自動運転車の普及促進についての意見書 自動運転車の普及は、人口減少に伴う公共交通の衰退や物流分野での慢性的な運転者不足の解決はもとより、交通死亡事故の9割以上が運転者に起因することから、運転操作ミスによる事故の低減も期待されている。 こうした中、国は、道路交通法を改正して、来年度から、限定地域での無人自動運転移動サービス(レベル4)を解禁するとともに、本県では、全国に先駆けて平成28年度から実証実験を積み重ねるなど、自動運転車の普及に取り組んでいる。 しかしながら、自動運転車に関する法規制や保険の在り方等は未だ明確でないことから、企業参入等の萎縮を招くことが指摘されるなど、自動運転車の普及に支障が生じている。 また、我が国の自動運転車の普及は始まったばかりであり、当分の間は一般車との共存が不可欠な中、一般車との走行速度や動作の違いによる事故が不安視されるなど、自動運転車への理解が社会に十分及んでいるとはいえない。 さらに、我が国の経済を牽引する自動車産業の発展は不可欠である一方で、一部の国はレベル4の事業化を既に実現するなど、自動運転車の開発競争は年々激化している。 よって、国におかれては、自動運転車の普及促進を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 自動運転車への走行妨害規制や事故発生時の被害者救済のための仕組みの精緻化など、法規制や保険の在り方等の構築に向けた取組を加速させること 2 一般車との共存に求められる運転の動作を検証するとともに、事故低減効果等を積極的に情報発信するなど、自動運転車への理解を深めるための取組を推進すること 3 莫大なコストを要する研究開発を促進し、自動車産業の国際競争力を維持・向上させるため、地図情報に自動運転をサポートする交通情報を載せたダイナミックマップの迅速な整備など、産学官共同による取組を推進すること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和4年12月20日             殿 愛知県議会議長     須アかん (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣     国土交通大臣     警察庁長官