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第2回「夏休み読書感想文コンクール」結果発表

愛知県がんセンター緩和ケアセンター主催 第2回「夏休み読書感想文コンクール」の結果が出ました。

 がん教育の一環として、昨年から始めた読書感想文コンクールには、学生、一般合わせて4名の応募がありました。COVID-19により、「かのこ文庫」が休業状態になっておりますので、応募者が少ないことはやむを得ません。本院図書館から一般の方への貸し出し協力を得て、ようやくの達成であります。しかし、昨年同様、どれも真摯かつユニークな視点から「私の一枚」。量より質。
 審査は、緩和ケアチーム七名のうちアシスタントとして応募者の実名把握をしている小森以外の六名の投票によるものです。
 来年も同時期に、実施したいと思っています。是非ともふるって応募ください。
 当院「かのこ文庫」での『母のがん』貸し出しは続きますので、是非とも、ご利用ください。(当院職員には図書館でも貸出中)

(文責 小森 康永・2020.9.16)

2020 学生部門 金賞

  『母のがん』を読んで、一番印象に残ったページは89ページです。
 自分の人生を自分で決めることは、普段の生活でも当たり前なことだと思う。しかし、この文を見たときに「確かに」と思った。確かにと思ったということは普段からそういう意識がなかったということだと思う。「こうするべきだよ」「あなたのためにこうしておくね」このような言葉も小さいかもしれないけど、相手の人生を変えているかもしれない。相手のことを思ってのアドバイスだと思うが、自分の人生は自分のものであり、誰かが人生を決める権利なんてない。また、逆にそのアドバイスを聞いて自分が行動したときに失敗しても、そのアドバイス通りに行動しようと決めたのは自分なので相手のせいではない。
 しかし、もし『母のがん』で母さんが死にたいと言ったときはどうだろうか。母さんの人生だから、母さんの意思を尊重して治療をやめるのだろうか。それとも意思を無視して治療を続けるのだろうか。作者ならどうするだろう。私が子の立場なら、治療を止めるだろう。苦しむ姿を見続けられない、人生が終わり近いなら好きなように生きてほしいと思うから。もちろん長く一緒に居たいし、『母のがん』の母さんのように生き延びるかもしれない。どうすればいいのだろう。
 また自殺をしたい人は自殺してもいいのだろうか。自ら命を絶つことはしてはいけないと言われているが、自殺を無理やり止めると相手の意思を無視していることになる。自殺を止めるのが当たり前だと思う。でも自分の人生だから好きにしていいのか。これは答えの出ない問題だと思う。
 今回、この本を読んで、生き方について考えることができた。これからいろんな本を読んで、人間の意思と生死について考えたいと思った。
(高校二年、岸田芽生)

第2回「中高生 夏休み読書感想文コンクール」結果発表
(p89)

2020 一般部門 金賞

 私が一番印象に残っているページは、p.83-85。娘からの誕生日プレゼント、ペット犬と母との出逢いの場面だ。
 作者はこの時こう思っていた。「母が亡くなった時は、誰が面倒をみるのか?」「ステージ4のがん患者へのプレゼントとしては不適切ではないのか」
 実は、私も初めは作者と同じ捉え方をした。しかし娘は将来の不安よりも、今の母にとって何が一番必要かを考えていた。だからこそ、どんな時も母に寄り添い、癒し、生きる希望を与えてくれる"相棒"を最良のプレゼントとして選んだのだ。そして、もしも母に死が訪れた時は、娘が責任を持って犬を引き取る覚悟をすでにしていたのだろう。
 後から読み返すと、母の現状に強い想いで向き合い、寄り添う娘の愛情がひしひしと伝わってくる。
 「ヒーロー」と名付けられた犬(相棒)は、この物語の中で"希望の象徴"と言っても過言ではない。
 そして、この娘の選択が正しかったことは、p.115のあとがきのラスト5行を読めばわかる。
 我が家にも、ヒーローそっくりの小さくて黒いペット犬がいる。アニマルセラピーという言葉があるが、私も日々、家族の中でのペット犬の存在の大きさを実感しているので、特にこの場面に興味をもち、共感することができたのかもしれない。
 この物語全体から読み取れたことは、がん患者にとって、家族や周りの人々の温かい支えや愛情が何よりの生きる力となり、また支えてくれる人々への感謝の想いが患者本人の命を輝かせるということだ。無理な治療をせず、穏やかに死を受け入れるという作者の父の思想も一理あるかもしれない。が、しかし作者の「誰もがいつか死ぬ。それでもあがくことを恥ずべきじゃない」という一文にはグッと胸にくるものがあった。
 悩み迷いながら懸命にがん治療に取り組まれている方々にぜひ読んで頂きたい、希望と勇気を与える一冊だと感じた。
(岸田 由美子)

第2回「中高生 夏休み読書感想文コンクール」結果発表
(p84)

2020 一般部門 銀賞

 『母のがん』を読んで、私は9.10ページの家族会議の場面が一番印象に残りました。
 それは、ステージの意味がわかっていない母さんの姿が、自分ががんと宣告された時と重なったからです。まさか私が・・・という思い、ステージというものはいくつまであるのか、どのようにステージは変わって行くのか私も知らなかったので、母さんと一緒だなと思いました。そして、闘うのは、がんになった本人ではありますが、周りの家族も同じくらい考え、悩み、闘っていたんだと気づかされました。
 何をするのか、どんな治療なのか、どんな副作用が表れてくるのか全く分からない状態でわかったことは、やるべきことは受け入れることでした。
 母さんのように、一人ではないことを心にきざんで、新しい人生をスタートさせて、生きる意味を見つけることは、とても素晴らしいことだと思いました。私も母さんと同じく、くじけて疲れてしまいそうになりました。闘うのは自分です。泣いて病気が治るわけではない、覚悟ができたら、きっと立ち向かうことができるからと、先生に言っていただきました。先生や看護師さん、そして家族の支えがあって乗り越えられたことです。そして、乗り越えた時、母さんのように前向きに生きるということの意味を感じます。一つずつ、出来なかったことが出来るようになることの喜びは、うまく言い表せないくらい大きなことです。自分を信じ、一歩ずつ進むんだということを発見することができました。
(わんこ)

第2回「中高生 夏休み読書感想文コンクール」結果発表
(p10)

2020 一般部門 銅賞

 身内ががん、父や義父、叔母ががんと闘う姿を見てはいたが、パートナーががんになることは、思ってもいないことだった。二人に一人ががんになる時代、夫婦のどちらかががんになっても不思議なことではない。けれども4年前、主人が"膵臓がん"だということがわかった時、"死"という一文字が頭から離れなかった。とにかくやれることをやってもらうために、支えていかなくては!!と覚悟を決めた。31ページに「可能性の話をしないで」とあるが、可能性を信じることはやめられない。幸い、医学の進歩のおかげで、今日までは、八方塞がりの状態に陥ることを免れることができている。可能性を信じて、主治医の先生の提案を受け入れ、治療をしていただいていることで、「余命はどのくらいですか?」と聞かなければいけない状況をさけることができているような気がしている。むしろ、主人には生きる希望を強く持ってもらうためにも、今は聞かない方がいいと思っている。
 四月に新たな検査について提案をしていただき、その検査を始めたのに、結果を待つ間に、私の病気が発覚。手術・リハビリのため入院生活を送ることになり、主人を支えるどころか支えてもらわなければならない期間が、2ヶ月近く続いてしまった。通院にまた付き添うことができるようになった時には、かなり辛そうな状態担っていた。新たな治療が始まり1ヶ月余りが経つが、再発、腫瘍マーカーの数値の上昇・・・と不安が多くなってしまい、体調不良を訴えることが多くなった。訴えた症状に対しての薬の処方をしてもらうなど、主治医の先生や担当の看護師、薬剤師さんにも支えていただきながら、少しずつ安定してきているように思う。この先、今まで以上に不安定な状況になることも考えられる中、支えていかなければいけない私自身が不安になった時、この本に描かれていたことを思い出し、なんとか乗り越えていきたいと思う。
(坂林 文子)

第2回「中高生 夏休み読書感想文コンクール」結果発表
(p31)

緩和ケアセンター主催第2回夏休み読書感想文コンクールの詳細

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