知事の記者会見
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平成27年5月26日(火) 午前10時00分
1.

知事発言

(1)

「産業空洞化対策減税基金」に基づく「新あいち創造研究開発補助金」について

【知事】  おはようございます。5月26日火曜日でございますが、昨日は臨時県議会がありましたので、1日ずれての定例記者会見を始めさせていただきます。
 「産業空洞化対策減税基金」に基づきます「新あいち創造研究開発補助金」の採択案件の決定についてでございます。(https://www.pref.aichi.jp/0000083121.html
 この「新あいち創造研究開発補助金」は、次世代自動車や航空宇宙など将来の成長が見込まれる分野におきまして、企業等が行う研究開発・実証実験を支援する補助ということでございます。平成24年度の産業空洞化対策減税基金スタートと同時にスタートいたしておりまして、24年度、25年度、26年度、27年度、今回4回目ということでございます。1年に1回、年度当初に決定させていただいております。
 今回は、3月23日から4月17日まで公募を行いました。130件の応募案件に対しまして、外部有識者を中心とする審査委員会において、様々な観点から厳正な審査を行い、78件の採択を決定し、交付額合計は約7億6,000万円ということでございます。
 そして、何件か具体的な採択案件の概要をご紹介いたします。お手元の資料をご覧いただきながらお聞きいただきたいと思います。
 まず、お手元の資料の整理番号20番、サーテックカリヤの取組は、燃料電池自動車の部品製造コスト低減に関する研究開発でございます。同社が長年培ってきためっき技術と名古屋大学の研究シーズである表面処理技術を融合させまして、燃料電池の主力構成部品でありますセパレーターの製造コストを画期的に低減させようというものでございます。セパレーターというのはここに書いてあるとおりでございます。愛知県は、我が国随一の自動車産業の集積地でありまして、次世代自動車の普及・拡大に資する先端技術を実用化につなげていくよう期待したいと思っております。
 次に、69番の三菱重工航空エンジン株式会社の取組でございますが、航空エンジン用軽量タービンブレード、これは航空エンジンの主要部品で、羽根車(タービン)を構成する羽根状の部品ということでございますが、その生産技術に関する研究開発でありまして、軽量合金製タービンブレードの安価で量産可能な加工方法を確立し、航空エンジンの燃費を向上させようとするものでございます。この取組は、愛知県が取り組みます「アジア1航空宇宙産業クラスター形成特区」構想の実現に資するものと期待いたします。
 続いて、37番の東郷製作所の取組は、筋電義手に関する実証実験であります。筋肉が収縮する時に発生する電気信号を利用した義手を試作し、手首離断者による評価試験や耐久試験、強度試験等を行い、効果を検証するものでございます。安価な国産筋電義手の量産化を目指すものであり、医療・福祉分野での取組として普及・拡大を期待いたします。
 さらに、60番の本多電子株式会社の取組は、超音波技術を利用して養液を霧状にする栽培装置に関する実証実験でございます。魚群探知機や超音波洗浄機を製造する企業が、得意技術を応用して異分野での事業展開を図るものでございます。
 また、23番の株式会社四季の取組は、県内植物由来の花酵母と県産米粉を使用したオール愛知産の米粉パンの研究開発であります。あいち産業科学技術総合センターの技術シーズを応用いたしまして、中小企業が付加価値の高い独自の地域ブランド製品としての展開を目指すものであります。地域産業の活性化、競争力強化に資する成果等期待をいたします。
 以上5件をご紹介いたしましたが、県としては、今後とも、企業が行う研究開発・実証実験への支援を通しまして、当地における高付加価値のモノづくりの維持・拡大を図り、「日本の成長をリードする産業の革新・創造拠点」の実現を目指して、新しい愛知づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 ちなみに、参考として採択案件の内訳がございます。企業区分別では、大企業・中小企業別では中小企業が78%、対象分野別は次世代自動車が18件(23%)、航空宇宙が9件(12%)、情報通信・ロボットが15件(19%)、健康長寿が14件(18%)ということで、分野的にも満遍なくという感じではないかと思います。
 それから、地域別もね、ここにありますように、名古屋が25件(32%)、尾張が27件(35%)、西三河が15件(19%)、東三河が11件(14%)ということで、これも大体満遍なくかなという感じがいたします。その時々で、三河の方が多かったり名古屋の方が多かったりと、こういうことはありますけど、大体満遍なくということではないかと思います。
 そして、今年度の採択案件の内訳の中で情報通信・ロボット分野が15件でありますけれども、この15件のうち8件がロボット分野の案件ということでございます。
 例えば、筋電義手の実証実験の東郷製作所、これも一つのロボット分野でありまして、先ほどご紹介いたしました。これはこれまでいやし型赤ちゃんロボットの開発・販売をしておりまして、今回の筋電義手に関する実証実験の成果というのは、将来的に医療・福祉分野のロボットへの応用が期待されるというもので、こちらの方に分類をいたしております。この会社は自動車部品のばねの専門会社でありますけれども、こういったものにも取り組んでいるということであります。
 それから、19番のケイアンドエス、これはドローンでありまして、名古屋市中区の会社ですが、ドローンをずっとつくって、これを主要製品とする会社でございます。今回は全天候型及び潜航型ドローンに関する研究開発でありまして、全天候型のドローンの実現によりまして雨天でも業務が行えるほか、潜航型ドローン、これは海に潜るんだね。港湾施設や船舶の外観検査など、海や川に関連したビジネスの展開が期待されるというものでございます。そういったものを開発する実証実験ということでございますので、またご覧いただければと思っております。
 個別のご質問があれば、産業労働部にお問い合わせをいただければと思っております。
        
2.

質疑応答

(1)

国会の情勢について

【記者】  国会の情勢についてですが、安保法制が審議入りする一方で、愛知県に深く関わる特区法改正案などの審議状況がまだ見えない状態です。知事としては、この現状をどのように見ていらっしゃいますか。
【知事】  国会の状況は、また各社さん、東京の政治部の皆さんに聞いていただければと思います。順調に進んでいると聞いておりますけどね。大変順調だということで、予定どおりというか、予定よりも順調だということで聞いています。特に与野党で大きな争点がある案件ではないと聞いておりますので、順調に成立をすると聞いております。
 3月に諮問会議で了承されましたので、あれは政令で指定しなければいけませんから、それに向けて法律の国会審議とあわせて準備というか作業は進めていると聞いております。
 我々も打ち合わせをしておりますから、あそこにある色々なメニューを着実にやっていくように、できるだけたくさん使ってやれるように準備を進めているということでございまして、そういう意味では順調だということでご認識をいただければと思います。
(2)

2020年東京オリンピックの競技招致等について

【記者】  東京五輪に関して、愛知県はセーリング、野球・ソフトボール、サッカーの開催候補地にあがっていると思いますが、それ以外に、知事として招致を検討されている競技はあるのでしょうか。
【知事】  いや、今のところは特にないですね。今言われた野球、ソフトは開催国枠だから、決まるのは来年ですからね。9月ぐらいに開催国としての提案を決めるということだそうですので、それは見守りながら。もちろん我々は応援団ですから、しっかり応援していきたいと思っております。
 ヨット、セーリングにつきましては、我々の方から、我々の事業計画といったものもプレゼンテーションさせていただいておりますので、それを受けて、今、色々競技面を中心に検討していただいているのではないかと思っております。
【記者】  愛知県は1988年のソウル五輪のときの招致に失敗されていますが、知事として、当時の思い出や記憶があればお聞かせください。また、それを踏まえて、県内でオリンピック競技が開催される意義とかメリットがあれば教えてください。
【知事】  名古屋五輪の誘致活動につきましては、大分昔のことでもありますし、私も学生でしたからね。テレビ見てて、ああそうか負けたんだというふうに見てたということぐらいですね。
 色々なことを言われる方がおられると思いますが、後で検証すれば、とても誘致活動、招致活動の体をなしていなかったんではないかということを、皆さん書いておられますでしょう。まさにそれに尽きるのではないでしょうか。
 それをあまり引っ張っても、もうはるか昔の、何かかすみがかかったような昔の話じゃないかなと。私なんかの世代の人は、みんなそう思っているのではないでしょうか。
 当時のことを検証すれば、韓国は、ソウルオリンピックの誘致に国を挙げて、国家戦略として頑張っていた。こちらは、とにかく日本が手を挙げればいけるだろうという感じで、そういった詰めたことをやってなかった。何かフワーッとして、本来やるべき活動をやってなかったと、検証すればそうなってますよね。現にそのとおりだと思いますから。そういったことをあまり引きずっても、引っ張ってもね、というか思い起こしてもしようがないのかなと。私の世代は学生ですから、ああそうですかという感じでテレビを見てたぐらいのことなので。あまり大した感慨もありませんね。
 そういう意味では、一つずつ、目の前にある課題にしっかりトライをしていくということだと思っております。東京オリンピック・パラリンピックは、やはり、日本全体、オールジャパンで応援していくことだと思ってますから、我々としては、この夢のプロジェクトをしっかり応援する、支援するということ、そのお手伝いをさせていただくということに尽きると思っております。
 競技が一部でもこちらの方に来ていただければ、わざわざ東京に見に行かなくても、こちらで一部でも実際に目の当たりにできるということは、計り知れない広がりを持つのではないでしょうか。そういう意味では、我々としては真摯な気持ちでお手伝いしたいという気持ちで対応していきたいと思っています。