知事の記者会見
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平成24年10月22日(月) 午前10時
1.

知事発言

(1)

インド渡航の成果について

【知事】  皆さんおはようございます。10月22日の月曜日の定例記者会見ということでございまして、ほぼ2週間ぶりということでございまして。先週インドに行ってまいりましたので、ちょっと先週はお休みをさせていただきました。
 さて、それではお手元に資料がありますので、私から今日の報告でございまして、これは先週の金曜日、19日の金曜日にインドから帰国をいたしました際、中部空港においても取材にお答えしたとおりということでございますが、改めてインド渡航の成果につきまして、取りまとめさせていただきましたので、御報告をさせていただきたいと思います。
 私は先週、15日の月曜日から19日まで、インドのハイデラバードで開かれておりました生物多様性条約の締約国会議、COP11に参加をしてまいりました。今回のCOP11の大きなテーマは、前回のCOP10において採択されました愛知目標の達成に向けて、その進ちょく状況の確認と一層効果的な推進方法の模索を行うということでございました。
 そのためCOP11では、国家、サブナショナル政府、都市、企業といった各レベル間の連携強化拡大が図られたわけでございます。一方で、自治体としての取組を協議するサブナショナル政府及びシティー会議におきましては、それぞれ分かれての会議、さらに合同の会議が行われまして、共同でハイデラバード宣言が採択をされました。この宣言は、形としてはCOP10で採択された愛知・名古屋宣言の更新でありますけれども、内容的には、愛知・名古屋宣言で指摘されましたサブナショナル政府、いわゆる地方政府の役割を認識いたしまして、その取組に著しい進展があることを認識し、さらに取組を要求するというものでございます。そうした中で私ども愛知県といたしましては、COP10の開催県といたしまして、こうしたサブナショナルの政府会議、それからサイドイベントなどで開発と保全との調和を目指した本県の取組をプレゼンさせていただきました。そういう中で参加者相互の情報交換ができたということは、大変意義があるというふうに思っております。
 これは先週の金曜日にも申し上げましたが、生き物と生き物の生息空間、生態系のネットワークというのをやっていますと。私自身、具体的な例として発表したのが、知多半島の東海市から知多市にかけての工業団地10qにわたって、もともとの陸地との間に10qにわたって緑を作って、もうこれは50年近くになっているということで、そこに鳥とかも、キツネとかもすんでおりましてね、そういうネットワークが非常にできているということ。それから、名古屋市から瀬戸にかけての東部丘陵というんですかね、そちらの方で大学が23ありまして、道路とか市街化開発などで途切れ途切れになっているものを、大学とかそういった研究機関などなどで緑をつないでいく、そうした取組も発表させていただきました。それからもう一つですが、代償ミティゲーションということで、開発に伴う自然の損失を開発者自らが補う。その場所でもいいし、また別の場所でもいいしということで、これを代償ミティゲーションと呼んでおりまして、これはまさに愛知メソッドということで発表させていただきました。これは今現在、専門家の意見を聞きながら検討しておりまして、具体的導入に向けて、さらに取り組んでいきたいというふうに思っております。こういったことも発表させていただきました。参加者の皆さんから大いに関心を持っていただいたということでございます。
 それから、国連生物多様性条約(CBD)の事務局長のディアスさん、国連環境計画(UNEP)の事務局長シュタイナーさんとも会談をさせていただきまして、今後ともまた御理解と御支援をお願いしてまいりました。
 そして会議を通じまして、我々から申し上げたわけではありませんが、出席者からやはり教育が大事だと。こうした環境問題に取り組むのには、我々大人だけではなくて、これからの次世代を担う子どもたちの教育が大事だということで発言がありましたので、私の方から、2年後、2014年の秋にはESD、ユネスコの世界会議があるということで、これをアピールさせていただきました。是非これも成功させていきたいので、このCOP11に参加した皆さんには、是非また2年後も愛知・名古屋にお越しいただきたいということも申し上げさせていただきました。
 いずれにいたしましても、あいちターゲットという言葉が参加各国の共通の認識になっていると。インドのシン首相とか森林環境大臣の発言の中でも、愛知、愛知、あいちターゲット、あいちターゲットというのが繰り返し繰り返し出てまいりまして、そういう意味では、これがまさに世界の共通の目標になっているということでありますので、これは、2年前のCOP10が大変意義深いものであったということだというふうに思っております。
 引き続き、COP10で愛知目標を作ったそのホスト県として、引き続きこの環境問題にはしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
  
(2)

2012年国際航空宇宙展の成果について

【知事】  なお、資料はありませんが、先ほど部長会議でも少し申し上げましたが、2012年国際航空宇宙展の成果について、私から申し上げますと、10月9日から14日まで、ポートメッセとセントレアで行いました。32カ国及び地域から665の社、団体の出展がありまして、当初の想定を上回る16万人を超える入場者をいただきました。
 特に、ポートメッセなごやは4万人想定で4万2,000人なので、まあまあかなと思いますが、セントレアは5万3,000人想定で12万人来ましたので、これは、なかなかのものだったかなというふうに思います。特にセントレアの、空港の普通飛行機が駐機しているエプロンのところを区切って、そこに飛行機とかへリコプターの実物の実機を20何機、24機だったかな展示して、実際乗れる、触れるというのはあれだけ。やっぱりそういうところが今までなかったので、非常に人気があったかなと。あと、ブルーインパルスの低空飛行で、一番低いのは90mのところまで来てやったというのは非常によかったんではないかというふうに思っておりまして、是非これも、毎年毎年というのは、えらいかもしれませんが、引き続きやっていけるようにやっていければと思います。
 なお、今回のこの航空展では商談会とか企業間交流もひとつ行いまして、当地の企業40社では2,000件以上の商談とかが行われたと、企業間交流が行われたということでございましたので、大変地元の、技術を持っているけれども、なかなかアメリカのボーイングとかフランスのエアバスまで、とてもじゃないけど売り込みに行けないというところが、本当にいろんな見積りとか何とかを要求されたとか、いろんなつながりができたというのは非常に喜んでおりましたので、私は本当に大きな成果があったというふうに思っております。
 引き続きこうした形で航空宇宙産業のクラスター形成特区を是非さらに前に向けて進めていきたいというふうに思っております。
 ちなみに、ボーイング787は月産3機を10機にするということで、増産体制をどう作っていくかも課題でありますし、それに向けてしっかりと引き続き、取り組んでいきたいというふうに思っております。
  
(3)

中国問題に係る本県進出企業の現地生産の影響について

【知事】  それともう一つですが、産業関係で一つだけ申し上げますと、中国問題に係る本県進出企業の現地生産の影響などにつきまして、今私ども、産業労働部におきまして県内企業さんにヒアリングを随時やっておりまして、特に中国の関係に関する中小企業への影響を順次把握をしていきたいというふうに思っております。
 なお、11月半ばぐらいまでかけて、ヒアリングしていきたいというふうに思っておりますし、実態の状況を把握しながら、また適時適切に対応していきたいというふうに思っております。  
  
(4)

週刊朝日の橋下大阪市長に関する記事について

【知事】  直接の県政ということではありませんが、これはちょっとあれだと思いますが、ちょうど先週インドに行っておりました際にですね、いろいろ、大体向こうでネットのニュースとかいろんなものを現地でも随時、自分自身もツィッターありますから、私の書き込み含めてチェックを毎日毎日したんですけれども、ちょっと実際の記事を見たわけではなかったんで、帰ってきてから見ましたのであれですが、いろんなネットの中でのあれで、いやこんなことが起きとるんだと思ったのは、大阪の橋下さんの「週刊朝日」の記事でございました。
 報道の自由というのはもちろんありますし、我々公人なので、橋下さんが言っているとおり、いろんなことを書かれるというのは、これはもう当たり前のことだというふうに思いますし、それはそういうことで、これに対しては我々きちっと真正面から向き合って、自分なりの主義、信念、理念、主張を、政策を申し上げているということは当然のことだと思っておりますが、インドだとこの週刊朝日の記事が読めないので、何が起きていたんだろうなというか、ニュースとかネットの書き込みとか、いろんなツイッターの書き込みとか、ツイッターの橋下さんのやつの反論だとかいろんなやつを見て、何となしにそういうことかというふうに思って、帰ってきて改めてちょっと見たんですが。
 私は若い頃というか、20年以上前にですね、国の方から徳島の方に出向して仕事をやらせていただいたことがありまして、4年ほどおりましたが、その際、私自身、食肉センターというか屠(と)畜場の責任者もやりまして、その全面建て替えから含めて、そういったことも取り組ませていただきました。そういった中でですね、部落解放同盟の皆さんとか同和関係団体の皆さんとか、いろんな意味で一緒に仕事をしたり交渉したりとかいうこともやらせていただきました。そういう意味で、同和問題というのは、まさに日本が抱える大変な人権問題だと私は思っておりますし、そういったことをやはり真正面からこれは取り組んでいって、こういった問題を一刻も早く解消していくということは我々の責務だというふうに思っておりますので、そういった面からいたしますと、今回のこの週刊朝日の記事はですね、私は、やはり一線を越えているんではないかというふうに思います。
 要は、橋下さん個人を攻撃するというのは、私は、それは政治家として、これは受けて立たなきゃいけないというふうに思いますが、その血脈とかDNAだとか、そういったところまで踏み込むということ、それからまた、具体的には、やはり特定の同和地区の具体名まで書いてあるということ、これはですね、私は一線を越えているというふうに思います。ですから、この記事の連載は中止をされたと、おわびということもあったというふうに聞いておりまして、朝日新聞さんとの関係がどうなのか、それは私はそれ以上は申し上げませんが、今回のこの記事については、正直言って、これはやはり一線を越えているということだと思っております。
 改めて同和問題の解消、それから人権問題、我々はもっともっと、これは、やや最近少し、何となしに、あんまりみんなの意識にのらない、口の端に上らないからということで、少し緊張感が欠けているということであれば、私は問題だというふうに思います。これはやはり常に常に我々が認識をしながら、絶対にこれは一刻も早く全て無くしてしまうと、解消するんだということで、これは努力をしていかなければいけないということだと思います。
 私、そういう意味で、今から20年以上前、若い頃に、西日本の方で仕事をさせていただいて、そういった同和問題の本当に悲惨な事例だとか、そういったこともやはり直接本当にお聞きをしたり、そういう機会もありましたので、そういう意味では、この問題については、私はもっともっと我々自身が真剣に考え、取り組んでいかなきゃいけないんだろうと、そういうふうに思いました。
   
(5)

別室登校を行う生徒の高校受験について

【知事】  19日の金曜日の夜のテレビ朝日の「報道ステーション」で報道されたことについて申し上げたいと思います。これ、質問があるかなと思ったんですがあれなんで、私から一言申し上げます。
 愛知県内の中学生で、いじめを受けて不登校となり、現在、普通教室への登校ではなくて、別室登校を行っている中学校2年生の生徒さんが公立高校の受験を考えていると。この子は一生懸命勉強していて、140何人のうち10何番でしたかね、成績はそこそこいいと、偏差値も60を超えているということなんですが、通知表、いわゆる内申書が、点数が、要は別室なので、みんなとはやっていないので、特に実技科目みたいなのが非常に低いということなので、そういう内申書、調査書の評定が下がって、非常に苦慮しているという報道がありました。私もその当日はちょっと見れなかったんですが、帰ってきて、昨日の夜、ちょっとビデオで拝見をいたしました。
 そういう中で、調査書を用いない入試を定員枠の一部で実施している県が、埼玉県、神奈川県ではあるということなので、それでどうなんだということでありますが、そのことだけちょっと申し上げますと、愛知県では、中学校の2年生、3年生において、いずれかの学年、または両方のそれぞれの学年における欠席日数が、年間30日程度以上の志願者というのは自己申告書を提出できるということになっておりまして、学校側は、要は試験の点数と内申書と自己申告書、こういう理由ですということをつけていけば、それを高校側は判断してその合否を総合判定できると、こういう制度になっておりまして、今年の春では、全日制で延べ176人が利用している。
 高校受験4万何千人、大体今1学年7万人近くいますから、その3分の2が公立に行くわけですので、4万数千人でありまして、そのうちの延べ176人、二つ受けられますから。ということでありまして、実際に公立高校に入った子が100人、いわゆる30日以上の欠席ですね、今年の春、4月ね。私立高校へ行ったのは167人、こういうことでございます。そういう状況の中でありまして、今回この報道で、この子に対して何とかできないものだろうかというような報道ステーションの報道の指摘がありました。
 現在、こうした愛知県のように自己申告書などを提出することができるという県は24県ありまして、また、特別な対応を行っていない、要は試験と内申書だけでやるというところは16都道府県という状況でありますが、私ども一応愛知県ではそういった自己申告書ということになっておりますが、ただ、この子の場合は、要は長期欠席ではなくて学校には行っていると。別室登校なので、現段階では、この自己申告書というのは今の段階では出せないということなんですね。ので、そういうことでありますので、この子はまだ2年生なので、私としては、そこは、やはり弾力的に考えて、この子が受験をするという段階になれば、なればというか、その時までには自己申告書がこういった別室登校の子も、別室登校の子も現段階では少なからずというか、100人どころじゃない、もうちょっといると思いますが、その子たちがやっぱり試験と内申書に、また自己申告書もつけて出せるように、出して試験が受けられるようにということをやっていけるようにすべきではないのかなというふうに思いますので、そういったことで検討していきたいというふうに思っております。
 いずれにしても、報道の内容も、御指摘も受けまして、事実関係をまたしっかり把握をした上で、具体的に何ができるのかと、どういう形で対処できるかということを検討していきたいというふうに思っております。 
  
2.

質疑応答

(1)

週刊朝日の橋下大阪市長に関する記事について

【記者】  週刊朝日の記事に関し、橋下市長は記者会見の場で、朝日新聞等の取材は受けないことを表明し、批判の姿勢をとりました。このような橋下市長の記者会見の場での姿勢について大村知事はどう思われますか。   
【知事】  それは私がコメントする立場にはないんだろうというふうに思います。それは橋下さんの行動、対応だと思いますから、第三者である私がコメントはしないほうがいいというふうに思います。
 ただ、この記事について私自身の考え、スタンスを今申し上げたということであります。
(2)

岡崎市でのトリプル選挙について

【記者】  岡崎市長選で、日本一愛知の会に所属していた園山氏を大村知事も支援していたと思いますが、約1万票の差で負けたことについて、大村知事の受け止めをお願いします。また、選挙戦の相手となった内田氏が市長となりますが、今後の県と岡崎市の関係についてはどのように取り組んでいきますか。  
【知事】  コメントにつきましては、昨日私、夜ですね、コメントを出させていただきました。そこに書いてあるとおりでありまして、選挙というのは、民主主義の原点というのは選挙でありますから、その結果は、どういう結果であろうとも、これはやはり尊重していかなきゃいけないものだというふうに思っております。従って、今回、岡崎の市長選挙について、こういう結果が出たということは、私は岡崎市民の判断には敬意を表したいというふうに思っておりますし、当選された内田さんには、心からお祝いを申し上げたいというふうに思っております。
 とにかく公約をされたことが幾つかあるわけでありますから、それをしっかり実現に取り組んでいただきまして、岡崎の発展のために取り組んでいただきたい。そのことを期待したいというふうに思っております。
 岡崎市との関係がどうのこうのという話ですが、これは今申し上げたとおりなんで、私は、民主主義の原点が、さっき申し上げたように選挙でありますから、選挙の結果は尊重いたします。それと、愛知県と岡崎市、これは行政と行政ですから、これは淡々とやっていくということだと思っています。
 ただ、いろんな公約とか何とかで、というか政策面で調整というか、今までやってなかったことを公約に掲げられたことがあれば、それはやはり、どういうふうにやっていくのかは、これは岡崎市単独でやれることであれば、それはおやりになればよろしいんだろうと思いますし、それが私ども県と関係することであれば、それはやっぱり協議調整していかなきゃいけないでしょう。ということだと思っていますよ。
 だから、今後どうなるかはわかりませんが、例えば乙川に二つ橋をかけてツインブリッジがどうのこうのって言われても、どの道路のことを言っておられるのかはあれですが、殿橋とかああいう橋だとすると、あれは県道なので、それをどうされるかは、これからの調整協議ということになるんでしょう。
 ただ、すぐにはならんわねやっぱり。そりゃやっぱり、じゃこれどうするかって、例えば橋一つあれしたら、あれ幹線道路ですからね、あれの代替の橋を作るなんて、そんな簡単にいくのかねっていう感じもあるし、それをどうするか、交通量をどうするか、代替をどうするか、あとそれについての事業費をどうするのかとかね、いろんなことがあるから、それは例えば構想。普通、行政がやるんだったら、構想の検討委員会を作って、調査費作って、基本構想をかけて、それで大体やれるかとなったら、それこそその後基本設計やって実施設計やってという話ですからね。行政をやっている人間からすれば、すぐポンポンポンポンと段取りが見えてくるので、だから、そういう意味ではそういったことも含めて、これからの協議調整というのは幾つかあると思いますが、それはそれで淡々粛々とやっていくということだろうというふうに私は思っています。
 ですから、市長さんが誰になったからといって、別に愛知県とそこの市の関係が変わるとそういうことはありません。そのことは申し上げておきたいと思います。
 そして選挙は、今回の選挙、いろんな新聞報道等々でこれまでの経過経緯などなどにつきましては報道されているし、皆さんも取材されているからおわかりだと思いますが、岡崎の中でのいろんな保守勢力の中でのいろんな流れが、あれだけの大きな市だとどうしても二つ三つの流れがありましてね、その中でのいろんな主義主張の違いだとか路線の違いということが一番底流にあるというのは御案内のとおりでありましてね、そういう中で、私の仲間でありました園山さんが、私の会派の県議であったわけですから、挑戦したいということなので、私は仲間として、友人として全力で応援したということですね。ですから、皆さんは新聞報道、いろんなストーリーを作られますけど、そういうストーリーではなくて、そういう中で私も、とにかく応援を頼むというふうに言われた中で、やっぱり我々の仲間が出るということですから、そりゃまあ一生懸命やるということだったというのが、昨日の選挙戦のあれだったと思います。
 それともう一つね、選挙の結果について、私自身のコメントというか感想を申し上げますと、やっぱりこういうことだと思います。「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」。これは野村監督の、野村さんの言葉だけど、まさに野球というよりも、これは選挙に一番通ずることだと思いますよ。だからそういう意味で、私は、園山さん本人は一生懸命やったというふうに思いますし、正直言って、普通であれば、こういうことを言うとあれだけど、これだけの陣立てを作れば、普通はもっと楽に勝たないかん選挙だと思いますよ。私も選挙を何回でもやってきたからわかるけど。これだけの陣立てを作ったんだから、もっともっと早目に勝負を決めて、楽にやらないかんということだと思いますが、それがそうならなかったということについては、やっぱり内田さんは、おやじさんのことも含めて、いい話も悪い話も含めてだ、50年か親子で政治をやっとるわけでしょう。そういう意味では、岡崎という町、大きいとは言いながら小さな地域ですから、そういう意味では名前は浸透していると。いい悪いにつけ名前は浸透している。一方、園山さんは市議、県議合わせても2期8年ということですから、そういった意味では、やっぱり知名度の点でまだまだ十分ではなかったということが、一番大きいことだったのかなということだと思いますね。
 だから、どこの支持団体がどうのこうのと言っても、保守層も入り乱れとったので、僕も自民党系の市会議員のところはよく行きましたよ。みんな大喜びで喜んでくれたけどね、行くとね。ということなんで、そういう意味では、入り乱れてのあれだから、どこがどこだというか、そういうあれがあるということよりも、そういった名前の浸透度というところがなかなか。それと実際の出馬表明が7月の終わりになって、実際に3カ月弱ですかね。だから、そういう意味では出遅れ感というか、そこが取り戻せなかったという、その二つだったのかなというふうに思います。
 ただ、本人ももちろんだし、関係の皆さんも、応援していただいた皆さんも本当に頑張ってよくやっていただいたので、私としては、応援していただいた人には心から感謝を申し上げたいというふうに思っております。
【記者】  民主党、公明党、連合、一部自民党といった陣立てで勝てなかったことは、今後の衆院選に影響があると考えますか。  
【知事】  影響は全くないと思います。というのは、今申し上げたように、特に市長選単独選挙だとすると、もうちょっと浮動層がワーッと動いたと思いますけど、今回、市会議員選挙とのダブル選挙で、45人市会議員さんの候補が出ているわけですから、そういう意味では、そちらの方の有権者、投票の借り出しというか、投票に引っ張り出していくというのが一番引きが強かったと思うんですよね。その上で市長選が乗っかり、多分、県議選が一番、誰に入れたらええだという話だったと思いますが。その上にまた県議選が乗っかるということだったので、そういう意味では、投票行動としてはやっぱり、国政のことを念頭に置いて投票というのは、ほとんどなかったんじゃないかなというふうに思いますね。
 だから、そういう意味では、市会議員さんの選挙になると、市会議員さんの地元の地域のあれと会社の関係とかいろんな組織の関係ね、公明党さんとか共産党という人は必死になって借り出していく。そういう人たちが一体誰に投票するんだということになってということだから、最初からやっぱり頭の念頭に、有権者の皆さんの投票の行動というか、念頭に置いたものがそういう価値観、そういうところから入っていくということなので、私はだからそういう意味で、国政というよりも、要は地域の、地域のことを念頭の投票行動になったんだろうというふうに思いますから、そうなると、やっぱり地域に根差した知名度を持った内田さんがやっぱり、一日の長があったということかなというふうに思っています。
 私は選挙の途中でも柴田さん(前岡崎市長)にも言ったんだけどね、やっぱり長年岡崎の保守政治というのは、柴田さんと青山さんと内田さんで3人で、3本柱でずーっとやってきたわけですね。だから、なかなかこの3人に割って入るというだけの名前を持った人というのは。どうでしょうね、この30年間というのはこの3人でやってきたんでしょう。だから、そこに、その3本柱に匹敵するだけの知名度を持った何と言いますかね、主力バッターというか、主力打者というのはなかなかいなかったということじゃないのかねというような話は、途中ちょっとしたことがありますがね。だからそういうことだったと思います。  
【記者】  県議補選の結果については、どのように受け止めますか。 
【知事】  途中経過は、皆さん地元で取材されてるからおわかりだと思いますが、私はやはり、園山さんが、僕は後継というか跡目はちゃんと作らなあかんぞということをずっと言って、「やります、大丈夫です」と言っていたにもかかわらず、結局跡目が作れずにということだったので、だからそういう意味では、これ以上、とにかく一本化調整というのをやらなきゃということでありまして、状況をもっと私が早くわかっていればきちっとやりましたけど、「やってますやってます、大丈夫です」と言っておいて、こうだったので、そういう意味では、その後で、何としてもこれは一本化の調整というかね、何かやらないと、これは市長選の方に大きな影響があるということなので、それをやりました。結果、私には一時、一方の方は私には「もうやめます」と言ったんですけど、一晩経って、また出るという話になったので、だとすると、そこはもう市長選とは切り離すという形の対応をいたしました。
 ただ、自分が何を名乗るかは止められないので、そうなると、当選した鈴木雅登さんは、マスコミもそうだけど、日本一愛知の会の岡崎市議会の会長ということをどこの新聞社もみんな書いて、そこのところが、本人もそう言われたんだろうと思いますが、そういった形でのあれをしたということなので、そういう意味では、票差とかいろんなことがあったとしても、結果、自民党が1議席、そして自民党でない議席が1議席ということなので、1・1ということで、引き続き、これはすみ分けというか痛み分けということなのかなというふうに思っています。
 ただ、中根義高君は1年半前の選挙の時は、私が一生懸命応援した子だから、あの時の選挙ポスターの、私と握手しているツーショットのやつを選挙ポスターに、選挙のその時のポスターに使ったわけなので。おやじさんの票よりも何千票増やしたんだあれ。1万5,000票いかなかったのを2万1,000、2,000票まで増やしたのかな。7,000〜8,000票ぐらい伸ばしたと思いますが、そういう意味では、中根君が出てきてくれたというのは、私は前回は推薦したし応援した者としては、志を持って名乗りを上げたわけだから、そういう意味では彼にも大いに期待をしたいというふうに思っております。
【記者】  内田新市長が知事に挨拶に来る予定はありますか。  
【知事】  それは知らない。だって、昨日の今朝なんで、そういうの、まだ何もないんじゃない。  
【記者】  市長選挙が終わると挨拶に来ている印象がありますが、いかがでしょうか。 
【知事】  来る人もおるし、来ない人もいるかもしれないね。その時その時でしょ。
【記者】  今回は挨拶に来るかどうか、まだ分からないですか。 
【知事】  知らない。だって、昨日の今朝だよ。多分あれでしょ。だって、今日まだあれだろう、当選証書これからじゃないの。きっと今日の午前中とかじゃない。その後いろいろ引き継ぎだ、挨拶回り、何だかんだあるから、その後じゃないですか。と思いますよ。  
【記者】  岡崎市での選挙はトリプル選挙で注目を集めたと思いますが、投票率は前回をやや下回る結果となりました。投票率についてどのようにご覧になりますか。 
【知事】  私は想定したぐらいの感じでしたけどね。というのは、実投票は多分そう変わらないんだろうと、実投票が若干増えたぐらいかね。人口はちょっと増えとるでしょ4年間で、岡崎もね。だから、要は、人口で有権者が増えた分だけ実投票がちょっと伸びて、投票率がちょっと下がると、大体そんな感じかなと。60%はいかないなと僕は見てたので。前回59%、今回58%を切ったんだね。僕はいっても59%をちょっと下がるかなと。大体私の想定どおりだったんで。
 今、市会議員さんの選挙をやっても60%いかないよね。なかなかね。なかなか。だから、そういう意味では、大体こんな感じなのかな。あれ多分、市長選だけの選挙だったら、多分50%いってないと思うなきっと。だって、県議選は44〜45%だったでしょ、確か岡崎ね、1年半前。一生懸命やってても、やっぱりそういうことだと思いますよ。
 一方で、今、最近の傾向で、やっぱり衆議院選挙が一番投票率いくでね。衆議院選挙だと、愛知県、特に西三河、俺のところで前回76〜77%いったんじゃないかな。その前の郵政改革の時73%ぐらいいったと思いますからね。ところが、市会議員選挙だと60%いかないんだ。県会議員選挙は50%いかないんですよ。50%ぐらいいくかな、安城とか刈谷だと。だけど、そういうことだなというふうな感じしますね。
 だから、あれだけ注目されたということではありましたけども、正直言って、もうちょっと、もっと盛り上げて何かあれば、あと明確な争点が、対立軸とか争点があれば、もっとワッと投票率、投票行動というかいったのかもしれませんが、正直言って、政策面でのあんまり何か対立のあれが、対立軸というのがあんまりなかったというのがあったのかなという気がしますけどね。感想です。
【記者】  内田氏には自民党安倍総裁も応援に来ていましたが、自民党への風が吹いている感じがしますか。  
【知事】  それは私が申し上げるよりも、報道各社の皆さんがいろいろな世論調査を折々に連発してやっておられるので一番よく御存知だと思いますが、今の状況からすれば、風というよりも、民主党がポコーンとへこんだ分だけ、そのあれで自民党に相対的に乗っかっているというか、伸びているということだろうと思っています。
 ですから、そこは確かに、何ていうか、そういう自民党の復調ムードというのは、それはあると思いますよ。というのは、9月にあれだけの自民党の総裁選挙で全国遊説をやって、マスコミジャックみたいな形の報道があってのことだから、そういう意味では、そういったムードはあるというのはあると思います。ただ、それがどこまで続くのかということは、これは、私はそう簡単ではないんではないかと。
 要は、自民党自体が何かが変わって、何かが変わって国民の期待をワーッと受けて、ほうはいとして盛り上がっているという感じは全く私はしませんので、そういう意味では、ただ単に民主党がポコーンとへこんで、想定以上にへこんだ分だけがポコッと押し上がっているというような感じではないかなというふうに思います。ですから、こればっかりは、いつ何時どういう形で潮目が変わっていくのかということにもよってくると思いますし、そこら辺はやっぱり注視していきたいというふうに思っています。私は、それはそれとして淡々と、粛々と、僕は第三極の結集を目指していきたいと申し上げているんで、そこは粛々とその結集を目指して取組を進めていきたいというふうに思っております。
 あと、国会がこれからどうなるかということもあると思いますが、29日召集して、いきなり何かガチンコで全く動かないと。今回、審議拒否だと言っていますから、審議拒否で動いていかない。公債特例法が通らない。そうするといろんな意味で、地方で言えば地方交付税が3カ月に一遍の交付が月替わりになって、愛知県はおかげで借り入れをやらなくても何とか当面は回せていけますが、そうでないところが、民間金融機関から借りて金利を払っているというところも出てきているし、影響は出てきていますよね。あといろんな意味で、国立大学法人とかいろんな交付金とかそういったものも含めて、これからますます出てくるので、それがあんまり与野党対立で全くにっちもさっちもいかないということになると、私はやっぱり相当ここが潮目が変わってくるんじゃないかというふうに思いますけどね。その辺は注視をしていきたいと思います。
【記者】  民主党がへこんだ分が自民党へ、との話がありましたが、第三極は既成政党の受け皿としての意味合いがあると思いますが、各種世論調査ではそこまでにはなっていない感じがします。どう思われますか。  
【知事】  率直にそういうことだと思いますよ。だから私は、だからそういう意味では、受け皿たりえていないというのは、まだ受け皿ができていないからだと思うんだね。だから、早くやっぱり第三極結集の受け皿を作って、それを具体的に見える形でお示しをしていくということが、やっぱり必要じゃないかなと思いますね。だからこそ、そういう意味ではできるだけウイングを広げた第三極の結集というのを早くやっていかなきゃいけないと。ということで、私自身そう申し上げていますし、そういうふうな働きかけもしているということです。  
【記者】  民主党がへこんだ分相対的に自民党が浮き上がった、という部分は今回の市長選でもあったと思われますか。  
【知事】  そこは底流としては、あったんではないかなというふうに思います、雰囲気としてね。そこはあったと思います。そこがあったのと、やっぱり市会議員選挙に相当引っ張られてというのはあったと思いますね。
 市会議員さんの選挙って、やっぱりバーッとこう地域で、党派とか政党関係なしに、ワーッとか言って地域の。例えば岡崎なんか学区推薦か何かで、バーッとこう票を熊手でかき集めるみたいに集めますから、そういったところにやっぱり自民の復調ムードというのが追い風になったというのはあったかなと。それはやっぱり率直にそういうふうに思います。
 ただ、何度も言う、冒頭申し上げましたように、やっぱり選挙っていうのは、「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」ということなので、やっぱりそこはしっかり検証、分析をして、次に向けてやっていくということだというふうに思っております。
【記者】  「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」の言葉は、内田氏が勝利したことについてですか。  
【知事】  違う違う。こっちこっち。要は、自分の方の負けに「不思議な負けなし。」我々のね。人のことを言っている意味じゃないんだよ。
 だって、野球もそうでしょ。だって、野球の野村監督がね、例えば巨人とヤクルトがやって巨人が勝って「不思議な勝ちあり」、そんな失礼なこと言わないよ。そりゃそう。自分のチームが勝ったか負けたかについて、「不思議な勝ちあり、不思議な負けなし」というふうに言っているわけです。 
【記者】  市長選での負けの原因は、知名度と出遅れということですか。  
【知事】  そういうこと。その二つです。
 選挙っていうのはそう難しいもんじゃないじゃん。何回でもやっているからわかるけど。
【知事】  それと、余計なことかもしれませんが、昨日の記事で、毎日新聞だな。僕がコメントを出したのは、記事では「県を通じて短いコメントを発表した」と。これは県は通じてない、私の事務所でやっているので、それはやっぱり正確に書いてもらわないといけないなということ。
 それから、私が「園山氏の事務所の近くで待機をしていた」。待機はしておりません。だから、それもどういう取材で書かれたのか知りませんが、正確に取材されて書かれた方がいいのではないかということは申し上げておきたいというふうに思っております。
(3)

東海大志塾について

【記者】  東海大志塾の塾生への意向調査について、土曜日が締め切りだったと思いますが、どれくらいの人数が集まりましたか。  
【知事】  また改めて御報告しますよ。というのは、あれ金曜日の締め切りだったかな、だと思うんですが、こんな状況なんで、僕は先週いなかったし、昨日も選挙であれだったし、あれなんですけど。メールだとか郵送だかといろいろあるので、まだ今日、月曜日のこの時間なので、まだまだ集計してないけど、そこそこは来とると聞いておりますがね。ですから、それまた集計したら、集計したらまた御報告します。 
(4)

日本維新の会について

【記者】  先週末から、日本維新の会が全国遊説を始めましたが、大村知事の受け止めをお願いします。また、恐らく東海地方でも予定されると思いますが、大村知事はどのように関わりますか。   
【知事】  それは聞いてないからわからないです。わかりません。
 西日本をまず行くんでしょ。九州やって、四国やって、関西やるんでしょ。だから、それでやっていかれればいいんじゃないかと思いますがね。ここでどういうふうにやるのかは、それはちょっとわかりません。
 ただ、それはそれとして、いろんな形のまた協力要請とかのお話があれば、それはきっちりと協力はしていきたいというふうに思っています。