知事の記者会見
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平成27年1月5日(月) 午前10時
1.

知事発言

(1)

年頭所感

【知事】  それでは、平成27年1月5日、仕事始めの年頭記者会見を行わせていただきます。よろしくお願いをいたします。
 皆様、明けましておめでとうございます。
 先ほど、9時から県庁の仕事始め式をさせていただきました。その際にも申し上げたわけでございますが、改めて、この年頭記者会見に当たりまして、新年のご挨拶を申し上げさせていただきます。
 昨年3月は、「あいちビジョン2020」をつくらせていただきました。今後愛知が進むべき方向、そして日本を支える愛知として取り組むべき姿の戦略をつくらせていただき、これを着実に進めていくということ、方向を示させていただきました。
 そして早速、昨年は、秋以降、リニア新幹線の着工、日本初のジェット旅客機MRJ、そして世界初の燃料電池自動車(FCV)などなど、日本の今後10年、20年がかかる大プロジェクトがスタートした1年でございました。
 いよいよこの2015年(平成27年)は、そうしたプロジェクトを大いに形にし、その勢いを加速していく1年だと考えております。そうした思いを込め、今年はひつじ年ということでございますが、その中でも六十干支の32番目の乙未という年になります。羊は、家族の安泰を示し、いつまでも平和に暮らすことを意味しているとも言われております。そうした、平和で繁栄する1年にしていければと思っております。
 そして、そのひつじ年の年頭にちなみまして、今年の私の思いを込めた書き初めがこちらでございます。「扶揺羊角(ふようようかく)」という言葉に託させていただきました。平成乙未歳首ということで、扶揺羊角でございます。
 これは、中国の古典、荘子(そうじ)、「そうし」とも言いますけれども、の内篇、逍遥遊の中にある言葉でございます。これは、ネットで引いていただければ出てまいりますが、「鳥あり、その名を鵬(おおとり)となす。背は泰山のごとく、翼は垂天の雲のごとし。扶揺にうち羊角して上ること九万里、雲気を絶ち、青天を負い、しかるのち南を図り、まさに南冥にゆかんとす。」という言葉の一節でございます。
 鵬という大きな鳥の背は、あたかも泰山、斉の名山ですね、泰山のよう。広げた翼は、天空深く垂れ込めた雲のよう。つむじ風を羽ばたき起こし、旋回しながら、九万里というのは3万6,500キロメートルということでございます。その高みに舞い上がり、雲気の上に越え出て南へ目指すという言葉でございます。
 意味は、この「扶揺」というのはつむじ風。「羊角」というのは、その形にちなんで、羊の角は丸まっておりますから、丸く旋回をしながら、つむじ風を羽ばたき起こしながら高く舞い上がる様子ということで「扶揺羊角」。そして、羽ばたき上がった鳥が南を目指すという言葉で「図南鵬翼」、「図南の翼」、いわゆる大きな志という意味が、南を目指す大きな鳥、大きな志ということでございます。
 この言葉にちなみまして、今年1年、我が愛知が大きく旋回しながら勢いよく上昇していく、鳥のように大きく羽ばたく1年となるということ。そして、先ほど申し上げた「リニア、ジェット、FCV」といった日本の命運をかけるプロジェクトを大きな志を持って推進していく、そういう1年にしていきたい。日本一元気な愛知が日本を引っ張る、愛知の更なる飛躍を目指していくという意を込めて、この「扶揺羊角」という言葉をしたためさせていただきました。またよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 そして、そのための具体的な施策としては、まず第一は、何といってもリニア・インパクトを生かし、世界に発信する「中京大都市圏」を目指すということでございます。
 2027年のリニア開業、その際、東京−名古屋が40分、首都圏・中京圏に及ぶ5,000万人の大交流圏をつくりたいと思います。そして、その西の拠点、西の横綱として東京一極集中にストップをかけるという大きな役割を、まさに使命、ミッションを負っていると思っております。
 そのためには、鉄道・道路のネットワーク、名古屋駅のスーパーターミナル化、また名古屋駅に名高速をくっつけるということ、そしてまた名古屋駅からの40分交通圏の拡大、または中部国際空港へのアクセス向上、そして中部国際空港の2本目滑走路、航空ネットワークの充実、港湾整備、国際競争力の強化。改めて日本一の産業県あいちを支えるインフラ整備をしっかりしていきたいと思っております。
 そして、「産業首都あいち」を目指します。圧倒的なモノづくり産業の集積をベースにした産業力の強化、世界をリードする日本一の産業の革新・創造拠点づくり、「産業首都あいち」を目指してまいります。
 そして、何のためにするか。当たり前のことでありますけれども、次代を担う若者、そして女性等の魅力ある雇用の場を確保したいと思っております。そのためには、世界一の集積を誇る自動車産業のイノベーションの推進、水素ステーション、充電インフラなど次世代自動車の普及を推進してまいります。
 航空宇宙産業につきましては、県営名古屋空港隣接地に、MRJの量産工場のスペース、土地を県が造成しておりますが、着実に進め、もう2年後には量産に入りますので、それに向けた取組をさらに加速していきたい。そして航空宇宙産業の世界三大拠点にしていきたいと思います。また、ロボット、ICT、健康長寿、環境・新エネルギーといった次世代産業の育成・振興にも取り組んでまいります。
 そして、「産業空洞化対策減税基金」を原資とする日本一の補助制度の活用。そして、全国、世界からの企業の集積をさらに進め、愛知を支える中小企業の振興、また商店街の活性化、にぎわいづくり、そうしたものにも意を用いていきたいと思っております。また、中部地方最大の農業県愛知の力をさらにパワーアップしていきたいと思います。食・グルメも大いに発信をしていきたいと思います。
 そして、こうした取組を進めていくためには、愛知の礎となる「人づくり」が何よりも重要でございます。愛知の人材力を磨き上げ、人が輝き誰もが活躍する、そして全ての人が活躍する愛知をつくっていきたいと思います。次代を担う子どもの教育、女性の活躍促進、子ども・子育て支援に積極的に取り組むことはもちろん、高齢者福祉、医療の充実、日本一健康長寿で生きられる愛知を目指していきたいと思います。そして、障害者福祉にも力を入れ、ノーマライゼーションをより一層推進していきたいと考えます。愛知の産業を支える産業人材の育成、そして若者・女性・高齢者の雇用拡大にもしっかりと取り組みながら、産業人材育成の大きな目標、夢のあるプロジェクトとして、「技能五輪国際大会」の誘致に向けた研究も進めてまいりたいと考えております。
 先ほど仕事始め式でも申し上げましたが、私、年末年始に様々な商業施設にも顔を出させていただきましたが、本当に子どもさんと子ども連れのご家族が多くて、その皆さんと触れ合うことができまして、本当にうれしく思っております。そうした商業施設の経営に携わっておられる方からも、全国的には商品構成を、いわゆる高齢者対応、シルバー対応に首都圏も関西圏もどんどんどんどんシフトしていると。そうしないと、要は売れ筋ということでありますから、そういったところへシフトしているということでありますが、この愛知だけが唯一例外で、子育て世代の家族向けの子ども用品、そういう商品構成をもっと充実する、そこにニーズがある。現にそういったのを充実していかないと売れないというか、それを充実させれば売れていくということなので、愛知だけが真逆の商品戦略をやらなきゃいけないんですということを言っていただいて、本当に意を強くしたというか、本当にうれしく思いました。
 同時に、やはりそうした子ども・子育て世帯をしっかり応援しながら、子どもがすくすくと育っていける、そして子どもを安心して産み育てることができる、そういう愛知をつくっていかなければいけないという使命、ミッションを改めて感じさせていただきました。しっかり取り組んでいきたいと思います。
 そして、文化・スポーツ・魅力発信でございます。リニア開業、東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据えて、社会基盤の整備、産業競争力の強化とあわせて文化・スポーツ・魅力発信に全力で取り組み、世界から人を惹きつけられる地域を目指していきたいと考えております。
 文化面では、今年20周年を迎える「あいち国際女性映画祭」や来年2016年に開催する「あいちトリエンナーレ」に向けまして、しっかりと準備を進めてまいります。また、「ラグビーワールドカップ2019」、「FIFAフットサルワールドカップ2020」といった国際的なスポーツ大会の招致、そして「マラソンフェスティバルナゴヤ・愛知」や「新城ラリー」など、日本を代表するスポーツ大会の育成に力を入れ、スポーツを通じて愛知を元気にしていきたいと考えております。もちろん、東京オリンピック・パラリンピックの選手育成、こうしたことについても意を用いていきたいと思います。
 また、三英傑などの武将観光、山車・からくり、なごやめし、ポップカルチャーなど、愛知には素晴らしい観光資源がたくさんあります。こうしたポテンシャルを生かしまして、多くの人が訪れる仕掛け、仕組みをつくっていきたいと考えております。
 また、愛知県では、観光集客をモノづくり、製造業に続く戦略産業と位置付け、今年2015年を「あいち観光元年」としたいと宣言いたしました。今年は「観光の戦略づくり」を行い、2016年−2020年を計画期間といたしますアクション・プログラムを策定していきたいと思います。さらにスピード感を持って、愛知の魅力を観光プロジェクトとして取り組んでいきたいと思っております。
 そして、あいちのグローバル展開でございます。急速に進展するグローバル化に対応していく必要があります。そのため、戦略的に国際交流事業を展開し、成長著しいアジアの国・地域とのパートナーシップの形成を行い、その活力を取り込んでいきたいと考えております。「愛知のものづくりを支える留学生」の受入、アジア諸国からの優秀な人材を愛知に引き寄せるとともに、子どもたちの英語教育にも力を入れ、世界を舞台に活躍するグローバル人材を育成・獲得してまいります。
 また、県民の安心・安全を確保することは県政発展の基本でございます。昨年12月には「第3次あいち地震対策アクションプラン」を策定いたしました。そのプランに基づいて、基幹的広域防災拠点の整備促進、住宅、学校、大規模建築物等の耐震化、ゼロメートル地帯を守るための河川・海岸堤防の整備など、防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいります。
 交通安全対策につきましては、大変残念ではありますが、愛知県の交通事故死者数は昨年204人ということで、12年連続で全国ワースト1位となってしまいました。昨年、「愛知県交通安全条例」を制定いたしました。その趣旨を踏まえ、ワースト1位返上に向けて、関係機関一丸となって今年も努力していきたい、全力で取り組んでいきたいと考えております。
 また、日本一の産業県あいちは、持続可能な社会の実現に向け、環境面のトップランナーも目指していきたいと考えております。これまでの「愛知万博」、「COP10」、そして昨年の「ESDユネスコ世界会議」の開催によりまして、県民の皆様の環境への意識は大変高まっております。これらの成果を生かしながら、引き続き、再生可能エネルギーの活用、生態系ネットワークの形成など環境施策に力を入れ、「環境首都あいち」を目指していきたいと考えております。
 また、厳しい財政状況の中、こうした取組を進めていくためには、より一層効果的・効率的な行政運営を行っていくことが必要でございます。国からの権限・財源の移譲など地方分権を推進していくとともに、昨年12月に策定した「しなやか県庁創造プラン」(第6次行革大綱)に基づいた行財政改革を引き続き進めてまいります。
 そして、愛知が元気であるためには、県内の各地域が元気でなければなりません。東三河県庁を軸とした地域振興、三河山間地域や離島の振興などにも力を注ぎ、愛知の総合力をなお一段と高めてまいります。
 さて、今年は、2005年の愛知万博から10周年ということでございます。会場となりました愛・地球博記念公園をメイン会場といたしまして、今年の9月12日から11月8日まで、「全国都市緑化あいちフェア」を開催いたします。万博の成果を継承・発信するとともに、52年連続花き産出額日本一という「花の王国あいち」の特色を生かしながら、魅力あふれる内容にしていきたいと考えております。多くの方にお越しいただいて、花と緑にあふれた愛知の魅力を感じていただきたいと思います。
 そして、こうした取組を、スピード感を持って戦略的に推進していくため、今年4月には、政策企画局の設置、観光局の新設、振興部の設置、そして産業労働部の体制強化など、県庁の組織を改革いたします。新しい体制で、県庁を挙げて「日本一元気な愛知」と豊かさを実感できる県民生活の実現を目指していきたいと考えておりますので、ご理解とご支援をお願い申し上げます。
 今年1年が、県民の皆様にとりまして、素晴らしい幸せな1年となりますように、そして笑顔で送れる1年となりますように心からご祈念を申し上げまして、平成27年(2015年)の年頭のご挨拶とさせていただきます。今年1年も何とぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
     
(2)

平成27年度税制改正大綱について

【知事】  12月30日に税制改正大綱が策定されました。もう既に私のコメントはお配りをしておりますので、またそれをご覧いただければと思いますが、若干、私からも何点か付言をいたしたいと思います。
 まずは法人税改革についてでございますが、税制を通じて企業活動を促進する事業環境を整備することは、私がリーダーを務めております全国知事会の円高是正・デフレ対策プロジェクトチームにおきまして、3年半前、平成23年8月に提言をいたしたところでありまして、実現に向けて一歩を踏み出したということは評価をしたいと思います。
 ただ、法人関係税収は、地方交付税原資を含めますと約6割強が地方公共団体の重要な財源でありますので、これは代替財源というものをしっかりと確保していただかないと。我々は意見を申し上げる機会がないので、自分たちで決めておいて、あとは地方財政に穴が開くというのではね。それだったらこんな決め方やめろという話にしかならないので、そういう意味では、その代替財源はしっかり確保していただかなきゃいけないと思います。
 また、外形標準課税の拡大につきましては、中小企業の皆さんに配慮ということでありましたが、これは今後の実際に制度が進んでからのことでありますけれども、愛知県の財政にとっては、所得課税のウエイトが非常に高いので、基本的には減収の影響が非常に懸念されるということでもありますので、そうした面については注視していきたいと思っておりまして、具体的な財政への影響は、今後制度の詳細が明らかにならなければ見えてきませんが、全ての地方公共団体の財政運営に支障が生じることのないよう、適切な財政措置を国に強く要望したいと思っております。
 先ほど申し上げましたが、税制は課税自主権で我々に全部決めさせてくれればいいですよ。そうじゃなくて、国が決めて、さあこれでやれということでありますとね、決める過程で我々の意見をちゃんと聞く場が、聞くというか、意見、議論、討論する機会があるならばいざ知らずですが、そうではありませんので、そこはやはり、しっかりとそういうことはやっていただきたいと思います。そんなことは、当たり前のことだと思います。
 そしてもう1つ、受益と負担の原則に反して、地方分権改革の流れに逆行する地方法人二税の一部国税化については、今回、何の方向性も示されなかったということは大変残念でございます。極めて遺憾でありまして、引き続き、地方分権に逆行する地方法人二税の国税化については断固反対し、撤回を求めていきたいと思っております。
 そしてもう1つ、自動車諸税の抜本的な見直しにつきましても、もう既にコメントを30日に出させていただきました。そのまま、いわゆるエコカー減税が2015年基準から2020年基準に5年動くということで、1,400億円近い増税となるプランというか想定でありましたが、これを、刻みをつけながら、取得税、重量税、そして軽自動車税の経過措置も含めて、エコカー減税の拡充、そして延長を行っていただきまして、全部で710億円の減税ということでございまして、それでもプラスマイナスで700億円弱の増税となりますが、関係の皆様にはご努力をいただいたということで、これは感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、昨年の消費増税の影響を受けまして、国内の自動車販売は今もって大変厳しい状況にあるのはご案内のとおりでございます。したがって、4月以降こうした形でエコカー減税を継続、延長していただいたわけでありますが、実質的には700億円近い増税になるということが、どう影響するのかということは、これは注視をしていかなければいけないと思っております。
 いずれにいたしましても、自動車税の問題につきましては、自動車産業は東京の産業ではなくて、地方の産業でありまして、圧倒的に、ほとんど地方で部品から何からつくっている、そして地方の雇用を守っているということでありますから、これについては引き続き、地方創生と言うのであれば、言わなきゃいいですけど、言うのであれば、それはしっかりとやっていただきたいということを強く申し上げていきたいと思っております。
 それから最後にもう1点、有料道路コンセッションにつきましては、運営権を民間開放したときに、道路は固定資産税がかかるんじゃないかという話がふわふわと。そんなことあるわけないだろうということでありましたが、一応、今回の与党の税制調査会の中で、それは非課税だということで正式に確認をしていただきました。このことで有料道路コンセッションの民間開放についてはまた一段と進んでいるということではないかと思っておりまして、喜んでいるところでございます。
 税につきまして、以上3点申し上げさせていただきました。
  
2.

質疑応答

(1)

知事個人の今年の目標及び今年1年の景気について

【記者】  今年1年の知事個人としての目標等がありましたらお教えいただけますでしょうか。また、今年1年の景気についてどのようにお考えかお聞かせください。
【知事】  今日1月5日は熱田神宮の初えびすでございまして、私は、朝7時過ぎに行ってまいりましたが、初えびすというのは商売繁盛と家内安全ということでございまして、家内安全というのは県民の皆さんの暮らしの安心・安全。先ほど申し上げたように、交通事故を何としても今年はワースト1を返上するように全力で頑張りたいと思いますし、防災のことについても前進させて、安心・安全な愛知をつくっていきたいと思います。そして、商売繁盛というのは、やはり日本一の産業県あいちがさらに活力を出して日本経済を引っ張る。そして県民の生活の豊かさにつながっていく。そういう1年にしていければと思っております。
 そして、景気は、今年は、もちろんこの先々ということでありますが、東日本大震災以降、私ども愛知県で取り組んできた産業空洞化対策減税基金を始め、企業立地、産業振興の色々な仕掛け、仕組み。民間が設備投資をするということは、それを回して、雇用を増やして拡大していくということですから、私は設備投資がどんどん増えて、そして先ほど申し上げたリニア、ジェット、それから燃料電池自動車(FCV)といった、日本の今後、未来が懸かるプロジェクトが本格化いたしますから、そういう意味で私は、愛知の経済、活力はさらにアップしていくのではないかと思っております。
 この数年で愛知県だけで雇用が20万人ぐらい増えまして、400万人近い雇用者ということになりました。これは、昨年の選挙で与党の皆さん、安倍政権が100万人雇用を増やしたと言っておられましたが、そのうち実に20万人が愛知だということでありますから、今年もさらにその勢いは加速していくということを、私は大いに期待したいというふうに思っております。
 なお、まだ途中段階なのであれですけど、来年度の様々な税収の見積もりなどなどを、大体この時期12月、1月に粗粗やるんです。その前に今年度の税収がどんな感じかというのをやるんですけれども、確定的な数字はあれですが、今年は、トピック的なのは、もちろん地方法人二税が若干上振れをしていくということがあるのかなということがありますが、一方で消費税収が予定より非常に落ち込むというか低いので、これは一体何なんだということを県の税務当局にちょっとあれしましたら、消費増税があってというのは、これは全国的に同じですからあれですけれども、愛知だけがぐっと落ち込むのは、還付なんですよ。
 1つは輸出の還付。車を始め輸出が多いから、予定よりも輸出台数が伸びて、還付で返さないかんでしょ。もう1つは設備投資の還付。設備投資をやると企業は仕入れ控除ができるでしょ。これが想定よりも輸出と設備投資数がグッと伸びて、消費税収はぐんと落ち込むという。これはちょっと、そこそこの数字で落ち込みますので、こんな県が他にあるのかと聞いたら、他にそんな傾向はないと。全国で愛知だけだというわけですよ。
 今年度の消費税収は想定よりは減りますが、輸出の分だけやはり県内の生産は拡大していますし、特に設備投資が増えて、その分還付が増えるというのは、設備投資は、民間企業が投資した以上は回しますから、そこで雇用が起き、そして付加価値を生み、必ず世の中に回っていきますのでね、投資額の何倍かの経済効果はありますから。
 そういう意味では、私は、今年1年、はっきり言ってアベノミクス効果ということではなくて、我々が着実にやっている政策の成果がこういう形であらわれてきているのではないかと思っております。
 引き続き、我々がこうしてやってきた施策を、着実に足元をやりながら、そしてさらに今後10年、15年、20年、日本の未来をかけるプロジェクト、リニア、ジェット旅客機、そして燃料電池自動車(FCV)。FCVについては、水素ステーションをグッと広げて、そしてこの愛知から世界中に発信できる、普及できる、そうしたものをつくっていくということだと思っておりますが、そういった1年にしていきたい。
 今年は、そういう意味では総じて景気は拡大をしていく。それは日本全体はわかりませんよ。たとえ為替があれしても、鉱工業生産が全体伸びていかないというわけですから、どうなるかわかりませんが、愛知は伸びていくと、確実に伸びていくと。今年度に設備投資したものは直ちに動きますからね。投資しておいて1年後、2年後に機械を回すなんて、そんな会社ありませんからね。直ちに動かしますから。私は、今年度、景気は拡大していっていただけるのではないか。そしてさらにそれを伸ばしていけるような施策、方策に取り組んでいきたい。そういう1年にしていきたいと思います。