県議会だより 令和6年9月定例議会 2028年技能五輪国際大会の開催に向けた準備を進めるためなどの補正予算を可決  令和6年9月定例愛知県議会は、9月19日に開会し、23日間の会期を経て10月11日に閉会しました。その概要をお知らせします。 議員提出議案(意見書)  議会の意思を国政に反映させるため、次の4件の意見書が可決され、衆参両院議長及び内閣総理大臣始め関係大臣等に提出されました。 ●農畜産物の適正な価格形成の実現について ●地方財政の充実・強化について ●不妊症・不育症の理解促進及び治療を受けやすい環境整備について ●AI技術の安全性及び信頼性の向上に向けた環境整備について 知事提出議案  知事から、9月19日に「令和6年度愛知県一般会計補正予算(第3号)」など55件の議案(予算:5、条例:4、その他議案:46)並びに令和5年度一般会計・特別会計決算12件、公営企業会計決算5件が提出され、また、10月10日に「令和6年度愛知県一般会計補正予算(第5号)」(予算:1)が追加提出され、提出された議案は、本会議の審議、委員会の審査を経て、すべて可決、同意又は承認されました。 代表質問 9月25日、次の2人の議員が県政各般にわたる問題について、それぞれの会派を代表して質問しました。 □自由民主党  辻 秀樹 1 行財政運営 (1)県税収入の見通し (2)今後の財政運営 (3)次期行革大綱の策定 2 安全・安心な暮らしの実現  (1)令和6年能登半島地震の教訓を踏まえた本県の地震防災対策  (2)森林の防災・減災対策  (3)住宅の耐震化への取組  (4)愛知県新型インフルエンザ等対策行動計画  (5)交通死亡事故の抑止対策 3 次代を担う人づくり  (1)保育施策の充実(詳細は下記にて) (2)県立高校における職業教育の充実 4 新しい時代に飛躍する愛知づくり  (1)環境課題の解決に向けた環境イノベーションの創出・実装 (2)開港20周年を迎える中部国際空港の活性化に向けた取組 主な質問及び答弁内容 保育施策の充実について 質問 2021年6月に国立社会保障・人口問題研究所が実施した調査では、理想とする数の子どもを実際には持たない理由として経済的理由を選択する夫婦が最も多く、子育て世帯は経済的に非常に厳しい状況にある。 これまでの待機児童対策の推進などにより、保育の受け皿の拡大は進みつつあるが、近年の共働き世帯の増加に伴い、保育所等を利用する児童は5年前と比べ増加しており、保育ニーズはさらに高まっている。 県民が安心して子どもを生み育てられる社会を実現し、本県における少子化に歯止めをかけるためには、子育て世帯に対する経済的負担への支援など、さらなる保育施策の充実が必要であると考えるが、知事の所見を伺う。 答弁 保育施策については、保育の受け皿の整備や保育人材確保に加え、県独自の取組として、保育所に通う第三子以降の3歳未満児の保育料を無料化または軽減する市町村に対して助成を行い、多子世帯における負担軽減を図ってきた。 今後は、保育所に通う子どもを育てる若い世代への更なる負担軽減を図るため、現在実施している第三子以降の保育料の助成制度について、その対象児童を第二子以降に拡大をしていきたい。 希望する誰もが安心して子どもを生み育てることができるあいちの実現に向けて、引き続きしっかりと取り組んでいく。 □あいち民主   日比 たけまさ 1 あいちの発展と魅力的な地域づくり (1)外国企業誘致 (2)水素の社会実装に向けた取組 (3)サーキュラーエコノミー (4)スマート林業の推進 (5)戦争に関する資料館 2 誰もが活躍できる社会の実現 (1)あいちトップアスリートアカデミー (2)女性健康支援事業 (3)困難な問題を抱える女性支援 (4)ひきこもり支援施策の推進 3 安全・安心なあいち (1)医療的ケア児への支援 (2)インターネット上の誹謗中傷対策 (3)防災人材の育成(詳細は下記にて) (4)企業を巡り多様化する脅威に対する県警察の取組 主な質問及び答弁内容 防災人材の育成について 質問 元日に発生した令和6年能登半島地震では、総務省の応急対策職員派遣制度に基づき、被災地外の自治体職員が被災市町の役場に派遣され、災害マネジメントの支援を行った。 一方で、このことは、災害対策基本法や災害救助法の運用を始め、災害マネジメントを担う知識や経験のある職員が現地で不足していたとも言える。 そこで、南海トラフ地震の発生が危惧される本県において、被災市町村の支援や災害対策本部等の運用のため災害マネジメントに精通した人材を多数育成しておくことが必要であると考えるが、こうした防災人材の育成について、知事の所見を伺う。 答弁 今回の能登半島地震では、羽咋郡志賀町へ災害マネジメント支援を行う総括支援チームとして、総務省による研修を受講し、総括支援員の名簿に登録されている管理職8人を中心に、延べ104人を派遣した。 本県が大きな災害に見舞われた際の災害応急対策を実施する上では、こうした災害マネジメント業務を担える人材を育成していく必要がある。 そのため、今年度は、各県民事務所や消防学校の管理職にも、総括支援員の名簿登録資格を取得できるよう研修を受講させ、知識・能力の向上を図っている。 今後は、更に多くの災害マネジメントを担うことができる人材を育成し、本県の防災力の強化を図っていく。 一般質問 9月26日、27日及び30日の3日間にわたり一般質問が行われ、次の22人の議員が県政の当面する諸課題について質問しました。 □ 村瀬 正臣(自民) 1 教員が子どもと向き合える学校づくり 2 鉄道の安全対策 3 空家対策等 □ 横田 たかし(自民) 1 本県のキャリア教育 2 伊勢湾・三河湾における水質の状況と栄養塩に関する水質規制の取組み □ 藤原 聖(民主) 1 漁業生産に必要な環境整備 2 名鉄西尾・蒲郡線の存続問題 3 急増する金属盗難被害防止対策 4 学校における拡大・代替コミュニケーションのあり方 □ 中村 貴文(自民) 1 国内外から本県への観光誘客  (1) 歴史観光  (2) 東アジア地域からの旅行者の誘客 2 児童養護施設や乳児院の小規模化及び今後の定員 3 県立高校へのデジタル採点システムの導入 □ 平松 利英(自民) 1 建設分野におけるDXの推進 2 県立高校への給食提供 3 保育人材の確保 □ 江原 史朗(民主) 1 モノづくり王国あいちを支える技能検定制度 2 災害時におけるペット避難 3 発達障害の早期発見・早期療育体制 4 公立高校入試における合理的配慮 □ 林 文夫(自民) 1 介護事業所における食費 2 災害時の給水設備 3 儲ける農業に向けた農地の集積・集約化 □ 神谷 和利(自民) 1 障害福祉サービス事業の適正運営 2 県管理道路の街路樹の管理 3 ICTを活用した木材生産の効率化 □ 高橋 正子(民主) 1 能登半島地震を教訓に! 災害拠点病院の機能維持 2 消防職員の大型免許取得は自費か?公費か? 本県内消防本部の負担の現状と、今後 □ 今井 隆喜(自民) 1 アジア競技大会・アジアパラ競技大会を活用した地域活性化ビジョン 2 鹿乗川における河川整備 3 県営油ヶ淵水辺公園の整備 □ 杉江 繁樹(自民) 1 中部国際空港の更なる活性化 2 中部臨空都市の現状および今後 3 世界に誇る愛知県の伝統文化である、山車まつりの保存と継承 □ 小木曽 史人(民主) 1 スタートアップエコシステムの形成に向けた取り組み 2 大規模災害への備え  (1)在宅・車中泊避難者への支援  (2)災害中間支援組織の役割  (3)避難所の閉鎖を見据えた出口戦略 3 児童虐待への対応  (1)職員の連携と人材育成  (2)一時保護所における子どもの権利擁護 □ 宮島 謙治(自民) 1 県立高校における生徒の自殺予防対策 2 県立学校児童生徒の災害時の安全確保と心のケア □ 増田 成美(自民) 1 障害者グループホームの質の確保・向上に向けた取組 2 中小企業における女性の活躍促進 3 小中学校における英語教育 □ 政木 りか(自民) 1 ドローン等を活用した防災対策 2 県立学校における寄附の受入れ 3 愛知・名古屋2026アジア・アジアパラ競技大会の文化プログラム □ 大久保 真一(公明) 1 南海トラフ地震に関する情報の周知 2 住宅耐震化の推進  (1)「あいち耐震改修ポータルサイト」における事業者の情報提供  (2)耐震化を進めるための耐震診断員への取り組み 3 バス・タクシーのドライバー確保 □ しまぶくろ 朝太郎(減税) 1 人口減少下における職場環境の整備 2 県立高校における学業等で悩む生徒の自殺予防 □ 阿部 洋祐(民主) 1 自動車事故の防止  (1)高速道路の逆走・誤進入対策  (2)チャイルドシートの適切な着用の推奨 2 名古屋高速道路の運営 3 災害時における被災者等の移動手段の確保 4 県内高等学校の国際交流、コミュニティ・スクール支援 □ 浦野 隼次(自民) 1 地域の観光振興の支援 2 都市計画道路の見直しの取り組み 3 技能五輪全国大会・全国アビリンピックへの取り組み □ 高木 ひろし(民主) 1 木曽川水系水資源対策 2 旧優生保護法に基づく強制不妊手術に係る被害 3 浮体式洋上風力発電 □ 田中 泰彦(自民) 1 開業を控えたSTATION Aiへの取り組み 2「ツーリズムEXPOジャパン2025愛知・中部北陸」の開催 3 Well?beingの実現に向けた職場環境整備 □ 阿部 武史(無所属) 1 大規模災害時の医療体制 2 大規模災害時における市町村への支援  (1)市町村が行う医療救護活動への支援  (2)市町村の災害対策本部の災害マネジメントへの支援 3 デジタル技術を活用した防災啓発活動 委員会 10月2日、3日、4日及び7日に各常任委員会が開催され、それぞれ付託された知事提出議案の審査や一般質問が行われました。 決算特別委員会 一般会計・特別会計決算特別委員会、公営企業会計決算特別委員会が設置され、令和5年度一般会計・特別会計決算12件及び公営企業会計決算5件が付託されました。決算は議会閉会中に継続して審査が行われることとなりました。 〈 〉内数字は委員数、◎は委員長、○は副委員長 □ 一般会計・特別会計決算特別委員会〈13名〉 ◎石井芳樹(自民) ○天野正基(民主)  横井五六(自民)  神野博史(自民)  高桑敏直(自民)  政木りか(自民)  林 文夫(自民)  宮島謙治(自民)  高木ひろし(民主)  松本まもる(民主)  山口 健(民主)  古林千恵(減税)  末永けい(無所属) □公営企業会計決算特別委員会〈13名〉 ◎青山省三(自民) ○南部文宏(自民)  久保田浩文(自民)  中根義高(自民)  日高 章(自民)  杉浦正和(自民)  増田成美(自民)  鈴木 純(民主)  福田喜夫(民主)  村嶌嘉将(民主)  木藤俊郎(公明)  永田敦史(無所属)  阿部武史(無所属) 請願 22件の請願が提出され、所管の関係常任委員会及び議会運営委員会で審査された後、本会議で審議され、すべて不採択とされました。 ※会派は次のとおり略称としました。 (自民)=自由民主党愛知県議員団 (民主)=あいち民主県議団 (公明)=公明党愛知県議員団 (減税)=減税日本愛知県議員団 お知らせ 令和6年12月定例愛知県議会(予定) [会期:12月2日(月)?19日(木)] ●代表質問:12月 4日(水) ●一般質問:12月 5日(木)、 6日(金) ●委員会:12月10日(火)?13日(金) ホームページ ●本会議等の日程や質問通告、結果概要などの情報を掲載しています。 ●本会議及び委員会の会議録について順次掲載しています。 ●本会議中継や、おおむね過去1年分の録画映像を提供しており、スマートフォン、タブレット端末等からもご覧いただけます。 ぜひ、ご覧ください。 https://www.pref.aichi.jp/gikai/ 問い合わせ先:愛知県議会事務局調査課 【電話】(052)954-6742(ダイヤルイン) 〒460-8501 名古屋市中区三の丸三丁目1番2号 令和6(2024)年11月9日発行