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生態と防除目次

<ダイズ>
ダイズ紫斑病
1 病原菌 
 学名 Cercospora kikuchii (Matsumoto et Tomoyasu) Gardner(糸状菌 不完全菌類)
2 被害の様子紫斑病(子葉)
 発芽直後から収穫期まで発生する。発病部位は葉、茎、莢、子実である。子葉や胚軸では、赤褐色雲紋状の斑点が現れる。葉では、中肋や支脈に沿って紫褐色の小斑点ができる。茎、葉柄には紡錘形に近い病斑を生じ、茎を取り巻くように発達する。莢の病斑は、最初円形または不正形、直径2mm程度の紫褐色〜紫黒色の斑点で、莢が黄化する頃から急速に拡大する。種子にはへそを中心に紫色の斑紋を生じ、著しい場合には種皮全体が黒紫色になって亀裂が発生する。
3 病原菌の生態
 菌糸が種子に寄生して、あるいは罹病葉上で越冬する。翌春ダイズの発芽とともに子葉を侵し、子葉の病斑上には多数の分生胞子を形成し、これが第二次伝染源となる。子葉は落葉しても長期間伝染能を持つ。分生胞子は無色、長い鞭状(38〜450×1.3〜6.0μm)で多数の隔膜を持つ。発芽期〜第1複葉期の感染・発病が多く、盛夏の頃は一時発病が中断するが、9月になると下位葉に再び病斑が現れるようになり、さらに子実へと伝染する。寄主はダイズのほかにインゲン、アズキ、野生ダイズ(ツルマメ)があり、相互に伝染源となる。
4 発生しやすい条件紫斑病(種子)
・降雨により発病が助長される。
・子実発病は収穫適期5日前からの降雨の影響が大きい。
・結実期頃の気温が18℃内外で降雨が多いと発生多い。
・成熟期前10日間の気温が15〜24℃の場合に多くなるなどの報告がある。
・収穫が遅れると子実発病が多くなる。
・収穫後の乾燥がゆっくりだと紫斑粒が多くなる。
・湿潤土壌では発生が多い傾向にある。
5 防除対策
・抵抗性の強い品種を用いる。
・健全種子を選び、種子消毒する。
・発病の多いほ場ではダイズを連作しない。
・開花期後15〜50日頃までに薬剤散布して、莢の感染を防ぐ(莢での発生が多ければ紫斑粒も多くなる)。
・被害茎葉や莢は伝染源とならないよう処分する。