愛知県衛生研究所

アオコの毒(マイクロシスチンなど)

アオコとは...

主に富栄養化の進行した湖沼等に発生するミクロキスティスという植物プランクトンをアオコと呼び、これが大量に増えて、湖面は青緑色の粉をまいたような状態になります。ミクロキスティスの他にアナベナという種類が混在することもあります。いずれもラン藻という種類で、細菌に近い原始的な生物です。

アオコはカビ臭の発生、浄水過程での濾過障害などの問題を引き起こすとともに、アオコを形成するラン藻の一部が毒素を生産します。この毒素を含んだ水を飲むことによる馬や牛といった大型動物の死亡事件が世界各地で発生し、問題となっています。さらに、1996年2月ブラジルで、アオコが産生する毒の一つであるマイクロシスチンに汚染された水を透析に使用したことが原因で、透析患者50人が急性肝不全で死亡する事件が発生しました。

世界保健機関(WHO)は1998年3月、マイクロシスチンの飲料水中の暫定ガイドライン値(0.001 mg/l)を設定しました。

湖沼で発生するアオコの問題の図解