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生態と防除目次

<野菜共通>
ネギアザミウマ
1 学名:Thrips tabaci Lindeman  別名:ネギスリップスネギアザミウマ被害

2 被害の様子
 成虫、幼虫はネギ類の葉に寄生し、葉の表層をなめたり、吸汁して葉の組織を傷つける。このため、被害部に小さい黄白点が現れる。このような被害株の葉を割いてみると、表側より内側の方に多く寄生しているのが見られる。
虫は小さいので肉眼では見にくいが、被害部の小黄白斑はわりあい容易に判別できる。
発生加害は夏に多く現れる。被害がひどくなると、葉全体が汚くなり、さらにこれにネギハモグリバエの被害が重なると、葉の緑色はほとんど失われるようになる。
採種用のタマネギでは、花部に寄生して結実を妨げる。

3 生態
 成虫は体長約1.5mmの細長い虫で、淡黄色または淡褐色をしている。羽があり、棒状である。幼虫は体長1mmほどの細長い虫で、成虫に似た形をしているが、羽はない。
 主として成虫で、ネギ類の根際や草むらに潜んで越冬する。年に10回以上世代を繰り返す。夏では2〜3週間で1世代を終わる。卵は寄主植物の組織に産み込まれる。卵は曲玉状で、長さは約0.3mmである。幼虫は葉茎上で寄生生活を送り、根際で蛹になる。
 本種は、ネギ類の他に、タバコ・トマト・キャベツ、ダリア、カーネーションなど広範な野菜、花きに大きな被害をもたらしている。最近は、トルコギキョウ、アスパラガス等、さらに、カキの幼果にも被害の報告がある。
本種はトマト黄化えそウイルス(TSWV)、アイリスイエロースポットウイルス(IYSWV)を媒介する。IYSVによる病害は、ネギ、タマネギ、ニラ、ラッキョウ、トルコギキョウ等で確認されている。

4 発生しやすい条件
・前世代の密度が最も重要である。したがって第2世代の発生密度は第1世代の密度を調査すれば予察できる。
・発生盛期の生息数が株当たり50頭ぐらいまでは、タマネギの収量に影響は少ないので、防除要否判定の基準とすることができる。
ネギアザミウマ成虫
5 防除対策
・施設では成虫の侵入防止のため、開口部に防虫ネットを張る。目合いは0.5mm以下が望ましい。
・紫外線カットフィルムや光反射マルチによる防除効果が高いことが知られている。
・防除適期を知るため、粘着トラップを用いて発生の確認をする。本種は白色に強く誘引されると言われている。
・多発後は防除が困難になるため、発生後は直ちに薬剤防除を行う。一部の地域でネオニコチノイド剤や合成ピレスロイに対して感受性が低下しているので、脱皮阻害剤や物理的防除法、ククメリスカブリダニなどの天敵資材を用いた生物的防除法も組み合わせることが大切である。