不登校児童生徒の多様な学びの機会の確保についての意見書 令和3年度の小中学校における不登校児童生徒数は、全国で約24万人、本県でも約1万7千人にのぼるなど、いずれも9年連続で過去最多を更新する憂慮すべき状況が続いており、特に近年はコロナ禍での生活環境の変化による児童生徒の不安の増大等が、不登校増加の要因として指摘されている。 こうした中、国は、不登校児童生徒への支援の中核を担う教育支援センターの設置を促進するなど、不登校児童生徒への適切な支援に関する施策を総合的に実施してきたところである。 しかしながら、教育支援センターは増設が進む一方で、面談を通じて児童生徒等の悩みに応えるスクールカウンセラーなど、多様な児童生徒に応じた専門人材の配置が追いついていないことから、教育支援センターでは、きめ細かな心のケア等が十分なされているとはいえない。 また、様々な理由で学校になじめない児童生徒の受皿となっているフリースクールは、月平均約3万3千円と決して安くない利用料を設定しており、保護者にとっては、車での送迎に要する費用等の負担も重なり、経済的な理由で通所を諦めざるを得ない事例も見受けられる。 さらに、フリースクールの利用料等を保護者に支援する地方自治体は一部にとどまっており、支援の有無が居住する地方自治体の財政状況等に左右される事態となっている。 よって、国におかれては、不登校児童生徒の多様な学びの機会の確保を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 教育支援センターにおける多様な不登校児童生徒の受入体制の更なる充実を図るため、スクールカウンセラー等の配置をこれまで以上に促進すること 2 フリースクールに通う不登校児童生徒の保護者の負担を軽減するため、適切な支援制度を早急に整備すること 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和5年3月20日             殿 愛知県議会議長     須アかん (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣     文部科学大臣