3-2海岸の防護に関する事項
(1)高潮対策における防護すべき地域
想定した高潮が来襲した場合に、浸水による被害の発生が想定される地域を防護すべき地
域とする。
(2)地震対策における防護すべき地域
想定規模の地震が起こった場合に、津波や施設の沈下・崩壊に伴う浸水による被害の発生が想定される地域を防護すべき地域とする。
(3)海岸侵食対策における防護すべき地域
侵食による被害の発生が想定される地域を防護すべき地域とする。
(1)高潮対策の目標
既往最大台風であり、最も沿岸に被害を与えた伊勢湾台風・13号台風規模を想定し、同規
模の高潮に対して対象地域の安全が維持・確保されることを目標とする。
(2)地震対策の目標
近い将来に発生が懸念されている東海・東南海・南海地震など想定最大規模または既往最
大規模の地震津波に対して対象地域住民の安全が確保されることを目標とする。
(3)海岸侵食対策の目標
現状の汀線を保持・保全すること、または目的に応じて復元することを目標とする。
(1)高潮・越波災害への対策
・海岸保全施設等による高潮・越波災害に対する防護機能の向上
・砂浜・松林等の自然防災機能の活用 ・沿岸の土地利用変化に対応した高潮対策
(2)地震・津波災害への対策
・地震による津波対策
・施設の耐震安定性の確保
(3)海岸侵食への対策
・砂浜の保全・復元
・施設の洗掘対策
(4)総合的な危機管理対策の推進
・地域防災体制強化の推進
・施設の適切な維持管理・運用体制の構築 ・総合的な防災対策 ・防災教育の推進
海岸環境を整備・保全すべき地域は、様々な生物が生育・生息する豊かで多様な海辺の自
然環境や、名勝や自然公園等の風光明媚な海岸景観等が残っている地域、または海岸環境 が著しく悪化している地域とする。
沿岸域における自然環境が、質・量共に生物にとって十分良好な状態で維持されることを目
指し、沿岸住民と海岸環境の共生のために広域的・総合的に取り組んでいくものとする。
(1)広域的・総合的な取組み
・一体的・計画的な事業の推進
(2)良好な生物・生息環境の保全・復元
・良好な自然環境の保全・復元
・生物の生息環境に配慮した海岸整備の推進 ・水質・底質の改善
(3)海岸景観の保全・復元
・自然公園・砂浜や松林等、優れた海岸景観の保全・復元
・景観に配慮した海岸保全施設の整備
(4)自然と沿岸住民の共生
・自然保護活動の推進
・沿岸域の文化の保存・継承・創造
適正な利用を図るべき地域は、海洋性レクリエーション、体験学習、憩い、健康増進の場、さ
らには地域文化の形成、継承の場等として利用すべき地域や港湾、漁業活動等の社会基盤 として利用すべき地域とする。
背後地の利用状況や利用者のニーズに配慮し、沿岸域の有効かつ適正な利用を目標とし
て、海岸利用の快適性・利便性・有効性を高めるべく整備を行うこととする。
(1)沿岸域の有効かつ適正な利用
・港湾利用、漁港・漁場利用の促進
・多様なメディアによる海岸利用のPR
(2)地域社会に密着した海岸空間の形成
・アクセスしやすい海岸の整備
・各種施設へのユニバーサルデザインの採用 ・地域文化の保存・継承・創造 ・快適な海岸利用のための利便設備の整備 ・周辺地域との連携
(3)様々な海岸利用者の共存
・利用者のマナー向上
・多様化する海岸利用の共存
沿岸保全における基本理念・基本方針に基づき定められた「防護」「環境」「利用」のそれぞれの施策を実施するためには、海岸管理者を中心として関係行政機関や市町村・地域住民やNPO等による相互連携体制のもと、それぞれが適宜役割を果たすことが必要となります。
![]()
![]() |