医療用医薬品の安定供給についての意見書 近年、後発医薬品を中心に医療用医薬品の供給不足が続いており、患者への医療提供に支障が生じている事例が見られることから、医療用医薬品の安定供給の確保が喫緊の課題となっている。 その背景として、後発医薬品企業において、品質管理上の不備等の法令違反による出荷停止が相次いで発生したことや、少量多品目生産による非効率な生産等の産業構造上の課題が指摘されている。 さらに、昨年末からの季節性インフルエンザ等の感染拡大による需要の増加が、医療用医薬品の需給ひっ迫に拍車をかけている。 このような状況を踏まえ、国は、医療用医薬品の供給不足を防止するため、医療機関等に対して供給状況を速やかに公表するとともに、製造販売業者に対して増産要請を行うなどの取組を実施しているが、今なお多くの医療用医薬品において、限定出荷や供給停止の状況が続いている。 よって、国におかれては、医療用医薬品の安定供給を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 製造販売業者に対し、法令遵守を徹底させるとともに、少量多品目生産の適正化に向けた品目統合などの生産性向上への取組に対する支援を図ること 2 供給不足が発生している医療上必要性の高い医薬品の安定供給を確保するため、製造販売業者に対し、増産等に必要な人件費及び設備整備に対する継続的な支援を行うこと 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和7年3月24日             殿 愛知県議会議長     直江弘文 (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣     厚生労働大臣