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頭頸部外科部

頭頸部外科部紹介

 頭頸部外科は以下の部位に発生したがんの診断と治療を担当しています。

(1)くち(口腔、唾液腺)
(2)のど(咽頭(物を飲み込む)、喉頭(声を出す))
(3)はな(鼻腔・副鼻腔)
(4)くび(頸部、甲状腺、リンパ節)

スタッフ紹介

花井 信広
花井 信広
(はない のぶひろ)
部長

患者さんへのことば

 頭頸部外科を専門とするスタッフが集まり、専門性の高い診療・治療をおこなっています。当科は全国的にも屈指の治療実績を有しており、組織移植を要するような規模の大きな手術も形成外科との連携によって日常的に手掛けています。
 頭頸部領域は息を吸う、食べるといった生きていくために必要な機能を有し、また着衣に隠れない部分です。治療に伴う後遺症を必要最小限とし、機能温存、QOL(生活の質)の維持に努め、また整容面にも配慮した高品質の治療を心掛けます。
 いまや頭頸部がんの治療は手術一辺倒でなく、化学療法、放射線療法とのコンビネーションによってより良く治すことが求められる時代となっています。患者さんに最適な治療を提供するために、高度な技術を有する各部門とのチーム医療の一層の充実を図っています。また新規薬剤の治験、臨床試験にも積極的に参加しており、最先端の治療を提供できることもセンター病院ならではの強みと考えています。
 がんだけでなく良性の腫瘍でも、また早期癌から進行癌まで癌のステージを問わず皆様のお役に立ちたいと考えています。どうぞ宜しくお願い致します。

資格

【学会専門医】
日本耳鼻咽喉科学会専門医・同研修指導医、日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医・同制度指導医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医、日本気管食道科学会認定専門医、日本内分泌外科学会 内分泌外科専門医
【役員等】
日本頭蓋底外科学会評議員、日本嚥下医学会評議員、日本頭頸部外科学会評議員・理事、 日本頭頸部癌学会代議員・理事、日本気管食道科学会評議員、日本頭頸部癌学会診療ガ イドライン委員・学会誌編集員会委員、日本耳鼻咽喉科学会愛知県地方部会理事・代議員、日本乳腺甲状腺超音波医学会評議員
【その他所属学会】
日本喉頭科学会、日本癌治療学会、日本口腔・咽頭科学会、日本超音波医学会

鈴木 秀典
鈴木 秀典
(すずき ひでのり)
医長

患者さんへのことば

 頭頸部がんの診療に従事しています。皆様が、生命や機能予後の向上が期待できる診療を受けていただくよう日々努力しております。また将来より良い治療法が実践できるよう頭頸部がんの研究を進めています。

資格

【学会専門医】
日本耳鼻咽喉科学会専門医・同研修指導医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医、日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医・同制度指導医
【その他所属学会】
日本頭頸部癌学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本頭蓋底外科学会、日本内分泌外科学会、日本核医学会

西川 大輔
西川 大輔
(にしかわ だいすけ)
医長

患者さんへのことば

 頭頸部腫瘍の診療に従事しております。頭頸部腫瘍の治療後の飲み込みや発声などの機能低下を最低限に抑え、日々の生活の質を維持できるよう努めています。頭頸部腫瘍に関わる他の専門科と協力し、より質の高い医療を行ってまいります。

資格

【学会専門医】
日本耳鼻咽喉科学会専門医・同研修指導医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医、日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医
【その他所属学会】
日本頭頸部癌学会、日本内視鏡外科学会、日本内分泌外科学会、耳鼻咽喉科臨床学会

萩原 純孝
萩原 純孝
(はぎわら すみたか)
医長

患者さんへのことば

 がん治療にともなう口腔疾患を中心に診療しております。専門知識にもとづく口腔管理は、合併症の軽減やがんの治療成績向上に寄与すると言われています。当院で治療に立ち向かう患者さんのお役に立てるよう努めてまいります。

資格

【学会専門医】
日本口腔外科学会専門医
【その他所属学会】
日本頭頸部癌学会、日本口腔腫瘍学会、日本癌学会、日本病理学会

別府 慎太郎
別府 慎太郎
(べっぷ しんたろう)
医長

患者さんへのことば

 頭頸部癌の診療に従事しております。患者さんと一緒に病気と向き合い、より高い医療を安全に提供できるように努めてまいります。

資格

【学会専門医】
日本耳鼻咽喉科学会専門医・同研修指導医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医、日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医
【その他所属学会】
日本頭頸部癌学会、日本内分泌外科学会、日本唾液腺学会

寺田 星乃
寺田 星乃
(てらだ ほしの)
医長

患者さんへのことば

 頭頸部癌の治療に携わっております。患者さんの不安を少しでも和らげ、安心して治療に進めるよう、日々精進しております。

資格

【学会専門医】
日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医、日本超音波医学会 超音波専門医
【その他所属学会】
日本頭頸部癌学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本気管食道科学会、日本喉頭科学会

澤部 倫
澤部 倫
(さわべ みち)
医長

患者さんへのことば

 頭頸部がんに対して、他の専門科と協力しながら質の高い医療を行っていきます。

資格

【学会専門医】
日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
【その他所属学会】
日本頭頸部外科学会、日本癌学会、日本疫学会

岩城 翔
岩城 翔
(いわき しょう)
レジデント

患者さんへのことば

 頭頸部腫瘍の診療に携わっております。患者さんの不安を取り除きながら、質の高い医療を提供出来るよう努めて参ります。

資格

【所属学会】
日本耳鼻咽喉科学会、日本頭頸部外科学会、日本頭頸部癌学会、耳鼻咽喉科臨床学会

小林 義明
小林 義明
(こばやし よしあき)
レジデント

患者さんへのことば

 患者さん一人一人により良い医療を提供出来るように努めてまいります。

資格

【所属学会】
日本耳鼻咽喉科学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本頭頸部癌学会、日本気管食道科学会

岸川 敏博
岸川 敏博
(きしかわ としひろ)
レジデント

患者さんへのことば

 患者さんと丁寧に向き合い、個々に応じた最善の医療を提供できるよう努めてまいります。

資格

【学会専門医】
日本耳鼻咽喉科学会専門医
【その他所属学会】
日本頭頸部外科学会、日本頭頸部癌学会

横井 麻衣
横井 麻衣
(よこい まい)
レジデント

患者さんへのことば

 頭頸部腫瘍の診療に携わるにあたり、患者さん一人一人により質の高い医療を提供できるよう努めて参ります。

資格

【所属学会】
日本耳鼻咽喉科学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本頭頸部外科学会、日本気管食道科学会 

診療内容

口腔

 口腔がん(舌、頬粘膜、口腔底、歯肉などのがん)は早期のものであれば手術でも放射線治療でもほとんど障害なく治りますが、進行がんではいかに機能障害を最小にとどめつつ治癒させるかが問題です。構音や嚥下の機能を的確に評価しながらよりよい治療法を選択し、できる限り機能を温存する努力をしています。また積極的に機能再建と適切なリハビリプログラムにより拡大切除後でも口から食べられることを実現できるようになりました。

鼻・副鼻腔

 鼻腔や副鼻腔(上顎洞や篩骨洞など)にも悪性腫瘍ができます。眼球の働きや顔面の形態に関わる場所ですから、それらを温存しつつ確実に腫瘍を切除し、適切に再建しています。また、かつては手術ができなかった頭蓋底に浸潤したがんも脳神経外科との協力により安全に確実に切除できるようになりました。ここでも再建外科が不可欠な要素となります。

中咽頭

 咽頭は上・中・下に分けられます。中咽頭は口を大きく開けたときにみえるのどの奥です。いわゆる扁桃腺や舌根になります。物を飲み込むときに大切な役割を果たします。息の通り道でもあります。したがって、ここにできた腫瘍は物を飲み込むときの痛みや障害、ひどくなると息がしづらいなどの症状を起こします。治療には、手術療法、放射線療法、抗がん剤治療があり、これらを組み合わせて治療します。複雑な機能の部位ですので、機能の障害を最小限にし、治癒が得られるよう工夫する必要があります。

下咽頭

 下咽頭は食道の入り口で喉頭の隣にあります。症状は食べ物のつかえ感です。飲酒の多い男性は要注意です。リンパ節転移が多く、一般に予後は治りにくいがんです。治療は手術が基本ですが、空腸を用いて再建し、食事が出来るようにします。声帯が隣にあり発声にも障害がでますが、喉頭の部分切除や亜全摘などを積極的に行い発声機能を残すことに工夫しています。

喉頭

 喉頭には声帯があり、発声と呼吸、さらに嚥下機能に関係します。ヘビースモーカーの男性は要注意です。声の枯れが早期からの主症状ですが、声帯の上に発生した場合は進行しないと声の枯れは出ません。治療は手術療法、放射線療法、抗がん剤治療です。発声を損なうことなくがんを治すように工夫していますが、がんを治すため声帯を全部摘出することも必要となります。この場合はシャント発声や食道発声の指導(愛友会)を行っています。

甲状腺・上皮小体

 甲状腺腫瘍の治療は、腺腫様甲状腺腫など良性疾患で、甲状腺ホルモン剤による抑制を行う場合を除いて、手術療法です。術前に良悪の鑑別が困難な腫瘍では術中迅速診断を用いて切除の方法を決めています。悪性腫瘍では、リンパ郭清を含めて切除を行いますが、病変が片側にとどまる場合は約半分を切除し、両側にまたがったり、多発性の病変に対してのみ全摘術を行っています。甲状腺の周囲には、反回神経、上皮小体があります。それぞれを、損傷したり、完全にとってしまうと、術後に嗄声、低カルシウム血症を起こします。私たちはそういったことが起こらないよう細心の注意を払って手術を行っています。

頸部郭清

 頸部郭清術には選択的郭清と治療的郭清があります。選択的郭清とは、明らかに転移リンパ節を認めないが、まだ診断できない転移の危険性があるときに行います。このような郭清を行う場合には、頸部に存在する血管、神経、筋肉を温存して行います。それに対して治療的郭清は、明らかに転移が有るときに行います。がんを安全に切除するために、転移リンパ節に隣接した血管、神経、筋肉を切除します。しかし、われわれは安全に残すことができる血管と神経は残すことに努めています。

再建外科

 頭頚部外科で扱うのは顔から頚部のがんです。顔はまさしく顔で、その人の人となりを表します。口から頚部には生きていく上で不可欠な息をしたり、食事を食べたり、喋ったりといった機能をつかさどる器官があります。がんの手術では顔やこれら大事な器官を切除しなければいけません。再建外科では、手術を受けた患者さんが、術後社会生活が営めるような顔貌を作るだけでなく、これらの機能をできるだけ再建しなければいけません。あらゆる切除に対応すべく日々研鑽しています。

外来診療

診療実績


2019年度 新患者数 543名  入院患者数 748名

手術件数

研究・学会活動

  • 2019年度学会発表数 国外1件 国内43件 (計44件)
  • 2019年度論文執筆数 英語11件 日本語11件 (計22件)

超音波検査による頭頸部リンパ節転移診断

 超音波検査は近年の性能の向上に伴い、非常に精彩な情報が得られるようになってきています。一方で診断の基準が確立されていないため、客観性や再現性の点ではそれほど高く評価されていないのが実情です。明確な診断基準と判定方法を設定することで、高い割合で正確な診断が得られる可能性があります。超音波診断基準の有効性を検証する多施設研究に参加しながら積極的な検査を行っています。(花井信広、寺田星乃)

化学放射線療法後の治療効果判定

 頭頸部がんの治療は、飲み込む、話す、呼吸する、という人が生きて社会活動をする上で重要な機能に影響します。臓器温存を目的とした化学放射線治療が増加していますが、治療後の頸部リンパ節転移に対する効果を判定することは頸部リンパ節に対する手術を追加で行うかどうかについて重要な所見となります。この診断について、特に身体に負担の少ない超音波検査をはじめとした様々な検査機器、方法を用いた治療効果判定についての研究を行っています。(花井信広、寺田星乃)

頭頸部癌の栄養管理に関する研究

 頭頸部がん手術後の合併症を減少させるため、栄養管理の重要性が認識されています。良好なたんぱく質摂取、炎症性サイトカインの抑制また創傷治癒を促進させること等を目的とした栄養剤が注目されています。どのような栄養剤をどのように用いることが頭頸部がん術後の合併症を軽減させることが出来るかについての検討を行っております。将来的にはこのメカニズムによって頭頸部癌の予後を予測したり、改善させるといった可能性が期待できるかもしれません。(花井信広)

FDG-PET/CTによる精密な診断と予後予測に関する研究

 正確な病期診断と質的診断が過不足の無い頭頸部癌治療に必要です。この課題に対して糖代謝画像であるFDG-PET/CTによる精密な診断を目指しています。また、FDG-PET/CTによる癌の質的診断である糖代謝能を測定し(図1)、癌の浸潤や転移などの所見、また抗癌剤感受性や予後予測等と比較し(図2)、より適切な治療法の選択を目指しています。(鈴木秀典)

FDG-PET/CTによる精密な診断と予後予測に関する研究

ロボット支援咽喉頭癌手術

 咽喉頭は非常に多機能な臓器であり、「話す」「食べる」「息をする」と言った人間にとって大切な機能を担っています。近年、早期咽喉頭がんの手術において、内視鏡を使用して首の皮膚を切開せず口からがんを切除する技術が発達し、機能温存が可能となってきています。さらに、その発展型として、当院では手術支援ロボットであるダヴィンチを用いたロボット支援咽喉頭手術を推し進めています。3Dの立体的な術野を得られる点、ロボットアームの可動性が高い点、手振れ抑制機能が付いている点などの利点があり、より精度の高い手術が可能と考えております。今後さらに治療成績と機能温存を両立させた治療法を発展させていく予定です。(西川大輔)

TGFβシグナル関連分子の発現を応用した新規腫瘍マーカーの開発

 頭頸部に発生する悪性腫瘍の多くは、口腔や咽頭の粘膜上皮から発生する「扁平上皮癌」と呼ばれるものです。上皮細胞の癌化にはさまざまな因子が関与しますが、そのひとつにTGFβ(transforming growth factor -β)という、細胞の発生や分化に重要な役割を担う分子のシグナル伝達異常が関係するといわれています。最近の研究では、TGFβシグナルの調節に関連する『CD44』や『CD109』という細胞表面タンパク質の過剰な産生が、正常な細胞を癌化させる引きがねになるとも考えられています。そこで、これらをはじめとするTGFβシグナル関連分子が、頭頸部扁平上皮癌に罹患した患者さんの血液中にどの程度存在するのか、過去に検査のために採取・保存された血液検体を利用して濃度を測定し、病気の進行度や悪性度との間にどのような関係があるか研究を進めていきます。一定の傾向が認められた際には、それらの分子を腫瘍マーカーとして応用することで、扁平上皮癌の血液診断が可能になると思われます。(萩原純孝)


公的研究費などの獲得状況(2019年)

日本医療研究開発機構 革新的がん医療実用化研究事業
  • Stage I/II舌癌に対する予防的頸部郭清省略の意義を検証するための多施設共同臨床試験
     研究代表者 花井信広
  • 進行上顎洞癌に対する超選択的動注化学療法を併用した放射線治療による新規治療法開発に関する研究
     研究分担者 花井信広
日本学術振興会科学研究費助成事業(基盤研究B)
  • 個別化治療を見据えた唾液腺癌の分子病理学的解析:大規模多施設共同研究
     研究分担者 花井信広
国立がん研究センター研究開発費
  • 頭頸部がんに対する標準治療確立のための多施設共同研究
     研究分担者 花井信広

治験・臨床試験

  1. StageIII又はIVAの切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮癌患者を対象に術前及び術後補助療法として用いたMK-3475の試験
  2. 2レジメンの治療施行中又は治療後に不応となった又は進行した患者を対象として、局所領域再発性頭頸部扁平癌の治療において、ASP-1929 PITを医師の選択による標準治療(SOC)と比較検討する第3相、無作為化、2群、非盲検、比較試験
  3. ハイリスク局所進行頭頸部扁平上皮癌患者に対する根治的局所治療後アジュバント療法としてのアテゾリズマブ(抗PD-L1抗体)の第V相他施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照試験

令和3年9月改訂

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