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病院長ごあいさつ

中央病院長 丹羽 康正
愛知県がんセンター
病院長 丹羽 康正

 令和3年度は新型コロナウイルス感染症のパンデミック2年目を迎えています。臨床像などわかってきたことも多いのですが、変異株の出現や感染者数の増大と減少が繰り返され気が重い毎日です。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種がようやく医療者や高齢者に開始されました。当センターでも職員の約半数が4月中に1回目の接種を終了する予定です。治療薬の開発はまだ先と思われ、いかにワクチンをできるだけ多くの人に早急に接種をするかが課題となります。がん専門病院に通院あるいは入院しているがん患者さんは、概ねワクチン接種に関して問題はありませんが、治療法により多少対応が異なりますので主治医と御相談ください。私たち職員は体温測定、手洗いの励行、3密を避けた最小限の院内会議やカンファレンス、学会出張自粛など自らが感染者にならないように細心の注意を払っています。感染症内科専門医の指導により新型コロナウイルス感染症疑似患者のトリアージ体制を確立し、感染者が発生しても濃厚接触者を最小限にする工夫をしています。感染拡大時には散発的に通院患者さんや職員の感染が発生しています。低リスクの濃厚接触者に対しPCR検査を実施し、体調不良者を休職させることによりクラスターの発生を予防しております。
 現在、病院入館時の体温測定や面会制限、外出・外泊制限、入院2週間前の行動制限、術前の抗原検査等、患者さんやご家族にご不便ご迷惑をおかけし、誠に心苦しい限りですが、この状況が終息するまでしばらくはご理解・ご協力をお願いします。

 最近発表されたがん治療後の10年生存率は59.4%と報告されています。治療成績の向上がみられる一方で、希少癌や標準治療では治癒が難しい疾患があり、「がんゲノム医療」による治療が期待されています。当院では、こうした希少がん、原発不明がんや標準的な治療が概ね終了したがん等の患者さんを対象に、2019年10月から週2回ゲノム外来が開始されました。この外来では、がん遺伝子の変異を明らかにするための遺伝子パネル検査を実施した上で、医師やゲノム解析の専門家、看護師、遺伝カウンセラー等からなる専門家会議(エキスパートパネル)で治療方針を検討しています。この会議を2019年度は73件、2020年度は373件に対して行いました。「がんは遺伝子変異の蓄積の結果」とわかっていても遺伝子変異に直接有効な薬剤は残念ながらすぐに発見されません。遺伝子データの集積と解析および新規薬剤のすり合わせを各領域の専門家で議論を行い進めております。今年度から紹介施設の主治医もオンラインで会議に参加頂けるようにして、できうる限り必要な薬を患者さんに提供できるようがんゲノム医療の連携診療体制の強化にも取り組んでいます。

 がん治療薬の進歩も目覚ましく、2018年に本庶佑先生がノーベル賞を受賞したことで脚光を浴びたオプジーボを始めとする免疫チェックポイント阻害剤は現在では各種開発され、多くの薬剤との組み合わせで臨床応用され順次標準治療に組み込まれています。さらに遺伝性腫瘍の理解が拡がり、検査方法も拡充され、生まれつきBRCA遺伝子変異を持つ方に発症した乳癌、卵巣癌に加え、2021年からは前立腺癌、膵癌に特に有効な薬が保険適応されるようになりました。愛知県がんセンターでは、これらの薬を適切な患者さんに適切な時期に提案できる体制も整えています。

 2021年4月より新しく呼吸器内科部長、泌尿器科部長、脳神経外科部長が着任しました。いずれも新進気鋭のがん専門医・指導医です。皆様の期待に応えられる診療体制の充実に努めております。
 令和になっても、がんと言えば「愛知県がんセンター」の名前が一番にあがるよう診断・治療レベルをさらに向上させておりますので、ご心配の場合にはクリニックや病院よりご紹介をいただき是非当院へお越しください。

(2021年4月)

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