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生態と防除目次

<ナス>

ナス半身萎凋病

ナス半身萎凋病
↑発病株(株全体が萎れているが、株の片側の症状が顕著)

1 病原菌
 学名 Verticillium dahliae Klebahn
 糸状菌の一種で、不完全菌に属する。

2 被害の様子
 発病初期は、株の片側だけに症状が現われる場合が多い。下葉の2〜3枚に葉脈で区切られた、周縁の不鮮明な退色斑ができ、葉の片側だけが黄化し萎れる。
 日中、葉のふちが上方に軽く巻き上がる症状が現われた時が初発時期である。萎れが進むと最終的に株全体が枯死する。発病株の茎を切断すると導管部が侵され褐変しているが、青枯病に比べると褐変の程度は薄く明瞭でない場合が多い。

3 病原菌の生態
 土壌伝染性の病害である、トマト、ピーマン、キク、フキ、ブドウ等を侵す、極めて多犯性の病害である。
 理由は不明だが、愛知県においては、トマトでの発病例は少ない。
 罹病葉や茎中に微小菌核(暗褐色〜黒色、39〜98μm×26〜61μm)
ナス半身萎凋病発病葉
↑葉の片側が黄化した症状
が多数つくられ、その菌核が土壌中に残り伝染源となる。微少菌核は土中で3年以上生存する。
 菌核は,定植された苗の根の表面で発芽ると侵入し導管内に分生子を形成して上位部分へ感染を広げる。 分生子は導管を伝って地上部に移行し、分枝部、葉柄、葉身の基部などの導管が密 に分布している部分に定着する。

4 発生しやすい条件
・土壌湿度は湿潤状態で発病しやすい。
・根が傷むと発病が助長される。
・地温22〜26℃のときに発生しやすく、18℃以下の低温、30℃以上の高温では発病しにくい。

5 防除対策
・土壌伝染性の病害であるので、育苗には無病土壌を用いる。前作に発病を認めたほ場では、太陽熱処理や土壌くん蒸剤等による土壌消毒を行う。
・根が傷まないよう土壌水分の急激な変化、土壌の過湿、過乾燥が無いよう適切なほ場管理を行う。
・根を傷めるセンチュウ等の防除対策を行う。
・発病株は見つけ次第、ほ場外に持ち出し処分する。
・耐病性の台木を用いた接木栽培を行う。
導管の褐変症状(左)は、青枯病(右)に比べるとやや薄く明瞭でない。