第6回「21世紀にふさわしい公園づくり委員会」委員発言要旨


(文責事務局)
涌井委員長 あいさつ
平成18年の1月の第5回の委員会以来、一年余経過をしている。
別途理念継承委員会を立ち上げ、博覧会の理念をどのような形で本公園の中で継承発展させるべきかという議論を行い、その内容については各委員の先生方にも説明が行き届いていると思う。
昨年の7月15日に約26ヘクタールの第1期の開園し、約50万人の方々が入園をされたと伺っている。この3月の25日には約64ヘクタールの第2期の区域がオープンをし、合わせて開園区域が約90ヘクタールとなる。第2期開園区域は、愛・地球記念館、林床花園、親林楽園、日本庭園の茶室である。
昨年は開幕1周年ということで様々なイベントを重ねながら、この委員会で決定をした21世紀にふさわしい公園づくり計画に沿って、愛・地球博記念公園として再スタートを切っている。
今日は最終の委員会であり、理念継承委員会の結論を我々が受け止め、県民参加の新しい公園として、より一層意味のあるものにするためにはどうしたらいいかという議論をしていただきたい。


会議の概要

【主な発言要旨】

委員長:

できるだけ簡略に基本計画のとりまとめについて、事務局からご説明をいただきたい。

事務局:

(資料2 パワーポイントにて説明)
(資料3 説明)

委員長:

今の報告は昨年の1月の第5回委員会の折に頂いた、諸委員からの議論をさらに発展させ、基本計画案についての見直し、追加した内容及び理念継承員会での検討内容について報告をいただいた。



上海博覧会の準備機関内では、愛・地球博に対する賛美に留まらず博覧会会場跡地利用への関心も高く、そこまでも学びたいと言っている状況をご承知いただきたい。



理念継承委員会を立ち上げた結果、国際博覧会協会、あるいはその後の継承団体との関係が、非常にスムーズになり、イデアの広場を具体的に施設として展開する上での財源、その他についても諸々前向きな姿ができあがったという成果がある。



我々がここで決することは、本公園が本当に愛・地球博記念公園として、ものや空間としての姿の意見に加え、様々な意味での県民参加や地球市民参加という国際的レベルで、誰がどのようにソフト面の仕掛けを仕組み、永続的に息づいていくようにするのかという非常に難しくて重要な課題である。



公園マネジメント会議は日本の初の試みであり、愛・地球博で図られた様々な市民参加を継承していくものであり、それは容易ではないため、この点に留意いただいた上で意見を頂戴したい。



本日は、まず一番目に基本計画内容の報告に対しての質問・疑問・確認事項について議論頂き、二番目に内容について承伏できない点、改善要望点などの意見を頂き、三番目にマネジメント会議や市民参加を息づかせるための仕掛け、県の留意点などのアドバイスを頂きたい。



まず一番目の報告に対しての質問事項、その他問題点があれば事務局に確認していただきたい。

委 員:

「環境に特化せず…」とはどういう意味か再確認したい。

委員長:

事務局からどうぞ。

事務局:

公園なので、自然を保全するだけではなく、公園の利用も踏まえてという事を言いたいがためにこのような表現を使った。

委 員:

この表現はよくない。

委員長:

愛・地球博は色々なテーマがあったが、特に環境がテーマだった。



利活用と併合させたいという意味はわかる。



都市公園ということで、自然側から都市を眺めるというより、都市側から自然を眺めるという視座の違いを強調したかったのだろうが、表現としてはよくない。

委 員:

自然環境の専門としての立場からも、自然に一切触れるなということを言うつもりはないし、公園は基本的に利活用を前提とした場なので利活用すればいいと思う。しかし、その時に環境をテーマに利活用することが大事なので、言葉としては「環境をテーマに、教育と娯楽を融合させた、楽しみながら学ぶことのできる施設展開を…」になるかと思う。

委員長:

委員長としてもっともだと思うので、ここはそういうように訂正して欲しい。



これは訂正するということでよろしいですか。

委 員:

わかりました。

委員長:

どうぞ他に、それに関連したことでも結構です。

委 員:

児童総合センターとは厚労省系の施設なのか。



今度オープンするフィールドセンターは環境部局が対応すると聞いているが、これは今後のマネジメント会議の運営にも関わるが、順次オープンしていく中で庁内での連携をどう捉えているのか。またそれは今後どういうプロセスをたどる予定なのか聞きたい。

事務局:

児童総合センターは県独自の施設であり所管は建設部ではないが、昔から公園にあり、かつ公園に合う施設な上、公園のフィールドとも一体的に利用できるので連携を取っていきたいと考えている。



フィールドセンターは環境部が中心になって運営する予定である。



公園自体は場を作るという意味もあるので、色々な主体がそこで活用出来るようにしたいと思っている。またそういう意味でも県の中での連携をしっかりしていきたいと思っている。



急いで開園したということもあり、連携の調整や検討が不十分ではあるが、今回3月25日の第二期開園で園内に一定のスペースも出来あがり、指定管理者の体制も整ってくるので、その中で連携をとりながら公園マネジメント会議に参加してもらう形で基礎を固めつつ、周囲の関係機関とも連携を取っていきたいと考えている。

委員長:

これからの公園というのは、いい大家であるべきと思う。いいテナントを誘致する、ただしそのテナントが勝手なことをしたら出て行って貰うというはっきりした姿勢が大事だと思う。そういう組み合わせで進めると理解してよろしいか。



公園マネジメント会議を進める場合に、この施設は他局の所掌だから連携しにくい、というような状況では困るという事を言われたと思う。

事務局:

公園は、使っていただくスペースを我々が付託を受けて管理しているというように考えている。

委員長:

わかりました。他にどうぞ。

委 員:

公園マネジメント会議は大変な試みだと思う。

>

公園マネジメント会議の体制モデル案に、「地球市民交流センターに関連する分科会」と書いてあるが、公園マネジメント会議の分科会の中の一つとして地球市民交流センターに関連する分科会があるという位置づけになるのか。

事務局:

公園全体をマネジメントする会議という考え方なので、基本的に地球市民交流センターもその分科会の一つという位置づけとしている。



しかし他の所と違う点は、地球市民交流センターは発展性の可能性が高く、場合によっては通常の公園の枠を越えて、マネジメント会議をはるかに越えるような広がりが出て来るという期待と想いがある。しかし、スタート時はこういう形になると考えている。

委 員:

地球市民交流センターは一つの大きな夢だと思うので、公園をさらに越えていくべきだと思う。



そういう時のメンバーの問題など、色々と差違が出て来るかもしれないと思ったので確認をした。

委員長:

理念継承という視点に立つと、地球市民交流センターがメインになっていくが、公園全体を眺めるとやはり公園の一部であるという事でよいか。

事務局:
やはり公園の一つの施設であり公園の中の整合性も必要だということで、一つの分科会としているが、理念継承という意味で非常に重要な施設であるし、1市町村1国フレンドシップ事業での活動の成果を考えると、上海万博など色々な交流の一つの拠点になるような働きをし、世界的評価を受ける可能性のある施設である。


来年度以降の設計や運営の検討の中で決まっていくと思っているが、これらの点を踏まえて計画をまとめている。

委員長:

よろしいですか。

委 員:

地球市民交流センターがここに入ったことは有り難いと思う。



委員長が言われたように愛知万博の成果継承の大きな核であり、利用者数を考えた時、全体の公園は分母が愛知県民数になると思うが、地球市民交流センターは大袈裟な言い方をすれば分母が64億(世界人口)になると思うので、そういうスキームで捉えた方がいい。

委員長:

理念継承委員会という、この委員会とほぼ等しい重さの委員会が片方にあり、そこで位置づけられた地球市民交流センターの持つ重要度は了解しているということでよろしいか。

事務局:

はい。

委員長:

資料に工程表が入っていない。全体の工程表がどうなるのかということが非常に懸念される。上海万博や愛知県でのCOP10開催などにより世界から注目されるチャンスをどう生かすのか。それらを生かすために一体どういう流れになるのかという説明が今日の報告に欠けていたので、その点を確認したい。

事務局:

博覧会の理念の成果を継承するイデアの広場の整備等に関しては、今年の1月4日の知事の記者会見等で平成22年に拠点となるセンター施設の整備の完成を目指すという大きな目標、計画をさせていただいている。



しかし、上海万博を念頭においた様々な取り組みの展開などについては、これから考えていく段階であり、具体的なスケジュール表に落とす状況には至っていない。



マネジメント会議等については、まだ色々な課題があるが、来年度からスタートして実際のルールを作りながら準備会を作り、年度の終わりまでにマネジメント会議を設立して動かすという決意はある。

委員長:

わかりました。



ただし、スケジュールを明示しそれに向かい着々と公園の整備を進行すべきである、という委員長の意見があったことは議事録に残して欲しい。

事務局:
はい。わかりました。

委員長:
二番目の議事に入る。広汎な意見を頂きたいので、どんな切り口からでも結構である。

委 員:

基本的には、様々な意見が数多く出ていたのに、よくまとまっている。



一番心配していたのはソフト展開である。ハードを一生懸命やってもその後のソフトの予算が厳しいという状況にもなりうるので、その点も留意して欲しい。



2点目として、自然の叡智、環境ということがここのテーマであるが、「利用者の立場に立って考える」、という時の「利用者」というのは人を中心に考えがちであるが、生物多様性の視点で、園内の動植物のことも頭に入れて考える必要がある。


森づくりにも力を入れているようだが、植生についてもサスティナブルで、持続可能な森になるように考えて欲しい。また、樹木だけでなく土壌の呼吸活動や落ち葉による土壌づくりなどにも目を向けていくべきである。



3点目は、アートについて、言葉のない国際性を非常に重視しなければいけないと思う。そして、英国のエデンプロジェクトのように、エリア全体が植物や自然の流れるような展示の中に、全体と融合しオ−ガナイズされたかたちでア−トが取り入れられるよう配慮する。



4点目の公園マネジメント会議については、これからのパークマネジメントを考えていく上で画期的だと思うが、公園の基本計画の理念にあったかたちで公園が運営されているかを、何年に1回、または1年に1回などの単位で評価又はアドバイスする仕組みも考えてはどうか。

委員長:

今委員から4点あったが、4点目の公園マネジメント会議は、最後に皆さんからご意見を頂戴するということにして、取り敢えず3番目までお答えいただきたい。

事務局:

ソフトの予算については、博覧会の理念と成果を継承する主旨から余剰金等が公園に配分されている。その予算を有効活用していきたいと考えている。



ソフトについては、ハード面の整備と平行してやっていきたい。また特にこの施設はソフトを担った人々の期待が背景にあり、そういう想いが絶えないように今の時点から情報提供・意見交換等をし、施設が出来た後すぐ動けるような体制を作っていきたいと思っている。そのため、アンケート調査をしつつ計画を作成している。



緑のネットワ−クについては、県民参加・国民参加での森づくりにおいて、木を植えるだけでなく土壌までも含めて、緑の大切さや環境に配慮した生活などを理解してもらえるような仕組みを考えていきたい。



アートについて、エデンプロジェクトを参考にしてはという意見があって計画に入れているので、その趣旨からもアートと施設との融合を考えている。

委員長:

ありがとうございます。他にはいかがか。

委 員:

全体を通じた視点やメッセージ性が必要である。そして全体のハード・ソフトを繋ぐ中間の計画、ある種のツールが重要だと思う。それは屋外・屋内をつなぐもの、コアの部分とサテライトをつなぐもの、国際的な視点での人と人、人と自然、地域と世界までをつなぐようなメッセ−ジ性のあるコミュニケ−ションツ−ルである。



エデンプロジェクトが何故いいのかは、全体のコミュニケーションやメッセージ性が統一的に展開されているからである。

事務局:

ご指摘はよくわかるが、この公園の場合、既に動きつつ計画を考えているという問題があるので、後付的な対応にならざるを得ない。



しかし、ヒントを頂いたので、考え方を統一したり全体で何かを表したり等、研究しながら考えていきたいと思う。

委員長:

モリゾーとキッコロが、過去の博覧会を懐かしむだけでなく、未来までをつなぐキャラクターとなるように考えていかねばならない。



エデンプロジェクトは、観光客から専門家までが納得できるものであり、それがどんどん動態として動いて成長しているところに惹きつけられると思う。



イデアの広場につくられるものは、既往の概念にこだわらず、冒険し、シンボライズされた施設とし、モリゾー・キッコロと同じ役割を果たすようにデザインコントロールをしていただきたい。

委 員:

この公園は大きく、様々な要素と事情などから全体を統一するのは難しいかもしれないが、せめてイデアのひろばからみたら全体の筋が見えることは必要だと思う。



全体の方向性としては、この公園がサスティナブルパークであるので、「ESD(持続可能な開発のための教育)」としてはどうか。



日本ではESDへの取り組みが進んでいない。そこで、地球市民交流センタ−でESDという考え方に沿って体験や交流ができ、世界中からESDについて活動しているNPOやNGOなどが集まることで、この施設の意味が出る。



ESDをある程度中核にすえると、アートの問題も、ESDアートとなり、環境問題を視覚化することによって、学びやすいものとなる。



例えばCO2削減は、生活者が視覚化できないので国民運動ではなく、企業運動になっている。



ESDという一つの筋を通すことですごくわかりやすくなり、また地球市民交流センターも含めて今後の運営や会議も構築しやすくなると思う。

委員長:

ESDに焦点を絞るのはこの地域の特性になり得る。



大阪のNPOが行っている「バードハウスプロジェクト」は、インダストリアルデザイナ−が参加し、世界中に評判になっており、大阪発の国際的ネットワークが出来ている。そういう取り組みの仕方もある。



何かを軸にして、そこできちんとした展開をした方が説得力がある。取って付けたようなアートや、どこかから買ってきたようなアートをあちこちに並べただけでは継続性がない。

事務局:

具体的なESDのイメージや動きがよくわからなかったが、一つの動きとして表すことができると考える。



来年度以降の建築設計等の中で、環境を視覚化する手段としてア−トを取り入れることは非常に参考になるので、今後の展開等について考えていきたいと思っている。

委 員:

ESDは、市民社会の形成のために存在しているだろうと認識しているので、マネジメント会議自体がESDだと認識している。わかりやすく見せるという意味で、言葉としてESDを公園全体にかぶせることは大事なことである。



恒久施設を前提に公園をつくべきであるため、本来は博覧会の計画時に公園の計画まですべきであった。また公園だけではなく万博を使ってこの地域をどうしていくか、人を育成していくのか、というビジョンもなかったと思う。



全体計画の中でもう少し強調するとよかったのは、持続可能性というキーワードと地域と公園の関わりの部分、つまり公園の持続可能な経営の部分である。



この地域は車社会であり、公共交通機関利用の関係は公園と地域との関係でもあるので、リニモの利用料金と駐車場料金の問題を計画の中に盛り込むべきである。



行政はそれぞれの専門性を持ってやっているので、環境と交通が別々に検討されている。そこを超えるためにマネジメント会議がある。

委員長:

わかりました。はい、どうぞ。

事務局

リニモとの関係は公園だけでなく地域全体の問題なので、地域連携の中でリニモ沿線との連携を図り、リニモを利用する価値が上がるよう想定してまとめている。



来場者の全てがリニモで来るわけではないという現実とリニモを使って欲しいという考えをあわせ駐車場の数を青少年公園時代よりも減らしている。



整備の段階でも、駐車場を一度に整備せず、公共交通との分担等を勘案しつつ供用している。しかし、リニモの利用促進のために他の公共施設の料金設定を変えることは難しく、周辺施設との兼ね合いで駐車場の料金設定を行っている。


2期開園で有料施設がいくつかオープンするので、それらの施設の割引等も含め、リニモを使うことによってお得になるというような形での促進策を考えていきたい。

委員長:

今の議論の本質は、リニモを利用することがエコな姿勢であり、それらをどうESDの議論の延長線上に捉えることが出来るのか、そしてリニモを使うことがESDに参加していることなんだということを理解できるような視点や取り組みを行っていくべきである。



公園側からリニモ利用にどのくらいの役割が果たせるのかを、量的な貢献ではなく、意識や質の貢献として、例えばエコマネーと同じ様な考え方でそういうことが出来ないのかを考える必要がある。

>事務局:

今回エコマネーについて、リニモに乗って公園を利用することによってポイントになる仕掛けを検討しているので、今のご意見に応えられると考えている。

委 員:

持続可能な経営ということは、公園とその外との折り合いであったり、様々なトレードのものをどう運用していくかということに尽きる。しかし、基本計画にその背景がない形で地域連携がまとめられていたので、一例で申し上げた。

委員長:

事務局でもう少し記述の検討をしていただくということでよろしいか。



まだご意見を頂戴していない委員からご意見を頂戴して、最後に、どうやって公園マネジメント会議その他のことを成功させるかという議論をさせていただきたい。

委 員:

健康スポーツひろばにテニスコート8面、多目的球技場兼用利用等とあるが、スポーツ施設は作り方によって面積・占有範囲が変わる。今回の計画ではどういった基準のものを想定しているのか教えていただきたい。



またこれは希望だが、出来るだけコートの外、後ろのスペースを余裕持った施設を作っていただけるといいと思っている。

事務局:

これは基本計画であり、今後の基本設計、実施設計の段階で、この意見があったことを十分考慮しながら設計していきたいと考えている。

委 員:

この計画はまだ変わる可能性もあると考えておけばよいのか。

事務局:

この公園は運動公園という位置づけではく、市民の皆様が楽しんで貰えることを前提にしているので、国際級の大会の基準にそった場を確保するのは難しい。

委員長:

この公園の計画策定において、青少年公園が開設された当時から10年くらいの単位で県内の運動公園がどのくらい整備拡充されてきたのかを説明し、その中でこの公園での運動機能をどのくらい果たすべきなのかという議論の延長線上に今事務局が答えたようなプロセスがあったというように委員長として記憶をしている。



問題はこれからの話だが、例えばテニスコートで言うなら面数が多い方がいいのか、それとも少なくともしっかりしたものがいいのかという意見を大いに聞いておくべきではないかと思う。



限られたスペースの中でどちらが一番望ましいのかということは事務局はきちっと意見を伺っておく必要がある。

委 員:

最初初歩的な段階では、どういうスペースでもやれるが、ある程度技術がレベルアップすると正規のコートが欲しくなり、正規のコートで出来る場所を探していくようになるかと思うので、面数が何面あっても正規のコートでなければ、ある程度利用者が限定される。



初歩的な段階の人に家族利用してもらえるものにプラスして、ある程度技術レベルの高い人でも利用できるスペースのものがあればよりいいかと思う。

委員長:

ありがとうございました。

委 員:

この公園づくりのポイントは、誰がどのようにソフトを考えながらいかに息づいた公園にしていくかということに尽きると思う。



全体を通して理念継承委員の存在がとても大きく、非常に大きな成果を生んだと思う。あとは様々な新しい知をどれだけ絡めていくかということに尽きると思う。



博覧会が終わった段階で、アクションとしての様々な市民参加、市民協働ということがとても重要であることが認識された。その一定の成果の次のステップとして、当面は価値観、啓発といったプログラムをどう組み立てていくかが重要であると思う。



先程のパワーポイントの公園管理運営上の官民の役割分担イメ−ジにおいて、旧来型の公園の中から出て来るボキャブラリーが並んでいるという感じであるが、この中身をどうしていくのかというのは、全く新しい観点から新しい知を取り入れて考えていく必要があるのだろうと思う。



地域と公園の関係で、様々な議論をしてきたと思うが、更に公園の位置づけをたかめていくためにこの議論は必要だと思う。例えば市民参加で行われている名古屋市東山丘陵の森づくりなどとのネットワークはとても重要で、東山の森と西の方でも森をつくるという事を言っているので、連携などの方法もありえると思う。



財源的なこととして、名古屋は世界的な企業がたくさん立地をしてきている。そういう企業を上手く取り込んで、循環型社会の形成に向けて、環境をどう作って行くのかについて協力してもらうことも重要だと思う。



大きく短期、中期、長期でどのように取り組んでいくのか、ざっくりでもいいのでスケジュール表があるといいと思う。

委員長:

ありがとうございました。(事務局で)何かお答えすることはありますか。

事務局

この公園では基本的に場を提供するという前提で考えているので、色々なことが出来るように制限はかけないけれど、その活動全てについて財政的な裏付けをこちらがするのは難しいと思っている。また逆にそうしないとそれぞれの自主的な活動に繋がっていかないとも思ってる。

委員長:

それは次の議論とも関係すると思うので、そこは取っておく。

委 員:

全体的に大変よくまとめられていると思う。



「サスティナブルパ−クの実現に向けて」が、今回の委員会の主要なテ−マである。イデアのひろばも含めて、これからどう実現に向けていくのかという方針を書いてあると思うが、暫定計画からの修正点が全体の施設計画とどう関連しているのかチェックしておく必要がある。



ESDのようなことを基本に据えるならば、暮らし方や国際交流や地域交流、リニモ問題についても書いて良いと思う。



地域の環境負荷軽減など、今後の取り組みとして重要なものは、「サスティナブルパ−クの実現に向けて」にも再度書き上げるべきである。



「公園マネジメント会議を設置し公園管理運営を行う」と書いてあるその後に、「公園内でのボランティア活動を推進し、プログラムの企画運営などに自主的に関わっていくことができるようにする」とあるのは矛盾しているので公園マネジメント会議が芯であることを意識して、もう一度報告書をチェックしていただきたいと思う。

委員長:

ありがとうございました。

委 員:

自然環境保全計画について、利用すれば必ず変化するので、保全計画を立てる前提として継続的な調査、現況把握が必要となることを明記しておいて欲しい。



サスティナブルとデベロップメントは本質的に矛盾するものである。当面サスティナブルなデベロップメントというのはあるが、ESDについては慎重に使っていただきたいと思う。

委員長:

わかりました。ありがとうございます。



ソフトが重要であるがその流れはどうか、具体的な財源はどうするのか、マネジメント会議の枠組みが少し古典的なのではないのかなど、様々なご意見がありましたが、これだけは言っておきたいというポイントがございましたら、ご意見を頂戴したいと思います。

委 員:

財源とも関係してくるが、コーディネーターの中立を保つために一定の権限を持つ必要があるのでお願いしたい。これは財源とも大きく関係してくる。



マネジメント会議は人がいないと出来ないので、かなり早い段階でコーディネ−トできる人を探して、早めに機能できる状態を作り出さなければいけないと考える。突然新しい人が来てもできるものではないので、行政の予算ではとても難しい部分だと思うが、今から核になる人を育てるぐらいの意識がないと出来ない。

委員長:

ありがとうございます。

委 員:

官民の役割分担イメージで、それぞれが「責任を持つ範囲」という表現になっているが、公園全体のマネジメント会議の責任は当然行政が持つべきなので、ここで責任という言葉を使うのでなく、「主たる役割を担う」という表現にするべきだと思う。

委員長:

これは基本計画の修正を要望する。

委 員:

市民参加、市民協働によるマネジメント会議はオープン性の位置付けが一番難しい。



分科会が色々あるので、多様に会議やメンバーに参加する市民や、NPO、NGOのメンバ−以外に彼らを面倒みるファシリテーターが、これを機に地域に相当育つことが出来ると思う。



市民社会にとってファシリテーション能力を持った人が市民や企業から出て来るのが一番重要である。そういう意味でファシリテーターを地域へ公募する、そういうスキル機会を提供することが公園マネジメント会議自体にも大事であるが、それ以上に愛知県にとって非常に多様なファシリテ−タ−やファシリテ−ションのスキルが育成されてくることにつながる。

委員長:

他にございますか。

委 員

国営公園で市民参加プログラムをお手伝いしているが、まだまだ内向きである。もっと外部に発展していく運営そのものが地域の人材を育てていく、運営の中核になるという視点を明確にしていただきたい。



統括力を有したコーディネーターが一人では無理ではないかと思う。実際はチームを編成するということになりそうに思うが、どちらにしても早期からスタ−トした方がいい。

委員長:

ありがとうございました。



皆さんの意見、全くその通りだと思う。



この委員会が単なるペーパーで終わるのか、本当に理念を継承してアクティブなものであるのかというのは、今諸委員がおっしゃられたことに尽きる。



マネジメント会議の仕組みをどうやって担保するのか、県の方からきちっと発言をしていただきたい。



この取り組みは単なる公園行政だけの問題ではないように思う。県の行政全般に対してどういうものなのかという問題意識を持ちながら、ファシリテーターやコーディネーターなどの存在や外部評価委員会のようなものがないと実現が非常に難しい。



県はマネジメント会議を自ら実現させるんだという覚悟と同時に、それに対して県に対して意見やアドバイスをしてくれる外部評価委員会が必要である。

事務局:

大変貴重なご意見をいただいて、ありがとうございました。



マネジメント会議については、来年度から取り掛かりたいという話は、知事の政策枠として要求し、予算的に認められた。その時の要求の考え方として、新しい公共のあり方の県民協働の一つの方向として提示をした。是非こういうことが今後の新しい公共のあり方の一つとして提案できればと考えている。



文章でいろいろご指摘いただいた点は、きちんと趣旨がわかるように書き直す。



マネジメント会議に対して、特に人材の確保、ファシリテーターを公募しながら育てていくことなどのご意見については非常に参考になる。

事務局:

これらの意見をふまえて、今後の進め方としては専門家の皆さんのご意見を聞きながらある程度の大きな枠を決めて、そこから具体的に制度を構築していきたいと思っている。前向きに進めたいと思いますのでお願いします。

事務局:

よろしいですか。

委 員:

この会議の成果の一番はマネジメント会議だと思っているので、マネジメント会議がきちんと育つよう、また県の覚悟は本当に大丈夫かを確認するという意味でも、見届け人を委員会から出すべきだと要望する。



その際にぜひ委員長に関わって貰いたいと思う。

委員長:

誰がいいかは別問題だが、そういう仕組みは必要である。



今まで約3年、足掛け3年にまたがるご議論をいただきありがとうございました。



市民協働という、国土形成計画においても新しい項を形成するような大きな目標を今から掲げられ、それを先取りする形で実現できそうだ。



委員の先生方のご意見を反映した良い報告書にしていただいて、我々の答申にさせていただきたいと思う。



どうも本当に先生方、ありがとうございました。

事務局:

ありがとうございました。



長時間にわたり、多くのご意見をいただきましてありがとうございました。



本日いただきました提案を受け、県案を取りまとめ、今年度中に基本計画を公表させていただきたいと考えている。

事務局:

平成16年11月から本日まで6回の委員会を開催させていただきました。委員長さん始め、各委員の皆様方には、いろいろな点から熱いご議論をいただきましてありがとうございました。この愛・地球博記念公園の基本計画につきまして貴重なご提案をいただきに感謝を申し上げます。



この提案を受け、県として3月中に基本計画を取りまとめ、公表させていただく。



今後は、本公園の整備、活用の目標であるサスティナブルパークの実現に向けて県民と共にこの公園を育てて参りたい。



本日でこの委員会は終了させていただくが、議論があったように、ソフト展開の核となるマネジメント会議は全国的にも初めての取り組みのため、まだまだ皆さん方のご指導、ご助言が必要ですので、是非とも今後ともよろしくお願いしたい。



長時間にわたりまして、本当にご熱心にご議論、ありがとうございました。閉会にあたりまして、挨拶とさせていただきたいと思います。

事務局:

これをもちまして本日の委員会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。