知事の記者会見
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平成24年5月7日(月) 午前10時
1.

知事発言

(1)

昨日の関東地方の竜巻被害について

【知事】  おはようございます。ゴールデンウイークが明けまして、本当に爽やかな天気でありますけれども、また通常どおりしっかりとやっていきたいと思っております。
 昨日、竜巻の被害が、関東で大変な被害が起きました。お亡くなりになられた方、また怪我をされた方、また170軒ですか建物被害に遭われた方、本当に心からお見舞いを申し上げたいと思っております。
 こういった大平野で、暖かいところに寒気が入ってきて上昇気流が起きると、得てして起きやすいということでもあると思いますが、是非そのメカニズムの解明など、そういったものを含め早急にやって、こういったことが起きないようにというか、こういったことにしっかりと備えていくということが必要ではないかと思います。
 この地方でも竜巻、あれだけの規模というものはありませんが、時々起きておりますので、早速、関係方面には情報収集と分析を指示したいと思っております。この地域でそういうことが起きないように、起きないようにと言うのもあれですが、しっかり備えていくということが必要だと思います。しっかりやっていきたいと思います。
  
(2)

フランス大統領選挙、ギリシャ議会選挙について

【知事】  それから、この地域の経済にも大変影響があると思いますが、昨日、フランス、ギリシャで大きな選挙がありました。フランスでは現職のサルコジ大統領が敗れ、オランド候補が勝利をしたということでございます。
 これまでユーロを維持するために各加盟国が、緊縮財政を含め財政の健全化ということをやってきたということでありますけれども、それに対する反発ということが原因だとも言われております。そういう意味では、成長戦略というのは、これは必要だと思いますが、そのことによって財政の拡大といいますか、これまでの路線が変化することになってくると、またユーロがどうなるのかということが大変心配されるというふうに思います。
 あわせて直近の情報では、ギリシャも開票9割で今の与党が過半数割れという模様だという情報も、ほんの15分ぐらい前の情報ですかね。まだ開票中なのでわかりませんが、ということを聞きますと、ギリシャもユーロとの関係で緊縮財政に対する反発ということだと思います。そうなりますと、先行きが非常に危惧されることになると思います。
 そうなると、愛知県は御案内のように輸出型の製造業が大変多いところでありますから、今後のユーロの動向が私は大変心配だと思っております。こういうときこそ国際通貨、為替の安定のために、日本政府、政府・日銀として国際金融の枠組みづくり、そういったものにもっともっと注力していただきたい、そのことを強く申し上げたいと思っております。 
  
(3)

あいちの山里で暮らそう 80日間チャレンジ事業について

【知事】  「あいちの山里で暮らそう 80日間チャレンジ」事業ということでございまして、お手元に資料(https://www.pref.aichi.jp/0000050993.html)がございます。
 今年の1月30日の定例記者会見で申し上げましたが、昨年度「あいちの離島 80日間チャレンジ」を実施いたしました。去年は佐久島、日間賀島、篠島という離島の3島で大変好評を博したわけでございますが、今回は「あいちの山里で暮らそう 80日間チャレンジ」事業を実施するということにいたしました。
 公募で選ばれた山里で暮らしたことのない若いスタッフに、三河山間部の過疎地域に住んでいただいて、山里の暮らしを通じて得た感想とか発見を毎日ブログなどで発信してもらうということで、三河の山里の観光PR、交流・居住の促進を図るということを進めていきたいと思っております。
 私が最初部局に指示したのは、この間の離島3島は観光とか、もっと人に来てくれということでしたが、今回それももちろんありますが、むしろ山里で暮らしてもらって、その三河山間部の山里で生活している人たちの息遣いみたいなものを肌で感じてもらって発信してもらうということで、観光なり交流もそうですが、むしろ定住、そこに住んでもらう、住んで生活してもらうということをもっと基軸にしてやったらどうかということで、部局にはそういう指示をいたしました。
 その中で、当初予算では3人を全国から公募するということで、受け入れの市町村にもプレゼンテーションでその3カ所を選んでいこうということを申し上げておりましたが、過疎地域を持っている市町村は、愛知県内に5市町村ございます。お手元の資料の事業内容、活動地域とあるでしょう。豊田市、新城市、設楽町、東栄町、豊根村、この5市町村が過疎地域。豊田市といっても合併しましたので、豊田市のうち旧4町村、これが国の過疎法に基づく過疎地域ということでございまして、新城は二つあるということでございますが、これから3カ所をということでございまして提案いただきました。しかしながら、それぞれの市町村からいただいた提案が、どれも甲乙つけがたい大変レベルの高いものでありましたので、今回予算を増額いたしまして、5地域すべてで事業を実施することといたしました。チャレンジスタッフを5人募集することといたしました。
 今後のスケジュールでありますけれども、6月には事業者を決定し、続いてチャレンジスタッフの公募を行い、選ばれたスタッフには8月に研修を受けていただいて、9月から12月まで山里に住んで情報発信を行っていただきたいと思っております。スケジュール的には資料を見ていただきたいと思います。5月、6月で事業者を募集し契約して、7月、8月でチャレンジスタッフを募集して、9月からチャレンジ事業をやっていこうということでございます。
 活動イメージは五つのところありますね。例えば豊田市は、旭地区で農山村の田舎暮らし体験を絡めた婚活イベントをやるとか、和紙工芸などの地域を代表する産業の体験などもやっていただく。和紙工芸とかこんにゃくづくりなんかもやっていただこうということでございます。
 それから、新城の過疎地域では、作手地区(旧作手村)を対象として、作手での生活の魅力を発信しようと。作手での交流居住のPRとか牧場での酪農体験とか湯谷温泉での女将体験とか、そういったこともこの中の提案にありますので、そういったこともやっていただければと思っております。
 それから設楽町は、ここにありますようにいろいろな花木が点在している「花まち したら」をPRしておりますので、そのシンボルである花の山公園に隣接する奥三河郷土館を拠点として町の魅力を発信していただこうということでございまして、それに加えて東海自然歩道の散策だとか、酒づくり、あそこは蓬莱泉の関谷醸造があるので、酒づくりをやっていただいたり、道の駅での特産品紹介、そういったこともやっていただこうということでございます。
 東栄町は何と言っても花祭でございまして、ちょうど11月から3月、ちょうど11月から始まるので、花祭会館を拠点として花祭の準備、舞やおはやしの練習、本番までの体験だとか、チェンソーアートとか、あと星空観察とか、そういったことをやっていただこうということでございます。
 それから豊根村は、何と言っても愛知県最高峰の茶臼山がありますし、日本の原風景が残るということで写真家前田真三さんも非常に愛したところでありますので、彼の写真が展示されている「茶臼山 高原の美術館」を拠点として、地域密着型の体験をしていただこうということになっております。
 こういったことで是非やっていきたいと思います。写真も付けておりますが、ということで、5カ所でしっかりとやっていきたいと思っております。 
  
(4)

愛知・名古屋観光プロモーションについて

【知事】  愛知・名古屋観光プロモーションイベントの開催についてということでございます。愛知県と名古屋市との連携で、東京において観光のトッププロモーションをやりたいということでございます。
 今度の5月11日の金曜日、河村さん(名古屋市長)と私で、東京の有楽町駅前広場におきまして街頭キャンペーンを行います。また、品川プリンスホテルにおきまして、首都圏の旅行社とマスコミを対象にしたトッププロモーションイベントも実施いたします。大きな観光需要が期待される首都圏におきまして、武将観光とか名古屋めしといった観光資源のPRを行って、観光客の一層の拡大につなげていきたいと思っております。
 その資料(https://www.pref.aichi.jp/0000050630.html)ですが、12時半から1時まで街頭キャンペーンをやって、1時半から3時半まで品川プリンスホテルでこのプロモーションをやるということでございます。
 併せて「大なごや祭 渋谷の陣」第3回名古屋でらうま市は、この10日から16日まで、渋谷の東急百貨店東横店の8階でやっているということでございまして、それも是非お越しいただきたいと思っております。 
  
(5)

東日本大震災で発生した災害廃棄物の受入れに向けた検討調査の進捗状況について

【知事】  続きまして、東日本大震災で発生した災害廃棄物の受け入れに向けた検討調査の状況ということでございます。
 4月9日に予算措置を行いました災害廃棄物の受け入れに向けた検討調査の進捗ということでございます。先週までで本県独自の受け入れ基準の策定支援、それから被災地から本県までの搬入手法の調査検討、それから名古屋港南5区における地質調査並びに受け入れ施設の工法などに係る基本検討、四つの業務につきまして発注を終えて、調査を進めております。
 受け入れ基準の策定支援が4月25日、搬入手法が4月27日、名古屋港南5区の地質・基本検討業務が5月2日ということで契約、発注をいたしまして、もう既に、その都度皆様には情報提供させていただいております。
 さらに、名古屋港南5区の生活環境影響調査、環境アセスメントにつきましては、今週末には委託業者を決定し発注することといたしております。したがって、名古屋港南5区については今週で発注業務が終了するということでございます。
 それから、碧南と田原につきましては、地質と基本検討業務と環境アセスそれぞれ三つありますが、三つ掛ける2で6本の調査検討業務については来週中に発注を終える予定でございます。
 かねてから申し上げておりますように、できるだけ早く、これは1日を急ぐということでございますので、一日でも早くこの業務を終了しといいますか、進めていって受け入れをしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
  
(6)

県庁さわやかエコスタイルキャンペーンについて

【知事】  今日、朝9時から部長会議をやりましたが、今日から「県庁さわやかエコスタイルキャンペーン」ということで、いわゆるクールビズを今日からやります。愛知県も名古屋市も今日からということで、あと県内の市町村も幾つかのところは今日からやっていただけるところがございますし、民間ではトヨタグループも今日からクールビズということでございますので、愛知県中、相当多くのところがクールビズになっていただくと思います。また是非御理解のほどよろしくお願い申し上げたいと思っております。 
  
2.

質疑応答

(1)

昨日の関東地方の竜巻被害について

【記者】  竜巻被害について、情報収集と分析を指示したとのことですが、行政で取り得る対策としては、具体的にどのようなものがありそうですか。 
【知事】  ちょっと今すぐにはあれですけど、名古屋地方気象台とも連携とりながら、時々起っていますもんね、こっちもね。ですから、そういった起りそうな地域とか起りそうな天候ですね。昨日みたいに暑かったところに急に寒冷前線が来て、上昇気流がバーッと起きるような時とか、そういう時だと思いますから、こういった場所でこういった気候になると起きやすいといったことを少し分析して、注意喚起をするとか、そういったことになろうかと思いますが、いずれにしても、今回関東の方で、あれだけ大きな被害が起きたのは初めてかもしれませんけれども、そういう意味では栃木、茨城の方でしっかり分析していただけると思っていますので、それを十分に我々もデータをもらって我々なりに分析をして、どういう対策というかどういった対応がとれるのか、しっかり検討していきたい。要は、これからしっかり検討していきたいということだと思っています。 
(2)

東日本大震災で発生した災害廃棄物の受入れについて

【記者】  震災がれきの受入れに向けた調査などは進んでいるようですが、市町村の懸念の声や住民団体の反対の声に、今後どのように対応していきますか。 
【知事】  住民団体なのかどうかはちょっとわかりませんけど、どういう方々なのか私はよくわかりませんが、地元の市に対してはしっかりと説明をしていきたいと思っております。そのためには、要は、ただ単に今我々がここでこういうふうにしたいということだけでは、それは今もう既に、とっくの昔に説明しておりますので、さらに詳細な、科学的なデータをしっかり積み上げて説明していくことが必要だと思っています。だから、この調査を急ぐということなんですね。
 ただ単に、ここでやります、やりますと言っても、それは幾らでももうやっているわけですから、そのためにもこの調査でしっかり科学的なデータを積み上げてやっていくということだと思っています。
 でもって、これをしっかりやった上で、一日でも早く予定どおりやると。やると言った以上、これはしっかりやっていくということだと思います。
 あと、合わせて県内の市町村で、試験焼却含めて協力というか、やりますと言っていただいているところは複数ありますので、そういったところとしっかりと協議を進めていって、具体的に一日も早くやっていきたいと思っています。
【記者】  先ほど、予定通りやるとの発言がありましたが、予定とは、日付を盛り込んだものがあるのですか。  
【知事】  ありません。それはありません。あれば、皆さんに申し上げているんで。一日も早くやっていくということも含めて、予定どおりしっかりやっていくということです。  
【記者】  名古屋港南5区に関しては発注は終わっているようですが、それぞれの調査の終了の時期というのは決まっているのですか。
【知事】  これはできるだけ早くとしか申し上げられないですね。とにかくそういう成果物といいますかできたら、その都度御報告しながら、しっかりと県民の皆さんにしっかりと説明していきたいと思っています。 
(3)

原子力政策について

【記者】  名古屋市の河村市長が、福井県の原発が有事の際のハザードマップの作成について、本日、国に要望に行くとのことです。ハザードマップの必要性について、知事はどうお考えですか。 
【知事】  私どもは関西電力さん、それから敦賀にある日本原電さんかな、それともう一つ、昔の動燃機構、今何と言うんだ、もんじゅをやっているところね、原子力開発機構か。その3者と情報交換、それから情報提供、それから異常時の即時通報体制といった協定を結ばせていただいております。実務的にもその3者と情報交換をやらせていただいておりますので、そういったことをしっかり積み重ねていってやっていくことが必要だと思っております。
 ですから、そういった中で必要な情報を採っていき、しっかり県民の皆さんが安心していただけるように体制を作っておりますので、そういった中でやっていきたいと思います。
【記者】  国内の全ての原発が停止しましたが、知事はどのように受け止めますか。また、政府は運転再開を急いでいますが、この姿勢についてどう思われますか。 
【知事】  北海道の泊原発が止まって、国内54基、福島の四つが廃炉という手続なので今50基ですか。50基、全てが停止したということが40何年ぶりということですよね。これは率直に受けとめないかんということだと思っておりますが、私は、それぞれ立地の地元があるわけですから、地元の自治体、それは地元の市や町、それから県の皆さんが十分御納得いただけるような説明を、国は安心安全という面で十分な情報提供と、そして説明していかなきゃいけないと思っております。
 これは運転を停止したからと言ったって、その燃料プールには使用済核燃料はあるわけですよね。それを循環させて保存して、冷温状態で保管しているわけですから、引き続きとにかく安全安心を確保するという責任があると思いますので、しっかりと説明をして。とにかく原子力政策は安全というのが大前提ですから。そのことが福島第一原発の事故で崩れたということですから、そのことをまずは国会も国もその情報分析をし、しっかりと検証して、国民に説明する責務があると思います。その上で50の原発が立地しているところの地元の皆さんにはしっかりと説明をしていく必要があると思っております。それをまずやっていただくことが大前提だと思っております。
 その上で、これからそれは5月、6月はいいんでしょうけれども、夏場に向けて電力の需要のピークが来るわけですから、それに向けてどうやって電力、エネルギーを確保していくのか、どういう形でこの夏が乗り切れるのか、乗り切るのか乗り切れんのか、それはこの電力、エネルギーを確保していくということは、まさにこれも国の責任ですよね。
 ですから、それは今の需給状況がどうなっていて、どういうふうにこの夏を乗り切っていくのかということを、データをしっかり積み重ねた上で、国民の皆さん、それから産業界の皆さんもそうだと思います、労働界の皆さんにもそうだと思います、そういった方々に、全ての国民の皆さんにしっかり説明していく責任が私は国にあると思います。是非そういったことをしっかりまたやっていただきたいと思っております。  
【記者】  大村知事自身は、将来の日本の原発のあり様について、どういう姿が望ましいとお考えですか。  
【知事】  それは皆さんそれぞれお考えがあるかと思いますが、私は前からずっと申し上げておりますけれども、原子力政策というのは、何と言っても安全性が、安全が大前提だということなんですね。その安全性を最優先に確保するということでやってきたわけです。
 今回の福島第一原発にしても、あの地震では建物は壊れなかった、炉心も壊れなかった、止まったということなんですね。ところが、津波に対する対策ができなくて、全電源が喪失されて冷温停止の確保ができなくなったということですね。いずれにしても、結果、ああいう大事故が、未曽有の事故が起きたわけですから、その安全性ということについて、私はその前提は非常に厳しい、正直言って、その前提が崩れたと思います。ですから、将来的にはこの原発の問題は、中長期的には原発依存を減らしていく、そして原発依存から脱却していくということは、私は当然の帰結だと思います。
 ただ、一足飛びに全てを今停止して、日本の国民生活なり産業経済がもつのかということは、私は冷静に考えていただいたらいいと思いますよ。現実に電力供給の30%を超える供給を原子力発電所に依存している現実があるわけですから、そこに至るロードマップをしっかり作ってやっていかなきゃいけないと私は思います。
 ましてや、あれだけの大震災の後の日本の、東北地方もそうです、関東・東北の復興、それから日本の復興、それから日本の経済産業の復興をやっていくというときですから、日本の復興をやっていくときに、経済産業の復興をやっていくときに、電力、エネルギーが足らんというのでは、ますます企業は海外に出ていっちゃいますから。私はそこのところも十二分に考えた上で、だからそういった情報、データをしっかりと国民の皆さんに示して、その上で、判断は選挙を経た時の政権がやるんですよ、それが民主主義なんですから。だから、それでしっかりと日本の国の方向に誤りなきよう期していただきたい、そういうふうに思っています。 
【記者】  大村知事は中長期的には脱原発依存とのことですが、原発をゼロにするということもあり得るとお考えですか。 
【知事】  私は、今すぐは、先ほど申し上げたように、今すぐは現実的だと私は思いませんが、中長期的にはそれもあり得る方向だと思っています。ただ、それに至るまでに、物事はある日突然こうなったのがこうというのはできませんから、そうじゃなくて、やはりそれに至るロードマップをしっかり示して、一つずつやっていく。
 だって、原子力発電所だけじゃなくて、火力だって水力だって、発電所は全部耐用年数があるわけですよね。大体原発だって、石炭火力だって石油火力だって大体40年。40年は火力発電所も使えないですよ、普通。だから、そういう意味で、それが来たときに今の状況の中でリプレイスができないとなれば、そこはその段階で期限が来たら廃炉にしていくということになっていくんじゃないんでしょうか。
 ただ、そのときに日本の電力、エネルギーが足らないというのでは、それはみんな企業も人も、みんな日本人も外に出ていって働かないかんくなりますよ。だから、どうやってその電力、エネルギーを確保していくのかということは、これは真剣に考えていかなきゃいけないことだと思っています。
 個人的な感想を言うと、昔、10年ちょっと前かな、大井川に大井川鉄道があるでしょう、SLがね、子供を連れていったことがありましてね。その上流、中部電力が作っている大きな大井川ダムがあるんですね。だから、ダムをつくり、そのついでに上の南アルプス山系の森林開発というか、木を伐採して林業開発をやるためにあの大井川鉄道を敷いてやった。あれはもう戦前からずっとあの構想があって、戦後すぐ着手したんですね。あのダムができて、あれは昭和30年代の頭じゃなかったかな、たしか。30年前後かもしれませんが。
 要は何かというと、結局、戦後の日本の復興のためには、何と言っても電力が要ると、電力の開発なんだと。当時は原子力なんかありませんから、まずはやっぱり日本の急流河川をせき止めてダムをつくって、そこで水力発電を興し、その周辺の森林開発をし、それを鉄道を敷いて全部持ってきてというのが国策だったんですね。あれを見にいくと、なるほどそういう歴史なんだなというのがよくわかりますが、やっぱり国民生活を豊かに、産業興しね、国民生活を豊かにしていくという意味で、電力、エネルギーの確保というのは国策であったわけですよ、戦後すぐの復興のためだから、そういうことはやっぱり、今ももちろん当時に比べればもっともっと、これだけ高度な経済社会を作っているわけですからそれはやっぱり不可欠だと思うんですね。
 ただそれを、あれだけの大事故が起きたわけですから、中長期的に原発を増やしていくとか、原発をさらにあれしていくということは、もう日本は難しい、採れないと思いますよ、その路線は。だとすると、その依存の率を減らしていくそのロードマップと、それに替わって何で電力、エネルギーを確保していくのかということを、これはやはりしっかり作っていくということは、これはやっぱり国の責務じゃないでしょうか。
 もちろん、国、国と言ったって、愛知県、私もやりますよ、我々も全力でやりますし、それなりの戦略も描きながらね。だから、私は愛知県の産業振興の一つの大きな柱として、自動車はこれから大テストコースなり研究開発をしっかりやっていく。それから、自動車関連産業も振興していく。航空宇宙産業の特区も作ったし、これもどんどん誘致し発展させていく。それからエネルギー、リチウムイオン電池の研究所とか会社をどんどん誘致した、それからメガソーラーも作っていく、それから農業用水を使った小水力発電。多分愛知県がこれから、今年からどんどん着工していきますから、あっという間にというか、すぐ日本一になると思いますがね。農業用水の小水力は日本一になると思いますけれども、そういったのをどんどんやっていこうと思っています。本当はさらにバイオマスもやりたいんだけれども、バイオマスはちょっといろいろ難しいんだな、なかなか。
 そういったところも含めて、我々は我々としてやれる以上の電力、エネルギー対策といいますか、エネルギー産業の振興をやっていこうと思いますけれども、合わせてというか、まずは何と言ってもオールジャパンの電力、エネルギーですね。経済産業、それから国民生活に不可欠なエネルギーを確保するというのが国の責務だと思いますから、それはしっかりとやっていただきたい。そのことはこれからも強く申し上げていきたいと思っています。