5.市民による里山管理
5-2市民参加の里山保全活動
●集団の特質と活動の可能性
里山は関わる人々の資質によって限りない役割を果たすことについては先に触れましたが、それではどの様な姿に変われるのかをみてみましょう。
里山に関わりを持とうとする人間集団としてどんなものが考えられ、それらがどんな活動をし、そこにどんな意義が生ずるかを以下、見てみます。
集団 |
関わり |
意義 |
子ども会 |
遊び場、自然観察、
整備活動 |
情操教育、環境教育、
社会活動 |
町内会
老人・婦人会 |
整備活動、採取・
栽培、散策 |
生涯教育、社会活動、
健康 |
営農者 |
除・間伐、整備活動、
採取 |
資材確保、水源整備、
景観改善 |
自然観察
グル一プ |
自然観察、整備活動、
保全活動 |
環境教育、社会活動 |
企業 |
整備活動、
市民活動援助 |
宣伝、社会活動、
社員教育 |
土地所有者 |
林地提供 |
景観改善、社会活動 |
行政 |
施策、制度、
税制措置、催事事業 |
生涯教育、まちづくり、
景観改善 |
●里山の保全とまちづくり
生活域内、つまり手軽に繰り返し触れることのできる範囲内での里山活用方法として”まちづくり”を挙げる例が目立っています。それは里山を活かしながら”ひとづくり”や”場づくり”をしていこうというものです。
”ひとづくり”の面では、老人や主婦などの一般の住民の中に潜んでいる知識を、体験学習や実習講座などを通じて顕在化していき、互いに刺激しあう中で新しいリーダーや生きがいを創造していけるのではないかといった可能性や、そうした活動をきっかけに、地域社会で世代や学歴、役職を越えた人間関係が育てばとの思いから取り組まれているものです。
また”場づくり”という面からは文字通り、里山を身近な自然緑地としてとらえ直し、遊びやレクリエーション活用を通じて親しまれる場にすることが挙げられます。また、生態的な観点から、動・植物の多様性を促したり、地域の水循環の復元を図ったりする場として整備及び管理活用することによって、住環境としての地域づくりに取り組む例も予見されるようになってきました。
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