ホームへ戻る
生態と防除目次

<イネ>
イネばか苗病 
1 病原菌   
 学名 Gibberella fujikuroi (Sawada)S. Ito (糸状菌/子のう菌類)
左:正常苗、右:ばか苗病発病苗
左:正常苗、右:ばか苗病発病苗
2 被害の様子
 育苗箱で発生する場合は、淡黄緑色の徒長苗となり、根数が少なく、もみに菌糸がみられ、苗の葉鞘基部や根が暗褐色となる。菌密度が高いと不発芽や立枯れを生じることもある。
 保菌苗が本田移植後に発病することも多く、移植後2週間〜1か月程度で草丈が高くなり、黄緑色でほとんど分けつしない。その後症状が重いものは、枯死して葉鞘の表面に白色から淡紅色の分生胞子を形成する。
3 病原菌の生態
 菌糸の状態でもみ内に入り種子伝染する。大型分生胞子は無色新月形、大きさは20〜57×2〜5μm、小型分生胞子は無色、単胞倒卵形で、大きさは6〜15×3〜5μmで生育適温は、菌糸の伸長と同様25〜30℃である。子のう殻は球形または卵形で黒色を呈し、大きさは138〜370×113〜330μm、子のうは円筒形または棍棒状大きさは11〜16×4〜7μmである。
 本田で枯死株上に形成された分生胞子が籾に感染し菌糸伸長の後籾の中で越冬する。また、開花中に穎内に落ちた分生胞子が種頭や雄ずいから侵入し、花器感染する。籾の発芽とほぼ同時に菌糸の活動も始まり、産出されたジベレリンによって上記のような症状を表す。
4 発生しやすい条件
・育苗器の中は、高温・高湿・高密度であり本病の発生に最適であるため、この時期に箱中の苗に感染してしまうことが多い。
5 防除対策
・塩水選(比重選)を実施し健全種子を利用する。
・保菌率が低くても育苗中に著しく増殖するため、種子消毒を実施する。特に耐性菌の発現が危惧される場合は、他の剤を使用する。
・本田(特に採種田)では、遅くとも出穂までに発病株を抜き取り処分する。
・もみに傷がつくと発病が助長されるので害虫や雀に食害されたような籾は種子に利用しない。