居住施策に関するアンケート調査

市町村名 新城市
市町村長名 穂積 亮次

愛知県の住まい・まちづくりを取り巻く状況について、特に注目している現状と今後重要となってくる課題についてのお考えをお聞かせください。

(現状)
 本市においては、進学、就職、結婚などを機に、若者が都市部へ流出し、生産年齢人口が急速に減少しています。これに伴い、過疎化、少子高齢化などの問題が、他の地域に比べ、深刻な状態となっています。
 また、高齢化の進行により、年々、空き家が増加し続けています。空き家の中には、地域を活性化させるための有効な資源も存在しますが、管理が行き届いていない危険な状態のものも存在します。
(課題)
 生産年齢人口の減少により、これまで地域で行われていた協働活動を維持することが困難になるなど、地域コミュニティーが成立しなくなることが懸念されます。このため、定住人口を確保することが、喫緊の課題となっています。
 少子高齢化対策として、子育て世代から高齢者世代まで、多様な世代が暮らしやすいまちづくりを進めることが課題です。子育て世代が、安心して子どもを産み、育てやすい環境を整えるのと同時に、高齢者への生活支援や、移動手段の確保など、高齢者が暮らしやすいまちづくりを進めることが必要です。
 近い将来、発生が想定される巨大地震は、本市においても甚大な被害を及ぼすことが予想されます。危険な空き家の対策、建物の耐震化の促進、市街地の狭あいな道路の拡幅、孤立集落への対策など、早急な都市基盤の整備が課題です。また、隣近所での助け合いや、支え合う「共助」の取組を推進し、地域防災力の向上を図ることも重要な課題です。
キーワード 過疎化、少子高齢化、定住対策、空き家、防災

上記の課題解決のために推進すべきと考える住まい・まちづくりに関する取組みについてのお考えをお聞かせください。

 平成26年度末に開通予定の新東名高速道路に、新城インターチェンジ(仮称)が設置されることとなっています。これを好機と捉え、定住人口の確保に向け、企業を積極的に誘致し、働く場を確保するとともに、安価で良好な住宅を供給する取組みを行います。また、既存の集落を生かした、コンパクトなまちづくりを行うとともに、未利用地や低利用地、空き家などの既存ストックを有効に活用します。市街地においては、建物の耐震化を促進し、市街地の狭あいな道路の拡幅など、都市基盤の整備を着実に行います。
 少子高齢化対策として、多様な世代が暮らしやすいまちづくりを進める必要があります。子育て世代が、安心して子供を産み育てられるよう、市民病院の再建と、しんしろ助産所の充実をはかり、地域医療の再生を進めます。また、「新城版こども園」を核とした、地域全体で子育て世代を見守る仕組み(「共育(ともいく)」)を推進します。交通弱者である高齢者の移動手段として、公共交通機関を充実させることや、介護・福祉などの生活支援を充実させます。
 住環境の整備は、行政の取組みだけではなく、地域の住民が主体となり、行政と協働しながら進めることも重要です。これまで見過ごされてきた、地域の資源(宝)を再発見し、磨くことにより、個性が輝く、魅力あふれるまちづくりが進むと考えられます。地域の特性を生かしたまちづくりを行うことで、「選ばれるまち」となることを目指します。地域が主体となるためには、市民が地域に関わる機会を増やし、地域への関心を深め、まちづくりへの参加意欲を高める取組みが必要です。
 また、地域への関心を深めることは、隣近所での助け合いや共助の取組みを推進し、地域の防災力が向上することで、巨大地震等の災害発生時には、非常に大きな力を発揮するものだと思います。
キーワード 企業誘致、住宅地開発、公共交通、こども園、住民参加のまちづくり