知事の記者会見
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平成23年5月9日(月) 午前10時30分
1.

知事発言

(1)

愛知県電力・エネルギー対策本部の設置について

【知事】  第1回の愛知県電力・エネルギー対策本部を設置いたしましたので、お知らせをいたします。東日本大震災、福島原発の問題などなど、電力エネルギー面でも日本全体で大変な状況になっているわけでございまして、これまでエネルギー対策というのは国の関わりが強かったわけでございますが、電力エネルギーが県民生活、産業活動の生命線であることを考えますと、愛知県といたしましてもこの問題に主体的に取り組んでいく必要があるというふうに思っております。
あわせまして、菅総理から中部電力に対して浜岡原子力発電所の停止要請ということがありました。それを受けてその翌日、5月7日土曜日午後2時、菅総理から私に連絡をいただきました。そのあと、午後8時半過ぎに海江田経済産業大臣からも私のところに連絡をいただきました。
菅総理とのやりとりにつきましては、先ほど申し上げたことでもございますが、私からは知事談話に基づいて安全対策に万全を期していただきたいということ、これはこれまで申し上げてきたし、これからも強く要請をしてまいりますということ。
それから、菅総理は電力需給には支障はない、(支障を)来たさないように国が責任を持つというふうに言われておりますので、そのことについて具体的な中身をできるだけ早く示していただきたいということを申し上げさせていただきました。
あわせて、私は、県民生活と県民経済に責任を持つ立場だと。これから夏の需要期に向かっていく。そして愛知は、とにかく、特に愛知県は産業県だと。日本を代表する産業県であって、これから東日本を支え、日本経済を支えていくためにもフル回転で頑張っていこうというこのときに、こういう形で電力需給に影響があるということになると、そういう役割が十分果たせないんではないかという懸念が出てきてしまう。だから、そういう意味で早急に対応策を考え、示してもらいたいということを申し上げさせていただきました。そのためにも経産省、経産局から十分な情報提供と、そして緊密な連携、連絡をやっていただかないと困るということを申し上げさせていただきました。
菅総理から「おっしゃるとおり」だと、「支障がないように万全を期す」という言葉をいただきました。具体的なことは海江田大臣から緊密に連絡をさせますというふうに言っていただきました。
あわせて私が申し上げたのは、この7日、おとといですけれども、私のところにもたくさんのメールとかいろんな声が来たと、「浜岡を停めろ」と。しかし私は、現段階で正常運転をしている浜岡を停めると、新潟の柏崎刈羽、それから敦賀、若狭といったところまでドミノ倒しになってしまうんではないか。そういったことにならないということは保証できるんですかということを菅総理には申し上げました。
菅総理からは、浜岡はですね、文科省の専門家の研究の結果として、今後30年の間に87%の確率で大地震が起きるという非常に高い危険の可能性がある。ほかは1ケタであると。それも低い1ケタだということなので、全く違うんだと。浜岡だけの特殊事情なんですと。ほかに波及することはない、ならないようにいたしますと、こういうふうなお言葉をおとといの時点で菅総理からいただきました。
さらに私、申し上げました。「浜岡は再開できるんですか」ということを申し上げましたところ、今すべての原発に非常用電源の用意をするように言ってある、言っていると。そして緊急対策をやり、抜本対策をやる。そうすれば、対策を講じれば、再開はできるということになるでしょうということを言っておられました。
いずれにしても私から申し上げたのは、「最後に国が責任を持つということなので、経産省始め、政府と緊密な連絡をとらせてもらいたい」ということを申し上げました。菅総理からは、「海江田大臣からしっかりと連絡をとらせます。何とぞ御理解をよろしくお願いしたい」というやりとりでございました。
正確に申し上げますと、10分間のやりとりはそういうことでございました。
その後ですね、夜8時半過ぎにまた海江田大臣から私のところに電話をいただきました。同趣旨でございますが、海江田大臣からは「急なことで申しわけない。電力供給には支障がないようにする。できるだけ早い機会に中電とも詰めてお示しができるようにする」ということを言われました。私からは、菅総理に申し上げたとの同じことを申し上げましたところ、1点目の「電力需給には影響ないようにしていただけるんですね」ということを申し上げましたところ、海江田大臣からは「関電(関西電力)にも話をしてある。関電から融通をするということで話をしてあって、了解はいただいている」という話でございました。
二つ目、「ドミノ倒しのようなことにならないんですな」と言ったところ、「今、全国の原発で安全点検をやっているけれども、安全対策と安全点検を指示しているが、安全点検ができたものから動かしていく」ということのお言葉でございました。
三つ目、「浜岡の再開はできるんですか」ということを申し上げたんですが、「防潮堤のようなものをつくってもらうことが必要だが、そういった安全対策ができれば、2年後ぐらいには再開ができる、可能だ」というお言葉でございました。
いずれにしても、緊密な連携をよろしくお願いしたいということで申し上げたところ、「もちろんです」と。緊密に連絡をとってやっていきたいということを申し上げました。できるだけ早く私が直接お会いをしてお話をしたいということを申し上げましたところ、「ぜひぜひ」という話でございましたので、今、日程を至急詰めてですね、できればできるだけ早いうちにお会いをしてお話ができればというふうに思っております。
菅総理、海江田大臣とのやりとりは以上ということでございます。
そういったやりとりをした後ですね、あわせまして昨日夕方5時、中部電力の伊藤副社長とそして勝野専務に5時、県公館にお越しいただきました。中部経済産業局の加藤局長にもお越しいただきました。私どもは、私と副知事、部長、局長で対応いたしまして、率直に今の現状のお話をお伺いするとともに、今後の方向、それから今後の段取りなどなどについて1時間半にわたって率直な意見交換をさせていただきました。
そういう中で、この安定供給についてどうするのか。石油、火力、LNG等々の再開、それとそうしたものの原料、燃料の調達、それからコストの問題などなどについて、これを突っ込んだ意見交換もさせていただいたところでございます。
そういったことを踏まえ、私としては、中電さんには、中電さんの御決断、判断というのはまだ今これからということでございますが、私は私の判断として、菅総理、それから海江田経産大臣からも連絡をいただいた、そしてやりとりをさせていただいた、そして連休が明けるという中で、県民、そして愛知県産業界、経済界のですね、無用な不安がないようにするためには、とにかくこの休み明け直ちに愛知県としてのスタンスを決めるということから、先ほど、部長会議の後ですね、電力・エネルギー対策本部をつくらせていただいて、もちろん中電さん、そしてまた愛知県の産業界、そして多くの県民の皆さんの御意見をいただいて、今後の愛知県の経済産業、そして県民生活に支障がないように、万遺漏なきを期すためにも、そうしたところで意見集約をし、国へ物を申していくという意味からも、この対策本部を立ち上げさせていただいたところでございます。そうしたことをこれからもしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
ということが、この対策本部の設置の趣旨ということでございまして、あわせまして、その設置要綱(https://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000041/41247/youkou.pdf)もございますが、これもご覧をいただければと思いますが、電力・エネルギーの安定供給の確保に向けた取組を推進し、目的の第一でありますが、もって産業の国際競争力の維持・向上、雇用の安定ということを図っていきたいというふうに思っております。
電力・エネルギーの安定供給の中には、量的な安定供給とともに、価格、コスト面での対応ということも当然入ってくるわけでございます。電力の、エネルギーの供給という点については、常にコストの面が、費用の面がかかります。電源構成は原発と水力と火力、石炭、石油、LNG、風力とあるわけでございますが、それぞれ電源構成でコストが違います。それをベストミックスをしてやっていくというのが日本のエネルギー政策でございましたし、私自身もそれに取り組んでまいりました。そういう中で中部電力から当面原子力発電という電源構成がなくなるということになりますと、当然コストアップ要因になりますが、これは私はですね、このことは中電側の事情なのか。それから、愛知県の産業界なり愛知県の県民生活がですね、これはその事情から出たのかということになると、それは違うんではないかというふうに言わざるを得ないというふうに思っております。
そういうことであれば、これを中電及び中電管内、中電管内といってもこのメーンは、もう圧倒的なメーンは愛知県の産業界、経済界、県民生活。そこがこの分を、丸々それを負担するのかということは、私は、それはおかしいのではないかということを申し上げざるを得ないと思っております。そのことはですね、直ちに、直ちに国、政府のほうには、民主党政権には物を申していきたいというふうに思っております。
で、この分のコストが上がっていくということになりますと、それはひいてはですね、これは愛知県だけではないと思いますが、日本全体の産業界の国際競争力ということにもなると思いますし、海外展開ということが進んでしまえば雇用の問題にもなる。そういった重大な問題をはらんでいるということを申し上げざるを得ません。
したがって、安定供給のこと、それからこの費用のこと、コストのこと、そうした増をどういうふうに抑えていくのか、どういうふうに負担をしていくのかということについても、これは国のほうに強く申し上げていきたいというふうに思っておりますし、それは国の責任でやっていただかなきゃいけないことだというふうに言わざるを得ないというふうに思います。そのことを強く申し上げていきたいというふうに思っております。
そういう意味で、第二の所掌事務もそういったことが書いてありますが、あわせて、これは当然のことでありますが、我々これだけの高度経済社会をつくっていく中でエネルギーを、有限なエネルギーを有効に使っていくという意味で、省エネ対策は、これはやっていかなきゃいけないというふうに思います。
で、あわせてですね、これはもともと予定をいたしておりましたが、新エネルギー対策を進めていく。もともと連休前から、4月から構想を練ってですね、5月中には立ち上げようと思っておったんですが、太陽光発電とか風力とか、それからバイオマス、それからトヨタでやっているスマートシティ、それからいろんな多様な電源をミックスしたときにそれがうまく流通できるようにするスマートグリッドといったシステムづくり。
それから、これまでは巨大な発電所をつくり供給をするというエネルギー政策でありましたが、それを地域の分散電源に分けていく。そのことが省エネにもなるし、地球に優しい地球温暖化防止、環境対策になる、そういった面がある、そういった施策になるということで、そういった分散電源に向けた施策を詰めて、この愛知県で実証的に進めていきたいという意味で、新エネルギー政策のプロジェクトチームもあわせてこの対策本部の中というか、ぶら下げてということになると思いますが、立ち上げていきたいというふうに思っております。
そういう意味で電力エネルギー対策は、愛知県としてもこれまでやや縁の薄かった行政分野、政策分野かもしれませんが、県民生活と愛知県経済に大変大きな影響がある、まさに生命線だということもあって、これから積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
  
(2)

焼肉チェーン店の食中毒事件について

【知事】  焼肉チェーン店の食中毒事件が大変大きな問題になっておりますが、これは現在までに104名の方が食中毒症状で、うち24名が重症と聞いておりますが、このチェーン店ですね、「焼肉酒家えびす」、このチェーン店は富山、石川、福井、神奈川のみであって、愛知県には存在いたしておりません。現段階では愛知県では同様の事例は発生をしておりません。
しかし、それでもってこれにつきましては、これまでも愛知県としては、県民の皆様にはリーフレット等で肉の生食は危険であり、十分加熱して食べるようにという啓発を行ってまいりました。改めて私ども愛知県として、5月2日の月曜日に愛知県内の各保健所に対しまして、生食用の食肉の衛生基準を満たさない食肉を生食させないように、焼肉店等営業施設への監視指導を強化するように通知を出させていただきました。
さらに、5月5日の木曜日付で厚生労働省から通知が来ました。そういう監視指導を5月末まで緊急に実施するという通知が来まして、ここにも関係の営業者に対しまして、生食用以外の食肉を生食用として消費者に提供することがないよう徹底をするという通知が来ております。
したがって、さらに私ども各保健所を通じまして、そういった焼肉店等の営業施設に対しまして、生食用食肉の衛生基準を満たさない食肉での生食での提供の禁止といった、そういった意味での指導強化を図っていきたい。それから加熱して食べていただけるようにというような一層の啓発に努めていきたいというふうに思っております。
2.

質疑応答

(1)

愛知県電力・エネルギ−対策本部の設置について

【記者】  浜岡原子力発電所を停止すること自体は、止むなしとして、その後の対応に重点を置くというスタンスにお見受けしたが、そういうことでよろしいでしょうか。
【知事】  菅総理、海江田経済産業大臣から中部電力さんに浜岡原子力発電所の停止要請があったという厳然たる事実と、その翌日に私にも、そういった意味での御理解と御協力をというお電話をいただいて、それぞれ10分ずつ会談といいますか、まあ10分って結構話せますからね、今言った内容を話しました。
そういうことがあったということは、事実は非常に重いので、私は、中電さんの判断を縛るということではありませんが、菅総理、それから海江田経産大臣からのそういう電話があったということでもありますから、そういったもろもろのことを踏まえて、私はいち早く、連休明けのこの時点でこの電力・エネルギー対策本部をつくって、いろんな情報収集をし、そして、とにかくですね、先ほど申し上げたように国に物申していかないかんと。国に物申していかないかん。ただ単に電話一本で、ここで停めて、あとは「じゃあ、あんた方やっといてね」と、そういうわけには、これはいきませんからね。私も、何度も言いますが、愛知県の県民生活と愛知県経済、産業に対する責任を持っておりますから。そして、この愛知県だけにとどまらないわけですよ。
僕は菅総理にもかたがた申し上げましたが、愛知県は産業県なんですと。日本有数の製造業がある産業県なんです。この愛知県の産業がフル回転して、さあこれから日本を支えていこうというふうに思っていたときに、こういう形で大きな問題が立ちはだかるということでは、日本の再興、復興についても、私は大変大きな問題があると言わざるを得ないと。それは国を挙げて考えていただかなきゃいけないというふうに申し上げました。
ですから、そういう意味で、中電さんが今後、浜岡をどう扱う、どうされるかはあれでございますが、それはそれとして、愛知県なりこの地域の電力の供給と費用、コストの面も含め、不安がないように全力を挙げたいというふうに思っています。
【記者】  海江田経済産業大臣に近々面会をされるようですが、一番訴えたいことは、何ですか。電気料金についてですか。
【知事】  いやいや、物事の順番。まずは安定供給ですよね。まずは安定供給があり、安定供給の確保があれば、次は、と持ってくる。だから、さっき申し上げましたように日本のエネルギー電力政策、電力政策というのは電源構成が多様なものをベストミックスしてやっている。それぞれコストが違うわけですから、一番安いコストの原子力発電を、原発をとられたら当然、だれが考えてもアップしますね。その分をどうしてくれるんですかという話は、私の立場として、これは整理せざるを得ない。正直言って、もう既にいろんな産業界の皆さんとも個別にお話をして聞いても、みんなそりゃ怒っとるわけですよ。ちょっと待てよと、わしらにかぶせる気かと。冗談じゃないぞと。何を言っとるんだと。これから大震災の傷を癒して、フル回転して日本を支えていこうと思っているときに、それじゃあ日本で立地できないじゃないですかという話になっちゃいます。それと雇用の問題になりますからね。
私はそうそう簡単に、軽々に考えてもらっちゃ困る、この話は。ということは強く申し上げたいというふうに思います。だから国を挙げて、これは考えていただかなきゃいけない課題だと。
ましてや、だって私、菅総理にも海江田大臣にも、「ところで、これドミノ倒しにならないんですね」というふうに言ったら、「それはない」というふうに、おととい、私の電話ではっきり言い切って、その後、昨日言われてましたよね。これは浜岡だけの特別の要請なんだと。であれば、それはやはり国全体のエネルギー政策の中で考えていただかないといけない課題だと思いますから、その点は強く言っていきたいというふうに思います。
【記者】  コストアップの部分については、利用者に反映してはならないということですか。
【知事】  それはもちろん。まずは、だからそのどういうふうな形でね、もちろんそれは中電さんの中での御努力とかいろんなことがあるかもしれませんが、それだけにね。要は、正常運転していたものを要請して停めるということになった場合に、それを本当に中電さんだけにあれするのか、ひいてはですよ、中電さんに言ったって、それは利用者があって、そこに中電さんの、いわゆる財務内容があるわけですから、そういった中電管内、特に大半を占める、もう半分を占める愛知県の経済界、産業界と、県民にそれをかぶせるんですかと。それはちょっと待ってくださいよと。それはちょっと言わざるを得ませんので、それは強く言っていきたいと思います。
 要は、日本全体で取り組んでほしいと。取り組んでほしいというか、当然ですよ。だって浜岡だけに要請するわけだから、それはそうですよねということは申し上げたい。
【記者】  中部電力だけに押し付けるなということですか。
【知事】  だから、中電という会社は、中電という会社で成り立っているわけではなくて、そこに利用者、我々が、県民、もちろん愛知県だけじゃありませんが、東海五県の県民とその産業界があるわけですから、そこだけにおっかぶせるというのは、それは話が違うんじゃないですかということは申し上げたい。それが民主党政権の姿勢なんですかということを強く申し上げたいというふうに思います。
【記者】  菅総理の今回の判断に、同意をするのか、同意しかねる部分があるのかお伺いします。
【知事】  総理からの停止要請について同意するしないというのは、私の立場でコメントすることではないというふうに思っております。これは中部電力さんへの要請であって。だから先ほど申し上げたように、電力・エネルギー対策本部を立ち上げたことで中電さんの判断を縛るということではありませんと。それはあくまでも中電さんの御判断だろうということですが、総理と海江田大臣から私にそういう電話があった、連絡があったということは非常に重いので、それを踏まえて、これをつくる。県民の声と愛知県の産業界の声をある意味代弁をしていく、集約し代弁していくということを私はやっていかなきゃいけないと思っておりますから、そういう意味でこれをつくらせていただきました。
したがって、菅総理の御判断なり要請について、私がそれが是とか非とかいうコメントは、私はそれをする立場ではないというふうに思っております。
【記者】  知事は、東日本大震災後の会見で、国の原発政策は転換しなければいけないとおっしゃっていましたが、その考えに変わりないのか伺います。
【知事】  原発政策は安全性が大前提でありました。その安全性が、いろんな意味でいろんな条件が加わったと。想定外だったというか、いろんなことを言われても、現に福島第一原発でこれだけの、レベル7という大きな重大事故が起きたということは、これは事実を真摯に受けとめなければ、真剣に受けとめなければいけないというふうに思います。
そういう意味では、そのことを踏まえて、私は安全性という点が一端でもこれが崩れたということであれば、その点を踏まえて原子力政策を大きく見直す必要がある、そのことは申し上げました。その点は変わっておりません。具体的にどういうふうにするかは、これはこれから十分関係者の議論、私もその中で物を、機会があれば言っていきたいと思いますが、この原子力政策を見直すということは、これはもう方向としては、そういうことにならざるを得ない。その考えは変わっておりません。
【記者】  仮に浜岡原子力発電所が、全面停止になったとしても、安全性が確保されれば、再開してもよいお考えでしょうか。
【知事】  それは安全性が大前提だと私申し上げました。で、安全性の評価ですね、検証というのを専門家の皆さんがまずはやっていただくということですから、その条件がすべてそろった段階で、関係者の皆さんといいますか、もちろん一義的に中部電力さん、それから国、地元の自治体、そして私も含め、それはその段階でコメントといいますか、私の考えを申し上げさせていただきたいというふうに思います。
【記者】  浜岡原子力発電所が再開する際には、中部電力又は政府に対して、愛知県の同意を必要とすることを求めていくのか、また、愛知県として、独自に中部電力と事故時、異常時に通報連絡できる原子力安全協定を結ぶ考えがあるのかお伺いします。
【知事】  まず第1点目の同意の話ですけれども、これは今、制度がそういう形になっておりますから、立地県とその立地市町村の同意ということになっておりますから、私はそれはそれなんですけれども、制度がそうだからといってそれは置いといて、現実問題ですね、事実関係、事実問題として、正直言って、私自身いろんな物は言っていける立場だと思っておりますから、申し上げていきたいというふうに思っておりますし、それはまずはですね、私はいつもいつも申し上げているんですが、国の原子力政策は安全性が大前提でございます。
したがってその安全性は、専門家の皆さんが十分縦横斜めから検証していただいて、そのことを客観的なデータに基づき検証していただいた上で、安全だということになれば、その段階で私自身の意見を申し上げさせていただきたいというふうに思っております。
したがって、同意云々が制度としてあるか、そんなのはあんまり関係ないのかなというふうに思います。
それから2点目の原子力安全協定云々の話ですが、これは連休前も申し上げたかと思いますが、愛知県がやっております、平成14年からやっております地震対策アクションプランをですね、この際いろんな専門家、有識者の方の御意見をお聞きしながら、これを東海、東南海、それから南海地震の三連動も念頭に置いて、そういった見直しを、これは国の方もこの23年度やるというふうに聞いておりますし、我々もですね、愛知県も独自でそういったものを念頭に置いたシミュレーションと、これから対策もつくっていかなきゃいけない。そういう意味では地震対策を抜本的に拡充強化しなきゃいけないと思っておりまして、その際のこれまでのこととは違った要素の見直しとしては、一つは津波対策を強化しなきゃいけないだろう。それから液状化対策をどういうふうにしていくのか。それともう一つは、この原子力、浜岡原発で原子力発電所との関係、それから安全対策、そういったものも、これもこの我々の愛知県の地震対策のアクションプランの中に位置づけていかなければいけないというふうに思っておりまして、そういう議論をしていく過程の中で、今言われた安全協定等々についても、それも視野に入れて検討していきたいというふうに思います。
(2)

東日本大震災から2か月を経っての被災者支援の状況と今後の支援について

【記者】  東日本大震災から間もなく2か月となりますが、愛知県内での被災者支援の状況、また、今後どういう所に重点を置いていくお考えなのか伺います。
【知事】  一つ目、この東日本大震災から2カ月たった状況ということでございますが、
まずは被災者に対する県民運動というのをずっと立ち上げてやってまいりました。義援金も、もう5月2日時点で3億1,500万円を超える義援金をいただき、1億円を第1次配分いたしました。それから支援物資の提供等々もいただきました。それから企業の寮、社宅等々もいただきました。
それから、県内企業への雇用、被災者の雇用等々の調査をいたしまして、3月の20日過ぎからやって今日まで、前はたしか1,300人ぐらいというふうに申し上げておりましたが、今日ここまで県内の企業さんから1,700人を超える雇用の意向が示されております。この点が一つ新しいことかと思いますが、このことまでやってまいりました。
それから愛知県の支援体制でありますけれども、支援対策本部をつくり、プロジェクトチームを四つつくり、人も送りですね、今もさらにやらせていただいております。私自身も4月22日に現地に参らせていただきました。それから支援活動でございまして、こういったものを送らせていただいております。
それから専門職員の派遣、そういったものも行っております。
被災者の受け入れということでございまして、今現在、ここにありますように被災者への住宅の提供が、公営住宅2,614戸と、それから企業さんの社宅の提供が704戸で、合わせて3,318戸まで積み上がっております。そして今現在、愛知県の避難者は、5月8日現在で1,107人、379世帯ということでございまして、西日本では一番多い受け入れをさせていただいております。そんなことでございます。それから、被災者の皆さんへの資金貸付事業ということで50万円のですね、これも専決処分でやらせていただきましたが、生活支援の資金もつくらせていただきました。それから、日用品の提供だとか学校への受け入れ。それから県と市町村で被災者200人を臨時雇用職員としての受け入れということも今取り組み、進めさせていただいております。
それから最後に、景気対策、あわせて県内の景気対策もやっていこうということでございまして、中小企業の資金繰り支援ということで、こういう形で3月17日からサポート資金を発動し、そしてあいちガンバロー資金というのを県単独の、県の信用保証協会の保証料をタダにするということで、1,000億円の融資額をつくりまして連休前からスタートいたしました。4月26日からの26、27、28の3日間で126件、27億円ということでございまして、これは御活用いただいているんではないかというふうに思っております。
それから観光への影響の配慮、対応ということで、4月の25日から愛知県での安全情報を、県内の交通機関、観光施設、宿泊施設は影響なく通常どおり営業していますということを、日本語、英語、中国語、韓国語で発信させていただいております。
そのことにあわせまして、今週の5月13日の金曜日、これもお手元に1枚紙(https://www.pref.aichi.jp/saigaijoho/pdf/20110509-kankou.pdf)で配らせていただいておりますがリンク貼付、愛知県県内の観光関係事業者の皆様との懇談会を開催させていただきます。いろんな御意見、御要望をお聞きし、愛知県の観光関係の施策の推進に努めていきたいというふうに思っております。
出席者は、お手元にお配りしてある観光関係事業者の方々でございまして、その裏にですね、オブザーバーとして中部運輸局長、それから名古屋市の副市長さん、局長さんも御出席いただき、観光関係の皆さんと意見交換をさせていただきたいというふうに思っております。県公館でございます。これはもちろん皆様にも取材いただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
それから、公共事業の85%の前倒し発注、それから市街化調整区域の宅地開発の緩和といったことも発表させていただきました。こういった景気対策も含め進めていって、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
(3)

交通事故死者数の認識と今後の取組について

【記者】  現在、交通事故死亡者数、全国ワーストワンという状況が続いています、事故死者数の現状のご認識、それから今後どう取り組んでいくのかお伺いします。
【知事】  これは先ほど部長会議で申し上げました。愛知県は全国ワーストワンの記録は5年連続だったんですけど、ようやく昨年返上いたしましたが、今年は3月18日以降ワーストワンということで、大変憂慮すべき事態になっております。昨日までで83人の交通事故死亡者、昨年の対前年比プラス8人でございます。
今年の交通事故の特徴を二つ挙げますと、一つは高齢者の方が多い。高齢者の方が約半分。それから交差点における死亡事故も、これも約半分ということでございますから、高齢者の方の死亡事故の対策、それから交差点での安全対策、こうしたことを重点的にやっていきたいというふうに思っております。
あわせまして、お手元にこの交通安全メッセージ(https://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000041/41152/chijimessage.pdf)というのを配付させていただいておりますが、今日付けでこの交通安全メッセージを、私のメッセージとして発させていただき、あさって5月11日から20日までの10日間、春の全国交通安全運動という形で、県内全域で交通安全の啓発活動を展開していきたいというふうに思っております。
なお、あさっての朝ですね、8時45分から、この県庁の正面玄関前で交通安全運動の出発式を開催させていただきます。また、5月16日には街頭一斉大監視活動、約4万5千人を動員しての街頭活動もやっていきたいというふうに思っておりまして、あらゆる機会をとらまえて交通安全をお訴えしていきたいというふうに思っております。