医師確保対策の充実についての意見書 地域医療は、誰もが必要な医療を受けられることを大前提とする一方で、地域や診療科の偏在により医師が全国的に不足しており、本県においても診療を制限する病院が約25パーセントにのぼるなど、大きな問題となっている。 こうした中、国は、医師の地域偏在の解消に向けて医療法等を改正するとともに、医師の需要が減少するとの推計に基づき、令和7年度以降の医学部定員の減員に向けた検討を行っているところである。 しかしながら、地域や診療科の偏在による医師不足は依然として解消されていない中、単純に全国単位の推計結果に基づいて、医学部定員の減員に向けた取組を推進することは、これまで以上に深刻な医師不足を招くことになりかねない。 また、令和6年度から医師に適用される時間外労働の上限規制は、医療提供体制に多大な影響を与えかねないことに加え、医師が比較的多いとされる都市部であっても、コロナ禍で多くの病院等が医療崩壊の危機に直面したことから、医師の絶対数の増加は必要不可欠である。 さらに、地域医療介護総合確保基金は事業区分が厳格であるため、医師の確保に関する事業に十分な配分をしにくい状況にあることから、制度の見直しが喫緊の課題となっている。 よって、国におかれては、医師確保対策の充実を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 地域や診療科の偏在による医師不足を解消するため、地域に必要な医師数をきめ細かく推計するとともに、地域にとって真に必要な医師が十分確保されるまで医学部臨時定員を増員すること 2 必要な医師を継続的に確保できるよう、地域医療介護総合確保基金の事業区分間の弾力的な活用を認めること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和4年12月20日             殿 愛知県議会議長     須アかん (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣     厚生労働大臣