓練を実施したいです。次回は中学校を会場として、隣接校区と合同で防災訓練を実施したいと考えています。
 また、前回の防災訓練において参加者から地域の危険箇所等の情報を地図上に集めたので、そうした情報を基にハザードマップを作成する予定です。

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