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生態と防除目次

    <イネ>
イネ苗立枯病
 機械移植の普及によって箱育苗が標準となり、これに伴う育苗時の障害が増加している。特に、糸状菌による病害を総称して苗立枯病と呼んでおり、この中で重要なものは下記の4種であるが、他にもリゾクトニア菌や白絹病菌によるものもある。
1 病害の種類及び被害の様子苗立ち枯れ病(トリコデルマ)
(1)フザリウム菌 
 Fusarium avenaceum (Fries) Saccardo Fusarium solani (Martius) Saccardoなど
 地際部の葉鞘や根が褐変し、生育不良となって枯死する。もみに白色ないし淡紅色の菌糸が確認できる。
(2)ピシウム菌 
 Pythium arrhenomanes
Drechsler, Pythium graminicola Subramanian, Pythium spinosum Sawadaなど
 フザリウム菌の症状とよく似ているが、褐変はやや淡く、水浸状となる。萎凋枯死は急激に起こり、育苗箱内の各所が坪枯れ状に枯れる。
(3)リゾープス菌 
 Rhizopus chinensis
Saito、Rhizopus oryzae Went et Geerlingsなど
 出芽時に床土表面に白色菌糸がパッチ状に現れ、緑化開始時に箱全体が菌糸で覆われる。
 多くのイネは出芽前に枯れる。
(4)トリコデルマ菌 
 Trichoderma viride
(Persoon) Link ex Gray
 リゾープスについで発育の早い菌で、床土の乾燥や厚播きなどが原因となって発病し、地際部の葉鞘や不完全葉が褐変し、根は短くなる。床土表面やもみに白色の菌糸塊がみられ、緑化期以降は青緑色の胞子塊ができるので、区別は容易である。
 
2 発病しやすい条件
・育苗施設内の環境は、本病害の発育に適した条件であり、汚染もみや汚染土壌を使用すると直ちに発病する。
・適正な水管理や温度管理がされないとストレスが原因となって発病が促進されることが多い。
 
3 防除対策
・感染したもみを使用しない。
・種子消毒を徹底する。
・厚播きを避ける。
・前年度使用した育苗資材は、十分な消毒を実施する。