3 まとめ
 
(1) 尾張地域
今年度の尾張地域の地盤沈下の状況は、地下水位はほぼ全域で上昇し、地下水揚水量も昨年に比べやや減少し、1cm以上沈下した水準点が2点観測されましたが沈下域は生じませんでした。このことから地盤沈下は引き続き沈静化の傾向にあるといえます。
下の図は十四山観測所を例に、地下水位と水準点の累積変動量及び地下水揚水量の経年変化をグラフ化したもので、一番変化の大きい307m井の年平均地下水位で比較すると、観測を開始した昭和52年は-23.2mであった水位が、平成15年には-3.1mになっており、26年間で20.1m上昇しました。この地下水位の上昇に伴って水準点の年間変動量は減少し、最近では微少な隆起・沈下を繰り返しながら沈静化に向かっていることが分かります。
 
○尾張地域(十四山地盤沈下観測所)の地下水位及び同所横の水準点(A309)の累積変動量
 
 
(2) 三河地域
今年度の三河地域の地盤沈下の状況は、矢作古川流域の深層で地下水位の低下が見られたものの、その他は全域で順調に回復しており、東三河地域及び渥美地域では地下水揚水が原因と考えられる地盤沈下の傾向は見られません。
また、矢作古川流域においても、昭和50年代後半までは沈下域が生ずるなど大きな沈下が見られていましたが、地下水揚水量の減少とともに昭和60年代以降は緩やかな沈下となっており、平成15年度も引き続き沈静化の傾向を示しています。
下図は吉良観測所を例に、地下水位と水準点の累積変動量及び地下水揚水量の経年変化をグラフ化したもので、地下水揚水量の減少に伴い、年間変動量は減少し、最近では、微少な隆起・沈下を繰り返しながら沈静化に向かっていることが分かります。
 
○三河地域(吉良地盤沈下観測所)の地下水位及び同所横の水準点(A197)の累積変動量
 
 
  
 
1 地下水揚水量と地下水位の状況
2 地盤沈下の状況
(1) 尾張地域
(2) 西三河地域
(3) 東三河地域、渥美地域、知多地域
3 まとめ
 
 
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