国民健康保険制度の基盤強化や子育て世帯の負担軽減についての意見書 国民健康保険制度は、誰もが安心して医療を受けられる国民皆保険制度の基盤として重要な役割を果たしているが、被用者保険等に加入していない者が加わるため、年齢構成が高く医療費が高水準となる一方で、被保険者の所得水準が低いことから保険料の負担が重くなってしまう構造的課題を抱えている。 こうした中、国は、国民健康保険制度の安定的な運営のため、市町村が担っていた財政運営の主体を平成30年度から都道府県にするとともに、定率の国庫負担とは別に、毎年約3,400億円を追加的に財政支援しているところである。 しかしながら、令和2年度の医療費は10年前と比較して約5.5兆円増加したことに加え、高度で高額な医療の普及や高齢化の進展により、医療費の更なる増大が見込まれる中、国民健康保険を持続可能な制度とするには、財政基盤をこれまで以上に強化することが必要不可欠である。 また、国民健康保険制度では、18歳未満の子どもを含めた無収入の者も保険料を課されていることから、子育て世帯への負担の大きさを考慮して、国は、昨年4月から均等割保険料の一部を5割軽減しているが、その対象は未就学児に限られており、子育て世帯への更なる負担軽減は喫緊の課題である。 よって、国におかれては、国民健康保険制度の基盤強化や子育て世帯の負担軽減を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 国民健康保険を将来にわたり持続可能な制度とするため、国民皆保険制度全体の財政基盤の確保を前提として、国庫負担割合を引き上げるなど、財政支援を拡充すること 2 国民健康保険制度の十分な基盤強化を前提として、未就学児に限られている子どもの均等割保険料への軽減措置の対象を更に拡大すること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和5年3月20日             殿 愛知県議会議長     須アかん (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣     厚生労働大臣