総合特区の3つのメリット措置(緑地規制の緩和、課税の特例、利子補給金)を実際に活用した事例をご紹介します。
活用事例:緑地規制の緩和

株式会社SUBARU提供
株式会社SUBARU・半田工場
2012年12月に緑地規制の緩和を活用して増設
同社はボーイング777旅客機の中央翼を製造するために、1990年に愛知県から取得した工場用地に、同社初となる臨海工場として、1992年に半田工場を建設しました。その後、787中央翼を製造するため、新たに組立工場建屋建設をはじめとする機能拡張を行いました。この拡張工事を実施するために特区の緑地規制の緩和が大きく貢献し、設備投資のコストを抑制することができました。また、2016年には敷地内に新たに777X中央翼組立工場建屋も建設し、更なる機能拡張を行いました。

ナブテスコ株式会社提供
ナブテスコ株式会社提供
2016年11月に緑地規制の緩和を活用して増設
同社はボーイング787等で使用される飛行姿勢制御システムの部品に係る受注増および生産効率化に対応するため、岐阜県垂井町にある同社航空宇宙事業の主力工場である岐阜工場敷地内に、電気油圧サーボバルブ(EHSV)専用工場と表面処理工場を新設しました。特区の緑地規制の緩和により、各工場新設に必要な用地として既存敷地を有効活用することが可能となったため、設備投資負担の軽減ができました。
活用事例:課税の特例

岡谷熱処理工業株式会社提供
岡谷熱処理工業株式会社
2022年1月に課税の特例を活用して設備投資
同社は、ボーイング787の量産事業等のため、新工場を整備し、特殊な部品加工等が可能な加圧冷却真空熱処理設備を導入しました。本設備の導入によりボーイング787に関係する部品等の量産体制を確立しました。
株式会社光製作所提供
株式会社光製作所
2023年2月に課税の特例を活用して設備投資
同社は、ボーイング787 の量産事業に対応するため、愛知県北名古屋工場内に工場建屋を増設し、長尺部品の加工に対応できる専用の加工機を導入しました。本設備を導入することにより、航空機の中央翼構成部品で座席を機体の床に固定するシートトラックレールの国内供給体制を構築し、量産体制を確立します。
活用事例:利子補給金
株式会社テックササキ提供
株式会社テックササキ
2016年8月に利子補給金を活用して設備投資
同社は、航空宇宙構造体の組立作業の大型化等に対応するため、名古屋市内に新たな工場を建設しました。工場建設のため多額の費用を金融機関からの融資により調達することを検討しましたが、その際課題となったのは、借入金に対する利子負担でした。利子補給金の活用により利子負担が軽減されるため、建設に係るコストを軽減することができました。これは、「宇宙機器開発・供給事業」による利子補給金の最初の活用事例となりました。

多摩川マイクロテップ株式会社
多摩川マイクロテップ株式会社
2024年11月に利子補給金を活用して設備投資
同社は、ボーイング787等で使用されるモータ、センサの量産受注に対応する体制を構築するため、長野県飯田市の本社工場にCNC円筒研削盤を導入しました。利子補給金を活用して本設備を導入することにより、高精度かつ高速な加工が可能となり、大幅な生産能力の引き上げや製品品質の更なる安定化を実現することができます。