自然公園とは

  愛知県は、美しい山河、変化に富んだ海岸線など優れた自然景観に恵まれています。こうし
 た地域を保護し、末永く後世に引き継ぐとともに、誰もが野外レクリエーションを楽しみ、動植
 物や地質などの自然を学ぶことができるように指定したのが自然公園です。 
  日本の自然公園は、土地の所有に関係なく地域を指定する地域性の公園であり、一定の公
 用制限のもとで風景の保護を図る形態をとっています。
  地域内では林業や農業等が営まれているなど、自然公園であると同時に産業の場であり、
 生活の場にもなっています。
  従って、自然公園内の景観を保護するためには、公園内にある国民の財産権及び各種の
 産業との調整が重要であり、建築物の新築や土地の形状変更など一定の行為に規制がかけ
 られ、行為を行おうとする者は、許可、届出等の手続きが必要となります。

規制を受ける行為

  自然公園は、地域の自然環境を守る観点から、特別地域(特別保護地区、第1種特別地
 域、第2種特別地域、第3種特別地域)、普通地域に区分され、地域ごとに規制を受ける行為
 を定めています。(根拠法令:国定公園…自然公園法 県立自然公園…愛知県立自然公園
 条例)




特別保護地区

原生的な自然景観を有する地域や動植物の重要な生息地、特異な地形地質を有する地域等であり、現状維持を原則とする地域(県立自然公園には指定制度がない)

第1種特別地域

特別保護地区に準ずる地域で、現在の景観を極力維持する必要のある地域

第2種特別地域

良好な自然状態を保持している地域で、農林漁業との調和を図りながら自然景観の保護に努めることが必要な地域

第3種特別地域

特別地域の中では風致を維持する必要が比較的低い地域であり通常の農林漁業活動については風致の維持に影響を及ぼすおそれが少ない地域

普 通 地 域

特別地域と一体的に風景の保護を図ることが必要な地域

  国定公園及び愛知県立自然公園の区域内で次の行為を行う場合は、知事の許可又は知
 事への事前の届出が必要となります。
  特別地域の許可の基準は、国定公園については自然公園法施行規則第11条に、県立自然
 公園については愛知県立自然公園条例施行規則第13条に定められています。自然環境
 への影響が著しいなど一定の限度を超える行為については許可できないものもあります。
  普通地域は、事前の届出が必要となりますが、特に風景の保護を図る上で必要な場合に
 は、行為の禁止や制限が加えられることがあります。また、原則届出をした日から30日以上
 経過しなければ行為に着手できません。

行 為 の 種 類

国 定 公 園

県立自然公園

特別
保護
地区

特別
地域

普通
地域

特別
地域

普通
地域

工作物の新築・改築・増築

○注1

○注1

木竹の伐採

 

 

鉱物の掘採、土石の採取

河川・湖沼等の水位、水量の増減

○注2

○注2

指定湖沼等への汚水・廃水の排出

◎注3 

◎注3

 

◎注3

 

広告物等の掲出・設置・表示

屋外での物の集積・貯蔵

◎注4

 

◎注4

 

水面の埋立・干拓

開墾等の土地の形状変更

植物の採取・損傷等

◎注5

 

◎注5

 

動物の捕獲・殺傷、卵の採取等

◎注6

 

◎注6

 

屋根、壁面、鉄塔等の色彩変更

 

 

湿原等への立入り

◎注3

◎注3

 

◎注3

 

車馬等の乗入れ

◎注3

 

◎注3

 

木竹の損傷

◎注3

 

◎注3

 

木竹の植栽

 

 

植物の植栽、播種    ◎注3,5    ◎注3,5   
動物を放つこと    ◎注3,6    ◎注3,6   

家畜の放牧

 

 

火いれ・たき火

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



















  ◎…許可 ○…届出
  注1…一定規模以上のもの(建築物:高さ13m又は面積1000u、鉄塔:高さ30m等)

  注2…特別地域に影響を与えるもの
  注3…指定地域に限る(本県に指定地域はない)
  注4…指定物に限る(土石・廃棄物・再生資源・再生部品)
  注5…指定植物に限る
  注6…指定動物に限る

自然環境等調査

  以下の行為等については、事前に開発予定地の植生、動物等自然環境について、1年間
 の現況等の調査が必要となります。そしてこの調査結果及び保全対策をふまえた開発計画を
 作成するとともに、許可申請又は届出時に調査報告書を提出してください。
 @ 特別地域内では1ヘクタール、普通地域内では10ヘクタール以上となる大規模な開発行為
 A 特別地域内で延長2キロメートル若しくは幅員10メートル以上となる道路の新築

 
 自然環境調査の一般的な手順はこちらを参照してください。

手続きの流れ

 許可申請書や届出書の様式
  許可申請書や届出書は、各県事務所環境保全課や市町村窓口に備えてあります。もしくは
 こちらからダウンロードすることもできます。
  なお、これらは、行為の種類等により様式や必要な添付書類が異なりますので注意し、こち らのリストを参考にしてください。

 添付が必要な図面
  次の図面を作成してください

地形図

行為の場所を明らかにした縮尺1/25,000以上のもの

概況図

行為地及びその付近の状況を明らかにした縮尺1/5,000以上のもの

カラー写真

行為地全体の景色を写したものと行為地を近くから写したもので撮影箇所を明らかにしたもの

平面図・立面図断面図・構造図意匠配色図

行為の施行方法を明らかにした縮尺1/1,000以上のもの

修景計画図

植栽(樹種、樹齢、樹高等)その他修景の方法を明らかにした縮尺1/1,000以上のもの

※このほか土地使用承諾書の写しや他法令の手続きを明らかにした書面が必要な場合もあります。また、上記図面のうち行為の種類によっては必要ない図面もあります。

 許可申請書や届出書の提出先
 書類については行為地を所管する市町村役場に提出してください。提出部数は2部ですが、大規模な行為などでは3部又は4部必要となる場合があります。
 
また、申請書の不備等がある場合は修正に期間を要することがありますので、できるだけ早めに(おおむね行為着手予定日約2ヶ月前)提出してください。不明な点については、許可申請書又は届出書の提出の前に行為地を所管する各県民事務所環境保全課又は該当する市町村窓口にご相談ください。      

※ 行為を行おうとする場所が公園区域内かどうかの判定が困難な場合は、公園区域を示した図面を各県民事務所環境保全課や市町村窓口でご覧になれますので、そちらでご確認ください。
・パンフレット「自然公園内の行為規制のあらまし」(.pdfファイル) へのリンク
                                                   

自然公園内の行為規制の概要