県議会だより 令和6年6月定例議会 愛知の「発酵食文化」の魅力を国内外へ発信し、外国人観光客の誘致を推進するためなどの補正予算を可決  令和6年6月定例愛知県議会は、6月14日に開会し、20日間の会期を経て7月3日に閉会しました。その概要をお知らせします。 議員提出議案(意見書)  議会の意思を国政に反映させるため、次の4件の意見書が可決され、衆参両院議長及び内閣総理大臣始め関係大臣等に提出されました。 ●防災・減災、国土強靱化対策の更なる推進について ●ひきこもり支援に関する法整備について ●消防団員の確保及び消防団活動の支援の充実について ●社会的養護経験者に対する自立支援の充実について 議員提出議案(決議)  人道上の危機的状況の改善と速やかな停戦を求めるとともに、国に対して、関係国と連携しながら格段の外交努力を求めるため、次の決議が7月3日に可決されました。 ●ガザ地区における人道上の危機的状況の改善と速やかな停戦の実現を求める 委員会提出議案  議事の記録方法を速記から録音に変更するほか、文書によることが求められている手続のオンライン化を可能にするため、「愛知県議会会議規則の一部改正について」が、議会運営委員会から提出され、原案のとおり可決されました。 知事提出議案  知事から、6月14日に「令和6年度愛知県一般会計補正予算(第2号)」など25件の議案(予算:1、条例:11、その他議案:13)が提出されました。提出された議案は、本会議の審議並びに委員会の審査を経て、すべて原案どおり、可決又は同意されました。 代表質問 6月18日、次の2人の議員が県政各般にわたる問題について、それぞれの会派を代表して質問しました。 □自由民主党  成田 修 1 行財政運営  (1)県税収入の見通し  (2)今後の財政運営  (3)次期行革大綱の策定 2 安全・安心な暮らしの実現  (1)能登半島地震を踏まえた県の地震防災対策の推進  (2)介護人材確保と介護現場における生産性向上の取組の推進  (3)自動車盗の現状と検挙方策(詳細は下記にて) 3 活力と魅力あふれる愛知の実現  (1)「愛知の発酵食文化」を活用したインバウンド誘致  (2)アジア競技大会・アジアパラ競技大会  (3)中高一貫校 4 新しい時代に飛躍する愛知づくり  (1)水素・アンモニアの供給および利用の促進  (2)農業分野におけるイノベーションの創出  (3)愛知の成長を支える広域道路ネットワークの強化 主な質問及び答弁内容 自動車盗の現状と検挙方策 質問 本県における2023年中の刑法犯認知件数は、4万6,832件と47都道府県のうち4番目の多さとなった。犯罪別では、自動車盗の被害が際立っており、自動車盗の認知件数は698件で、全国で2番目に多い数値となった。 暗躍する自動車盗グループは、組織化して犯行におよび、手口を巧妙化させており、盗まれた自動車はヤードに運ばれ、解体されてから、海外に輸出するケースもあるとのことである。自動車盗に関し、県民への注意喚起にも力を入れ、官民挙げて巧妙化する犯罪手口にしっかりと対応するとともに、自動車盗グループの壊滅に向けた取締りの一層の強化が必要である。 そこで、県内における自動車盗の現状と傾向、自動車盗の抑止に向けた対策について、警察本部長の所見を伺う。 答弁 当県における自動車盗の本年5月末現在の認知件数は368件と前年同期比で113件増加しており、全国で最も被害が多く発生している。こうした情勢を踏まえ、県警察では、未然防止対策として、自動車メーカーと連携の上、より防犯性能の高い車両や新たなセキュリティシステムの開発を働き掛けるとともに、ユーザーに対し、広報啓発活動を一層推進していく。検挙対策としては、実行犯の検挙はもとより、組織的な自動車盗グループの全容を解明し、壊滅するための突き上げ捜査を徹底していく。 □あいち民主   安井 伸治 1 ゼロメートル地帯における広域防災活動拠点の整備(詳細は下記にて) 2 愛知県ファミリーシップ宣誓制度 3 外国人介護人材の活用 4 ギャンブル等依存症対策 5 STATION Aiの開業に向けた取組 6 外国人旅行者の誘致促進 7 漁業生産力の強化 8 三河湾環境再生におけるブルーカーボンの取組 9 カーボンニュートラルポートの形成に向けた取組 10 アジア競技大会・アジアパラ競技大会 11 部活動の地域移行・地域連携 12 SNSを悪用した犯罪対策 主な質問及び答弁内容 ゼロメートル地帯における広域防災活動拠点の整備 質問 南海トラフ地震では、地震の揺れによる被害とともに、浸水・津波による被害も甚大になるものと予測されている。理由として、濃尾平野を始め、県の沿岸部に広がる広大なゼロメートル地帯において、広範囲が浸水するとともに、長期的に湛水するという本県の地域特性が挙げられる。 このため、本県では、河川・海岸堤防、排水機場などの耐震対策や、新たな避難場所の確保と防災活動拠点の整備等に取り組んでいるが、更に被害を減らすためには、整備したハードを、災害発生時にいかにスムーズに運用できるかが重要である。 そこで、ゼロメートル地帯における大規模な浸水被害に備え、救出・救助のための広域防災活動拠点の整備に関し、今後どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺う。 答弁 我が国最大のゼロメートル地帯を有する本県にとって、津波等により浸水した区域に取り残された方々を、いかに速やかに救出・救助するかが大きな課題となる。 このため、消防、警察、自衛隊等の関係機関と連携し、ボートやヘリコプターによる救出・救助を実施できるよう、ゼロメートル地帯の中に、4か所の拠点の整備を進めている。 今後も、拠点の整備を進めるとともに、関係機関と訓練を積み重ね、実効性ある運用体制を確立し、災害対応に万全を期していく。 一般質問 6月19日及び20日に一般質問が行われ、次の14人の議員が質問をしました。 □ 南部 文宏(自民) 1 次期愛知県消費者行政推進計画 2 県立高等学校図書館への新聞の複数配備と活用 3 愛知・名古屋2026大会における警衛警護 □ 中村 竜彦(自民) 1 東三河の観光振興策 2 大規模災害時における居住環境の確保策 □ 松本 まもる(民主) 1 高校生の就職時一人一社制の見直し 2 県立高校生の自転車通学時のヘルメット着用率向上 3 カスタマーハラスメントに対する県の対策強化 □ 杉浦 友昭(自民) 1 これからの畜産振興 2 観光需要の回復を受けた県の取組 3 農業水利施設の防災・減災対策 □ 杉浦 正和(自民) 1 障害者の運転免許取得に対する支援 2 愛知県のうずら産業の振興 □ 黒田 太郎(民主) 1 産業空洞化対策減税基金の展望 2 投資に関する消費者トラブルの未然防止 3 県庁本庁舎の魅力発信 □ 日高 章(自民) 1 大規模地震災害を想定した下水道施設の地震対策 2 デジタル・DX人材の育成・確保支援 3 あいち健康の森公園の民間活力を活用した整備 □ 柳沢 英希(自民) 1 農福連携等の推進 □ 島 孝則(民主) 1 県営住宅の入居者の高齢化に係る取り組み 2 自転車の事故防止 3 消費者被害防止の取り組み □ 伊藤 貴治(自民) 1 障がい者の生涯学習 2 学校教育における共生社会の実現 □ 佐藤 英俊(自民) 1 定住外国人をはじめとする外国人労働者の支援  (1)就労支援  (2)生活支援 2 国際芸術祭「あいち2025」 □ おおたけ りえ(民主) 1 中小企業・小規模事業者に対する価格転嫁支援 2 感震ブレーカー設置促進 3 発災後に避難できる1次福祉避難所の設置促進み □ 山田 たかお(自民) 1 特定小型原付の利用 2 農業用排水路等の維持管理 3 県立高校の魅力化  (1)タブレットの活用  (2)中高一貫校における進路 □ ますだ 裕二(自民) 1 アジアとの経済交流及び外国人材の確保 2 愛知・名古屋を中心とする大都市圏の将来像 委員会 6月24日、25日、26日及び27日に各常任委員会が開催され、それぞれ付託された知事提出議案の審査や一般質問が行われました。 請願 16件の請願が提出され、関係常任委員会で審査された後、本会議で審議され、すべて不採択とされました。 ※会派は次のとおり略称としました。 (自民)=自由民主党愛知県議員団 (民主)=あいち民主県議団 お知らせ 令和6年9月定例愛知県議会(予定) [会期:9月19日(木)〜10月11日(金)] ●代表質問:9月25日(水) ●一般質問:9月26日(木)、 27日(金)、30日(月) ●委 員 会:10月2日(水)〜 4日(金)、7日(月) ホームページ ●本会議等の日程や質問通告、結果概要などの情報を掲載しています。 ぜひ、ご覧ください。 https://www.pref.aichi.jp/gikai/ 愛知県議会キッズページ 子どもの皆さんに、楽しみながら県議会を知ってもらえるWebサイト「愛知県議会キッズページ」を公開しています。 保護者や教育関係の方々も、ご家庭や学校で子ども達と一緒にご覧ください。 https://gikai-kids.pref.aichi.jp 問い合わせ先:愛知県議会事務局調査課 【電話】(052)954-6742(ダイヤルイン) 〒460-8501 名古屋市中区三の丸三丁目1番2号 令和6(2024)年8月3日発行