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生態と防除目次

<イチゴ>

イチゴうどんこ病

1 病原菌
 学名 Sphaerotheca aphanis (Wollroth) Braun var.aphanis (糸状菌 子のう菌類)

2 被害の様子
 葉、果実、葉柄、果梗、つぼみに発生する。

 
 発病果

はじめ下葉に赤褐色の斑点が生じ、やがて新葉の裏面に白色粉状の菌叢を生じる。発病が激しくなると、葉が巻いて立ってくる。遠くから見ると畑全体が白っぽくなる。つぼみに発生すると、花弁が紫紅色になる。まれに葉の発病より先につぼみに発病がみられることがある。果実に発生すると、果面が傷みやすくなり商品価値が失われる。未熟な果実に発生すると、肥大が悪くなり、薬剤で防除しても果面が汚れる。成熟しても果色が悪くなり、味が低下する。激発すると、大半の果実は出荷不能となる。発病によって株全体が枯死したりすることはないが、果実に発生すると商品価値が失われるので、経済的な実害は大きい。ハウスの促成栽培に多く、露地ではほとんど発生しない。

3 病原菌の生態
 病原菌は活物寄生菌であり、周年イチゴの植物体上のみで世代が繰り返される。 本病原菌は、植物体表面にのみ寄生し、それが菌そうとして認められる。
 
 発病葉
胞子は空中を飛散して広がり、植物体に落下したものは発芽して菌糸を生じ、菌糸の一部(吸器)を植物体内に挿入して養分を吸収する。菌糸が発達すると菌そうとなり、胞子が形成されてうどんこを播いたようになる。胞子の発芽適温は20℃前後だが、0℃前後の低温にあうとかえって発芽がよくなる比較的低温性の病原菌である。従って、ランナー発生期、採苗期までは 盛んにまん延して、多くの菌そうを形成するが、育苗期中の7〜8月の高温期には菌の活動が抑えられ、菌そうは急激に減少する。
 
 発病した果硬、葉柄
高冷地の苗場は低温のため8月中でも発病適温であり、平地の苗場では9月以降、気温の低下とともに菌の活動温度となり、発生が順次増加する。多くの空気伝染性の病害は、乾燥すると発生が少なくなるが、本病は乾燥状態でも発生が多い。胞子は、水滴に直接ふれると破裂して死滅しやすいので、雨などで植物体が濡れると、発病が抑えられることがある。乾湿による発病差は、著しくない。

伝染源:イチゴ植物体。
寄主:イチゴのみ。

4 発生しやすい条件
・うどんこ病は、乾燥・多湿のいずれの状態でも発生する。
・ビニール等で被覆すると発生が多くなる。露地では発生が少ない。
・促成栽培に発生が多い。
・草勢が衰えたときに多発する傾向がある(結実収穫期など)。
・とよのか、とちおとめは本病にかかりやすく、女峰は比較的かかりにくい。

5 防除対策
・発病果は有力な伝染源となるので、見つけ次第除去し、ハウス内に放置しない。
・促成栽培では、育苗期から定期的に薬剤の予防散布をする。
・薬液は、葉裏にも十分かかるよう丁寧に散布する。
・DMI剤、ストロビルリン系剤は耐性菌が出現しやすい。