新型コロナウイルス感染症の後遺症対策の強化についての意見書 新型コロナウイルス感染症の罹患者の中には、倦怠感、呼吸困難等の罹患後症状、いわゆる後遺症に苦しむ方が増えていることに加え、元入院患者が感染から1年を経過しても約3割に症状が残るとの調査結果もあるなど、後遺症は、日常生活や仕事に長期にわたって深刻な影響を及ぼしている。 こうした中、国は、医療機関等に対し、後遺症に関する手引きを情報提供して、診療する際の留意点等を周知するなど、後遺症に悩む患者への適切な対応に向けた取組を推進しているところである。 しかしながら、後遺症は、効果的な治療法のみならず診断方法も確立されておらず、他の原因による症状と区別がつきにくいことから診断に時間を要することもあって、長期化・重症化することにより、休職、失業等を余儀なくされて経済的に困窮するケースがみられる。 また、倦怠感の症状に苦しむ方が怠けていると誤解される場合など、職場、学校等の配慮やサポートを得られず苦悩する事例も見受けられることから、社会全体の後遺症に対する理解を促進させることは喫緊の課題である。 よって、国におかれては、新型コロナウイルス感染症の後遺症対策の強化を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 後遺症の早期改善を実現するため、根本的な治療法や診断方法の確立に向けた調査研究への支援を拡充すること 2 後遺症の長期化・重症化によって困窮する患者が安心して治療に専念できるよう、休職、失業等の期間の生活を支えるのに十分な経済的支援を実施するとともに、職場への復帰や再就職に必要な支援を行うこと 3 後遺症に対する社会全体の理解を促進させるため、症状の重さや持続期間、職場復帰時における仕事への配慮事例など、より詳細な情報を幅広く発信すること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和5年3月20日             殿 愛知県議会議長     須アかん (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣     厚生労働大臣