第6回「愛・地球博 理念継承エリア検討委員会」委員発言要旨



(文責事務局)
神田知事 あいさつ

委員会発足から1年が経過し、委員の皆様には公園の将来を熱心に審議していただき、心からお礼を申し上げる。
今年の7月に公園の一部が開園し、これまでに45万人、1ヶ月10万人という割合で利用されている。開園された部分が一部であるので、これから更に充実し、素晴らしい公園にしていきたいと思っている。
特にイデアのひろばについて、博覧会の理念をどう継承し、記念公園にふさわしいものにしていくのか、これまでの審議を通じて議論いただいたものをまとめて、素晴らしい公園構想が出来上がるようお願いしたい。
取りまとめていただく計画について、期待の高い公園だけに真摯に受け止め、実際の公園づくりに活かしていきたいと思う。
来年の春に温水プールやスケートリンクなどがオープンし、それ以降もスポーツ施設を順次整備を進めていく中、イデアのひろばは最も博覧会の象徴的エリアとして、素晴らしいものに仕上げていきたい。
これまでの議論を集大成していただき、活発な議論をいただくようお願いしたい。


平野委員長 あいさつ

委員会も6回目となり、今回最後のとりまとめをしていただく。
これまでの委員会で基本計画のもとになるテーマゾーンについて地球市民交流センター、フレンドシップ広場というエリア設定をし、全体構想の中で具体的な計画の議論をした。
これからいただく意見と事務局がとりまとめた提案をもとに最終的なまとめにしたい。
限られた時間だが忌憚のない意見をいただき、いい形で将来に残る立派なゾーンになるようにしたいと思っている。


会議の概要


【主な発言要旨】

事務局:

資料説明。

委員長:

ここで全体を通して意見があったらまず伺いたい。


すぐに意見がないようであれば、欠席されている委員の意見を先に出し、加えて皆さんの意見をまたいただく形にしたい。

事務局:

欠席委員の意見をご紹介する。



自然エネルギーを活用した施設は整備費用が高くなる傾向にあるので、整備効果を考慮して設計をしていくこと。また、植樹といっても気候、土壌に影響されるため、その樹木を枯らさないような工夫が必要である。



基本計画案は了解する。今後の運営に向けて、地球市民交流センターは愛・地球博における市民参加の成果と遺産を継承する事業体であり、運動体であることが大切。特にプロジェクトの性格上、企画段階からの市民参加が不可欠であると同時に、施設完了後の利用促進に直結する市民参加プログラムの充実とソフトオリエンティド(ソフトを重視したという意味)な施設機能の準備が必要となるため、企画・運営組織体を形成する必要がある。

委員長:

企画運営の母体についても触れられているが、このあたりは後の問題としていただき、基本計画に関わる意見から先にいただきたい。

委 員:

さまざまな意見をまとめあげたことに敬意を表す。



万博という大きなイベントがあって、その成果と理念を継承することはとても大事である。



万博に参加できなかった方、来れなかった方が入りづらいような環境づくりではいけない。むしろ来られなかった人が万博でどんなことがあったのかを知ったり、見たり、楽しめることが大事である。また、生きている公園として成長していくことと、常に最先端のものがここに入り込めるような状況づくりをしていく必要がある。



一番大事だと思うのは子供の笑顔、子供の笑い声がいつでも聞こえるような場所であることである。また、常に新しく、様々なNPO・NGOが参加し、更に地元の方がいつでも気軽に来られるような雰囲気づくりも大切である。



なくなったものを思い出すメモリアルでなく、いつもここがアニバーサリーの場としてこの公園のことを考えることによって大勢の方々に公園への付加価値を付けて貰えると思う。

委員長:

大変重要なことである。これまでの委員会の意見を総括する意見である。



生きていく公園として今後とも発展し、子供たちがここへ来たいという気持ちがわくような公園にして欲しい。



博覧会で感じた気持ちを感じられる公園となるよう、博覧会の精神を公園の運営も含めて活かしてほしいという意見だと理解している。

委 員:

よくまとめられていると感じた。



北口が一番のメインエントランスになり、一番最初に入るのが地球市民交流センターとなるので、ここが一番魅力ある所になっていないといけない。それはハードの面はもちろん、その中で組まれるプログラムもそうである。そのために、しっかりとした運営組織体を作ってほしい。



屋上緑化が計画されているが、市民交流センターの屋上は、これはみんなが通る所でもあり、単に環境のためだけに屋上緑化をするのではなくて、やはり目に美しく、歩いて楽しく、あるいはちょっと休まるといった要素を屋上緑化に是非持たせてほしい。そのためには、植栽に工夫をされて、何種類かを植えたり、少しぐらい花があって四季折々がそこから感じられるとよい。



よく海外に行くと、ホテルや至るところで国旗がたくさん並んでいるが、日本という国は、日本の国旗も外国の国旗もない。この地球市民交流センターの屋上か、あるいはどこかに参加された国の国旗や、あるいは地球儀にある全地球の国の国旗を並べて、それを子供が通りながら「どこの国の国旗だなぁ」、「この国は参加されたのか」と見ることができると、楽しいと思う。



愛知県内や名古屋には日米協会とか、日伊協会とか、領事館などがたくさんあり、そういう各国の施設と連携を取りながら、いろんなイベントなどが実行できると、もっと地球市民交流センターの活用ができるのではないかと思う。

委員長:

屋上部は、是非楽しんで家族連れなどが歩けるような、また休まるような仕掛けをしていただきたい。実際に設計をしていく時に考慮いただきたい。



旗については、資料に各国の交流をしたフレンドシップの例も出ているが、飾り方なども重要であるので、全体の構想の中で活かして欲しい。



名古屋地域だけに限らず、各国の交換、異文化交流のイベントにも配慮して欲しい。

委 員:

全体としては、これでよいと思う。



かなり環境技術を多用されていて、コストがなるべくかからないようにという指摘もあったが、これらの環境技術は展示物でもあるので、十分活かしたいし、場合によってはデータ的な実績も見せるというようなことが必要である。



今後公園マネジメント会議、地球市民交流センター等の運営、コーディネーションをしていく専任が必要であると考えている。



多くの市民の巻き込みや、市民活動団体が、継続的に参加をしていくためのコーディネーターが必要になるので、その資金面での見通しを考えていただけるとよい。



これだけのいい計画なので、これが活かされるための次なる担保がいると思う。

委員長:

環境技術等を含めたいい形でのインタープリテーションの工夫は、運営面では特に必要になることだと思う。



今後、コーディネーターとして働いていただけるような専任も必要になってくる。その予算的な裏付け等も検討してお願いをしたいという意見である。

委 員:

今回の取りまとめの内容は非常に先進的で、画期的なものだと思っている。



これを受けて公園全体の計画の中に投影をさせていくが、その中で公園マネジメント会議というのが、実は簡単なことではなく、実にチャレンジャブルな仕掛けをしようとしている。そういう中でこの地球市民交流センターが先導的にスタートしていくとなると、これを成功させ得るかどうかが重要である。



行政とNPO、ボランティアの中間に立てるような人材をどのように育成をしていくのかということが問われると思う。



この報告書の内容は、大変水準の高いところまで持って行けることができたので、次は、実現する段階で、そのソフト、人を中心にした部分の仕組みをどのように作っていくのかということが重要だと思う。



名古屋市内のエコマネーのように、立ち上げを戦略的に行い、ある所までコーディネーションしてうまく進めていくと、カタパルト効果により、それから先は市民の力でかなり動いていける。そのために初動の推進をきっちりやる必要がある。



この場所は、単に県内、あるいは県外を含めた国内だけを見ないで、国外との交流をどのように具体的にしていくのかということも非常に重要である。



この報告書の実現性をより高めるための人材の育成と並行して、海外との交流を上手にコーディネーションできるような人材も一考する必要性がある。それが理念継承をしていく上で非常に事だと思う。



記念館も設けられるので、併せてトータルにそういう存在を指向する必要がある。

委員長:

実際に動かす時というのは、マネジメントをどうするか対応するためにも人材というのは必要なものである。特に、マネジメントで公園をうまく運営するだけではなくて、ここは地球市民という国際的なセンスを持った人材交流もできる人を養成する必要がある。



万博の剰余金で環境を基本とした人材育成の費用も付けていただいているので、大学だけでなく、地域をあげて交流ができる人材育成、特に環境面に配慮できる人材育成をする必要がある。



今日、ご意見をいただいたことは、計画を動かす時の重要なポイントである。



基本的な計画、建物の全体構想を含めた基本の展開については、委員の方々にご賛同いただけたと思う。今日ご意見を頂いた内容を運用面においていい形で活かしていただきたいと思う。



公園というのは、ずっと続くものであるから、生き続けていくんだと、という気持ちで次なる展開を日々できるような、そしてみんながここで歓声を上げ、喜んで一緒に気持ちを共有できるような場にしていってもらえればというのが希望である。



この委員会は約1年かかりましたが、この間に大変勉強させていただき、各委員からいろんなご意見をいただき、事務局の方がそれを伺いながらまとめて、こういう形で本日基本計画をまとめることができた。委員長として、委員の皆様方の見識、ご協力に厚く御礼申し上げたい。



今後は、いただいたご意見を加えて、計画に基づいて事業化に向け具体的な取り組みを進め、博覧会の理念と成果が今後とも末永く継承されることと、全体の公園計画の中でこれをいい形でマージさせていただくことを期待している。



これをもちまして、委員会としては、私のこの立場を終わらせていただきます。長い間、ありがとうございました。

事務局:

長い間にわたりお忙しい中、多くのご意見をいただきありがとうございました。最後に、愛知県副知事からお礼の言葉を述べさせていただきます。

副知事:

17年の11月から6回にわたり検討委員会を開催させていただきました。委員長始め、委員の皆様方にはイデアの広場における基本構想と基本計画をまとめ、、また貴重な提案をいただきありがとうございます。



この提案を受け、県としては、「21世紀にふさわしい公園づくり委員会」におきまして、今年度中に愛・地球博公園全体の基本計画をまとめていきたいと思っている。そして今後、設計及び工事を順次進め、イデアの広場における早期開園を目標に鋭意努力をしてまいりたい。



本日ここでこの委員会を終了させていただきますが、今後とも参考となるご意見、ご指摘がございましたらご提言いただき、県行政へのご協力をお願いしたい。



長期間にわたり、大変熱心にご議論いただき重ねて厚く御礼を申し上げます。

事務局:

これにて委員会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。