第5回「21世紀にふさわしい公園づくり委員会」委員発言要旨


(文責事務局)
涌井委員長 あいさつ
皆様、明けましておめでとうございます。今日は、暫定基本計画、公園の名称をどのようにするかということについてご議論をいただくということになる。
この年初早々に、神田知事から博覧会の理念を県政の中で、循環型の社会を実現するために様々に継承・展開するというようなご挨拶もあった。この公園についても、各委員からこれまで4回にわたって様々なご意見を賜って、だいぶ基本計画についても中味が詰まってきた。かたわら、「理念継承委員会」の中で、「イデアのひろば」について様々な議論をいただいているようである。その辺の状況と兼ね合わせながら、県民各位、あるいは中部地区の多くの方々に喜ばれるような公園像というものを、さらにご議論をいただければということをお願いいたしまして、私の冒頭のご挨拶にさせていただく。


会議の概要

【主な発言要旨】

委員長:

本日は議題が4点ほどある。
第1点目、「21世紀にふさわしい公園づくり委員会設置要綱の改正について」事務局よりご説明をいただきたい。

事務局:

(資料の2の説明) 21世紀にふさわしい公園づくり委員会設置要綱の改正について。

委 員:

資料2の6条に、平成16年度及び平成18年度の3カ年間と書いてあるが、16年度、17年度及び18年度とするか、16年度から18年度までとするか、どっちかにすべきである。

事務局:

16年度から18年度というかたちで、訂正させていただく。

委員長:

訂正いたしましたら直ちに発効するという形にさせていただくので、よろしくお願いいたします。それでは、第2点目の「暫定基本計画」ついてご説明をいただきたい。

事務局:

(資料3説明)暫定基本計画について。

事務局:

「新たな検討機関の設置」について説明(資料3)。

委員長:

今日の重点的な討議の内容というのは、整備内容と管理運営に区分して考える事ができる。まずは、整備内容について、ご意見を頂戴して、それを受けて次に管理運営、パークマネジメントの議論へと展開をしてまいりたいと思う。
それでは、まず、本日ご欠席の委員にあらかじめヒアリングがされているようであるので、それをご紹介いただく。

事務局:

(資料6説明)
欠席委員からは、指定管理者が管理する際に、柔軟な対応ができる体制とすること、公園の整備活用の目標であるサスティナブルパークがどのように計画に取り組まれたのか整理すること、また指定管理者が、企業等となる場合、公園マネジメント会議において、中立かつ公平性を保ち、指定管理者の利益追求が市民参加の阻害にならないよう配慮すること、といったご意見をいただいた。

委員長:

いずれも、パークマネジメントについてのご意見が大半であったかと思うが、まず、整備内容についてのご意見がございましたらご発言をいただきたい。

委 員:

整備内容はソフトの話が中心になっており、2大テーマ、「環境」と「参加と交流」というテーマで全体を貫いていただいたのは非常に良かったと思っている。ところが、「健康スポーツひろば」だけ環境というところが抜けている。スポーツを通して地球環境を考えるということも、十分可能であり、例えば、グランドを一周すれば、どのくらい人間は炭酸ガスを呼吸して出すのだろうかとか、それを吸収するには、樹木はどれくらい要るんだろうかと。個人の健康と地球の健康とは、多分つながってくるはずであり、その辺はもう少しアイディアがいろいろとあるのではと思う。

委 員:

全体を貫くソフトの話が非常に充実したと思う。マネジメント会議というのが、これだけの中味で展開するという事例は、多分ないのではないか。これがうまく機能すれば、とても素晴らしい公園ができる。心配としては、マネジメント会議というのを誰が設けるのか、指定管理者はそれにぶらさがるのかという前提で議論しているという点である。
整備の話としては、市民参加によって公園空間に働きかけることによって、その空間が変わっていくということが、非常に特徴的な公園の整備のあり方として、かなり大きく提案されていると思う。今までの都市公園では、あまりこういう議論はなかったと思う。と同時に、基本的な公園の空間の構造としては、50年、100年先、きっちりとこの地域全体における公園の存在、環境としての存在というものが育っていく、いい環境を作り出していくということもイメージしていく必要があると思う。
あとは、エネルギーの供給の話だとか、それからごみの問題。環境を非常に重要なコンセプトとしてできているわけであり、その話もちょっと触れておく必要がある。

委 員:

ゾーニングが大体出来て、それぞれのゾーンごとに整備の内容というものが整理されてきたと思う。この地域は溜池が非常に多い。溜池がドブになってしまうか、きちんとした溜池の形態を残しているかというのは、50年後のこの公園を考える上でものすごく大きな違いだろうと思う。溜池の保全を総合的に長期的に考えていかないと、この公園というのは、長期的には非常につまらない公園になってしまう可能性がある。

委員長:

ご意見を誘引する意味で、私も少し、意見を言わせていただく。
年頭に知事さんもゼロエミッションをできるだけ目指すというお話もあり、例えば、排出物や様々な問題を一体どうするのというのが、環境の中でどう取り扱っていくのかという仕組みの記述がもう少し必要、これが第1点である。
第2点は、この公園は県民が様々な形で運営や利用に関与していく、これは非常に結構なことであるが、公園には存在効用と利用効用がある。整備内容の議論はどちらかと言うと利用効用というところにクローズアップをされているが、東部丘陵地域の中における青少年公園の緑と水の体系というのは、非常に重要な存在効用を持っており、その評価の視点をきっちり言っておく必要がある。
3つ目は、テーマの中がどうも平面的な気がする。例えば、子どものひろば。来年、東京・豊洲で子供向けのテーマパーク〜子どもたちが、社会生活を営んでいく上で自分達がどういう役割をしているのかということを、非常に体験させようという試み〜が進んでいる。もう少しソフトに少し知恵を入れていって、子供が参加、体感という部分を強化した方がいい。また、国際交流という面でも、愛・地球博で愛知県の市町村が進めたパートナーシップを、きちっと継承できるようなアクティブな国際交流を提言してはどうか。さらに、健康スポーツについては、団体で一つの記録を競いその団体の中の一員としての社会生活を身につけるというスポーツと、マイペースで自分の体力なりに目標を定めて心身の健康を促していくという健康運動というものと区分して整理をする必要がある。
もう一つあるのは、サツキとメイの家。サツキとメイの家の時代は、人間の文明的な活動と自然との折り合いのちょうど接点という評価もできる。サツキとメイの家を残したという意味も、日本庭園ゾーンの中で、日本の知恵の中には、様々なそういう知恵があり、それが一つに結集したのが、日本庭園であるということも言える。そういう議論もして、ソフトの所に付け加えていただくとありがたいという気がした。

委 員:

本当にプロセス型で作られて、素晴らしいなというか、ここまで来たんだという気がすごくした。サスティナブルパークについても、その現実化というのは、非常にイメージとして受け取りやすくていいと思っている。
「環境」と「参加・交流」の二大テーマであるが、本当はサスティナブルパークのイメージからいくと、まさに「環境」と「健康」というのがリンクしているという感じがあるので、「環境と健康」と、「参加と交流」という二つの軸にした方がいいという気がする。ロハスの問題ではないが、今、健康というのは非常に重要なことになっており、健康と環境というのは非常にリンクした問題なので、本当はこの縦軸の所に「健康と環境」、そして「参加と交流」というのがあった方がいいのかなと思う。
それと、もう一つ、このソフトを作る時に例えば、里山や森から材料を取ってそれを利用してもう一度、森なり里山に戻してやるというような、循環というものが必要と思う。目に見える形の循環性というものを持つことで、大きな循環に対する子どもたちや、家族やみんなの、県民の参加という形が、体験的、あるいは視覚的にも可能になるのではないかと思う。

委 員:

全体としてのデザインをどうするかというところが、今検討中のものについて一切書かれてないという感じがする。愛知万博の場合には、建築とか会場整備とかサインとかストリートファニチャーとかというようなアイテムについては、それぞれ専門家が一つの全体のデザインのコードを作っていくというような形でやられたと思う。公園のソフトのマネジメントは大変よく出来てきていると思うが、全体の視点から、全体のイメージ、色や形とか素材とかというようなところでの展開の話が全く見えていない。
それから、管理運営になってきた時にお金の話が見えていない。ソフトは非常に展開が面白くいきそうだが、現実にこれだけの整備をやっていくためのお金の裏づけというのは、どういうふうになっているのか。前回、運営管理についてはPFIというような方式の考え方も少しは導入するというような事を申し上げたが、お金についての考え方というものをもう少し明快にしていただきたいと思う。

事務局:

基本的には、今後の議論と考えている。とはいえ、既に一部の建設を開始しているし、運営については考えている所である。公園全体については、基本的に無料の公園であり、その中で一部の施設、駐車場だけが有料になるという考え方である。今後の議論の部分であるが、有料の施設がPFIというような手法を使っていくという可能性としてはあろうかと思っている。ただ、基本的には指定管理者制度のもとに管理していくことを大前提として持っている。

委 員:

全体としての公園の水循環、エネルギー、物質の循環系、生態的な植生・動物にかかわるネットワークや時間系列の中での循環系等について、公園整備・マネジメントに関わる環境面での基本的な計画が、1枚や2枚ぐらい作っておく必要があるのではないのか。つまり、ここがサスティナブルパークであるということが、個別の施設の中に全部散らばってしまっており、全体を通してどういう統一的な捉え方がされているのか、この公園自体のサスティナブルパークとしての売りものは何なんだというところが見えなくなっているような気がしている。是非、環境から見た全体のプランニングのシートというものを準備していただけるといいと思う。

委 員:

西エントランスについてであるが、町道である公園の進入路、その周辺の民地である田園、神社敷地という状況の中で、資料に示されたスケッチも含めてある程度の方向性は分かるが、県道田籾名古屋線から公園入口までのつなぎをどのようにデザインするのかというのが、少し気になっている。また、あいちアートスクエアでは、県産材を使ったフロアー、通路が具体的に描かれてあるが、文字通りのアートスクエアになるのか、それともオブジェの展示場を作るということなのか、博覧会のテーマの一つにもなっていたアートオブライフを継承してこのような場を設けているのか、少し心意気が伺いにくいなという感じがした。
それから、もう一つ。博覧会の会場があった町として、今後博覧会の事業理念の継承を長久手町の独自の事業の中で、どのように生かしていくんだということを問うている。打ち水タンクを敷地内に備えることや、風力発電、太陽光発電に関する取り組みなど、小規模ではあるが、エネルギーを自分達で環境負荷のかからない形でやっていこうとする試みや取り組みに対して、少し行政としてもお手伝いさせていただくことを考えている。この広大な公園で消費されるエネルギーを、どの程度、どれぐらい自分達でこの中で作って、何パーセント自家消費していくのかとかについて何らかの形でこのペーパーに書かれるべきではないだろうかと思う。

事務局:

エネルギーの問題については、積極的に取り組んでいきたいと思っている。ゼロエミッションの話からは公園の南にリサイクルセンターがある。

委 員:

健康スポーツひろば、複合多目的利用の施設だということで、基本的なコンセプトはそれでいいと思うが、サッカー、ラグビー場など公式試合ができるような規格としておかないと、利用する時に非常に不便であると思う。
もう一つ、環境という項目についてメニューがないというお話を伺ったが、環境ということについて近付きやすいのは、人の身体環境について、どう取り組んでいくかということが身近で親しみやすいのではないかと思う。それについて、もし出来たら、ウォーキングができるコースが一つ、二つ、三つでも、また、巡回ができるような形で検討をいただけるといい。今、ウォーキングについては、競技団体とかそういうものはないが、非常に歩いている人が多い。ウォーキングについては、自分の体の健康状態を毎日判断するのに、非常にいい運動であると思う。

委員長:

整備内容についてはまた、後ほどまとめさせていただきますが、次に公園マネジメント会議というところまで踏み込みました管理運営について、委員のご意見を伺いたい。

委 員:

一番気になったのはマネジメント体制モデルであり、この分科会の作り方は、非常に奇異な感じがした。マネジメント会議は、メンテナンスではなくて運営の方に本来力点があると思うが、施設整備型、セクター型と言うか、広場についての分科会とか、これは本末転倒だと思う。利用者側に立てば、利用型にすべきで、例えばこどものための分科会とか、環境のための分科会とか、スポーツのための分科会とか…。これは、非常に重要なことで、皆さんで議論していただいたらいいと思う。
施設については、出来れば展開例とか、骨格とかというふうにしておいた方がいいと思う。マネジメント会議を作ってこれからこの公園を作ろうと言っているので、骨格は決めておく必要がある。プログラムについては、展開例とか、プログラムの例になっているので、これからいろいろ会議で話し合ったらいいと思う。

委 員:

今、本当にいろいろな市民というのは、SNSという形で、ソーシャルネットワークサービスというシステムいう中に、いろんな人がいろんなインタレストでつながっていて、ある一つのものは百万人を超えているようなSNSもある。それぞれ何に興味を持っているか、何を重要視しているかという、あるいは価値観別のものが分科会として入っていくべきだろうと考える。

委 員:

ファニチャーや建物のデザイン、ため池の話も、マネジメント会議の中身に通じる話である。こどものひろばにあるため池だけをこどものひろばの分科会が議論するわけではなくて、公園の外のため池も中のため池も、それをまたどう生かしていくかという議論は、いろんな側面から一貫してやっていく必要がある。
空間としての品質をどのレベルに持っていくのかという議論も、全体としてどこかでやっておくことが必要だと思う。その中でお金の話についても、環境を非常に重要視していくならば、おのずと決まってくる。建物やファニチャーが自己主張して、ものすごい金をかけたものが出来上がるのではなくて、むしろ環境になじむとかが前提になってくるのではないか。植物とか土壌、ファニチャーに関しては、地元産の材料を使うという部分がとても重要だと思う。そういったことで、全体を統括する公園基盤分科会、あるいは環境分科会というものがあり、それにより全体を見通しながら議論していくという場が必要であると思う。こうした点からマネジメント会議の体制モデルは、運営型にすべきだろうと思う。

委 員:

フィールドセンターは環境部局が管理されると聞いているが、それは、センターの建物だけ管理するのか、あるいは、インタープリターを管理するのか。担当しないエリアは関係ありません、という体制になってしまうのではないかという点が心配である。インタープリターのガイドツアーは、「親林楽園」のエリアだけではなくて、「こどものひろば」や「エントランス広場」でガイドツアーをやったっていい。利用者のインタレストに応じたテーマ別の大きなくくりで全体をマネジメントすることが必要であり、それに対応できる分科会としていくべきである。マネジメント会議で、個別の分野をさらに突っ込んでいっても、大きなくくりがあれば大きく方向を見失うことはない。

委員長:

この議論は、実は日本で初めてしている議論である。日本で初めてしている議論というところに、大変な意味があるんで、決して作業班の質が悪いとか、熟度が足りないとかという事ではなくて、ここまで来たが故に、もう一歩やりたいという議論をしているという事を傍聴の方にも、マスコミの方にもご理解をいただきたい。

事務局:

資料における色付きの管理機能別分科会をテーマ別と考えていたが、例示がメンテナンスを出してしまい反省している。委員の方々のご指摘のとおりであり、修正をする。
場所的な分科会については、大きな公園で、順次、施設が増えていく中で、場所別の分科会が、自然発生的に増えていくのを受け入れていくというストーリーを考えたという理由で出している。これについて、もう少しまたご意見をいただきたいと思う。

委員長:

この図面でもって指定管理者でやって管理機能別分科会でとくると、言葉不足という面もあり、メンテナンスとマネジメントというものを錯誤しているという印象が、恐らく各委員の中にあったと思う。私は、ここに縦軸なり、いくつかの放射線の軸が必要であると思う。サスティナブルパークという以上は、環境に対してどういう配慮をするのか、環境基本計画をどう考えていくのか、それをどう自分達で考えていくのかという点が重要である。
もう一つは、利活用と責任。これをワンパックにしてどう考えるかという分科会があってもいいのかもしれない。それから、空間の品質を担保するという点からデザインコントロールを一体どうするのか、また、参加と国際交流という議論もある。そういう幾つかの骨格があって、そこに様々な利用の形態がやわらかく張り付き、それがいつも状況によって移動する。基本の骨格を決めていかないと、何を原則にマネジメントしていくのかっていうことが、非常に分かりにくくなってしまう。そういう構図を作り出すことが、非常に大事であるというのが、先生方のご意見に集約できると思う。

委 員:

施設整備の時に、全体会議の意見をふまえて、施設内容を具体化するための分科会で検討して、それをまた全体会議に持っていく。同時に、管理機能別分科会にいろんな横割のニーズの班があって、施設整備の分科会の提案について、あれこれ議論した上で具体化していく。管理機能別分科会が別個にあるという、ステージプランで二つあるのであれば、大変結構かなと思う。

委員長:
これがプロセスモデルで、整備の段階ではまずこれからスタートし、その次に、管理運営に入っていった時は、こう変わってきますよというようなレイヤーがかかってくれば、いいじゃないかという事かもしれない。

委 員:
どういうふうに改善していこうかとか、どういうふうに展開していこうかとか、施設そのものもどんどん変わっていくわけであり、そういう意味では、分科会としては、施設のところと利用者のところと二つあってもいいのかもしれない。

委員長:

県民参加を進めていく場合、質を担保するための道具提供なり、あるいは責任を果たしていくというパッケージがないと具合が悪いと思う。そのパッケージを明確に皆さんが持てるような仕組みというものが、この中で意識できるような仕掛けというものがないものかと思う。ここをプラットホームにして、みんなで作り上げていこう、と言う以上は、自分もこうするからこうしましょうという話だと思う。

委 員:

エコマネーと呼ばれるような仕組みなのですか。例えばそこで、ボランティアで労力を提供できる人は、それを提供する。提供できない人は、逆にそういったものを、今度はマネーとして提供するとかですね…。そういう、責任を分かち合うという意味でのエコマネーという仕組みなのかと思った。

委員長:

サッカーグラウンドを使った時に、そこに草が生えていたら必ず引いていくという、当たり前の話である。利用をした以上は、利用しただけの事はやりますよという、単純な図式から始まって、やりっ放し、使いっぱなし、言いっぱなしはなしというプログラムが何かできないかと思う。

委 員:

市民参加、協働という中でやられた事業の最初のつまずきというのは、言いっ放しという事がある。言いっ放しにならないために、まず一番大事な事は、プラットフォームに対して、インタレストを持っている人がちゃんと入れる所を作る事、そして次に、そのプラットフォームと中に乗る人がインタレストが合っているということである。そして、それをファシリテーションしていく人材が要る。この3つのことでデザインされるものだと思う。それが調整できないと、会議というのは多分、言いっ放し、言われっ放し、聞きっ放しという形の参加になってしまう。そういうシステムとしては、確かに地域通貨とか、エコマネーとか、いろいろあるとは思うが、そのベースが成り立っていないと、エコマネーも意味がないだろうという気がする。

委員長:

参画するというのは、共に働くという、協働であるという事を前提にしなければならないわけで、地球全体のサスティナビリティを考えてみても、地球環境問題というところで、言いっ放しにしているだけではなくて、自分の生活からどうするのかという議論にしていかなければならないというのが、愛・地球博の教えだったと思う。
そういう浸透度をどうやって、この公園のパークマネジメントの中で果たしていくのかという面では、プラットフォームにうまく誘導する仕組み、そして、参加するマナーとルールというものをどう教育していくのかという事が、事前の作業としては非常に重要であるという事を、どこかに記述しておいていただく必要があると思う。

委 員:

参加と責任のパッケージという話では、地域社会とか地域のコミュニティのレベルだと、何か目に見えない監視みたいなものがあり、それがある種、コントロールをきかせている。今回のような非常に大きな空間と対象とテーマ、それによっては、今後どうなるかというのはちょっとよく見えない。ただ、協働というのは一つの流れであり、市民の意識は相当変わってきているように思う。
注意して見なければならないのは、指定管理者制度というものに、あんまり期待をかけると、とんでもない事に成りかねないという点であり非常に慎重にしていかないと参加と責任のパッケージというのは、そう簡単には出来ないという気がする。

委員長:

整備内容と管理運営についての議論についての取りまとめをさせていただく。
一つは、全体を支える骨格的な構造、例えば、環境をいかに担保するのか、水循環を含めた問題について、常に進化するという言葉の中で振れ幅が大きくならないように、この公園としての骨格的な存在効用みたいなものを、きちっと位置付けていく。
そして、併せてその中で、環境と健康というものは、如実にリンクをしているという事も意識をしながら、デザイン、環境マネジメントとしての取り組みの仕方、生態的な特色の担保の仕方とかを考え、このゾーニングにしたがって施設整備をやっていくことは結構である。ソフトについては、もう少し様々な類例の研究をして魅力度を高めるという必要がある。
存在効用も利用効用の両面も非常に未来を見つめた公園として整備をしていく流れの中で、メンテナンスとマネジメントというものを錯誤しないような仕組みが必要である。また、インタレストコミュニティ、つまり興味と関心のある人たちが、参加できるという自在性と同時に、それを排除しないという原則と、参加した以上は自らも責任を果たしていくという3つの原則のパッケージを明確にしながら、単にゾーニングや施設利用で、参加の形態というものを区分していくのではなくて、それぞれの利用のインタレストにしたがって、きちんと運営をしていくべきである。
さらには、基本的な空間の質や生態的な環境、環境負荷をどう循環し解消していくのかという各面での担保や、年代別の利用の仕方における楽しさなどの担保をできるような仕組みを前提にしながら、マネジメント会議をもう少し立体的に構築していく事が必要である。そして、県の施設としてふさわしい方向で、もう少し整備内容とソフト、そしてパークマネジメントのあり方について、立体的に検討していただくとありがたい。ただし、よくここまで、日本で初めての議論をここまで持ってきていただいたと思う。
それでは、理念継承の方の委員会の開催結果についてご報告をいただいて、暫時休息にしたい。

事務局:

(資料4説明)理念継承委員会の検討状況について。

委員長:

本委員会の先生方のご議論とこちらの議論というものが、整合しながらパラレルに進んでいるというふうに理解をしていただければと思う。



(休息、10分間)

委 員:
エリア検討委員会資料3ページで、環境学習ができる宿泊施設とあるが、例えば、環境学習で使わない場合には、スポーツクラブとかそういう運動をする人も使えるような施設を考えられているか。

事務局:

資料の具体的な内容として挙げているのは、第1回委員会で委員からご発言があった内容をそのまま書いており、これをベースに発展的な意見交換を行うという段階である。

委員長:

議題の第4点目、「新公園名称について」事務局からご説明をいただきたい。

事務局:

(資料5説明) 新公園名称について、応募集計結果と選定候補案の説明。


(資料6説明)欠席されている委員の意見の報告。
欠席委員からは、新名称について委員会に一任するが、「万博」は大阪万博のイメージがあるため「愛・地球博」の方が良い、かたい名称とやわらかい名称が2つあってもよいのではないか、との意見をいただいている。

委員長:

応募の順位から言いますと、「愛・地球博記念公園」「モリコロパーク」「モリコロ公園」「愛・地球公園」「愛知万博記念公園」「モリゾーキッコロ公園」以下20番目まであり、委員に事前にお尋ねしたところの一番目は、「愛・地球博記念公園」、そして「愛知万博記念公園」その次に「モリコロパーク」、「モリコロ公園」以下、順次この記載通りという事である。

委 員:

ここでの選定が、ある種、未来永劫に続くかと思うと、非常に責任が重いところである。かつて世界で行われた国際博覧会の会場地で現在、公園になっている所、そしてその公園がどのような名称、愛称を用いているのか、参考までに教えていただきたい。

事務局:

大阪万博の公園は、「万博記念公園」。正式名称が「日本万国博覧会記念公園」愛称が「万博記念公園」である。沖縄海洋博覧会は、「沖縄海洋博記念公園」という名称で、今はさらに海洋博覧会地区という、そこまで付いている。それから、筑波科学博は、「科学万博記念公園」という名称になっている。大阪花博は、もともと鶴見緑地という公園で行われた博覧会である。そのまま鶴見緑地という名前を使っているが、愛称としては、「花博記念公園」という名称が使われるということである。

委 員:

外国の場合はどうか。

委員長:

ハノーバーは、元々がメッセである。その中にメッセに併設した公園があるが、全体をメモリアルパークという言い方はしていない。

委 員:

ベルギーで博覧会が行われた跡地が公園になっているが、万博開催記念公園のような名称があって、通常アトミウムと言う。セビリアはどうか。

委員長:

リスボンは一部が公園、住宅地、メッセの会場になっている。駅名は確か、記念が付いていたような気がする。

委 員:

一つは、意味を説明するネーミング、もう一つは、経験や体験を表すネーミングの、二段構造が良いのではないかと思う。万博自体が、一つは大きな国家事業としての意味があるわけであり、その意味を出す。もう一つは、万博の経験が思い出やこれから先の夢につながるような、経験としてのネーミング、その二重構造でいくのがいいと思う。

委員長:

表看板だけではなしに、記憶を刺激して呼び戻したり、あの時の興奮、感動を呼び覚ます、五感をくすぐるような名前と、正式名称が伴った方が望ましいのではないかというご意見であったが、「そうでない方がいい」という方はいらっしゃいましょうか。
それでは、愛称を含めて二重構造にするという事は、全体の合意だというふうに考えてよろしゅうございましょうか。(委員了解)
事務局の方には何か案がありますか。

事務局:

事務局といたしましては、公募で行ったという意味があり、上位の方から選ぶというのが順当であるという考え方が一つである。それから、名前にやはり意味を持たせたい。その意味と言いますのは、この公園が万博の主会場になった所であるという事、それを記念する理念と成果を継承する公園であるという事が、名前に盛り込まれている事が重要と考えている。
そういう事から考えると、「愛・地球博記念公園」、あるいは「愛・地球博公園」「愛知万博記念公園」この3つぐらいが候補かと考えている。これを比較してみると、意味合いという点からすると、博覧会記念という言葉が入っているものの方がよろしいかと考える。博覧会の名称につきましても、愛知万博という言い方と、愛・地球博という言い方があるが、愛知万博といった場合、愛知で開催されたという事が強調されて意味を持っていると思うが、一方では、地域限定的な響きがあるのではと感じている。一方、愛・地球博の方は、造語であるが、その中に愛知という言葉や、地球を愛するというメッセージも入っており、「愛・地球博記念公園」というのがこの中では一番かなと感じている。
愛称の方は、できるだけ親しみやすいことと、正式名称の方が漢字だらけなので、その反対にカタカナだけで一番応募があった「モリコロパーク」がよろしいんじゃないかと事務局では考えている。

委員長:

まず、一生懸命応募していただいた方の意見を尊重して、「愛・地球博記念公園」。これも考えてみると、少し楷書ではなくて行書である。楷書体で言えば、「2005年国際博覧会」。それを名称を行書にして「愛・地球博記念公園」。草書で「モリコロパーク」。

委 員:

名称は、基本的に国語と、あとは英文表記とか、最近では、九州だとハングルであったり、中国語であったりというふうに併記される事が多い。英文表記をした時に、今の「愛・地球博記念公園」というのを何と言うのか。その辺の事も含めて、少し考えてもいいかと思う。

委員長:

国際博覧会の英文表記のグローバルハーモニーは途中で消えている。英文表記の事は、決まった後でも考えないといけない。

委 員:

国際的認知を上げて行くためには、少しイレギュラーな対応にならざるを得ないのかなというような事を考えると、「愛知万博」は非常に分かりやすい。
それともう一つ、是非サインとして、キャラクターイメージのようなものも一緒に考えていってほしい。特に子どもに親しまれた、また高齢者に親しまれた公園であるが故に、そのようなビジュアルな訴えかけもしていってもいいのではないか。これは、長久手町の職員からも町民の皆様からも随分と言われている。

委 員:

キャラクターというのは、この公園のキャラクターとして使う事ができるのか。著作権の問題があると思う。

事務局:

事前に万博協会の方に名称としての使用が可能かどうかはうかがっている。名称としての使用は、大丈夫ですよというご返事をいただいている。ただ、キャラクターの使用は、また別の問題であり、これから万博協会とご相談させていただきたいと思う。

委 員:

私は、あまり言葉を略すというのが好きではないので、「モリゾー、キッコロ」がよい。圧倒的意見としては、モリコロっていう言い方をしているが、モリとコロでは分からない。モリゾーキッコロパークでもいい、これは、私の嗜好の問題、私の気持ちです。

委員長:

いろいろご意見があるんですけれども、県民にヒアリングをして、様々な形で応募していただき、その中で一番多いのが、「愛・地球博記念公園」であった。正式名称の他の言語表記はどうするのかという問題もあったが、これはしっかり調べる事にして、正式名称は「愛・地球博記念公園」に決めるという事ではいかがでございましょうか。
(委員了解)
これが最優秀賞。たくさんの方が同じ名前に応募されているがどうするのか。

事務局:

厳正なる抽選を委員の立会いのもと、行いたいと考えている。

委員長:

伊藤委員にお願いするのはいかがですか。伊藤先生、よろしゅうございますか。
(委員了解)
今度は、愛称であるが、票の数から言えば、「モリコロパーク」。しかし、今、ご意見がありましたように省略は嫌いだというご意見もございました。

委 員:

このモリゾー、キッコロなんていうのも、10年も経てば、みんな忘れ去ってしまうだろう。ましてや、モリコロでは絶対意味が分からなくなると思うが、語呂から言えば、「モリゾーキッコロパーク」は長すぎる。長期的に見れば、問題がある可能性は高いと思うが、「モリコロパーク」でいいんじゃないかと思う。

委員長:

どうもありがとうございます。仮にここで「モリゾーキッコロパーク」、もしくは、「モリゾーキッコロ公園」というのにいたしますと、その倍近い票差はどうするのかという説明が必要。委員のご意見もごもっともだとは思いますが、素直に「モリコロパーク」ということでいくという事ではいかがか。よろしゅうございますか。

委 員:

仕方がないです・・・。

委員長:

仕方がないという…。議事録には仕方がないという事をおっしゃったという事をちゃんと残していただいて(笑い)、これで決めさせていただく。

事務局:

愛称の方は、優秀賞を3つというふうに考えており、そのうちの一つという事にさせていただきたいと思う。

委員長:

あとの二つは、順番でいくと「モリコロ公園」、「愛・地球公園」となる。

事務局:

優秀賞につきましては、必ずしも順番にこだわるつもりはございません。

委員長:

この委員会の独自の意志で決定してよろしいということですね。

博覧会協会:

愛・地球博という言葉に対する英語表記というのはない。最終的に最後まで残った正式な英語表記というのは、「The 2005 World Exposition AICHI Japan」これだけです。

委員長:

わざわざお調べいただいて、ありがとうございました。英語表記の時はそれを参考していただく。我々の委員の中で、これと思うものを決めるか、それともこの全体の県民の流れの中で決めていくか、どちらかご意見をいただきたい。

委 員:

委員のご意見もあったので、「モリゾーキッコロ公園」というのは、よくぞ略さなかったという事で、優秀賞を差し上げたらどうでしょう。

委員長:

この中で決めていこうという事ですね。(委員了解)
どうぞ各自ご推薦していただきたい。

委 員:

正式名称の「愛知万博記念公園」。

委員長:

「モリゾーキッコロ公園」「愛知万博記念公園」にご推薦がございましたがこれに優秀賞の一つを与えるという事にご賛成の方は、挙手をお願いしたい。
圧倒的多数で決定いたしました。


最優秀賞であり、正式名称は「愛・地球博記念公園」。そして、愛称としては「モリコロパーク」。そして、優秀賞も「モリコロパーク」であり、残りの優秀賞は、「愛知万博記念公園」、並びに「モリゾーキッコロ公園」ということで決しさせていただいてよろしゅうございましょうか。(委員了解)
ありがとうございました。

先程の第5回委員会資料の中で、今日決めた名称と整合化した方がいいという事があれば、次の委員会の時には、そこも検討いただくということを付け加えておきたい。記念という文字が付くと、その中身の並べ方というものも変わってくる可能性もある。
それでは、以上で、おかげさまで大体議題は尽くされたかと存じます。大変長い間、委員の皆様方のご協力によりまして、ほぼ順調に議論が推移した。このパークマネジメントシステムが、仮に始動するという事になれば、我が国の公園行政の中でも画期的な出来事になると思う。
一方、愛・地球博の理念を継承するという事が、公園名称の上にも乗っかったという意味も非常に大きい。今日の委員会で決まった事はかなりの重たさがあるという事を、作業班の方々もご理解をいただいて、少し先程来申し上げた点について、さらなる検討をお願いして、この委員会を閉じさせていただいてよろしゅうございましょうか。
どうもありがとうございました。

事務局:

長時間にわたり、多くの貴重なご意見をいただきました。また、名称の選定をいただきまして、ありがとうございました。
次回、委員会につきましては、イデアの委員会がまとまりました後という事を考えておりますので、来年度の後半に予定させていただいておりますのでよろしくお願いします。


本日は、長時間にわたりまして貴重なご意見をいただきましてありがとうございます。平成16年の11月に第1回の委員会を開催して以来、本日を含めまして、5回、委員会で多くの貴重なご意見をいただいた。重ねて御礼申し上げます。
本日の委員会のご議論の中で、貴重なご意見をいただきましたので、これをふまえまして、私共事務局で取りまとめをさせていただきまして、この暫定計画案ということで今月の下旬を目途に公表してまいりたい。そして、次回の委員会の方は、イデアのひろばの方の計画がまとまった段階で、またお集まりいただいて、ご議論をしていただきたいと思っている。先程言った継承エリアの検討委員会の方はずっとやっていきますので、その検討状況につきましては、逐一委員の先生方にご報告をさせていただき、そして、またその時に貴重な意見をいただけたら幸いかと存じておりますので、よろしくお願い致したい。
それから、今後、この本委員会でご検討していただいた計画に基づいて整備を行っていくという事でございますが、特にご意見をいただきました、県民協働による公園づくりとか、特に恐らく日本で初めてと言いますか、そういうような管理運営というものについて、なお一層工夫してやっていきたいと考えている。特に、来年度、夏ぐらいには一部供用ということで、実際に始まるわけであり、しっかりその辺の仕組み作りを取り組んでいきたいと思っている。また、その時に、委員さんからも、いろいろご意見をいただきながら、この公園を県民と共に一緒に成長、進化していくというような公園づくりをやってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い致します。
これまで本当に、涌井委員長さんを始め、各委員さん方には大変お忙しい中を貴重なお時間をいただきまして、本当にありがとうございました。