地方財政の充実・強化についての意見書 現在、地方自治体は、社会保障はもとより、地方創生・人口減少対策、頻発する大規模な自然災害への対策などの重要課題に対応しつつ、地方の実情に沿ったきめ細かな行政サービスへの対応が求められている。 こうした中、国は、「経済財政運営と改革の基本方針2024」において、令和7年度から令和9年度までの3年間、地方一般財源総額について、令和6年度地方財政計画と実質的に同水準を確保することとしている。 しかしながら、令和7年にかけて団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となることなどに伴い、社会保障関係費が大きく増加するほか、民間給与の継続的な上昇に伴う公務員給与の対応や、本年7月の政策金利の利上げ決定により、金利上昇に伴う公債費の増加が見込まれるなど、地方の歳出が拡大する要因が生じている。 地方自治体が安定した行財政運営を続けていくためには、実態に見合った地方一般財源総額の確保や、臨時財政対策債に頼らない、自立的な地方財政の確立が必要である。 よって、国におかれては、地方財政の充実・強化を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 社会保障関係費など増大する地方自治体の財政需要を的確に把握し、地方一般財源総額及び地方交付税総額の増額を図ること 2 民間給与の上昇に伴う公務員給与の改定や、金利上昇に伴う公債費の増加などの財政需要の増加を適切に地方財政計画に計上するとともに、交付税措置にあたっては、実情を踏まえた算定を行うこと 3 臨時財政対策債については、速やかに廃止するとともに、地方交付税の法定率の引き上げを含めた抜本的な改革を行うこと 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和6年10月11日             殿 愛知県議会議長     直江弘文 (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣     総務大臣     財務大臣