第4回「21世紀にふさわしい公園づくり委員会」委員発言要旨


(文責事務局)
事務局 あいさつ
前回の9月13日の委員会では、公園の利用形態と整合の取れた施設計画とするべきであることや、博覧会の成果の継承をどうするのかといったご意見をいただいた。それらについては、小委員会を持って、事前に検討を行うということを涌井委員長からご提案いただいて、11月4日に小委員会を開催し、そこでのご議論をふまえて、県民との協働による公園整備や管理運営の方針及び施設の計画案を提示させていただきたいと考えている。
博覧会も大成功に終わり、博覧会の成果を新しい公園作りに生かすべきであるという県民意見の盛り上がりを受け、「イデアのひろば」を対象とした博覧会の理念と成果の継承について、より多様な視点からご意見を頂くため、新しい検討機関を設けたいと思っている。この点については改めて説明をさせて頂く。
今月初めから、公園の名前の一般公募を行っている。すでに1,500通を超える応募を頂いており、博覧会会場であった青少年公園に対する県民の関心の高さ、期待の大きさが感じられるところである。この県民の期待に応えられるように、すばらしい公園にしていきたいと考えておりますので、よろしくご審議の程、お願いいたします。

涌井委員長 あいさつ
前回についてはたいへん多岐にわたる、活発なご議論を委員長にご一任をいただいて、その後、色々詰めてきた。博覧会の成功と青少年公園の歴史、この二つの兼ね合いの中で様々なご意見をいただき、今日、3つの議事に取りまとめさせていただいた。よろしくご検討をいただきたい。


会議の概要

【主な発言要旨】

委員長:

本日は議題は3点ほどある。第一点目の「小委員会の結果」についてご報告をいただきたい。

事務局:

小委員会の結果について報告(資料2)。


「博覧会の理念と成果の継承の検討」については、「博覧会の理念と成果の継承」の核となる部分について、より発展的な検討を行う体制として「新たな検討機関の設置」について事務局より提案させていただきご支持をいただいた。


「新たな検討機関の設置」については、小委員会でご支持をいただく前提条件として、公園全体の管理運営方針、「イデアのひろば」を除く施設計画については当委員会でまとめること、公園全体が博覧会の継承の場であるということから、当委員会で検討した継承の考え方は新たな検討委員会に報告すること、また、新たな検討機関の設置目的、当委員会との位置付けなどを当委員会に報告するようご指摘があった。


「県民協働のあり方」については、計画・整備・管理・運営等、様々な段階において市民参加による公園づくりを推進し、その実現のため段階的な仕組みづくりを行うことや、公園管理機能に県民協働の場を加えた「パークセンター」のような施設を計画すること、また、キャンプ場についても、施設計画段階からワークショップで検討する施設に位置付けることなどのご意見をいただいた。

委員長:

本日の議題の第二点目である「新たな検討委員会の設置」についてご説明をいただきたい。

事務局:

「新たな検討機関の設置」について説明(資料3)。


博覧会の成功を受けて、「博覧会の理念と成果の継承」について、より重く受け止め、「イデアのひろば」において、博覧会のテーマや成果を引き継いだ展開の検討を行うにあたり、より多様な視点から幅広いご意見をいただき、議論を深め、発展的な検討を行うため「新たな検討機関」を設置したいとの考えに至っている。


当委員会では、「イデアのひろば」を「博覧会の理念と成果の継承の場」、それから「これからの公園のあり方を象徴する空間」として公園計画全体の中で位置付けるに際し、ひろばの性格、展開の方向について検討していただきたいと考えている。展開の方向については、博覧会施設である迎賓館・レセプションホールを活用した博覧会を記念する展示施設を設けるとともに、博覧会参加国の記念樹を移植する博覧会記念樹の森を設置し、「イデアのひろば」の東側は「テーマゾーン」として理念と成果を継承するテーマ展開の場としたいと考えている。また、当委員会では、「イデアのひろば」以外の公園全体につきまして、市民協働を始めとする博覧会の理念と成果の継承や施設計画、管理運営方針について引き続き検討を進めていただきたいと考えている。


「新たな検討機関」では、当委員会で位置付けていただいた「イデアのひろば」の性格、方向の展開を踏まえて、当委員会からの意見を参考に博覧会の理念と成果の継承や展開について、基本構想、基本計画を検討していただきたい。なお新たな検討機関で示されました基本構想、基本計画については、当委員会で公園全体計画との調整をする予定であり、その時にはよろしくお願いしたい。


パワーポイントにより全体計画の説明(資料4)

委員長:

イデアのゾーンにおいて新しい委員会を設置することについて、議論させていただきたい。

委 員:

新たな検討委員会は、当委員会で愛・地球博の理念を継承するということ、この公園全体が博覧会の継承施設であるということでずっと議論してきており、その議論をベースにした上で、具体的にどう展開していくかというための検討委員会とするべきである。


具体化のためには、博覧会に関連していた人たちがきちんと関与するということが大事だと思うので、そういう意味で全体をふまえながら具体的な場所を限って、そこにきちんとした形でものを残していくということを検討していく機関というのは、大変結構なことではないかと思う。ただ、当委員会との関連について明確にしていく必要がある。

委員長:

当委員会との関連については、新たな委員会でご検討いただく事項について、当委員会で今まで進めてきたことが当然基盤になり、なおかつ「イデアのひろば」ということに限って検討していただき、最終的に整合化を図るということでよろしいでしょうか。

事務局:

新しい委員会で「イデアのひろば」について基本計画をまとめていただくが、それをまた当委員会でもう一度、全体からの上で、見直して調整を図るということをお願いしたい。

委員長:

具体的には、その委員会は、どんなスケジュール、方向で検討されるのか。

事務局:

1回目の委員会をこの11月の末に開催する予定である。基本構想を17年度末までに、さらに18年度に基本計画をご検討いただきたいと考えている。

委 員:

「イデアのひろば」の検討内容を、「博覧会の理念と成果の継承の場」、「これからの公園のあり方を象徴する空間」の2項目とされているが、後者については全体を象徴するエリアの基本構想、基本計画という意味合いとなり、当委員会との関連という点からどうかと思うのでご検討いただきたい。

事務局:

理念を継承する施設という面からは、ハコものをつくるという誤解を招きかねないということを感じており、これからの公園のあり方、空間のつくり方という意味合いを主張しておきたいと考えている。

委 員:

意味合いという点は理解出来るが、検討の方向としてこれからの公園のあり方を象徴する空間と言われると、かなり展開が広くなる。「イデアのひろば」というのは、「博覧会の理念と成果の継承の場」という考え方で展開していいのではないかと思う。

事務局:

テーマとしては、「博覧会の理念と成果の継承の場」であり、今おっしゃられたとおりである。ただ、空間づくりのやり方という意味合いをどこかには加えていきたいと思う。

委員長:

我々は、21世紀を見据えて公園づくりの提案を、前回から今日まで議論してきた。新しい委員会では、そこを継承していただきながら、「イデアのひろば」についてどうすべきなのかという議論を煮詰めてほしい。そして、ご検討いただいたものについて、当委員会による公園全体計画との整合を図るという展開ですすめることについてご承認をいただけたということでよろしいか。

委 員:

当委員会から新しい委員会に「イデアのひろば」を提示する、という面からは「これからの公園のあり方を象徴する空間」は削除した方がいい。「イデアのひろば」というものをそこにつくるという事は当委員会にお任せ頂いて、「博覧会の理念と成果の継承の場」についてのみ新しい委員会でご検討していただくということではないのかと思う。

委 員:

「イデアのひろば」については、博覧会の理念と成果という視点でひろばをつくっていくことを委ねるものであり、それ以上のものではないと理解したい。当委員会の名前が「21世紀の公園づくり」という名前になっている以上は、そこでのミッションというものはいわば万博は一部分だろう。当委員会は、万博が生んできた地球大交流をふくめて、大きなつながりというものをこの公園の中に残し、さらにリアルに社会に提供していく、まさに公園のモデルをつくるということだ思う。

委員長:

新しい検討委員会をつくっていただくことは、これは博覧会の理念と成果を継承するということにおいて、我々の議論の中から生まれてきたことであるので、大変結構なことだと思う。しかし、その議論は、「イデアのひろば」という空間の基本的な構想、あるいは計画をしっかり踏まえていかないといけない。この委員会で出された内容を新しい委員会の中にお示しして議論が膨らんで、今までの我々の議論が、無にならないようご配慮いただきたい。そのような枠組みの中で、新しい委員会でご存分なご意見を出していただく、ということで取りまとめをしていくということでいかがか(委員了解)。事務局の方は、いかがでございますか。

事務局:

はい、承知いたしました。こちらの委員会で議論されました「これからの公園のあり方」を充分に新しい委員会に伝えるようにしていく。

委員長:

県民協働を含めた新しい公園の運営管理と、それに伴う空間整備についてご議論いただきたい。

委員:

西エントランスについて、南側の「もりのゾーン」や「こどものひろば」にもアクセスするのに非常に近い場所であるということで、早く姿が見えないかなと思っている。「あいちアートスクエア」の整備については施設づくりの段階から県民参加を望むエリアというような位置付けがされている。今から県民参加においてソフトウェア、ハードウェアを同時に進むとしても、かなりの時間がかかるのではないか。先程は運営参加の協働については5、6年後ということを事務局の方から発表があったが、私共の感覚からすると、5年、6年というのは長いのではないか。スケジュールはどれくらいを目途に考えておられるかお尋ねしたい。

事務局:

まだ基本段階で明確なスケジュールをお答えするというところまでは詰まっていない。現段階の予定として、来年の夏に、「北エントランス」から「こどものひろば」をオープンし、その後、来年度の末に博覧会前整備を行ってきた「日本庭園」、「林床花園」、「親林楽園」と、「西エントランス」をオープンするとして計画を進めている。その他の部分については、今後検討が必要と考えている。財政的にも、非常に大きいものなので慎重に考えている。

委員長:

西エントランス周辺の案について説明をお願いします。

事務局:

前回、西エントランスをサブエントランスと呼んでいたが、サブではなくてメインの一つということで、華やかな空間演出を考えた。ここは、空間的にかなり制約があって、入口も駐車場が必要という中で、駐車場の一部を南側の野球場の一部に配置することによって広場の空間を広く取った。それによって、来園者はこいの池の正面に着く。それは、地形から言うと、谷筋が合流する要になる場所である。この場所の重要なポイントとして広場に何らかのモニュメントを置いてはどうかということも考えている。


その南に提案している「あいちアートスクエア」は、前回、特段性格付けがない広場であったが、愛知県館が置かれた場所にあるということ、さらに、日本庭園の導入部であるということを併せて、アートスクエアというものを提案させていただいた。


公園の外から中に入ってくる導入の部分については、まだ、基本計画のスケールで詳細は今後詰めていくが、並木空間をイメージした表現としている。これは、入口にふさわしいものをこれから考えていこうという意志表示と読んでいただきたい。

委 員:

県道から回り込んで入っていくという形は民地があるということで壊せないということですね。

事務局:

はい。現在、都市計画決定として決定された範囲で最大の努力をしようと思っている。将来の可能性を削るものではない。

委員長:

この図面は、かなり未来的な部分を予察しているように思える。エントランス広場に、ピンク色の部分が真ん中へきて、これがずっと屈曲している所に真っ直ぐつながるような方向で絵が描かれている。県道から直接アクセスするという可能性があった時に不整合がおきないような計画にしてある。

事務局:

そのように見ていただければ幸いですが…。軸線というものを意識した。その軸線を延長して、将来的に橋になる可能性もあろうかと思う。

委 員:

存置施設の温水プールとアイススケート場の東側に広場があるが、みんなが集まってステージを置いて野外ホールになるような形での利用をお考えいただいているのでしょうか。

事務局:

この広場は、大規模なイベントに対応する空間として考えている。既に万博の際に、非常に大きなステージがバイオラングの背景としてあった所なので、そこにステージを組む傾斜地が作られている。その傾斜を生かした形で、人工芝はそのまま活用させていただきたいと思っている。整備についても、背景で残す部分はないが、床の部分については、ステージを残してイベント対応に使っていきたいと考えている。

委 員:

ありがとうございました。大規模なイベントをやる場がないのかと思っていたが、テンポラリーにステージを作れば、充分期待の出来る形が確保されていると考えてよろしいか。

事務局:

おっしゃるとおりです。

委員長:

ここに残されている課題は、空間整備の問題、それから管理運営の問題、県民協働の問題。そういう問題が議論の大筋としては、大変多いかと思いますが…。

委 員:

「大芝生広場」ですが、万博の時に、すごく使いにくい会場だったが、そういうのは是正されるのでしょうか。例えば、バックヤードがなにもなく、ビッグイベントが出来る空間ではない。いろいろ利用のための調査していただいて、設計をしていただく必要があると思う。


県民参加の段階については、資料の中の赤と緑の星(企画面)が少なく、手足だけを使うという結論が見えてしまうようなので気になる。例えば、横浜で行われているトリエンナーレなどのように、イベントを構築しつつやれば出来てしまうということもあると思う。

委 員:

2010年の上海万博の時に再びエキスポがクローズアップされる。その時に2005年の体験、物語が大きく見直され、ある程度の理念と成果を継承している実態を世に返していく責任を私達は負うのではないか。特に、上海が賑々しくやられているところで、きっと私共の成果の確認が世界中からあると思う。その時のために、ある程度の目途をつくってスケジュールをきちんと確認しながらやることも必要と考え、整備時期について敢えて申し上げた。

委 員:

僕は逆に、事務局のプランの中で、育成期というか第一期が5年かかることを想定しているのは、まさに上海万博を想定しているのかと思った。今、万博に参加された市民の人達が、自発的に上海への継承作業を始めている。


公園マネジメント会議は、実際はものすごく大変で、ファシリテーションがしっかりしていないとできず、一番そこが重要である。今回の万博の成果は、いろいろともに働いた市民の方達がいて、市民参加の「いり口論」の困難さを経験して、もう協働するというスタンスに入っている人たちが大勢いる。そういうことも含めてこの赤い星がもう少しあったほうがいいのではないかと思う。

委 員:

マネジメント会議を設定するということで、とても積極的な考えでいい案だと思う。ただ、会議のメンバーではないけれども、公園に協力したいというメンバー、パークパートナーからもいろいろな意見を上げていくという必要もあるのではないかと思う。そうやって関わっていくと、公園でやっている事の宣伝をメールとかいろいろな形で、公園を利用する市民のほうに届けるといった役割も果たしていくことが出来る。


移動しやすい動線に配慮してほしい。例えば、テーマゾーンで、もし屋内の施設を使った企画、プログラムを行うとなった場合に、パークセンターから移動しやすいとか、つながっているという形の方が利用もしやすい。

委 員:

参加と協働という面からは、計画、設計、管理運営などさまざまな段階でという文言になっているので、期待感をもつ内容であるが、言葉だけで終わる場合もあり、しっかり参加の仕組みをつくらないといけない。


参加のプロセスをイベント化していくことで、集客と参加の両方が出来ると思う。参加自体がムーブメントになるのであれば、これをつくるプロセス自体により、担い手がたくさんの来場者として来ることも十分ありえる。そのために、たくさんの人たちが使っていただけるようなシステムとか、つくるプロセスを多くの人たちに意図的に知らせるような広報機関を置かないと無理である。単に利用者ではなくて、作り手がここにたむろする状況というのを、つくれるのかどうか、かなり重要だと思う。


新しい委員会と当委員会との関係で、県民参加の話がずいぶん関わってくる。ゾーニングで分かれていて、個別構想があるところに、いろんなプロジェクトが出来、いろんな人たちが力を合わせて、それをうまく統合していくソフトウェアが大事となる。プロデュサー的な話も出たが、実施という段階のイメージを少しここで作っておかないとまずいと思う。


イデアのひろばの委員会については、少し違和感を持っている。多分、いろんな事情があってのことと思ってはいるが、公園をつくるという大きな流れをつくっていく時に、最初のグランドデザイン、ソフトウェアを作っておかないと都合でどんどんバラバラになっていくような危険性をはらんでいる。


何故、市民参加かというと経営問題が根底にある。採算性とか、経営とか、リニモ等も含めて、まわりの市町村も、賑わい効果を含めて、常に経営問題を意識して公園をつくるべきである。

委員長:

参加してつくるものなのか、参加が出来るだけなのか、あるいは、手足の部分だけ市民協働というのはいかがなものかとご指摘があったが、かなりそれは重く受け止めなければならない議論だと思う。そういう中で、市民参加ということが、自分達の空間であるという認識を広めて、公園の利用拡大につながり、なおかつ経営安定にもつながっているという点を直視することも非常に重要であろう。


赤い星の議論と、それから戦略的な整理をしていくという議論について県の方のお考えを確認をしておきたい。

事務局:

黄色い星が多すぎるとすれば、それは考え直さなければならない。決して労力を当てにしているわけではない。赤い星の方は、理想と現実がちょっとかけ離れているところがある。万博の中では、かなり理想に近い形で市民参加、ボランティアが展開され、一気に市民団体の方が成長したというイメージがあるが、同じような状況を県が受け止められるかどうか。基盤づくり期間を設けたのは、市民団体が成長するだけではなくて、行政も成長する期間であろうと考えたからである。赤い星はいろんなところで展開が可能であり、計画を詰めていく中で、増えていくと考えたい。

委員長:

赤い星がたくさん増える可能性がたくさんあるというのは、その通りだと思う。21世紀に向けての公園づくりの中で、市民協働、市民参加、これは必然であって、そういう方向にいかにうまく仕組みをこしらえていくかという点、受け手側の行政もそういう体制にトレーニングをしていくために、ある程度の期間が必要である。

委 員:

民間企業も含めて、市民、市民団体に対して責任を取る人たちが前提であるが、全てに対してやれるかやれないかという問いかけをやって、やれないことだけ、行政がやるという方法が望ましい方法(補完性の法則)。踏み込めとは言わないが、私ならそうする。

委 員:

受け皿が育つという面が本当に必要。今回、参加じゃなくて参画まで予定しているわけで、言葉を実体化するには、市民と向き合って語りかけていかないと、行政側も成長しないと思う。現場で初めて、人材から思想が育っていくと思う。例えば、みんなで作るキャンプ場では、非電化型のオールタナティブなキャンプ場を考えていく。こうした具体的なプロジェクトを考えていく中で、市民協働のあり方は、すごく考えられると思う。


今回万博を経験して、市民の知恵って本当に偉大なものだということを幾つも体験した。例えばさきほどの非電化の道具をつくる人とか。そういう人たちと語り、向き合っていくことで、受け皿側、行政側も当然インキュベートされていくものだと思うので、市民との協働プロジェクト化していく必要がある。ここにはこういう人と協働できるという、具体論をもっと入れていくことで、赤い星とか黄色い星をつけるという作業が必要だろう。

委員長:

基本は、県民と共に成長・発展していく公園をつくっていくことで、それがサスティナブルパークの大きなポイントである。


次回の委員会までに、第一点目として、協働のシステムをどのように高めていくのかということについて、議論を進めていただければありがたい。具体的にどのようにしていったら、赤い星を増やしていけるのか、どこに増やせという意味ではなくて、どういう仕組みを持ったら増やしていけるのかということについてご検討いただく。


第二点目は、理念継承委員会の中で、こちら側のサスティナブルパークという考え方の中に県民の協働参画というものがかなり重要なファクターであるということをご考慮頂き、検証して頂きたいという事を申し継いでいただくということが非常に重要だと考える。

委 員:

公園全体が基本的には、持続性への体験の場であり、学びの場であり、サスティナブルな場である。こうした大きなテーマを持っており、「イデアのひろば」でのこれからの公園のあり方は、私共が今、ここで話をして来た内容を象徴的に取り上げて、継承していただく事だと思っている。


もう一つ全体を通して思っていることは、愛・地球博というのはまさに地球というものがテーマになっていて、先程、世界という言葉を入れていただいたが、地球の方が良かったのかなという気もしている。そして、地球という言葉と同時に環境というもの、環境博であったという事をもう少し全体に貫いていく必要がある。


プログラム上の話であるが、全体を通して環境とか環境学習という事を内在化させていくべきだと思う。例えばフィールドセンターが、自然系の環境学習をやればいいという事ではなくて、もっと全域でそれは行われるべきだし、自然系だけではなくて地球環境の環境学習もやらなきゃいけない。パークセンターなどがお互い分離して機能するのではなくて、地球とか、環境とかそれぞれが内在化して動かないと、ゾーンとして整合性がとれなくならないかという心配がある。

委員長:

空間整備の計画論としては個別的に特色を出していく必要があるが、その横をつないでいくのが、市民参画、市民協働の姿でもあるので、そのあたりの視点についても、ぜひ次回の検討までに盛り込んでいただけるといい。

事務局:

欠席委員の意見紹介。





整備活用の目標については、国際交流の発展を明確にするため、世界を加えたことについてはご賛同いただき、自然、環境についても地球規模として考えていく必要があり、世界が対象となっていることと確認をされた。この他博覧会を記念する展示施設については、飽きの来ない展示方法で今後検討すべきであること。市民協働による公園作りとして、当公園で実践される市民協働での公園作りの手法を市町村を含めた他の都市公園や諸外国に情報発信すること。また市民協働による公園作りをめざす関係者の養成、研修の場としていくこと。環境に配慮した駐車場の整備、また、公園整備の県産材を積極的に活用すること、等のご提案を頂いている。さらには、さまざまなソフトプログラムを運営するにあたり、公園の周辺地域や海上地区との関連を考慮することにより、プログラムの巾が広がり公園の存在意識が高まること。NPOやボランティア団体等との連携を目指した維持管理を行うには、継続的な活動の実践が必要である為、指定管理者への委託期間をある程度長いスパンで考えるべきであるといったご意見を頂いている。


気軽に健康作りができるウォーキングコースを設置し、特に森の中にこのようなコースがあると良いこと、公園マネジメント会議では中立的な運営を充分考慮すべきであるといったご意見をいただいた。


新しく親林楽園の方の区域に入れた自然観察園について、自然回復を図るようにすべきであること。また、林床花園、親林楽園における県民参加の取り組みについて、赤い星である「施設づくりにおける県民参加」を入れていたが、そこまでいくとものづくりの方にいってしまうイメージを与えるので、赤い星はとるべきであるという提案があり資料に反映させた。

委員長:

ご意見を頂戴したことについては、どのような手順で今日の提案につないでおられるのか。

事務局:

展示施設については、これからの検討課題であると思われる。環境に配慮した駐車場の整備については、北駐車場の方について、透水性の舗装であるとか、そこから植樹を増やすとかの配慮をしている。公園に県産材を使うということで、舗装関係にカワラとか陶板とかの検討をしたいと思っている。


ォーキングコースについては、現在森の中にフィールドセンターを中心としてかなり園路が通っているので、そういうものを利用していただけると思っている。公園マネジメント会議をどういう形で進めていくかということについてはこれからの議論ではないかと思う。

委 員:

北側、西側に大型の駐車スペースが出来るが、出来るだけ車と人の舗装面が、同一面で交差しないような形を考えていただきたい。特に、「北エントランス」は「こどものひろば」に通じる動線上に駐車場が配置されているので、車と人を同一空間における交差は出来るだけ少なくしてほしい。また、谷と谷、尾根を越えて結ぶような、森林の中の安全な園路が準備されるとより魅力が増すのではと思う。


案内、矢印だとかのサインをきちんとやっていただきたい。また、防災公園機能、広域的防災機能も反映されるような整備を心がけてほしい。

委 員:

障害を持った方の利用にも配慮した動線や環境づくりということに心がけてほしい。

委 員:

県民参加の対象としては、個人、団体、企業、NPOを全部含めて、県民という理解をしている。そういう中で、県民参加と言った時にPFI方式を積極的に導入したらと思う。そのような資金導入によって、より早い整備というものが可能になってくるのではないか。


段階的な開園に対してどういうふうにインフォメーションをしていくかということに留意する必要がある。優良なサイン計画を公園内、および公園に連絡する県道、市道に対しても段階的な開園にあわせて充分配慮していく必要がある。自治体はどこもなかなか資金が難しいということで、民活導入という考え方もいいのではないかと考える。

委員長:

動線の議論、それから安全・安心、ユニバーサルデザインの展開をどうやって継承していくか、それから、整備方式という面で民活を、県民協働という面からも検討していくという考え方があるのではないかというご指摘があった。事務局の方からも、意見、議論に参加していただきたいと思う。

事務局:

駐車場における人と車との交差については、緑地帯により分離を図るなど、なるべく交差しない計画とした。緑地帯は、通常の芝生だけの緑地帯ではなくて自然風な形で少し地形のアンジュレーションをつけ修景を図っていく。


サインについては、全体を案内する大きな看板、エリアを紹介するような中くらいの看板、個々の施設を案内するような小さな看板の3段階ぐらいに区分しながら、統一したデザインで配置したいと考えている。


公園内は尾根が放射状に出ており、尾根と尾根をつなぐ園路は動線上、重要となる。博覧会前に整備した林床花園、親林楽園の園路は、ユニバーサルデザインのデッキを使いながら、障害者の方でも散策していただけるよう充実を図った。


防災面では、非常時に資材の置き場や野営地等として活用が想定される芝生広場や多目的広場へのアクセスについて、従来の公園では北口から大型車両が入りにくい状況であったが、今回、西口駐車場を広く取ることによって、西口から大型車両が入るような計画を進めることとしている。

事務局:

PFIを含めた民活については、積極的に考えている(公式見解ではない)。公園管理自体が指定管理者制度への分担期に入っているので、他の経営者がどういう形で関わっていけるのかというのは今判断できない。PFIでやるという意思決定には、かなりの判断が必要である。


現段階が基本計画であり、これから詳細な計画を詰めるという段階なので概ね対応が可能である。

委員長:

この公園が、戦略的、段階的に整備され、財政状況をクリアーしながら前向きに整備する指針を図りながら、一方で、博覧会で育った多くの人材の行き場所がなくて、損ねられないようにしていく持続的なプログラムが非常に重要となる。


PFIのアイデアに関連して、例えば博覧会ではエリアスポンサー制度なども実施されており、そういう方向は柔軟に検討していただくことができればと思う。

委 員:

PFIの件について、この公園ではやりずらいと思うが、例えば一部有料という話のあった日本庭園など、可能性のあるところでは柔軟にやられたらいいと思う。


マネジメント会議を県が提案されたことについては、行政サイドから見るとかなり踏み込んだ方針であり、深く敬意を表したい。準備期間も必要となる。


施設づくりからの県民参加として記された赤い星が少ないということについては、マネジメント会議をどう運営していくかということによってずいぶん違ってくる。マネジメント会議がいかに責任のある提案ができるかということだと思うので、発言した方もきちんと責任を持って一緒にやっていくということであれば、県の方は充分対応できるだろうと思う。


当委員会は、計画の中に、マネジメント会議を位置づけたことが最大の成果だと思う。新しい検討委員会では博覧会の剰余金についても一定の発言の出来る人たちが集まっておられるようである。我々が考えた市民協働のプログラムをどういうふうに進めていくのかということについて継承できるように、理念だけでなくお金も継承したいと思うので、検討内容に組織作りとか運営まで含まれていることを新しい委員会の方に伝えていただきたい。

委 員:

県民参加のプロジェクトをやった時には、県民というのは、市民の人だけではなくて、大学、企業、市町村、県と、愛知県の構成員が県民であるという置き方をした。マネジメント会議自体はそういう構成をすべきであり、県が決めるものではなく県民が決めるものとして捉えている。一セクターとして市町村や、県が入いるという形が望ましい。


マネジメント会議のもう一つの大事な要素として、公園づくりの専門家の関わり方がある。公園をつくる時、地元市町村・地域住民などのカテゴリー的な利害関係者のテーブルと一般的な市民のテーブルがある。専門家は各テーブルに対して、公園づくりの専門的な知識や知恵を聞かれたら出すというような役割としていく。


地球市民村などのプログラムに関わった人たちは、非常に多い人数で、さまざまな専門性を持っており、公園整備活用に絶対に生かすべきである。博覧会資産の継承としては、ハードよりもソフトの整備計画の方に興味がある。

委 員:

私も結構、ソフト派である。博覧会の市民プロジェクトでは422団体、3万5千人の市民が参加したから、そういう人たちをもう一度ここへ結集していくような契機と共に、形を立ち上げていくことを考えていかれた方がいいのではないか。一番早くオープンする「こどものひろば」だけでは、期待は少し薄れてしまう感じがする。

委 員:

全体をつなぐプログラムが要ると思う。児童総合センターも再オープンする時には、環境というものを含んだ形で子育てのプログラムを展開するとよい。サイン計画の場合であれば、全体をいろんな環境面でのテーマで結んでいくようなトレイルガイドや、そのための解説サインを当初から考えていく必要があるだろう。


人がどう関わるかということと同時に、全体を通すテーマがどういった形でマネジメントされるかが重要であり、そうしたことを踏まえ、それぞれの場所でプログラムが展開されていく構造が必要である。

委員長:

今日の議論の所感とまとめを委員長として申し上げさせていただく。


今回の議論の成果としては三つある。第一点は、イデアのひろばの空間のありようについてであり、県民というのは愛知県を構成している全てであるという概念の基で新しい提案をしていただく。第二点は、空間整備について様々な前向きな修正がなされたこと。そして第三点は、博覧会のもっとも大きな成果についてである。それは、自然と人間社会、人間と人間社会同士が、市民参加という新しい財産の援助によって明確に展開し、世界で始めてお互いの関係、つながりを示したことである。


青少年公園は、青少年の健全育成からスタートし、団体スポーツ、家族、博覧会を経て新しい21世紀の公園に生まれ変わる。そして、博覧会を継承していくという流れの中でさまざまな力を結集しながら、公園マネジメント会議という具体的な議論をもって創りあげていくという事により21世紀を見据えた公園になっていく。そういう御意見に段々結集してきたと思う。


そこで、それを具体的にする為に、一つは、次の委員会までにどういうような形で参画の可能性があるのかという事を議論していただきたい。参画していく時に専門家、県民が、どういうパートナーシップを組みながら、どのように進めていくのか、どのように作り上げていくのかというプロセスを是非勉強していただきたい。二つめとしては、ゾーニング・広場の関係性という事である。例えば環境教育、子供、防災、健康づくりなど、公園利用には、横につながる様々な面があろうが、それを考慮したときにゾーニングだけではなく、横のアクティビィティとしてどのように関連するかについて整理できるとよい。


そのような流れの中で、「ものを作る」という事ではなくて、「事柄」を継承して、更にそれを創り上げていくという事が、21世紀の公園を作る一番大きなポイントとなる。事柄、あるいは事柄を作る仕組みが出来てくると、おのずと物の作り方も定まってくる。場合によればそれはPFI、指定管理者でいこうと、様々な手法が見えてくる。


次回は、公園のネーミングを募集しておられるという事である。この公園に相応しいネーミングについての議論も次回の大きな課題になる。


新委員会について皆様方のご了解を得た。先程条件が付いたように、この委員会と、新委員会の関係について明確にしていただくと同時に、「博覧会の理念と成果の継承」、「イデアのひろばという空間的なカテゴリー、目的」を整理して頂いて、この議論がどんどん膨らんでいく事のない文言の整理をお願いする。


博覧会の理念は世界的なものである。この場で行われたという事実は、不変であり、この場で行われたという価値を、ここに継承していく。

委 員:

新しい委員会の結果を見て、更に、本委員会との整合性をとるということであるが、スケジュール的にはどういう事になるのか。

事務局:

当委員会では公園全体の基本計画まで面倒見て頂きたい。「イデアのひろば」の基本計画が立ち上がってこないと、全体の見通しがつかない。例えば、「パークセンター」は「イデアのひろば」の建物と共用するという方向もあると思っているので、全体の管理運営について「イデアのひろば」の基本計画が見えたところで再度、ご意見を伺いたい。

事務局:

今年度の委員会はあと1回予定しており、「イデアのひろば」を除く部分について基本計画まで作成したい。「イデアのひろば」は白抜きになっているので、ちょっと当委員会はお休みいただいて、新しい委員会の結論を待って再開したいという考えである。

委員長:

再開園の順序というものが、我々の頭の中には何となく描かれているが、園路の総合性とか、アクセスルートをどう確保できるのかという事など、次回の委員会の時にはそれとなくお示しいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

事務局:

最大限に努力する。タイムスケジュールは入らないかもしれないが順番としては示す。

委員長:

どういう県民協働の第一段が生み出されるのかという議論が、必ず出てくるはずである。時期にこだわるのではなくて、どんなつながりになるのかという事だけでもお示し頂ければ議論が深まる。

事務局:

次回の委員会については、来年1月頃に予定させて頂く。

事務局:

委員の皆様からいろんな意見をいただいた。お考えの方向については事務局が考えている方向と、基本的には変らないと思う。あえて違いを申せば、計画の精度と、整備のスケジュールに話のずれが出てるのかと思う。委員長から宿題は、そのようなところをあわせるという意図も含んでの事かとも思うので、次回委員会の資料にはご理解いただける様に、また資料作成を進める。